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2025年3月に読んだ本

2025年3月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3400ページ
ナイス数:1122ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2025/3
■キッチン常夜灯 (角川文庫)
主人公の勤める店が“キッチン常夜灯”だと思い込んで読みはじめたものだから、30頁ほど進んでからその思い込みに気づいて「おおっ」。私はひとりごはんもひとり飲みも大好きです。行きつけのお店で誰かと話したいとかではなく、単純に美味しいものを食べて飲みたいだけなんですけれど。飲みながら本を読むのも最高だし。そんな風な、どんな使い方もできそうな常夜灯。弟を癌で亡くした身としては、第5話だけは少し感傷的すぎて苦手だったものの、みもざの勤務先での話も心に刺さる。きっといいところは前からあった。そこを見る自分でありたい。
読了日:03月05日 著者:長月 天音
https://bookmeter.com/books/21502030
■変な絵 (双葉文庫 う 23-01)
電車内の広告に最後の謎解き問題が挙げられているそうですね。電車通勤の同僚が解こうとしたけれどわからないとのこと。そりゃそうだ、こんな解答だなんて本編を読まなきゃわかるまい(笑)。『変な家』を読んだときは、売れる本ってこういうものかと若干冷ややかな気持ちを抱きました。これも「売れる本」という点ではそうに違いありませんが、『変な家』よりもミステリーとしてずっと面白い。ツッコミどころは多くも、謎が解き明かされていく過程が気になって読むのを止められず。どうしても謎の答えが知りたいという同僚に全部喋ってすみません。
読了日:03月06日 著者:雨穴
https://bookmeter.com/books/22411245
■世界でいちばん透きとおった物語 (新潮文庫 す 31-2)
「絶対に予測不能な衝撃のラスト」って煽りすぎじゃあないかと思うものの、確かに予測不能。主人公は、推理作家だった父親とそのファンだった母親の間に生まれた不義の子。人間としてはクズらしいけど作家としては皆が絶賛する父親。と言っても主人公は父親に会ったことなど一度もない。父親から無視された存在だと思っていたのに、紙の本を読むと目がちかちかするという話がここに繋がるのですね。実在の作家の名前が出てきてウキウキ。特に京極夏彦ファンなら狂喜。京極さんの凄さがわかるこの本もページ跨ぎなしじゃあないか。ニヤリとしました。
読了日:03月13日 著者:杉井 光
https://bookmeter.com/books/21059020
■少年と犬
たぶん犬の話を読むたびに書いていることですが、私は犬よりも猫派です。だけど毎回、猫じゃなきゃ泣けないなんてことはなくて犬にも泣かされっぱなし。これも最後ボロ泣き。最近読む機会が減っていたこの著者については、その昔、香港映画にハマっていた頃に、香港映画好きのせいでこんなペンネームになったと知って物凄く嬉しかったことを思い出す。映画の予告編を観ると、高橋文哉演じる青年が犬を届けるまでずっと一緒に居るふうでしたけれども、それじゃこの原作とはまるで違ってきちゃいますね。どんなふうに映画化されているのか楽しみです。
読了日:03月17日 著者:馳 星周
https://bookmeter.com/books/15694781
■鑑定人 氏家京太郎 (双葉文庫 な 47-03)
中山七里シリーズオールスターキャストと言うほどではないにせよ、他シリーズの主役陣がカメオ出演以上にバッチリ出てきて仕事をする様子が見られます。DNA型鑑定が導入された頃、それが如何に盲信されていたか、そのせいで冤罪が生まれたことは『殺人犯はそこにいる』を読んだときに知って衝撃を受けました。本作と併せて再読したい。柔和そうな氏家さんだけど、あれほどクセの強い面々とやりあえるのだから決して普通ではない。光崎先生の屈託のない笑顔は私も見たいなぁ。ついでにアマゾネスの女らしい面も。って言うとセクハラになりますか。
読了日:03月18日 著者:中山七里
https://bookmeter.com/books/22368018
■少年と犬
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】予告編からは、「男」を演じるのが高橋文哉で、映画では死なずに多聞を送り届ける役目を果たすのだろうと思っていました。その通りではあったものの想定外の改変。最初には死なずに、西野七瀬演じる「娼婦」が引き取った多聞を追いかけてきます。彼女から多聞を託されてから事故死して、あとは幽霊となった彼が多聞を連れて行くって、こんなのあり!?と唖然とする私を除いて劇場内は涙の渦。私も最後はさすがに泣いたけれど、原作とはほぼ別物の展開。西野七瀬が歌う『ヘビーローテーション』聴けます。
読了日:03月21日 著者:馳 星周
https://bookmeter.com/books/15694781
■悪い夏 (角川文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】読んだのが4年半近く前だから、内容をつぶさに覚えているわけではありません。ただ、「鬼畜ノワールサスペンス」と評する以外ないと自分で書いたのを思い出す。映画版も終盤のわやくちゃ騒ぎは凄絶で笑ってしまうほどでした。ここで誰かに雷直撃とか、さすがにないか(笑)。まるで共感の持てない登場人物たちに嫌悪感すら抱くのに、スピード感もあって目が離せません。北村匠海河合優実窪田正孝、みんな○。木南晴夏の姿がつらかったけれど、放りっぱなしにしない城定秀夫監督の目線が好きです。
読了日:03月22日 著者:染井 為人
https://bookmeter.com/books/16478109
■みみそぎ (角川ホラー文庫)
大好きな三津田さん。平気さ♪と思いながら夜中に家で読んでいたらやっぱり怖くなり、出かけるときに電車の中で読むことに。いくつもの字体が使われている理由を知ったときはなるほどと納得。しかし通常の字体より洩れなく小さく変わるから、いつもの三津田さんほどはポンポン先へ進めない。最後まで読めばアナタにも何かが起きるかも……的な煽りに恐れをなして飲酒したが最後、終盤はすっかり酔っぱらってワケがわからなくなりかけました。どんな恐怖も掻き消す酒の力がいちばん恐ろしいと思うのでした。よう見てよう聴けよ、私。(^O^;
読了日:03月24日 著者:三津田 信三
https://bookmeter.com/books/22298132

■その復讐、お預かりします (双葉文庫 は 33-04)
同じ系統といっては失礼なのかもしれませんが、原田ひ香と垣谷美雨の著作のタイトルはどっちがどっちかわからなくなることがよくあります。同じような話だしなぁというのもこれまた失礼なことだけど、だからこそ和むというのか胸がすくというのか。ただ、美菜代にはかなり鬱陶しさを感じてしまいます。職種は違えど中山七里の『能面検事』で事務官を務める美晴を思い出し、ちょっと黙っといてんかと叫びそうになりました(^^;。人生で復讐したいほどムカつく出来事は何度かはあったはず。復讐に走らなかったからこそ今があるということなのかな。
読了日:03月27日 著者:原田ひ香
https://bookmeter.com/books/22231832

■ケモノの城 (双葉文庫)
たまに物凄くゲスい話を読みたくなることがあります。この本もそんなときに買ったものの、『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』がモチーフになっていると知ってさすがに読めず、8年近く経ちました。基となった事件が起きたとき、最初は大ニュースになったのに、途中からメディアが報道しなくなったのも納得できるほどえげつない。なぜ洗脳されてしまうのか。いくらでも逃げるチャンスはあったのではないのか。私は絶対に洗脳なんてされないと思っているけれど、こう思っている者のほうが危ないのかもしれません。どこかに城がまだありそう。
読了日:03月31日 著者:誉田 哲也
https://bookmeter.com/books/11776386

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『お嬢と番犬くん』

『お嬢と番犬くん』
監督:小林啓一
出演:福本莉子,ジェシー,櫻井海音,香音,松井遥南,井上想良,ぐんぴぃ,葵揚,岩瀬洋志,佐々木希,飯田基祐,杉本哲太他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、前述の『劇場版 モノノ怪 第二章 火鼠』の次に。
 
今の私はSixTONESといえば断然松村北斗だから(笑)、ジェシーには釣られません。
高校生の青春恋愛ものハマるときハマらないときがあるし、これはどちらかといえばスルーだなと思ったけれど、
監督が『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』(2024)の小林啓一と聞けばスルーできず。
原作ははつはるの同名少女漫画で、『別冊フレンド』にて2019年から現在も連載中だそうです。
 
瀬名垣一咲(いさく)(福本莉子)は幼い頃に両親を事故で亡くし、祖父である瀬名垣組組長・太助(杉本哲太)に引き取られた。
以降10年の間、一咲から片時も離れず面倒を見てくれているのは若頭の宇藤啓弥(ジェシー)。
しかし、そのせいで中学生のときは極道一家の孫であることがバレバレ。
そこで高校は敢えて通学に1時間以上かかるところを選び、普通の高校生活を送りたいと考える。
 
無事に入学したものの、「普通に友だちを作って普通に恋愛をしたい」と一咲が言うのを聞き、
心配になった啓弥は26歳のくせして高校生だと偽り、裏口入学。一咲の同級生となる。
 
一咲が友だちの作り方もわからず戸惑う一方、どういうわけだか啓弥はクラスにすぐさま溶け込む。
なのに、一咲が男子生徒に話しかけられようものなら啓弥がすぐに現れてボコボコに。
落ち込む一咲だったが、球技大会を機に勝木友麻(香音)や安藤優希(松井遥南)と親しくなる。
 
そんな折、瀬名垣組の兄弟分に当たる田貫組組長・淳之介(飯田基祐)が孫の田貫幹男(櫻井海音)を連れてくる。
素性を隠して高校に通う一咲と啓弥のことを面白がり、ちょっかいを出してきて……。
 
実年齢は福本莉子24歳、ジェシー28歳。
このふたりが並ぶことに違和感はないけれど、話中では16歳と26歳でしょ。
10年前からずっと一緒って、6歳の一咲に目をつけていたって、ロリコンやんかと思う。
啓弥のほうもそのときは16歳ならばロリコンってほどでもないですか。
いやいや、怖いって。(^^;
 
ま、ちょっと予告編からして引き気味だったんです。
啓弥が一咲を後ろから抱きしめて「俺に“待て”ができるのは一咲さんだけなんで」と言うシーンなんかは
ゲゲーッと思っていました(笑)。
 
タイプじゃないからハマらないのは仕方のないことで、「しょうもな!」でもなかったから良しとします。

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『劇場版 モノノ怪 第二章 火鼠』

『劇場版 モノノ怪 第二章 火鼠』
総監督:中村健治
監督:鈴木清崇
声の出演:神谷浩史,日笠陽子,戸松遥,梶裕貴,細見大輔,黒沢ともよ,ゆかな,青木瑠璃子,芹澤優,茜屋日海夏,
     森なな子,入野自由,津田健次郎,種崎敦美,チョー,堀内賢雄,楠見尚己,堀川りょう,榊原良子他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
どういうアニメかわからないまま観た『劇場版 モノノ怪 唐傘』(2024)が滅法おもしろくて、
第2弾以降も楽しみにしていました。いや~、ホントに面白い。
 
前作同様に本作も舞台は大奥。
2007年に放映されたTV版で主人公の声を担当していた櫻井孝宏が劇場版でも担当するはずが、不倫発覚で降板。
彼に代わって神谷浩史が担当することになったということは前回も書きましたが、
どっちがどっちかいつもわからなくなる私としてはどっちでもいい。
というのか、もともとTV版を観ていないのですから、声優が替わったって何の問題もありません。
んー、でももしかすると神谷さんの声のほうが好きかなぁ。
 
で、櫻井さん→神谷さんになったのは、謎の男“薬売り”。
今回の大奥では、天子の世継ぎを巡って奥女中の情念が燃えたぎります。
 
考えてみたら凄くないですか。
奥女中とか上臈(じょうろう)とか呼ばれる人たちって、殿様の夜の相手が仕事。
綺麗どころを何人も用意して、夜ごと誰ぞが殿様のお相手をする。
同じ女性が続けて行かないのがルールで、それは世継ぎが早く生まれるようにするためなんですと。
毎晩同じ女性が通ったとして、その女性が不妊だったらいつまでも世継ぎが生まれないから。
 
親も自分の地位を上げるために、躊躇うことなく殿様に娘を差し出す。
たとえいささか卑しい生まれであっても、美人の娘を持てば人生一発逆転のチャンスがあるわけで。
しかし、もしも卑しい生まれの娘が奥女中の中で最初に妊娠したら、
あんな娘に世継ぎを産ませてたまるかと、あの手この手で堕胎させようとするのです。
 
悪意が蠢く大奥に現れる物の怪“火鼠(ひねずみ)”を祓いにやってきた薬売り。
子鼠は祓えても親鼠を祓うのは容易ではありません。
というのも、親鼠は自らの体を燃やしてでも恨みを晴らそうとしているから。
 
親鼠が「許せない」ものは誰なのか、何なのか。
わかったときにはじんわり切なくなりました。
 
話も絵もすごく好き。第3弾の公開も待ち遠しい。

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『ドマーニ!愛のことづて』

『ドマーニ!愛のことづて』(原題:C’e Ancora Domani)
監督:パオラ・コルテッレージ
出演:パオラ・コルテッレージ,ヴァレリオ・マスタンドレア,ジョルジョ・コランジェリ,
   ヴィニーチョ・マルキオーニ,ロマーナ・マジョーラ・ヴェルガーノ,エマヌエラ・ファネッリ他
 
昨年5月に“イタリア映画祭 2024”にて上映された作品を劇場公開。イオンシネマ茨木にて。
映画祭時の邦題は、英題の“There’s Still Tommorow”を和訳した“まだ明日がある”でした。
 
主演女優のパオラ・コルテッレージはイタリアの人気コメディエンヌだそうで、
これが彼女の監督デビュー作でもあります。
いや~、アラフィフでそれなりにおばちゃんではあるものの美人だし、演技も上手いし、
そのうえこんな良作まで自分で撮っちゃうとは、天は二物を与えずどころじゃないですね。
 
全編モノクロで、いつの時代の話なのか最後まで明かされません。
いったいこれはいつのこと?と思いながら。
 
デリアは年頃の娘マルチェッラと悪ガキ2人、計3児の母親。
夫のイヴァーノは常にデリアを見下し、暴力を振るうのもモラハラも普通のこと。
寝たきりの舅オットリーノもさすがイヴァーノの父親で、介護するデリアを罵倒してばかり。
夫にも義父にも従うのみのデリアのことがマルチェッラは情けなくて仕方ない。
母親のような生き方は絶対にしたくないと思っている。
 
そんなマルチェッラが結婚を考えている富裕な家庭の青年ジュリオを家に呼ぶことになり、デリアは大喜び。
金持ちと結婚するが勝ちだから、イヴァーノも近所で大威張り。
 
ジュリオ一家が顔合わせに来る日、粗相のないように注意を払うが、
イヴァーノは相手の鼻につく態度にムカつき、歩けないはずのオットリーノはベッドから出て来る。
息子ふたりは父親と祖父譲りの口の悪さを発揮し、ジュリオの両親は唖然。
それでもジュリオはマルチェッラと結婚の意思を崩さず、デリアは一安心。
 
しかし以降もイヴァーノの暴力は止まることがない。
マルチェッラさえ幸せになってくれたら思い残すことはないと考えていたとき、
若かりし頃からデリアに想いを寄せるニーノから駆け落ちを持ちかけられる。
今こそそうすべきだと思っていた日、折り悪くオットリーノが亡くなって……。
 
酷い夫なんです。舅も。早く逃げ出せばいいのに、こんな家、と思う。
でも、逃げたところでどこへ行けばいいのかわからない。
手に職はあるのに、それが役立つことをデリア自身がわかっていません。
内職でひそかにへそくりを貯めるのも自分のためではなく娘のため。
 
親友のマリーザはどこまでもデリアの味方で、デリアが早く逃げる気になればいいと思っています。
デリアの頼みならいつでも口裏を合わせる用意があるのに、舅が死んでしまうとは。
致し方なく弔問してベッド脇で悪口を言い合うシーンは楽しい(笑)。
どこの誰かわからんババァが家に上がり込んで祈りを捧げつづけているのも。怖いがな。(^^;
 
駆け落ちの夢が壊れたかと思われたデリアの向かう先。
てっきり「まだ明日がある」と気を取り直してニーノを追いかけるのかと思ったら。
 
このオチは予想していませんでした。良いほうに見事に裏切られる。
舞台は1946年だということが最後にわかる。その年、イタリアで何があったか。
ネタバレしてしまいたいけれど、これは知らずにご覧いただきたい。

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『早乙女カナコの場合は』

『早乙女カナコの場合は』
監督:矢崎仁司
出演:橋本愛,中川大志,山田杏奈,根矢涼香,久保田紗友,平井亜門,
   吉岡睦雄,草野康太,のん,臼田あさ美,中村蒼他
 
前述の『デビルズ・ゲーム』の後、同じくなんばパークスシネマにて。
 
柚木麻子の小説『早稲女、女、男』を『さくら』(2020)の矢崎仁司監督が映画化。
 
これはネタバレになるのかしら。脇役にのんって何!?と訝る。
なるほど、『私にふさわしいホテル』(2024)とのコラボになっているのですね。
あちらで作家を演じていたのんが、こちらではそれからベストセラー作家となっていて、
あちらでカリスマ書店員を演じていた橋本愛が、こちらでは編集者となります。
こういう「同じ作家の小説を原作として、違う監督が映画化して、キャストでコラボ」って楽しいなぁ。
 
大学の入学式の日、演劇サークルの出し物で撃たれて倒れる役を演じていた長津田啓士(中川大志)。
それを本当の出来事と勘違いして長津田に駆け寄る早乙女カナコ(橋本愛)。
これが縁でカナコと長津田はつきあうようになり、3年が経つ。
 
憧れの編集者になるべく就職活動するカナコは、バイトしていた念願の大手出版社に内定。
一方の長津田は留年を繰り返して卒業する気なし。
脚本家になりたいと言うも、ただの1本も書けていない。
次こそ卒業するという約束を反故にされ、さすがのカナコも愛想を尽かす。
 
ある日、カナコは内定先の社員で同じ大学出身の吉沢洋一(中村蒼)からコクられる。
ちゃんと仕事していてイケメンで誠実、優しい。
どう考えても長津田より吉沢のほうが良いに決まっているのに決められないカナコ。
 
相変わらず大学で過ごす長津田は、新入生の本田麻衣子(山田杏奈)にロックオンされる。
麻衣子と出かけることは多いものの、常にカナコのことが頭の中にある。
それに気づいている麻衣子はカナコに対抗心を燃やすのだが……。
 
少しずつ「わかるわかる」と言いたくなる人物ばかり。
こいつ絶対許さんという人は出てきません。
 
人間の嫌な部分を自覚しつつ、それを隠しきることはできなくて、人にも自分にも腹を立てる。
最初はどうにも好きになれなかった麻衣子だけど、途中からは○。カナコと彼女のやりとりが微笑ましい。
吉沢の元カノ役の臼田あさ美もよかったです。
 
みんな自分に正直に生きている。だからって人に迷惑かけてる生き方でもない。
なんとなく好ましい人たちを見守りたくなる作品でした。
 
それにしても中村蒼がオッサンになったなぁ。
『ひゃくはち』(2008)の彼が懐かしくて。

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