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『痛くない死に方』

『痛くない死に方』
監督:高橋伴明
出演:柄本佑,奥田瑛二,坂井真紀,余貴美子,大谷直子,宇崎竜童,大西信満,
   大西礼芳,下元史朗,藤本泉,梅舟惟永,諏訪太朗,田中美奈子他
 
観逃していた作品を観る機会に恵まれる緊急事態宣言発令下。
大阪では2館しか営業していないのですから、どちらかに行くしかない。
九条はやっぱりちょっと遠くて十三へ。
サンポードシティの6階が第七藝術劇場、
その1階下、5階に入っているシアターセブンにて。
以前は別経営でしたが今は同じだから、会員カードも共通です。
 
尼崎市で長尾クリニックを経営する長尾和宏氏。
鑑賞前、私はその長尾さんをモデルにした作品だと思い込んでいました。
若かりし日の長尾さん役を柄本佑が演じているのだと。違った。
本作は長尾さんの著作『痛い在宅医』と『痛くない死に方』をモチーフにしており、
彼をモデルにしているのは、柄本佑の先輩である奥田瑛二演じる役でした。
監督は『BOX 袴田事件 命とは』(2010)の高橋伴明。
 
若き医師・河田仁(柄本佑)は在宅医となることを選択するが、
昼夜関係なく鳴る電話に妻(梅舟惟永)は辟易、離婚を言い渡される。
別居後は払えそうにもない額の生活費を要求されて悶々。
 
今さら病院勤務に戻ることもできず、在宅医を続ける河田は、
在宅医療を希望する患者の家族に対しておざなりな態度。
患者が家族に看取られて逝くのを待ち、形式的に臨終を告げるのみ。
 
そんなある日、河田が看ていた患者・井上敏夫(田村泰二郎)が亡くなる。
娘の智美(坂井真紀)とその夫(大西信満)が献身的な介護をおこなってきたが、
智美からSOSが発せられても河田が駆けつけることはなく、
敏夫は苦しんだまま凄絶な最期を迎えてしまう。
 
「在宅医療で河田先生に看てもらうことを選んだ私の心が痛い」。
そう言って泣く智美を見て凹む河田は、先輩在宅医・長野浩平(奥田瑛二)に相談。
長野の患者の最期に立ち会わせてもらい、その看取り方に驚くのだが……。
 
序盤は少し苦手でした。
事実に基づいている部分はいくつもあるのでしょうけれど、
坂井真紀の泣きわめく姿などにちょっと胡散臭さを感じてしまって。
大西信満が義父を介護する姿も出来過ぎというのか、
こんなに協力的で優しい旦那さん、そうそうおるもんかとも思い(笑)。
 
ところが、肝癌末期患者・本多彰(宇崎竜童)が登場すると、その胡散臭さが吹っ飛ぶ。
河田と、彼に同行するベテラン看護師・中井春菜(余貴美子)、
それに本多自身と彼の妻・しぐれ(大谷直子)との間の会話が非常に楽しく温かく、
こんな人生の終え方ができたらなぁと思えます。
おざなりなときの河田に同行していた看護師・梅村典子(藤本泉)にもここにいてほしかった。
もとは河田よりも彼女のほうがよほど親身だったのに。
 
河田が欠かさず井上の墓参りに訪れていたことを智美が知るシーンも好きです。
声をかけるでもなく、ただ河田の背中を見守る智美の表情の柔らかいこと。
序盤、胡散臭いなんて言ってごめんね坂井真紀様、と思いました(笑)。
 
腹水は無理に抜かない。体内に水がある間、人間は生きていられる。
利尿剤で自然に外に出して、上手に枯れていくのを待つのみ。
体を溺れさせてはいけないのだと知りました。

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2021年4月に読んだ本まとめ

2021年4月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:4085ページ
ナイス数:1065ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly

■緑の窓口 樹木トラブル解決します (講談社文庫)
『闇に香る嘘』とはおよそ同じ作家とは思えないこの表紙。読み始めてもやはり同じ作家だとは信じ難い文体。区役所に新設された「緑の窓口」。木に関する何でも相談室。あの木が邪魔だとか倒木があるとか、そんな程度の相談しか思いつかないし、その通りの相談事が寄せられるわけですが、そこには木を想う人の気持ちが存在している。樹木医に診断を仰ぎ、謎を解きつつ人の気持ちに寄り添った解決方法を考える主人公。軽く読めて楽しいけれど、こうして樹木がらみのミステリーまで出てくると、ミステリーもニッチ産業のように思えてしまいます(笑)。
読了日:04月01日 著者:下村 敦史
https://bookmeter.com/books/15413941

■ラストスタンド 感染領域 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
「コメが危ない!?」のキャッチコピーに、コメが汚染されるバイオテロの話かと思ったらそうじゃなかった。コメの研究開発に目を光らせる各国。先月『シャドー・ディール』というドキュメンタリー映画を観たばかりなので、武器商人にとっては勝ち負けなんてどうでもいい、どこかで戦争さえ起こっていればという言葉を思い出したりもします。化学も生物も苦手な私にも易しく、登場人物がさらに要約して説明してくれるから超わかりやすい。『このミス』受賞作品って、感動させられることはなくても、読みやすくて娯楽に徹しているなぁと思うのでした。
読了日:04月03日 著者:くろきすがや
https://bookmeter.com/books/16286153

■今昔百鬼拾遺 鬼 (講談社タイガ)
持つ手が疲れるほどの分厚さに怯んで京極さん未体験の方にも、この程度の厚さならお試しいただけるのではないでしょうか。百鬼夜行シリーズではありますが、1冊も読んだことがなくても大丈夫。舞台は昭和29年。日本刀で人をバッサリ斬るという通り魔事件が発生。最初の被害者は怪我で済んだのに、犯人はどんどん腕を磨き、腕をもがれた人の次は皆絶命。京極作品の雰囲気を知るにはもってこい。そんな時代のことは知るわけもないのに、なぜか懐かしい気分にさせられます。単行本も文庫本も必ず見開きに文字を収める懲り様も一緒に楽しんでほしい。
読了日:04月07日 著者:京極 夏彦
https://bookmeter.com/books/13661192

■魔力の胎動 (角川文庫)
円華が登場した瞬間から広瀬すずが頭に浮かぶ。『ラプラスの魔女』と「魔」の字がかぶってるだけなのに私って単純。と思ったら、まさに『ラプラスの魔女』の前日譚でした。しかも単行本は映画公開直前に発行されたそうで、もしもそのときに読んでいたら、商売っ気ありすぎに感じられて少々しらけた気持ちになっていたかもしれません。3年経った今なら当時の商売っ気も関係なし。すずちゃんの姿を思いながら素直に読めます。過去の自分の行動を悔やむとき、こんなふうに科学的根拠を以て説明されるのは目からウロコ。これほど納得できるものは無し。
読了日:04月08日 著者:東野 圭吾
https://bookmeter.com/books/17551155

■DOUBT 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 (角川ホラー文庫)
このシリーズの執筆を開始したときにはコロナウイルスの流行など予想していなかったでしょうに、これだけ現況を反映させた物語を創作できるものなんですねぇ。登場人物は警察関係者もホームレスたちも皆マスク姿。繁盛しすぎでコロナ禍なら密まちがいなしのダミちゃんのお店も休業中。こんな中で起きるのは、生きたままゴミにされるという悲しすぎる事件。涙で文字がにじむエピローグ。警察学校を卒業してどんな刑事になるのか、ケッペーのこれからが楽しみです。コロナが落ち着いてダミちゃんのお店に再開してほしいけど、宅配弁当も食べてみたい。
読了日:04月13日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/17536958

■さよならドビュッシー (宝島社文庫)
今でこそ中山作品あれこれにどっぷりハマっていますが、以前は読まず嫌いでした。それというのも本作の映画版に唖然呆然、原作も好きになれそうにないと思って敬遠していたから。ようやく読んでみる気になりましたけれど、ら抜きならぬ「ら入れ」などにドン引きしたりもして、文体がちょい苦手。私が最初に読む中山作品がもしもこれだったら、以降なかなか食指が動かなかったでしょうから、今読んで正解だったのかも。今なら、七里センセも若かったんだなぁと思いながら楽しめます。でもやっぱり、弁護士や検事や医師が主人公の話のほうが好きです。
読了日:04月15日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/1653479

■「相対性理論」を楽しむ本: よくわかるアインシュタインの不思議な世界 (PHP文庫)
高校時代、物理の試験で5点を取ったことがあります。学年の平均が11点だった試験で、そんな試験問題を作る先生に問題があると思いました。しかし80点を取った生徒もいて、どんな賢いねんとたまげたものです。理系科目まるで駄目な私でも理解できるかしらんと手に取りました。字は大きめで250頁、お手頃だけど無理でした(笑)。でも、アトラクションに見立てた導入部や、アインシュタインの人柄がわかるような話が面白くて、少なくとも読みはじめる前よりは物理に興味を持てました。宇宙に憧れる気持ち、謎を追いつづける気持ちを尊く思う。
読了日:04月16日 著者:
https://bookmeter.com/books/546984

■魔性 (PHP文芸文庫)
「魔性の」に続く言葉はたいてい「女」だと思っていましたが、これは「男」でした。そんな男に引っかかっても全然気の毒に思えないんです、ヒロインのことが。実家は大金持ち。元カレとは今もセフレ、今カレには妻子あり。そして彼女がハマった魔性の男とは。どの登場人物も好きになれず、台詞と描写にいちいち悪寒が走る。こんな女は地の果てまで飛んで行け!とバッドエンドを期待していましたが、え~っ、そうはならないのですね。なんだかんだのハッピーエンドにがっくりする私に気づき、笑ってしまいました。単なるひがみでしょうか。(^^;
読了日:04月19日 著者:明野 照葉
https://bookmeter.com/books/14093315

■女學生奇譚 (徳間文庫)
出だしに三津田信三、時代設定に京極夏彦を想う。しかし読み始めればどちらとも違う。料理の腕前抜群で、恐怖の感情を知らないフリーライター・八坂と、身長180センチの美人だけど、喋りも立ち居振る舞いもまるで男のカメラマン・篠宮。呪われ本を持ち込んだ依頼人・あやめとの会話が可笑しくて、オカルトな雰囲気にそぐわず笑ってしまう。すべてにおいて好みだと中盤までは思っていたのに、唐突すぎる人物の登場に違和感。それさえなければ私にとってほぼ満点。このコンビはまた見たいので、あの人物の謎も明かすべくシリーズ化をお願いします。
読了日:04月26日 著者:川瀬七緒
https://bookmeter.com/books/14085262

■カレーライス 教室で出会った重松清 (新潮文庫)
私が重松清を大好きなのは、彼に教室では出会わなかった世代だからなのかもしれません。もしも出会っていたら、アマノジャクの私は、こんなにも清廉な作品群を皮肉混じりの目で見ていた可能性があります(笑)。がんばればいいことがあるとか、努力は必ず報われるとかって、叶った人だけが言うことだと。重松清はいじめをすっかり解決するわけじゃない。つらいこと全部どこかへ運び去るわけでもない。でも、周囲には自分のことを気にかけてくれる人もきっといる。今はいいことがなかったとしても、がんばるうちにいいことがあるかもと思えるのです。
読了日:04月27日 著者:重松 清
https://bookmeter.com/books/15995625

■絶対正義 (幻冬舎文庫)
道路を走行中の車の台数としては少ないのに、どうしてここだけ混んでいるんだと思って右車線の行く先を見たら、やたら遅い車がいるということが結構な頻度であります。そういうとき、「〇〇なんたらの何番の車を先頭に渋滞しています」とアナウンスしてほしくなる。ええ、私はそういう人間です。渋滞のもとを作っている車にすれば、法定速度を守っているだけ。しかし流れに乗るということを知らんのかい!といつも思っていましたが、正義の夜叉には通じない。私も同じ目に遭うところを想像するとゾッとします。そして正義は常に勝つ。凄いイヤミス。
読了日:04月29日 著者:秋吉 理香子
https://bookmeter.com/books/13427225

■満月の泥枕 (光文社文庫)
道尾作品でたまに見かける、顔見知りが集まって大それた計画を実行するやつ。しかもあまり頭脳明晰とは言えない人が大半を占めるから、とってもドタバタ(笑)。飲酒しながら読んだ私が悪いんですが、酔っぱらいの頭には、表紙そのままのお祭りや坑道での彼らの動きが複雑すぎて、イメージするのに難儀しました。でも「そんなものを紙袋に入れてカジュアルに持ち歩く」姿は想像できて笑ってしまう。「後悔なんてものはみんな、言い訳」という言葉も心に沁みて、なんだかんだで笑った後は切なさが胸に迫る道尾さんなのでした。ま、だいぶ分厚いけど。
読了日:04月30日 著者:道尾 秀介
https://bookmeter.com/books/16419733

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『ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに』

『ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに』(原題:The Vow from Hiroshima)
監督:スーザン・C・ストリクラー
 
緊急事態宣言発令下、大阪で営業している劇場は2館のみ。
そのうちの1館であるナナゲイで2本ハシゴの2本目。
 
2019年のアメリカ作品。
 
サーロー節子さんは1932年に広島市に生まれました。
13歳のときに被爆体験。姉と甥を喪う。
ふたりが命を落とすさまを目の当たりにしています。
 
カナダ人男性と結婚してトロントに移住した彼女は、
自らの被爆体験を英語で語る活動を続けてきました。
ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の発足後は、
ICANを代表してさまざまな国際会議に出席、精力的に演説をおこないます。
 
核兵器の恐ろしさとその廃絶を強く訴えつづけ、
2017年に核兵器禁止条約が国連で採択されるに至りました。
ICANはノーベル平和賞を受賞、その授賞式でスピーチを任された彼女。
 
本作のプロデューサーを務める竹内道さんもまた被爆二世。
被爆体験を世界中で語りつづける節子さんを見て、
道さんは、どうして自分の母親は語ろうとしないのか、
母親には勇気がないのだと決めつけていたそうです。
でも、被爆体験者の話を聞いて気づいたことがある。
母親は自分を守ろうとしてくれたのではないかと。
 
ICANのメンバーが、核兵器禁止条約なんて無理だと最初はあきらめていたと話すのが印象的でした。
アメリカをはじめとする大国を敵にまわす条約。
でも、大国が賛成しなくたって、条約を成立させることができる。
 
日本が不参加ってどういうことよと、今さらですが思う。

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『きこえなかったあの日』

『きこえなかったあの日』
監督:今村彩子
緊急事態宣言が発令されても、ミニシアターは営業可能だろうと思っていたのに。
大阪で営業している劇場は2館のみ。
九条のシネ・ヌーヴォ十三の第七藝術劇場です。
十三といえば、先週の“秘密のケンミンSHOW”に映っていましたね。
みたらし団子で有名な喜八洲本店があるのがまさにココ。
被災した聴覚障害者がどのように暮らしているのか。
宮城、熊本、広島など、地震や豪雨に見舞われた土地に足を運び、
コロナ禍の昨年まで10年に渡って取材したドキュメンタリー。
今村彩子監督自身が生まれつき耳が聞こえません。
今村監督が撮影中に揺れを感じるシーンから始まります。
東日本大震災直後の宮城。
聴覚を持たない今村監督は、地震が起きていることはわかる。
でも、警報は聞こえないから、津波の情報などはわからない。
被災者は避難場所に行っても戸惑う。
食糧などが支給されるときも、周囲の人々がざわめいて立ち上がる、
今から何があるのかわからないけれど、ついていくだけ。
東日本大震災のときの経験から、熊本では聴覚障害者であることを自ら示せるよう、
工夫が凝らされるようになりました。
また、手話ができるボランティアも多く集まり、
みんなの不安を少しでも払拭しようという動きが見て取れます。
逆に、聴覚障害者がボランティアを買って出ることも。
ある被災地では、自分が聴覚障害者であることを話すと困惑され、
ボランティアを断られたという人がいました。
でも、その後の被災地ではボランティア志望が快諾されたそうです。
耳の聞こえない人にボランティアは無理だと決めつけてしまう。
耳が聞こえる人のほうが上で、耳が聞こえない人を守る立場のようにも思ったりする。
でも耳の聞こえない人が下なんてことはなく、こちらが救われることも多い。
ろう学校で口話の教育に重きが置かれ、手話を禁じられた実態があったことに驚きました。
手話言語条例が広まればいいと思います。
いろんな気づきのある作品。

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『グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告』

『グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告』(原題:The War with Grandpa)
監督:ティム・ヒル
出演:ロバート・デ・ニーロ,オークス・フェグリー,クリストファー・ウォーケン,
   ユマ・サーマン,ロブ・リグル,ジェーン・シーモア,チーチ・マリン他
 
イオンシネマ茨木で『るろうに剣心 最終章 The Final』を観た後、
本作を観るべく109シネマズ箕面へ。
本当は“クレしん”を観るつもりだったのに、公開延期になってしまったんですもの。
 
原作はロバート・K・スミスの『ぼくはおじいちゃんと戦争した』。
アメリカ人の児童文学作家で、1984年に上梓されたようです。
スミスは去年の4月に亡くなった模様。享年90歳でした。
本作はもともと2017年に公開される予定だったそうな。
なぜかどんどん公開が延期されて、去年コロナ禍のアメリカで公開に。
そこそこ客は入ったらしいけれど、それはほかに観る映画がなかったからとしか思えません。(^^;
 
最愛の妻に先立たれた老人エド。
彼の独り暮らしを心配する娘サリーは、嫌がるエドになんとか同居を納得させる。
エドは、サリーとその夫アーサー、長女ミア、長男ピーター、次女ジェニーの5人が暮らす家へ。
 
エドの部屋を用意するに当たり、ピーターが屋根裏部屋へ追いやられることに。
おじいちゃんのことは大好きだが、自分の部屋を取り上げられたことは納得できない。
悪友たちにぼやくと、戦争をしかけるべきだと煽られる。
 
夜中に舞い込んだ宣戦布告の手紙を見てエドは冗談だと受け流すが、
何の反応も示されなかったことにピーターは怒る。
執拗なピーターに黙っていられなくなったエドも仕方なく応じる。
こうしておじいちゃんと孫の戦争が始まるのだが……。
 
ふたりとも芸達者です。上手い。
ストーリー自体もつまらなくはないのですが、痛快とまでは言い難い。
 
こんな作品なら90分でじゅうぶんでしょ、120分も要らんし、と
観終わってから思ったのですけれど、94分でした(笑)。
つまりは120分に感じるほど冗長なんです。
 
「戦争」の中身も結構えげつない。
やりすぎでしょと思う攻撃も多く、それを延々続けられるとなぁ。
 
ただ、久しぶりに見たユマ・サーマンはよかった。
ピーターのお母さん役で、コメディエンヌぶりを発揮しています。
ふたりの戦争の巻き添えを喰らってあれこれ災難に遭う。それは可笑しい。
 
やりすぎてどうしようもない状態を招いてしまったピーターが、
泣きそうになりながら戦争について語るシーンには考えさせられます。
自分が戦争を始めれば、敵は倍やり返してきて、自分はまたその倍やり返す。
始まったら終わらないのが戦争。
 
宣戦布告するときにはよく考えて。

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