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『スーパーノヴァ』

『スーパーノヴァ』(原題:Supernova)
監督:ハリー・マックイーン
出演:コリン・ファース,スタンリー・トゥッチ,ピッパ・ヘイウッド,
   ピーター・マックイーン,ニナ・マーリン,イアン・ドライズデイル他
 
TOHOシネマズ梅田にて前述の『Mr.ノーバディ』を観たあと、
大阪ステーションシティシネマへ移動して。
 
このふたりは誰もが認める実力派俳優、英国の誇りでしょうね。
激しさはないのにとても心に残る作品です。
 
ピアニストのサム(コリン・ファース)と作家のタスカー(スタンリー・トゥッチ)は、
20年連れ添ってきたアラ還のゲイ・カップル。
あるとき、タスカーに認知症の兆候が出始めていることがわかる。
タスカーは旅行を計画。ふたりはキャンピングカーに乗り込むのだが……。
 
いつもあらすじだらけで「読んだら観た気になれる」のがウリのブログですが(笑)、
本作についてはこれぐらいしか書くことがありません。
 
カップルの片方が認知症で、キャンピングカーで旅に出るという設定は、
『ロング,ロングバケーション』(2017)と同じ。でも、まるで違う趣があります。
 
いきなり旅のシーンから始まるので、
いつタスカーが認知症と診断されたのかはわかりません。
旅の途中の彼は、おでこにかけた老眼鏡の存在を忘れて探すことがあるくらいで、
特に症状が進行している様子もなく、いたって普通。
会話はユーモアに富み、とても知的な人だということがわかる。
サムの姉リリーから具合はどうかと尋ねられたタスカーが、
「君の名前はなんだっけ」という冗談で返すシーンに和みます。
 
このリリー一家と郷里の友人たちのなんと温かいことよ。
タスカーはここでも自分の症状について触れながら、
居合わせた友人のことを「忘れるのが長年の夢だったからそれが叶う」と
皆を笑わせてみせます。
 こんなふうに、つらいところを一切見せないタスカーの決意。
それを知ったときのサムの気持ち。
タスカーがリリーにつぶやく、
「生きている人間を悼むなんてつらいと思う」という言葉が突き刺さります。
ゲイであることに会話でも態度でもまったく触れずに進むのが新鮮。
ならばゲイ・カップルにする必要はなかったんじゃないかと思うほどですが、
ゲイを特別視していないことに意義があるのかもしれません。
 
失って悲しいと思うのは、それが良きものだったから。
じんわりと心に広がる言葉でした。
ふたりともやっぱり名優。

—–

『Mr.ノーバディ』

『Mr.ノーバディ』(原題:Nobody)
監督:イリヤ・ナイシュラー
出演:ボブ・オデンカーク,コニー・ニールセン,RZA,アレクセイ・セレブリャコフ,
   クリストファー・ロイド,ゲイジ・マンロー,マイケル・アイアンサイド他
 
午後休を取った日、義姉と姪っ子とランチの後、ひとりで劇場へ。
梅田で映画を2本ハシゴ。
その1本目はTOHOシネマズ梅田で観た本作。
 
“ジョン・ウィック”シリーズの脚本家デレク・コルスタッドと
『ハードコア』(2016)のイリヤ・ナイシュラー監督がタッグを組む。
面白くないわけがなかろう。そしてその通り、め~っちゃ面白い!
 
中年男のハッチは、郊外の住宅街で妻と長男長女の4人暮らし。
毎週月曜日から金曜日まで自宅と職場を路線バスで往復。
地味なことこの上ない、まったく代わり映えのしない日々を送っている。
 
ある晩、自宅に2人組の強盗が押し入る。
長男で高校生のブレイクは、隙を突いて片方の犯人を羽交い締めにするが、
もう1人の犯人が女であることに気づいたハッチは及び腰に。
おかげで犯人を取り逃がしたどころか、ブレイクは犯人に殴られてしまう。
幸いにして軽傷で済んだが、情けない父親にブレイクはがっかり。
 
翌日、ブレイクは宿題のために退役軍人の話を聴きたいと言う。
ハッチも一応退役軍人だが、仕事は「会計屋」だったから軍人とは言えないだろう。
ハッチの妻ベッカの弟こそ真の軍人だと、ブレイクは叔父に話を聴きたがる。
 
たとえ息子に軽蔑されたとて暴力とは無縁でいたいと願うハッチだったが、
まだ幼い長女サミーが大事にしていたブレスレットを探しているのを見て、
昨日の強盗たちがくすねていったに違いないと考え……。
 
キアヌ・リーヴス演じるジョン・ウィックは愛犬を殺されたことにキレていましたよね。
このハッチ・マンセルは猫のブレスレットがなくなったことでキレる。
 
冴えない親父だなぁ、仕事に精を出すわけでもなく、
自分の担当であろう毎週のゴミ出しにも間に合わず、
家族の中で威厳なしやがなと思っていたらこの展開。
そうでしたか、会計屋とはそういうお仕事なのですね(笑)。
 
ハッチの父親役はクリストファー・ロイド
ラッパーのRZAがハッチの異母兄弟ハリー役で、
この家族、何!? もうサイコー。
 
どこから書いてもネタバレになるので書けません。
とにかく気分スッキリ、痛快。
続編もありそうなエンディングに、これもかよと思わないことはないけれど、
この続編は大歓迎。
 
ハッチ役のボブ・オデンカークって、これまでに何度も見ているのに印象なし。
でももう絶対に忘れない。ハマリ役でしょう。親父をナメんなよ。

—–

今さらですが、『愛の不時着』。

アマノジャクではありますが、流行ものを観ないわけではありません。
ドラマに手を出すと映画を観る時間が減ってしまうのが怖いだけです。
でも韓国のドラマはたいていとても面白い。
 
どハマリするドラマもあるとはいうものの、
たぶん、韓流でもサスペンス作品のほうが私は好きだから、
噂に聞く『愛の不時着』は観ずに今まで来ました。
でも、飲み友だちの姐さんがDVDを貸してくださったのです。
んじゃ観てみますかねぇ、ぐらいの気持ちで鑑賞開始。
 
私のように今まで観ずに来た人は、いったいどんな物語だとお思いでしたか。
私が漠然と想像していたのは、韓国に暮らす女性が何かのはずみで北朝鮮に入り、
そこの男性と知り合って恋に落ちる、悲恋の物語でした。
 
全然ちゃうやん!
 
ヒロインのユン・セリは悲恋を予感させるような弱々しい女性ではない。
財閥の令嬢だけど、実家を出て自分で会社を興し、大成功を収めている。
美人でデキる女なのを鼻にかける同性の敵。部下にとっては鬼社長。
自社製品を売るためなら進んで自らのゴシップを作って振りまきます。
 
そんな彼女が社員の見守るなか、パラグライダーで飛行中に竜巻に遭う。
そして北朝鮮まで飛んでいってしまうのですから、もうこの時点で可笑しい。
 
彼女を見つけたのは北朝鮮の軍人リ・ジョンヒョク。愛想なし(笑)。
陸上選手並みに足の速いセリに逃げられ、部下たちと共に探します。
後に訳あって彼女のほうから転がり込んできますが、
彼女に逃げられたことが軍にバレると彼と部下全員が処分を食らうから、
彼女を彼の自宅に匿ってしばらく生活するというお話で。
 
いっぱい笑えます。こんなにコミカルな話だったのかと驚きました。
 
ジョンヒョク率いる第5中隊の隊員4人が個性豊か。
中には韓流ドラマのファンがいて、いつもこっそり観ています。
もちろんリアルタイムのドラマは観られないから、観ているのは10年前のドラマ。
セリに呆れられながらも「続きはどうなるのか教えて」とせがみます。
 
また、ジョンヒョクの近所の奥様方同士の会話も傑作。
北朝鮮では本当にこんな会話が交わされるのでしょうか。
んなことないよねと思いつつ、イケメンにときめくのはどこも同じか(笑)。
 
ドタバタしながら物語は進んで行きますが、
セリの帰国について模索する第6話辺りから少し様子が変わってくる。
第7話からは毎回どこかで泣かされてしまうことに。
 
まだ第9話までしか観ていないのですけれど、どハマリ。
毎晩終業後に劇場で映画を1本観て、その帰りはプロ野球中継を聴いて、
まだ終わらない場合はとりあえず中継を最後まで観るなり聴くなりして、
終了したらお風呂に入って、出てきてから飲酒しつつ『愛の不時着』。
笑って泣いて、この時間がなんぼほど楽しいことか。
 
ヒョンビン、どんだけカッコええねん、お茶目やねん。
ソン・イェジン、どんだけカワイイねん。
そりゃみんなハマるわな。
今まで避けてきた人にもお薦めしたい。ハマりますって。
 
どうしましょう、全部観終わったら絶対ロス。

—–

『モータルコンバット』

『モータルコンバット』(原題:Mortal Kombat)
監督:サイモン・マッコイド
出演:ルイス・タン,ジェシカ・マクナミー,ジョシュ・ローソン,浅野忠信,メカッド・ブルックス,
   ルディ・リン,マックス・ファン,チン・ハン,ジョー・タスリム,真田広之他
 
原作が大好きな『漁港の肉子ちゃん』を観に行くつもりだったのですが、
声のキャストに全然惹かれず、もう観なくてもいい気分になり、
まもなく上映終了してしまう本作を選択しました。
109シネマズ箕面にて。
 
ゲームには徹底的に疎くて、“モータルコンバット”が何たるかを知らないのです。
元はピンボールメーカーだったミッドウェイゲームズというアメリカの会社が
アーケードゲーム(業務用ゲーム機)の製造に乗り出して大手へと成長。
ヒットを飛ばしたシリーズのひとつが“モータルコンバット”だとか。
こうして英雄的扱いの日本人キャラクターが登場するのは、
日本のゲーム会社が発売した“スペースインベーダー”や“パックマン”のライセンスを
ミッドウェイズゲームが取得して大当たりしたこともあるのでしょうか。
背景にとても興味がありますが、調べるのはまた今度にするとして。
 
冒頭、篠原ゆき子が登場して結構驚きました。
真田広之が演じる白井流最強の忍者 ハサシ・ハンゾウの妻役。
彼女もこれでハリウッド女優なのですね。
 
さて、そのハサシ・ハンゾウが殺されるところから始まります。
彼の血筋を絶やすためにやってきた暗殺者ビ・ハンの仕業。
まずハンゾウの妻子を殺し、ハンゾウも殺したはずが、
妻が咄嗟に隠した赤ん坊が床下にいました。
その赤ん坊を連れてゆくのが人間界の守護神ライデン。
ライデンを演じるのは浅野忠信。なんだか日本人としては嬉しいキャストでしょ!?
 
というプロローグの後、世界はあっというまに4千年経ったようです(笑)。
 
生まれつき、胸にドラゴンの形をした痣を持つ青年コール。
総合格闘家としてギャラを稼ぎ、妻子を養っているが、
いい試合はするものの負けてばかり。
 
そんなコールがある日、命を狙われる。
ドラゴンの痣は人間界において選ばれた戦士の証。
その証を持つ者を殲滅すべく、魔界の皇帝シャン・ツンが刺客を放ったのだ。
 
人間界と魔界は大会を設けて長らく戦いを続けており、
ここ9回は連続して魔界が勝利を収めている。
しかし10回目に魔界が負けるという予言を受け、
大会の開催前に人間界を潰そうとシャン・ツンが目論んだからだ。
 
シャン・ツンが殺害のターゲットとしているのは、
コールのほかにも同じ痣を持つ選ばれし勇者たち。
彼らはライデンのもとに結集するが、
鍛錬の末に繰り出されるはずの奥義をコールはなかなか修得できず……。
 
人間界と魔界の戦い。
その辺で適当に戦うのではなくて大会が設けられているのは面白い。
でも大会のシーンなんてなくて、その前にやっちまおうと魔界の帝王は考えるわけですね。
なんと姑息な手段。
そして、冒頭でハンゾウを殺した暗殺者ビ・ハンは、魔界に仲間入り。
名前まで変わってサブ・ゼロになっているのでした。
一方、ビ・ハンが殺したハンゾウの血は、ライデンのおかげで残っていました。
そう、4千年前に床下から救い出された赤ん坊の子孫がコール。
 
腑に落ちないというのか、ええのかこれでと思うのは、
人徳のある者が勇者の痣を持っているとは限らない。
痣のある勇者に勝てば、どんな悪人にもその痣が移る。
こいつ、そのうち心を入れ替えるのかなと思っていたのに、そうはなりません。
悪い奴は悪いまんま。とにかく倒せば痣が移るというのはいかにもゲーム的。
 
浅野忠信演じるライデンはなんてったって守護神ですから、
自ら戦うことはなくて偉そう(笑)。いい味を出しています。
そしてオイシイところをすべてかっさらうのが真田広之。
最初に殺されておしまいかと思いきや、最後にも出番がバッチリ待っていました。
めちゃくちゃカッコよかったです。
ストーリーがどうであれ、真田さんを見られただけで大満足。

—–

『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』

『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』(原題:Peter Rabbit 2: The Runaway)
監督:ウィル・グラック
出演:ローズ・バーン,ドーナル・グリーソン,デヴィッド・オイェロウォ他
声の出演:ジェームズ・コーデン,マーゴット・ロビー,エリザベス・デビッキ,レニー・ジェームズ他
 
2日続けて109シネマズ大阪エキスポシティへ。
 
『ピーターラビット』(2018)を観てからもう3年経ったとは。
前作を観たときはちょうどTOHOシネマズ1ヶ月フリーパスポートを所持中で
字幕版を観たあと、吹替版も観たのでした。
今回もピーターの声を担当するのは千葉雄大
ピーターを悪党の道へと誘い込むバーナバスの声は哀川翔だそうで、
とても気になるものの、フリーパスは廃止になっちゃったから、
お金を出して両方観るほどのものでもない。
洋画は字幕で観る派ですから、迷わず字幕版を選択。
 
ピーターたちが暮らすイギリスの湖水地方、ウィンダミア。
母親代わりの優しい女性ビアがマクレガーさんことトーマスと結婚する。
ピーターとトーマスはかつては犬猿の仲だったが、今は家族。
トーマスの機嫌を損ねないように悪戯は加減しているが、
父親気取りのトーマスの逆鱗に図らずも触れてしまうことがあり、
ピーターは歯がゆく思うとともにイライラを募らせる。
 
ある日、ビアがピーターたちのことを描いた絵本の出版の話が舞い込む。
契約のためにロンドンを訪れるビアとトーマスにピーターたちも同行。
トントン拍子に話が進むが、出版社の社長ナイジェルは売り上げ至上主義らしく、
どうやらピーターを悪党に仕立て上げたいと思っている様子。
 
誰もピーターの気持ちをわかろうとはしてくれない。
悶々としながらふいにみんなのもとを離れた折、親父ウサギ・バーナバスに出会う。
泥棒の彼は、ピーターの亡き父親の友人だったというではないか。
 
バーナバスの泥棒稼業に手を貸したところ、ピーターは才能を発揮。
すっかり見込まれて気をよくしたピーターは、
バーナバスの大がかりな犯罪計画を手伝うことに。
ウィンダミアから仲間を呼び寄せ、作戦を開始するのだが……。
 
トーマスのことをちっとも好きになれないと思っていました。
本作でも前半はそう。ピーターが誤解されてとても可哀想。
頭ごなしに怒らずにピーターの事情を聴いてやれよと思うことしばしば。
でも実は善人なんです、トーマスも。
ビアのお相手なんだからそりゃそうか。
 
今回はどちらかといえばビアのほうが駄目。
儲け話に目がくらみ、ピーターに宇宙服まで着せようとする(笑)。
それは違うよと気づかせてくれるのがトーマス。
 
面倒なウサギたちなんて放っておけばいいのにそうできず、
ピーターと共に仲間たちを探しに行くトーマスの姿が泣かせます。
泣くほどのものではないけれど。(^^;
ピーターとトーマスが言葉を交わすシーンは、
やっとアンタら、会話できるようになったんかとホッ。
 
ちゃんと善悪を教えてくれる教育的作品
これもまだ続編をつくるつもりのようです。

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