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『明日に向かって笑え!』

『明日に向かって笑え!』(原題:La Odisea de los Giles)
監督:セバスティアン・ボレンステイン
出演:リカルド・ダリン,ルイス・ブランドーニ,ベロニカ・ジナス,チノ・ダリン,
   ダニエル・アラオス,カルロス・ベロッソ,リタ・コルテセ,アンドレス・パラ他
 
シアタス心斎橋で『クルエラ』を観てからパルコ地下2階のネオン食堂街へ。
しかし緊急事態宣言発令下、軒並み休業中。営業しているお店にもほとんど客の姿なし。
早く「普通」に戻らないかなぁ。
 
本国アルゼンチンで大ヒットしたという作品。
2001年の金融危機をモチーフにしているそうです。
 
2001年のアルゼンチン。
小さな田舎町でガソリンスタンドを経営する元サッカー選手フェルミンは、
寂れる一方の町を盛り上げようと、農業協同組合の設立を計画。
地元の住民に出資を呼びかけたところ、多くの住人が賛同する。
金持ちなんて誰もいないのに、皆が快く財産まるごとフェルミンに預け、
足りない分は銀行から融資を受けることに。
銀行の指示に従って、出資金全額を銀行の口座に入金する。
 
ところがその翌日、金融危機で預金封鎖が実施される。
夢見た農協設立の話が立ち消えたどころか、住人全員ほぼ文無しに。
悲嘆するフェルミンは妻リディアと同乗していた車で事故に遭い、
自分は大けがを負うも命は取り留めたものの、リディアを喪う。
息子ロドリゴが大学を休学してフェルミンを見るために帰郷するが、
体調が回復してもフェルミンは引きこもったまま。
 
そこへ近隣住人からもたらされた極秘のニュース。
預金封鎖を事前に知っていた悪徳弁護士のマンシーが銀行と結託、
住人たちの金を横取りして、隠しているようだと。
隠し場所は牧草地のど真ん中、木々で囲った土地の地下らしい。
 
なんとしてでも自分たちの金を取り戻そうと考えた住人たちは……。
 
もっと面白いだろうと期待していたせいなのか、
この前に3本観て疲れが出はじめたせいなのか、序盤うつらうつら。
また寝ました。すみません。(^^;
 
でもしっかり目が覚めた中盤以降は面白かった。
あの手この手を使ってマンシーを出し抜き、見事に奪還するさまは痛快。
誰ひとりとして口を滑らせなかったのがえらいとこ。
何でもしゃべってしまいそうな住人がひとりやふたりはいるのに(笑)。
 
本国で大ヒットしたというのは、他人事ではないからなのかもしれません。
日本ではまずこんなことは起きないでしょうが、
アルゼンチンならこんな悪い奴が結託して本当にやりかねない。
こんなふうに罰することができたら最高の気分だと思います。

—–

『クルエラ』

『クルエラ』(原題:Cruella)
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:エマ・ストーン,エマ・トンプソン,ジョエル・フライ,ポール・ウォルター・ハウザー,
   エミリー・ビーチャム,カービー・ハウエル=バプティスト,ジョン・マクリー,マーク・ストロング他
 
シネマート心斎橋で2本観た後、シアタス心斎橋へ。
 
イオン系の劇場はどこも感染対策がいちばん行き届いているように思います。
座席をひとつ飛ばしで販売していても、客が座ろうと思えば座れる劇場が多いなか、
イオンシネマは好き勝手に座れないようにきちんとテープが貼られています。
コロナ騒動が始まってまもなくはどこの劇場もそうしていたのですが、
いちいちテープで留めたり紙を貼ったりするのは面倒なのか、今はそうでもありません。
イオンシネマではそれをちゃんとずっと続けているのですね。
 
シアタス心斎橋は新しいこともあってか、よりキッチリ。
座席と座席の間はパーティションで仕切られていて、
座席の背中側の隙間にも覆いが取り付けられています。安心。
だからって油断しちゃいけません。
以前と変わらぬ日々を送っている私は、絶対コロナに罹れない。
それ見たことかと言われぬよう、十二分に気をつけなくちゃ。
 
本作はシアタス心斎橋でロングランになっていると思われます。
公開はかれこれ3カ月前。当時は茨木などでも上映されていましたが、わりと早く終了。
なぜか心斎橋でだけずーっと上映されていて、客も結構入っているのです。
で、気になっていたので観ることに。面白いやんか!
 
“クルエラ”は、ディズニーの『101匹わんちゃん』に登場する悪役。
そのクルエラの誕生秘話というのが本作。
イメージとしては『101』(1996)とその続編『102』(2000)のグレン・クローズしかないでしょう。
それをエマ・ストーンが演じるとこんなふうになるのか。
 
生まれつき髪の毛の半分は黒、もう半分は白の少女エステラ。
学校でいじめられても決して怯まず、逆に相手を残酷なまでに痛めつける面を持つ。
彼女の良き理解者である優しい母親キャサリンは、“cruel(=残酷)”をもじって“クルエラ”と彼女にあだ名を付ける。
 
問題児のエステラが退校させられたことから、親子は心機一転、町を出る。
途中、キャサリンはつてを頼って当面の生活費をつくろうとするが、
その屋敷で飼われていたダルメシアンに襲いかかられ、還らぬ人となってしまう。
 
たったひとりになったエステラは、飼い犬のバディを連れてロンドンへ。
そこで同様に身寄りのない少年ジャスパーとホーレスに出会い、共に生活を始める。
 
3人は泥棒で食いつなぎながら、それなりに楽しく暮らしていたが、
ファッションデザインの才能を持つエステラのために、
ロンドンで最も有名な百貨店リバティに潜り込めるよう、ジャスパーが手はずを整える。
 
せっかくリバティに就職したというのに、仕事は掃除ばかり。
ヤケになって騒動を起こしたのをきっかけに、カリスマデザイナーのバロネスに拾われて……。
 
バロネス役のエマ・トンプソンが出てきたとき、なんと高貴なんだと思いました。
この人の英語を聞くと、イギリス英語に毎度憧れます。
ところがバロネスの嫌な性格がわかり始めると、その上品さが逆に下品に聞こえる(笑)。
憎たらしいのなんのって。
 
これまでのクルエラのイメージそのものがバロネスなんですね。
となるとクルエラを応援したくなるし、
歴代の悪役にランキングされるクルエラのことがとても愛おしくなります。
 
バロネスの秘書でありながらクルエラを助けるジョン役にマーク・ストロング
この人の役どころにはいつも惹かれます。
 
ロングランになるのも納得の1本。オススメです。

—–

『サイコ・ゴアマン』

『サイコ・ゴアマン』(原題:PG: Psycho Goreman)
監督:スティーヴン・コスタンスキ
出演:ニタ=ジョゼ・ハンナ,オーウェン・マイア,アダム・ブルックス,
   マシュー・ニネーバー,アレクシス・カーラ・ハンシー,黒沢あすか他
 
シネマート心斎橋にて、前述の『親愛なる君へ』の次に。
 
もともとはアメリカ・テキサス州オースティンで毎年おこなわれる、
“サウス・バイ・サウスウエスト”というイベントで昨年上映される予定だったそうです。
コロナのせいでイベント自体が中止になり、世界の一部で劇場公開。
日本では7月末に東京で公開、このたび大阪でも公開に至りました。
公開してくれてありがとうと言いたくなる、ぶっ飛んだカナダ作品。
 
小学生の少女ミミは変わり者で生意気。
皆に変人扱いされているから、彼女と遊ぼうという友だちなどいない。
まともに相手をしてやるのは彼女の兄ルークだけ。
兄の思いやりにも気づかず、家でのミミは好き放題。
マイルールのみで成り立つ“クレイジーボール”という遊びで兄を負かしては上機嫌。
そのうえ兄のことをクソミソにけなす。
 
ある日、クレイジーボールでまた負けたルークは、
ミミから庭に穴を掘るように命じられる。
致し方なく掘って掘って掘りまくっているうちに、何かに行き当たる。
なんとこれは封印されていた宇宙屈指の残虐なモンスター
 
封印を解いてしまったことには気づかずに翌日を迎えるが、
庭には埋めたはずの大きな穴が再び空いており、両親に叱られる。
その晩、穴から何かが這い出したに違いないと付近を捜索するミミとルーク。
 
閉鎖された靴工場に潜り込むと、そこには世にも恐ろしげなモンスターと、
殺されたとおぼしきズタボロの人間の死体が。
モンスターはミミとルークにも襲いかかろうとするが、なぜか手が止まる。
前夜、地中から掘り出した宝石を持つミミにはモンスターは逆らえないらしい。
 
すっかり面白がるミミと、怯えつつも興味を隠せないルークは、
モンスターに“PG(サイコ・ゴアマン)”と名付け、遊び相手にさせるのだが……。
 
終盤までミミのことが好きになれず。
そりゃアンタ、友だちおらんやろと言いたくなるほど生意気なんです。
それに引き換え、ルークがええ奴すぎる。
あまりに尻に敷かれるルークに、最初はこの兄ちゃんがあかんたれなのかと思いましたが、
そうじゃない。彼にはちゃんと友だちもいる。
誰にも相手にされない妹のことをさげすむふうでもなく、
妹の気の済むまで相手をすることに決めている様子。
 
生意気なまま話が進むものだから、ちょっとイライラ。
それから、そんな娘に同調する父親にもイライラ。
兄ちゃんがんばれよ、負けるなよとひたすら祈っていました。
 
最後の最後になってもミミはやっぱり生意気なままだけど、
兄ちゃんに謝るところはカワイイ。これですべて良しという気持ちになります。
 
PGは地獄から来たモンスター。
天にいるモンスターが彼を再び封印しようとしますが、これがまた善人とは思えなくて。
対決シーンでは思わずPGを応援してしまいます。
まったく、善人なのか悪人なのかどっちなのさ、PG。(^^;
 
十字架を叩き割るシーンなどもあり、
キリスト教団体の怒りを買いそうなところは『エンド・オブ・ザ・アース』(2013)に似ています。
怖いもの知らずでハチャメチャ。
めちゃくちゃグロいので、注意してください(笑)。
              
驚きの黒沢あすか出演にもご注目。

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『親愛なる君へ』

『親愛なる君へ』(原題:親愛的房客)
監督:チェン・ヨウジエ
出演:モー・ズーイー,ヤオ・チュエンヤオ,チェン・シューファン,バイ・ルンイン,ジェイ・シー,
   シエ・チョンシュアン,ウー・ポンフォン,シェン・ウェイニエン,ワン・カーユエン他
 
『キネマの神様』にちぃとも感動できず、悶々としながら迎えた翌朝。
夏の恒例、全館節電のための半ば強制的に有休を取らされる日。
面白い映画が観たくて4本ハシゴを計画。
 
まずはシネマート心斎橋で台湾の作品を鑑賞。
第57回台湾アカデミー賞(金馬奨)で主演男優賞を含む3冠に輝いた作品です。
『キネマの神様』ではまったく泣けませんでしたが、これは泣きました。
 
9歳の少年ワン・ヨウイーとその祖母シウユーが暮らすマンション。
屋上を間借りしている男性リン・ジエンイーがワン家の家事をすべておこない、
糖尿病を患うシウユーのことも献身的に介護していた。
 
ある日、シウユーが急死。シウユーの次男で上海在住のリーガンが駆けつける。
もともと母親のマンションを売りたいと考えていたリーガンは、
相続人としてヨウイーが指定されていることを知り、
ジエンイーが遺産目当てにワン家に近づいてシウユーを殺害したのではと考える。
 
リーガンが「おばあちゃんは本当に病死だったのか」と尋ねると、
ヨウイーは首を振ったり振らなかったり。
ますます怪しいと、リーガンは警察に通報するのだが……。
 
シウユーの長男=ヨウイーの父親リーウェイは、ジエンイーのパートナーでした。
リーウェイの死後、彼の母親と息子の世話をする義務なんてジエンイーにはなかったのに、
彼はマンションの屋上から去ることなく、ワン家の面倒を見続けます。
リーウェイはジエンイーに殺されたようなものだと最初は冷たかったシウユーが、
病床で「あんたは本当にいい男だ。息子が惚れたのもわかる」というシーンにまず涙。
シウユーはそれ以降も基本的には意地悪ばあさんなんですけどね(笑)。
 
シウユーの勧めでヨウイーを正式に養子にしたジエンイー。
殺人の容疑をかけられて取り調べを受けたとき、
「なぜリーウェイが亡くなった後も母親と息子の世話をしているのか」と問われ、
「もしも僕が女だったら、同じ質問をしますか」と逆に尋ねるのが印象的。
ヨウイーが誰よりも献身的で、ヨウイーのことを愛しているのは一目瞭然なのに、
男だから、ゲイだからというだけで、家に残るのはほかに魂胆があるからだと言われる。
そればかりか、ヨウイーを性的に虐待していることまで疑われる。理不尽です。
 
これほどまでに理不尽な扱いを受けていながら、投げ出したりしない。
でもヨウイーにはなかなか真実を打ち明けられない。
薄々わかっているヨウイーが「どうして本当のことを言ってくれないの」というシーンもまた涙。
 
ジエンイーは本当にシウユーを殺したのかというミステリーにもなっています。
なんとなく読める展開ではありますが、その事実にも胸を衝かれる。
 
このさき生きていれば、悲しいこと、悔しいことがいっぱいある。
でもそのときに思い出して。君はまったく悪くない。

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『キネマの神様』

『キネマの神様』
監督:山田洋次
出演:沢田研二,菅田将暉,永野芽郁,野田洋次郎,リリー・フランキー,前田旺志郎,
   志尊淳,片桐はいり,原田泰造,北川景子,寺島しのぶ,小林稔侍,宮本信子他
 
仕事帰りに109シネマズ箕面に寄ったら、また知った顔が。
『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観に行ったときにバッタリ会ったお兄さん。
「これ、まだ観てなかったん?」と聞かれて、
「先に『ワイルド・スピード』を観たもんで」と答えました。
「まだ観てなかったん?」と言わはるけど、これ公開になってからまだ4日しか経ってへんし(笑)。
 
志村けんが主演する予定だったところ急逝。
その遺志を継いだ沢田研二の登板が話題となっています。
原作は原田マハの同名ベストセラー小説です。詳細はこちら
 
私が原作を読んだのは7年前らしく、そんな前のことを覚えているはずもない。
本作を観ながら、えらく話がちがうようだけどと思いましたが、
自分で書いた記事を読んだら、まるで別物やん。
 
かつて映画監督を目指していたゴウこと円山郷直(沢田研二)は、
いまやすっかりアル中のギャンブル依存症
闇金に手を出して借金取りに追われても酒とギャンブルをやめようとしない。
それでもゴウを見切れない妻・淑子(宮本信子)にも娘・歩(寺島しのぶ)は苦い顔。
 
そんなゴウを変わらず迎えるのは、何十年来のつきあいのテラシンこと寺林新太郎(小林稔侍)。
実はテラシンはその昔、淑子に恋心を抱き、ゴウに敗れた過去がある。
今は古き良き映画館“テアトル銀幕”の館主を務め、淑子はここで清掃のバイト中。
家を飛び出してきたゴウをテラシンが席に座らせてやることもしょっちゅう。
 
……というゴウの過去を挟みながら物語は進行します。
 
若き日のゴウ役を菅田将暉、テラシン役を野田洋次郎
淑子役に永野芽郁、当時のスター女優に北川景子
 
私はどうやら山田洋次監督の作品があまり得手ではないようです。
“男はつらいよ”シリーズや“家族はつらいよ”シリーズは面白かったけど、それ以外はさっぱり。
序盤はなんどか睡魔にすら襲われました。
 
原作のゴウちゃんはもっと愛すべきキャラクターだったと思うのですが、
ジュリー演じるゴウちゃんはクズのクズ(笑)。
宮本信子演じる淑子も、「私が100万円はなんとかするから、
あんたもなんとかしてよ。貯金、結構あるんでしょ」って、
娘にダメ親父の借金返済を手伝わせようとしますかね。最低。
こういうシーンを含め、なんというのか山田洋次監督の作品って、
「穏やかそうな役者が穏やかそうな物の言い方をするけれど、
言っている内容は結構えげつない」ように思うのです。
今の時代に言うことではないというのか。
ダメ男であっても女はそれを支えて当たり前、みたいな印象。
原作ではもっと映画の話がいっぱい出てきたのでそれも楽しかった。
映画版ではたいして出てこないんです。
そのくせ、『カイロの紫のバラ』を思い出させるシーンがあったりする。
こんなシーン、原作にありましたっけ。まったく覚えていません。(^^;
 
志村けんがコロナに感染して亡くなったからなのか、
コロナのことも取り入れられていて、それが取って付けたかのよう。
しかし山田洋次監督の作品に文句を言うと悪人みたいに思われそうです。
そこがまた嫌なところで(笑)。
 
素直な人が観に行くといい作品なのだと思います。
私みたいなアマノジャクはダメ。ちぃとも泣かれへんっちゅうの。

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