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『バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら』

『バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら』
監督:松居大悟
出演:田口トモロヲ,松重豊,光石研,遠藤憲一,濱田岳,柄本時生,
   菜々緒,高杉真宙,芳根京子,有村架純,天海祐希,役所広司他
109シネマズ大阪エキスポシティにて、前述の『21ブリッジ』の次に。
DVDも買ったのですが、もったいなくて開封すらしていません。
おまけに付いていたトランプも新品のままです。
さて、その劇場版の監督は松居大悟。楽しそうではないですか。
富士山麓に佇む撮影所“バイプレウッド”。
いくつものドラマや映画の撮影が各スタジオでおこなわれるなか、
濱田岳柄本時生を従えて自主映画の撮影を開始していた。
手伝っているのは菜々緒高杉真宙芳根京子の面々で、
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をモチーフに、犬を主人公にした作品。
役所広司が出演を快諾してくれたものの、
予算がなさすぎて現場はトラブル続き。
あまりの段取りの悪さに、菜々緒と高杉真宙と芳根京子から愛想を尽かされ、
濱田岳と柄本時生だけで進めざるを得なくなる。
100人の役者を揃えて壮大なエンディングシーンを撮るつもりが、
到底そんなに集められるとは思えず……。
名脇役たちがぞろぞろ出ているのですからそりゃ楽しい。
一見ふざけているように見える撮影風景も、
放送されているのを観れば、こういうシーンだったのかとわかったり。
特に印象に残ったのは菅田俊渡辺いっけいら、おじさんたち。
木村多江岸井ゆきのの登場シーンも面白かった。
一瞬しか映らないのに私の目に焼き付いて離れなかったのは安藤玉恵。笑った。
寺島進はどうして出演しなくなっちゃったのですか。
やっぱり寂しいなぁと思って調べたら、えっ、もしかして酒癖悪い!?(^o^;
これほどの役者たちが一堂に会しているのを楽しむ以外はない作品。
あの人この人、みつけましょう。
大杉漣を偲ぶ。

—–

『21ブリッジ』

『21ブリッジ』(原題:21 Bridges)
監督:ブライアン・カーク
出演:チャドウィック・ボーズマン,シエナ・ミラー,ステファン・ジェームズ,
   キース・デヴィッド,テイラー・キッチュ,J・K・シモンズ他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて2本ハシゴ。
昨年8月に43歳の若さで亡くなったチャドウィック・ボーズマン主演作。
彼自身がプロデューサーも務めた作品。
ある店の倉庫に保管されているコカイン強奪を図った2人組。
1人は白人のレイ、1人は黒人のマイケル。
盗むはずのコカインは30kgだと聞いていたのに、
押し入ってみるとそこには1桁違う300kgのコカインがあった。
こんな大量のコカインが普通にあるものだろうか。
罠かもしれないから中止しようとマイケルは言うが、レイはやめる気なし。
2人で運べそうな50kgを頂戴して帰ろうとしたとき、
ニューヨーク市警の4人の警官が見回りに来る。
警官に向かってレイが発砲。
通報で駆けつけた警官もレイによって殺される。
その場から逃走するレイとマイケル。
事件を担当することになった殺人課の刑事デイビスは、
犯人を決して取り逃がすまいと、マンハッタン島の封鎖を指示。
21箇所ある橋をすべてを通行止めとし、島外に出る列車もストップ。
地下鉄も島内の折り返し運転に変更し、
朝5時までに犯人を逮捕するとFBIに約束するのだが……。
キース・デヴィッド演じるマイケルとテイラー・キッチュ演じるレイが
罠にはめられている感ありありなので、ちょっと応援してしまいます。
白人と黒人の2人組ということで『ブラインドスポッティング』(2018)を思い出す。
2人がずっと一緒にいるに至った話が少し泣かせるし、
テイラー・キッチュは結構イケメンですしね。(^O^)
ニューヨーク市警の署長役でJ・K・シモンズが出てきたら、そりゃもう怪しい。
これ、こいつら丸ごと汚職警官ちゃうかと思ったらその通り。
たぶん観る人みんな気づくと思うから、ネタバレじゃありません(笑)。
逃走劇はそれなりにスリリング。カーチェイスを含むアクションも派手。
分署ぐるみで汚職して、署員は仲良し家族同然だから、
密に連絡を取り合っていて、「家族」の身に何か起これば直ちに駆けつける。
「家族」以外は片っ端から殺しちゃいます。怖っ。
でも、偽造屋が死に際にマイケルに囁いた台詞で
分署ぐるみであることは誰でも気づくし(気づかない登場人物アホやろ)、
何もかもが読めてしまうため、後には何も残らないのが残念。
これが最後の主演作だというのならそれは寂しいことだなと思ったら、
チャドウィック・ボーズマンはこの後ちゃんと2本に出演していて、
それぞれ助演と主演で多くの賞を受賞したようです。そっちに期待。
でもこれ、観るなら劇場がいいと思います。
それなりにドキドキハラハラして、すっきり解決して終わり。
って、本来はこれでいいんでしょうかね(笑)。

—–

『劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班』

『劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班』
監督:橋本一
出演:坂口健太郎,北村一輝,吉瀬美智子,木村祐一,池田鉄洋,
   青野楓,杉本哲太,奈緒,田中哲司, 伊原剛志他
 
TOHOシネマズ梅田別館から本館へ移動して。
 
大ヒットしたTVドラマシリーズらしいのですが、これも未見。
未見でも話についていけないことはありません。
現在と過去を繋ぐ不思議な無線機の存在だけを知っていれば大丈夫そう。
 
2021年。
内閣情報調査室次長の三谷(杉本哲太)が交通事故で死亡する。
車が壁に激突した時点で運転手も三谷も死亡していた模様で、
長期未解決事件捜査班の三枝(坂口健太郎)と桜井(吉瀬美智子)は事件の可能性を疑う。
同様の事故が起こっていないかを調べた三枝は、
2009年にも政務官の交通事故死が2件あったことを知る。
無線機を用いてその当時にいるはずの刑事・大山(北村一輝)に連絡を取ったところ、
いずれも事故当時に猛毒ヘロンを吸わされていたらしく……。
 
三枝と大山が連絡を取り合って事件を解決、あるいは未然に防ぎ、
過去を変えることもできちゃったりするようです。
 
長期未解決事件捜査班の面々のチームワークが良くて、
特に私は鑑識官・小島役の池田鉄洋の顔を見て嬉しくなりました。
ちっともタイプじゃないんですが、俳優としても面白い、
脚本家としても面白いじゃないですか、この人。
 
公安警察が出てくる作品を観るたびに思う、怖いとこだなぁって。
『謝罪の王様』(2013)には「公安に消されるぞ」みたいな台詞があったかと思いますが、
いったい公安ってどんな組織なんだと興味が募るばかり。
ほんとに消されちゃうことがあるんだろうなぁ。
 
官房長官役の鹿賀丈史のなんと憎たらしいことよ。
この人、もう絶対善人役はできませんよね。
いろんなところで悪役のイメージありすぎ(笑)。
 
無線が都合良く繋がりすぎるし、都合悪く切れすぎます。
でもそうじゃないと物語が進まないからしゃあないか。
 
上映終了後にお手洗いにいたおばさま方は、「テレビと全然ちゃうやん。
テレビより全然おもしろかったわ」などと話していました。
テレビと映画、どちらもご覧になった方、いかがでしたか。
 
オリジナルの韓国ドラマがとても気になります。

—–

『まともじゃないのは君も一緒』

『まともじゃないのは君も一緒』
監督:前田弘二
出演:成田凌,清原果耶,山谷花純,倉悠貴,大谷麻衣,泉里香,小泉孝太郎他
 
大阪ステーションシティシネマからTOHOシネマズ梅田別館へ移動して。
 
前田弘二監督にあまり良い印象はないのです。
『わたしのハワイの歩きかた』(2014)がとてもつまらなかったから。
あまりのつまらなさに、試写会に誘ってくれたお兄さんが、
「すみませんねぇ」とめちゃくちゃ謝ってくれたのを思い出します(笑)。
またつまらなかったらどうしようという一抹の不安を抱きつつ、
予告編で見た題字がなんとなく気に入って、観ることに。
 
予備校講師の大野(成田凌)は、数学以外にはまるで無頓着でコミュニケーション能力なし。
そんな彼の教え子で女子高生の香住(清原果耶)は、
見た目がわりとイケているのに恋愛とは無縁の大野のことを残念に思っている。
 
ある日、香住から「普通じゃない」と指摘され、「それじゃ結婚できないよ」と言われた大野は、
自分もいつか結婚したいから、どうすれば普通になれるのか教えてほしいと香住に頼む。
恋愛上級者を気取っている香住だが、実は頭でっかちで誰ともつきあったことがない。
しかし大野に頼られて悪い気はせず、ふと、よこしまなことを思いつく。
 
それは、香住が一方的に想いを寄せている青年実業家・宮本(小泉孝太郎)と
その婚約者・美奈子(泉里香)の仲を大野を利用して裂くことで……。
 
ま、ありがちですよね。
バカにしていた大野にあれこれ指図するうちに、香住が大野を好きになるという展開。
ありがちなんですけど、会話が結構楽しかった。
安易にふたりが結ばれてハッピーエンドというところまでは行かない終わり方も◯。
 
この成田凌はハマリ役。
同僚から「成田先生のことが好きです」とコクられて、
「定量的にはどのくらい?」なんて聞いてしまう人。
数学しか知らないなんて哀れな奴のように香住から言われるけれど、
数学について語るときの彼の目の輝きよう。
それしか知らなくて可哀想なんてことは、ない。
 
こういう果耶ちゃんも初めて見ました。
ちょっと『宇宙でいちばんあかるい屋根』(2020)の彼女に近いけど、もっとイタイ(笑)。
自信を持って大野に恋愛を語る彼女はいけ好かないけれども、
人を好きになることがどういうことなのかわからないと嘆く彼女はカワイイ。
 
序盤、「ケータイ持ってる?」と聞く香住に、
大野が大ウケしながら「今どきケータイ持ってない人なんていないでしょ」。
いや、ここにいるんですけど、何か!?
 
何の特徴もない普通の人と言われるよりも、
変な人と言われるほうが面白いかもしれないけれど、
そもそも「普通」とはいったい何なのでしょう。
それ自体、人の基準はまちまち。
今どきケータイを持っていない時点で、私はきっと普通じゃない。

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『サンドラの小さな家』

『サンドラの小さな家』(原題:Herself)
監督:フィリダ・ロイド
出演:クレア・ダン,ハリエット・ウォルター,コンリース・ヒル,イアン・ロイド・アンダーソン,
   ルビー・ローズ・オハラ,モリー・マキャン,キャシー・ベルトン,アニータ・ペトリー他
 
大阪ステーションシティシネマにて、日曜日の朝8:15からの回を鑑賞。
こうして早い時間から上映してくれるのは嬉しい。
 
アイルランド/イギリス作品。
舞台を中心に活躍していたアイルランド出身の女優クレア・ダンは、
シングルマザーの友人が住む場所に困っている話を聞いてこの脚本を執筆。
自分が出演する舞台の演出を担当していたフィリダ・ロイドに送ったそうです。
ロイド監督はクレア自身の出演を条件に映画化を決意。
そしてクレアの脚本&主演により出来上がったのが本作。
 
夫ガリーのDVからなんとか逃げたサンドラ。
娘のエマとモリーと共に保護され、しばらくホテルで仮住まいすることに。
あてがわれたホテルは職場から遠く、ガソリン代もバカにならない。
公営住宅は長い順番待ちで、いつ入れることやらわからず。
 
そんなある日、元気のないサンドラにエマが聴かせてくれたお伽話。
自分で家を建てるという話に触発され、
もしやこれはお伽話などではなく実現可能なのではと考える。
ネットで調べてみると、そう難しいことには思えなかったのだが……。
 
家を建てるには土地が必要。
市が放置している更地に家を建てさせてほしいと直談判しますが、
まったく相手にしてくれない。
サンドラに手を差し伸べるのは、彼女が清掃に訪れる家の女主人ペギー。
とっつきにくいと思っていたペギーが実に温かい人。
裏庭に家を建てればいい、必要な金も払うと言ってくれます。
 
今までたったひとりで暴力亭主に立ち向かい、
娘たちを守ろうとしてきたサンドラは、ペギーの言葉に甘え、
家を建てるための知識を与えてくれる人を探し、
週末に家を建てるのに手を貸してくれる人も探します。
親しくもない彼女を誰が無償で助けるもんかと思うけれど、
そういう人が多少なりとも現れる。
 
ガリーがいつやってくるかと怯えるサンドラは、
時に情緒不安定になり、人に当たったりワガママを言ったりする。
でもみんな彼女の気持ちをちゃんとわかってくれるんだなぁ。
 
夫が暴力を振るうのは妻にだけ。娘たちには優しい。
長女のエマはパパのことも大好きですが、
ママが殴られるところを見てしまった次女モリーはパパのことが怖くて仕方ない。
パパには会いたくないと泣くモリーを守るため、
面会の約束を何度か破ったサンドラをガリーは訴えます。
 
親権を争う裁判の理不尽さ。
裁判官に「もっとマシなことを聴けば?」と憤るサンドラの気持ち、
まったくその通りだと思います。
養育費をちゃんと払っている夫だから大丈夫だとでも?
 
ずっと黙っているだけだったガリーの母親の言葉も重い。
父親が母親を殴るのを見て育った息子は、
妻は夫から殴られるものだと思ってしまうのかもしれません。
 
簡単には幸せになれないけれど、いつかきっと。

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