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『カポネ』

『カポネ』(原題:Capone)
監督:ジョシュ・トランク
出演:トム・ハーディ,リンダ・カーデリーニ,ジャック・ロウデン,
   カイル・マクラクラン,マット・ディロン他
 
午後休を取った日、無謀かと思われるハシゴにチャレンジ。
正午のチャイムとともに職場を出て、イオンシネマ茨木へ。
本作の上映は12:10開始。絶対に間に合わない時間です。
12:20までに劇場入りできたら本編に間に合うと考えましたが、
職場で同僚たちにその目論見を話したら「無理でしょう」と笑われる。
はい、私も無理だとは思ったのですが、チャレンジする価値はある。
 
で、結果、間に合ったのですよねぇ。
イオンの駐車場に入庫したのが12:13。
劇場のあるフロアまで怒濤の勢いで上り、駐車。
12:15には劇場入りして、本編開始に余裕のよっちゃん。(^O^)
 
“スカーフェイス”の通り名を持つアル・カポネ。
1899年、ブルックリンに暮らすイタリア系アメリカ人の息子として生まれました。
マフィアの一家ではない、ごく普通の家庭に生まれたのに、
裏社会で頭角を現し、いつしか世界で最も有名なギャングに。
1931年に所得税の脱税の罪で捕らえられ、刑務所生活が始まります。
 
出所後はフロリダの豪邸で家族と暮らしますが、
40代後半ですでに認知症の兆候が見えていました。
本作は1947年に亡くなった彼の晩年を描いた物語。
フィクションではありますが、一応実話に基づいています。
 
家族はみんな彼のことをフォンスと呼ぶのですね。
アルじゃなくて、アルフォンスのフォンス。
認知症を患ったのが10代の頃にかかった梅毒の影響だというのも驚き。
 
彼がどこかに1千万ドルを隠しているらしいと知った周囲は、
それを見つけようと躍起になります。
FBI捜査官は彼の認知症を仮病だと考えていて、
なんとか隠し場所を吐かせようとする。でも上手く行きません。
 
親戚一同も必死。
金が潤沢にあるわけではないから、屋敷のものをとりあえず売り払い、
1千万ドルの在処をアルから早く聞いて手に入れたい。
でも、誰一人として信用できないとアルは思っているのか、絶対に言いません。
というのか、本当に隠し場所を覚えていないのかもしれない。
 
アルを演じるのはトム・ハーディ
まったく、このトムと言ったら、『ヴェノム』(2018)のときの特殊メイクのほうがまだ良いぐらい(笑)。
スカーフェイスと呼ばれる由来となった顔の傷や、荒れた皮膚、
血走った目が狂気そのもので怖いのなんのって。
血まみれは当たり前、小便まみれ、ヨダレまみれ、糞まみれで、
見ていて気分の良いシーンはひとつもありません。
 
マフィアのボスとしての姿は“ゴッドファーザー”のドン・コルレオーネとかぶりますが、
アルはイタリア系でありながらシチリア出身でないせいで
マフィアの本流には加われなかったというのはなんだか悲しいかも。
マフィアの世界もどこの世界も、出身地が関係あるなんて。
 
気分の良い作品ではないけれど、駆けつけた甲斐はありました。

—–

『心の傷を癒すということ 劇場版』

『心の傷を癒すということ 劇場版』
監督:安達もじり
出演:柄本佑,尾野真千子,濱田岳,キムラ緑子,石橋凌,近藤正臣他
 
109シネマズ箕面にて、前述の『リーサル・ストーム』とハシゴ。
 
2000(平成12)年に39歳の若さで亡くなった精神科医・安克昌の実体験が基。
NHKで放映されたTVドラマを劇場版として再編集した作品。
 
安田家は実業家の父親(石橋凌)と母親(キムラ緑子)、息子3人の5人家族。
子どもたちは、小学生の頃に自分たちが在日韓国人であることを知らされる。
 
以来ずっと、嘘の姓を名乗っている気持ちになっていた次男・和隆(柄本佑)は、
高校生のとき、同じく医学部を目指す同級生・湯浅(濱田岳)に
自分が在日韓国人であり、本当の姓は「安」であることを打ち明ける。
 
共に医学部に進学し、湯浅は父親の病院を継ぎ、
和隆は神戸大学医学部附属病院の精神科へ。
学生時代に運命的な出会いをした終子(尾野真千子)と結婚し、子どもにも恵まれる。
 
ところが1995(平成7)年に阪神・淡路大震災が起きて……。
 
冒頭、夫の帰宅前に口紅を塗る妻の姿、
そして息子3人も揃って玄関で父親を出迎える姿に『はちどり』(2018)を思い出します。
日本で差別を受け、たとえ韓国に渡ったとしても差別を受ける在日の人たち。
だけど、父親が絶対的存在だというのは変わらないのですね。
在日だからとあれこれ言われないように、良い大学へ行って良い仕事に就く。
背負っているものが違うとしみじみ思う。
 
父親が和隆に望んだ専攻は精神科ではありませんでした。
しかし和隆は人の心が知りたいのだと、おそらく生まれて初めて父親に反抗する。
そうして彼が選んだ道は、被災者の心にも寄り添い続けるものでした。
 
「理由がたくさんあるのは、ないのと一緒」という言葉がよかった。
あきらめる理由、やりたくない理由をああだこうだと挙げるのは、
理由がないのと同じ。ならばやれよ。この先も思い出すであろう言葉になりました。
 
本筋とは離れた話ですけれど、濱田岳ってなんでこんなに完璧な関西弁!?
おみそれしました。

—–

『リーサル・ストーム』

『リーサル・ストーム』(原題:Force of Nature)
監督:マイケル・ポーリッシュ
出演:エミール・ハーシュ,ケイト・ボスワース,メル・ギブソン,デヴィッド・ザヤス,
   ステファニー・カヨ,ウィル・キャトレット,ホルヘ・ルイス・ラモス他
 
109シネマズ箕面にて。
 
原題が“Force of Nature”なのに邦題が『リーサル・ストーム』って、これどうよ。
しかもご丁寧に本編開始前の邦題と字幕担当者表示時に“Lethal Storm”との英字表記まで。
脇役でメル・ギブソンが出ているから『リーサル・ウェポン』に倣ってみましたというだけ。
ちなみにご存じない方のために書いておくと、“lethal”とは「致命的な」という意味です。
つまり“Lethal Storm”は「死にそうなほど凄い嵐」ということになるのですけれど、
過去の大嵐の映画と比べて全然死にそうじゃありません(笑)。
 
批評家からは酷評されています。
だけど私、悪天候の中で何かが起きるという作品が大好きなんです。
駄作だとしてもその設定だけでウキウキするから観ずにはいられない。
そして結構楽しかった。(^O^)
 
ニューヨーク市警察の警官コルディーロは、銃声ありとの通報で現場に駆けつける。
薄く開いた扉から銃身が見えたために発砲したところ、
それは援護に訪れた婦警ジャスミン、しかもコルディーロの恋人だった。
自らの手で恋人を殺してしまったコルディーロ。
 
1年後、まだ立ち直れないコルディーロは、プエルトリコの警察に勤務。
超巨大ハリケーンが近づくなか、避難命令に応じない住民を説得するよう上司から言われる。
致し方なく、プエルトリコ人の婦警ジェスを連れて、あるマンションへ。
 
避難を拒否してそこに残っていたのは、元警察署長のレイとその娘トロイ。
トロイはなんとか父親を連れ出そうとしていたが、レイは頑として動かない。
もうひとりは、訳ありらしい老人ベルカンプで……。
 
ばりばりネタバレになりますが、誰でも読めそうな展開なんです(笑)。
 
ベルカンプはドイツ人で、ナチスだった父親から名画を譲り受けています。
これを知った世界的強盗団のボスが、部下を引き連れてマンションに乗り込む。
嵐の合間にお宝を頂いちゃおうという魂胆で、人もバンバン殺す酷い奴。
 
ここに重要人物があとひとり。
同じマンションに住む青年グリフィンで、黒人というだけでこれまでいろんな差別を受けている。
彼は何やら獰猛なペットを飼っているのですが、その餌の量と言ったら、肉50kg。
ペットのために肉を買い占めていたら、それを咎められて警察沙汰に。
そのグリフィンがどうしてもペットに餌をやらねばならぬというので
コルディーロとジェスがマンションまで送り、餌やりを終えたら直ちに避難、
ついでにレイとトロイとベルカンプも避難させるはずだったのですが、そうは問屋が卸さない。
 
って、延々と書いても仕方ないので、この辺でやめておきましょう。
結局、獰猛なペットの正体は見せてもらえませんでしたが、虎かなぁ。
犯人はペットに襲いかかられてお陀仏というところまで展開読め読めです(笑)。
レイが頑固にマンションに残ろうとした理由も言わないままだし、
ま~、ほんとにツッコミどころ満載でワラける。
 
デビューしたての頃はもっと人気が出ると思ったエミール・ハーシュがコルディーロ役。
かつてモテモテだったケイト・ボスワースがトロイ役。そしてレイ役がメル・ギブソン。
こんな面子で何やってんだという気がしなくもないけれど、
私はこの映画がなんだか憎めません。

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『ステージ・マザー』

『ステージ・マザー』(原題:Stage Mother)
監督:トム・フィッツジェラルド
出演:ジャッキー・ウィーヴァー,ルーシー・リュー,エイドリアン・グレニアー,
   マイア・テイラー,アリスター・マクドナルド,オスカル・モレノ他
 
予告編を観て絶対に良さそうだと思った作品。
同じくTOHOシネマズ西宮にて。
 
テキサス州に暮らすジェブ・メトカフとその妻メイベリンは、
息子リッキーがゲイであることを受け入れられず、
家を飛び出してサンフランシスコへと向かったリッキーと疎遠に。
 
ある日、リッキーの恋人ネイサンからメイベリンに連絡が。
リッキーは薬物を摂取してショー出演中に倒れ、そのまま息を引き取ったという。
 
ジェブはリッキーのことを決して認めようとしないが、
メイベリンは葬儀に参列せずにはいられない。
ひとりでサンフランシスコへやってくるが、
そこでリッキーがネイサンと共にゲイバーを経営していたことを知る。
 
リッキーの財産はすべて親族でなければ相続できない。
すべてを手放さなければならなくなったとやけっぱちのネイサンを見て、
メイベリンはしばらくサンフランシスコにとどまることに。
 
もっとゲイバーを繁盛させようとメイベリンが考えついたのは、
今まで口パクだったドラァグクイーンたちにナマ歌を歌わせることで……。
 
凡庸な物語といえなくもありません。
でも、経営の知識などゼロだったメイベリンがなんとかゲイバーを盛り上げようと考え、
徐々にドラァグクイーンたちすべての母親的存在となってゆく過程はやっぱり良い。
ネイサンやバーテンダーなどのスタッフがイケメンで目の保養にもなります(笑)。
 
父親と母親の違いは本作にも表れています。
わが子がどうであろうと受け入れる母親。
世間体を気にして息子がゲイであることを絶対に認めない父親。
逆の場合を映画では観たことがないんですけど。
実際はどうなんでしょうか。やっぱりこの通り?
 
私はこの映画が好きです。

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『半径1メートルの君 上を向いて歩こう』

『半径1メートルの君 上を向いて歩こう』
監督:山内大典,紙谷楓,品川ヒロシ,粗品
出演:小池徹平,じろう,白石聖,後藤淳平,般若,秋山竜次,倉科カナ,徳井義実,
   海宝直人,亜生,水川あさみ,近藤春菜,松井玲奈,山崎静代,岡村隆史,豆原一成他
 
梅田と西宮、たぶんわが家からの直線距離はさして変わらないと思うのですけれど、
西宮までは信号が多くて、新御でシュッと行ける梅田のほうが所要時間は短い。
梅田で映画を観るほうが楽やけどなぁ、でも駐車場代要るしなぁ、
先週いつも駐める有人駐車場のおっちゃんに「おっ、久しぶりやね」と言われたしなぁ、
今週も梅田へ行っとく!?などと思いながら、結局西宮へ行きました。
貯まったポイントを使って無料鑑賞、TOHOシネマズ西宮にて。
 
コロナ禍、エンタメの火を消したくないと企画されたオムニバス作品。
斉藤和義が歌うエンディング曲“上を向いて歩こう”がとても良い。
 
1つめ『真夜中』。脚本は又吉直樹
2012年に売れたものの、近頃は落ち目の芸人(じろう)と、
退社を決めたマネージャー(小池徹平)の真夜中のバーでの会話。
 
2つめ『まわりくどい二人のまわりくどい気持ちの伝え方は大胆でむしろまわりくどい』。
ミルクレープが看板商品のカフェを経営する女性(白石聖)と、
近所のアパレルショップの経営者である男性(後藤淳平)のまわりくどい恋。
脚本を担当するのは後藤の相方、福徳秀介。
 
3つめ『戦湯〜SENTO〜』。脚本と監督は品川ヒロシ
ある銭湯に初めて来た客(般若)と常連客(秋山竜次)のバトル。
 
4つめ『やさしい人』。脚本は放送作家の高須光聖。
事故に遭ってもう何年にも及んで植物人間状態の女性(倉科カナ)。
彼女が好きだった花を持って毎週見舞う男性(徳井義実)にどうしても言いたいことがあり、
それを言うまではどうしても死ねない。
 
5つめ『同度のカノン』。監督と脚本は粗品。
精神病棟に入院中の青年(海宝直人)と彼を見舞う有人(亜生)。
ちょっとした細工があり、この中では異色。
 
6つめ『バックヤードにて』。脚本は劇団ヨーロッパ企画主宰の上田誠。
『前田建設ファンタジー営業部』(2020)の脚本もこの人でした。
万引きした女(近藤春菜)とそれを見つけてバックヤードに連れてきた店員(水川あさみ)。
 
7つめ『とある家のこと』。脚本は3時のヒロインの福田麻貴。
母親を亡くした姉妹。姉(山崎静代)と妹(松井玲奈)の間で始まる喧嘩。
 
8つめ『本日は、お日柄もよく』。
脚本は『七つの会議』(2018)の脚本家、丑尾健太郎。
ある記念日、娘の父親(岡村隆史)と娘につきまとう青年(豆原一成)。
 
実はこうして8つ並べてみましたけれど、順番に自信がないんです。
1つめから4つめと8つめは確かなのですが、
5つめから7つめは順序が合っていないかもしれません。
私の記憶力ってこの程度のものなんですね。(^^;
 
断トツによかったのが8つめ。
ナイナイ岡村の演技の上手さが光っていました。
彼演じる父親と、単なる娘のストーカーと思われた青年。
その関係がわかるとき、泣いてしまいました。
 
岡村隆史の演技力に対して、静ちゃんはなんとかならんかったものか。
松井玲奈が上手いので、余計に大根ぶりが光ってしまう。
これだからこそ静ちゃんなのかもしれません。
 
倉科カナの話も結構好きだったなぁ。
 
テレビで観てもじゅうぶんと思わないことはないけれど、
いろんなタイプの話をこうして劇場で観るのは楽しいものです。

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