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『ゲンボとタシの夢見るブータン』

『ゲンボとタシの夢見るブータン』(原題:The Next Guardian)
監督:アルム・バッタライ,ドロッチャ・ズルボー
 
緊急事態宣言発令下、大阪ではたった2館営業中の劇場のうちの1館、
十三の第七藝術劇場へこの日もGO。
1鑑賞につき1つ押してくれるスタンプがあっというまに10個貯まりました。
 
2017年のブータン/ハンガリー作品。
 
ブータン中部の小さな村ブムタンに暮らす一家。
長男のゲンボは16歳、父親が守る寺院を継ぐためには僧院学校に行かなければならない。
学校を辞めて父親の跡を継ぐべきかどうか悩んでいる。
長女のタシは15歳。性同一性障害で、サッカーが大好き。
自分の唯一の理解者であるゲンボには遠く離れた僧院学校に行ってほしくない。
 
ふたりの日々を中心に、父親と母親の目線からの話も綴られています。
 
LGBT問題も取り込んではいるものの、のどかな村の風景が心地よくて、
いつものようにしばしば睡魔に襲われる。
ぼんやりしているとエンドロールが流れ始めるという鑑賞になってしまったのですが、
上映終了後に配給会社のサニーフィルム代表と京都大学の熊谷誠慈先生による、
リモートトークショーがありました。これがとても面白かった。
 
兄を家に繋ぎ止めたい妹は、「僧侶になったら戒律を守らないといけないんだよ。
一生ヤレないんだよ。そんなこと守れる?」などと問いかけます。
寺院を守る父親が結婚したから子どもたちが生まれたわけなのに、
ゲンボが僧院に行ったら結婚できないってどういうことなのかと思ったら、父親は在家の僧なんですね。
息子は一旦出家させたい。しかし出家するとどこかほかの寺院に行かされるかもしれないから、
そのときには還俗して在家となり、実家の寺院を継いでほしいと思っているのではないかと。なるほど。
 
欧米の映画では、息子がゲイだとわかれば、母親がそれを受け入れたとしても、
父親は世間体などのこともあって絶対受け入れようとしない場合が多い。
少なくとも「いいよいいよ、おまえは好きなように生きろ」などという理解は示さない。
でもこの父親は「タシは生まれたときから自分のことを男だと思っているんだ。
前世が男だったのかもしれないね」とわりとあっけらかんと話します。
これはキリスト教と仏教の違いなのだということは、熊谷先生のお話でわかりました。
「自分のことを男だと思い込んでいるんだ」じゃなくて「思っているんだ」という翻訳もいいなぁ。
もともとのニュアンスがそうなのかどうかは知りたいところ。
 
また、ゲンボが「イマドキの恋愛は」などと言うシーンには、
オヤジみたいに達観したこと言いよるなと思っていたら、
仏教にちゃんとこういう言葉があるそうで、これもなるほどでした。
 
父親が寺院を継いでほしいと強く思っているのに対し、
母親が息子に望むのは、高校まではちゃんと行って、英語堪能になること。
外国人観光客相手に英語で案内できるようになってほしいと。超現実的。
 
インフラは遅れているけれどスマホなどのネット環境は逆に発達しているとの話も驚き。
「江戸時代にスマホがあるみたいな国」という熊谷先生の表現に笑いました。
 
国民の幸福を目指し、その指標をきちんと設け掲げている国。
こういったことを知ったうえでもう一度観たらより面白いだろうと思います。

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『ハルムスの幻想』

『ハルムスの幻想』(原題:The Harms Case)
監督:スロボダン・D・ペシチ
出演:フラノ・ラシチ,ミリツァ・トミチ,ダミヤナ・ルトハル,ブランコ・セベジク他
 
1988年のユーゴスラヴィア作品。
シネ・ヌーヴォの“奇想天外映画祭 アンダーグラウンドコレクション”にて上映中。
 
3本ハシゴの2本目だった前述の『狼をさがして』で睡魔に襲われてしまったのですが、
これはそれとは違う意味でまったくわからない作品だったゆえ、
またまた夢の中に引きずり込まれそうになりました。
内容も夢か現かわからなくなる物語でしたから、これでよかったのでしょうか。
 
そもそもハルムスを知らないのです。
後から調べてみたら、ダニイル・ハルムスはソ連初期のシュルレアリスト、不条理詩人。
ほらもう、その説明からしてわからんでしょ(笑)。
1905年生まれで、1942年に亡くなっています。
本作で舞台となっているのは1938年。夏の2日間という設定らしい。
 
この年、当局の尋問を受けていたハルムスが久しぶりにアパートに帰ってくる。
彼は反ソヴィエト活動をした芸術家として追放されたため、
すると突然、部屋の窓を突き破って天使が彼の部屋に飛び込んできて……。
 
すごくお客さんが入っていましたから、人気作家なのでしょうね、ハルムスって。
睡魔に襲われていたのが私だけなのだとしたら、皆むっちゃ賢いやん。
 
アパートの押し付けがましい管理人のおばちゃん役は男優ですよね?
美しい天使は男性ということになっていますが、女優ですよね?
男か女かわからん時点でもう私の頭の中はハチャメチャでついて行けず。
 
天使も実は当局の人でしたみたいなオチで、
最後は鉤に吊られたハルムスその他大勢が天使のように宙に浮かんでいるし、
確かにシュールだけど、何ひとつ理解できなかった私です。
 
ハルムスが児童文学も手がけていると知ったので、それは読んでみたいと思います。
たぶん普通の児童文学ではないでしょうけれど(笑)。
 
こういう映画を観る機会に恵まれるのも、緊急事態宣言発令下ならでは。

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『狼をさがして』

『狼をさがして』(英題:The East Asia Anti-Japan Armed Front)
監督:キム・ミレ
 
シネ・ヌーヴォで3本ハシゴの2本目。
1本目を観たのは建物2階の小さなシアター、シネ・ヌーヴォXでしたが、
これは1階の大きめシアター。こっちの座席は固定されています(笑)。
 
韓国のドキュメンタリー作品。
1970年代、旧財閥系企業や大手ゼネコンが立て続けに爆破テロに遭いました。
東アジア反日武装戦線を名乗るグループによる犯行でした。
“狼”、“大地の牙”、“さそり”という3つのグループのメンバーは、20代の若者たち。
なぜこのような事件が起きたのかをキム・ミレ監督が探ります。
 
こんな事件があったことすら知らなかったので、私はただ驚くばかり。
というのか、驚きにまで至らないというのか、
どうして日本で起きたこの事件について韓国人の映画監督が調べているのか、
とにかく疑問ばかりが頭の中を巡る鑑賞時間でした。
 
日本人が、日本や日本人に反感を持つ。それがもうわからない。
日本人に生まれたことを恨んでいるのか、日本人を変えようと思っているのか。
わからないことだらけの中で、いくつもの企業を爆破するって、
それによって日本がどうなるのですかね。
 
あまりにわからないことばかりだったので、睡魔に襲われてごめんなさい。
上映終了後、場内からパラパラと拍手が沸き起こっていました。
これは犯行グループの支援者や関係者なのでしょうか。
どんな思想を持つのも自由ですが、テロを起こした人にやっぱり私は拍手を送れない。
こういう事件があったということは知りたいし、
何を思って起こした事件かも知りたいとは思いますから、調べてみます。
東アジア反日武装戦線について。

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『夏時間』

『夏時間』(英題:Moving On)
監督:ユン・ダンビ
出演:チェ・ジョンウン,ヤン・フンジュ,パク・スンジュン,
   パク・ヒョニョン,キム・サンドン他
 
九条はなんとなく行きづらくて、たぶん20年ぐらいご無沙汰しているのですが、
緊急事態宣言発令下、大阪で開いている劇場は十三と九条だけ。
十三で観るものがなくなったら、九条まで行くしかありませんわね。
というわけで、超ひさしぶりのシネ・ヌーヴォーで3本ハシゴ。
 
テアトル梅田で観損ねた作品です。
韓国期待の新鋭、ユン・ダンビ監督による長編デビュー作。
第24回釜山国際映画祭で4冠に輝いたそうです。
 
父親が事業に失敗し、母親は家を出て行ってしまう。
長女で中学生のオクジュと長男で小学生のドンジュは父親と暮らしていたが、
家賃も払えなくなったのか、父親は突然祖父の家へ引っ越すと決める。
 
祖父が暮らすのは、今まで住んでいた家よりもずっと大きな一軒家。
ドンジュははしゃぐが、オクジュはなかなか馴染めない。
祖父もあまり元気がなく、無口だから、どう接してよいのかわからない。
 
ある日、祖父が倒れたのを機会に、父親の妹であるミジョンも家にやって来る。
明るく話しのわかる叔母が来てくれて、オクジュもドンジュも嬉しい。
しかしどうやらミジョンは夫と離婚寸前らしい。
 
こんな状況下で過ごすひと夏が描かれています。
雰囲気としては『はちどり』(2018)と似た感じ。
あれほど父親は高圧的ではないし、むしろどちらかといえば良い父親。
でも頼りなく、仕事もスニーカーの偽物を売っていたりして、
これじゃあ妻に逃げられるのも仕方ないなぁと思ってしまう。
 
何事も上手く行きそうにない家庭の中で、救いとなっているのはドンジュの存在。
祖父にも臆することなく声をかけ、家族みんなに目一杯の愛情を表現します。
だけどオクジュはそんな弟が鬱陶しい。
自分たちを見捨てて出て行った母親にも弟が連絡を取っていると知り、激怒します。
あんたにはプライドというものがないのかと。
ないよねぇ。まだまだお母さんのことが恋しい年齢だから、当たり前。
 
感情をあまり表さなかったオクジュが声を上げて泣くとき。
どこが良かったと説明しづらい作品ではありますが、好きでした。
こうしてみんな大人になって行くんだね。

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現在営業中の映画館はどこなのさ@大阪・兵庫・京都

この記事を最初にUPしたのは5月11日の朝ですが、
11日の晩になってあちこちの映画館の情報が更新されたため、
わかる範囲で最新情報を追加しております。
 
緊急事態宣言が延長されました。
入場時に検温、消毒。席を空けて販売。スタッフも客も皆マスク着用。
このご時世、連れ立って来てかしましく喋る客もいません。
クラスターは1件も発生していない。
なのに映画館を開けちゃ駄目なんですと(泣)。
 
1000平米超の映画館は営業不可って言うけれど、
1000平米ってどれくらいかわからんと思っていた私に、
数字に強い友人がわかりやすく教えてくれました。
25mプールを想像したらええねんって。
「30m×30mで900平米やから、真四角にした25mプールよりちょい大きいぐらい」。
うん、めっちゃイメージしやすい。
 
しかし、営業している映画館の中には、
敷地全体なら25mプールより遥かに大きいと感じる映画館もあります。
どこからどこまでを面積として含めるのか、やっぱりわかりにくい。
 
県をまたいで映画館へ行くのは顰蹙ものでしょうか。
でも大阪在住の私は神戸および京都市内の映画館も普通に行動圏内です。
1000平米超に引っかからずに営業できている映画館は下記のとおり。
括弧内は最寄駅です。各府県のわが家から近い順に。
 
大阪:
 
兵庫:
TOHOシネマズ伊丹(伊丹) *明日5月12日より平日のみ営業再開
TOHOシネマズ西宮OS(西宮北口) *明日5月12日より平日のみ営業再開
MOVIXあまがさき(尼崎) *明日5月12日より平日のみ営業再開
109シネマズHAT神戸(春日野道) *明日5月12日より平日のみ営業再開
OSシネマズミント神戸(神戸三宮) *明日5月12日より平日のみ営業再開
神戸国際松竹(神戸三宮) *明日5月12日より平日のみ営業再開
シネ・リーブル神戸(神戸三宮) *明日5月12日より平日のみ営業再開
シネマ神戸(新開地)
OSシネマズ神戸ハーバーランド(神戸) *明日5月12日より平日のみ営業再開
イオンシネマ三田ウッディタウン(ウッディタウン中央) *明日5月12日より平日のみ営業再開
イオンシネマ明石(大久保) *明日5月12日より平日のみ営業再開
カナートホール(大久保) *明日5月12日より平日のみ営業再開
アースシネマズ姫路(姫路) *明日5月12日より平日のみ営業再開
イオンシネマ加古川(東加古川)) *明日5月12日より平日のみ営業再開
プラット赤穂(播州赤穂)
豊岡劇場(豊岡)
 
京都:
京都シネマ(四条烏丸)
MOVIX京都(京都河原町) *明日5月12日より営業再開
T・ジョイ京都(京都) *明日5月12日より営業再開
イオンシネマ京都桂川(桂川) *明日5月12日より平日のみ営業再開
TOHOシネマズ二条(二条) *明日5月12日より営業再開
出町座(出町柳)
イオンシネマ高の原(大和西大寺) *明日5月12日より平日のみ営業再開
イオンシネマ久御山(大久保) *明日5月12日より平日のみ営業再開
舞鶴八千代(東舞鶴)
 
一応兵庫県内と京都府内まで範囲を広げましたが、
なんぼ映画を観たい私でも、赤穂や豊岡、福知山や東舞鶴までは行きません(笑)。
あと、新世界国際劇場が上映しているかもしれないのですが、
ここだけはさすがに身の危険を感じて行けません(笑)。
 
追記:この記事をUPした後に「福原国際東映は?」との質問が。
   初めて聞きました。知らなくてすみません。
   営業状況もわからないのですが、どうなんでしょ!?

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