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『ONODA 一万夜を越えて』

『ONODA 一万夜を越えて』(原題:Onoda)
監督:アルチュール・アラリ
出演:遠藤雄弥,津田寛治,仲野太賀,松浦祐也,千葉哲也,カトウシンスケ,井之脇海,
   足立智充,吉岡睦雄,嶋田久作,伊島空,森岡龍,諏訪敦彦,イッセー尾形他
 
10月の3週目は一度も劇場へ足を運びませんでした。
職場あるいは家から近い劇場では観たい作品の上映がなく、
観たかった本作は梅田か西宮まで行かねばならず。
で、3週目は毎日直帰してプロ野球中継を観るのに専念し、
休日にTOHOシネマズ西宮にて3本ハシゴ、1本目に本作を鑑賞しました。
 
横井庄一さんと小野田寛郎さん。
どちらも戦争が終わったことを知らずに赴任地で何十年も潜伏生活を送っていた人。
横井さんはアメリカ領グアム島に、小野田さんはフィリピンのルバング島に、
ふたりとも30年近くいましたが、小野田さんのほうがちょっと長い。
 
そんなに長く終戦を知らずにいるなんて、頭おかしいんじゃないの。
正直なところ、本作を観るまでそう思っていました。ごめんなさい。
 
太平洋戦争末期の1944(昭和19)年。
陸軍中野学校二俣分校で遊撃戦の特殊訓練を受けていた小野田寛郎。
フィリピンのルバング島に赴任した小野田は部下を率いて情報を収集。
ひとり、またひとりと部下が何らかの形で命を落としてゆくなか、
上官から「降伏も玉砕も絶対にするな」と命じられていた小野田は、潜伏生活を続けるのだが……。
 
仲野太賀演じる青年が島でキャンプしようとしているシーンから始まります。
予備知識なしに観に行ったものだから、彼が若かりし頃の小野田さんかと思いました。
するとどうも様子が違う。仲野太賀はこのあと終盤まで登場しません。
小野田さんは実際にこのように、青年・鈴木紀夫さんによって発見されたのですね。
 
鈴木さんについては鑑賞後に調べました。
作品中の台詞にあったように、バックパッカーだった彼はこの時点で世界50カ国を周り、
「野生のパンダ、小野田さん、雪男」の順に探し歩いていたのだとか。
 
監督はフランス出身のアルチュール・アラリ。
日本人キャストにこだわったそうな。
そのおかげで、妙な日本語イントネーションの「日本人風」俳優はいない。
小野田と共に過ごす3人、演じる役者がみんな芸達者。
 
青年期の小野田を演じるのは遠藤雄弥。成年期は津田寛治
小野田さんが鈴木青年に発見されたのは1974(昭和49)年ですが、
その2年前まで小野田と共に潜伏生活を送っていた部下の小塚金七役は、
青年期を松浦祐也、成年期を千葉哲也が演じています。
 
小塚としょっちゅう喧嘩していた島田庄一にカトウシンスケ。
島田は潜伏を始めて約10年後に銃撃を受けて亡くなっています。
最も若い赤津勇一に最近非常によく見かける井之脇海
20歳になるかどうかという年齢でこんな日々を送っていたとは。
彼は潜伏生活5年目の頃に隊を離れ、終戦を知ったようです。
 
また、小野田が忠誠を誓った上官・谷口役にイッセー尾形
谷口から降伏するな、玉砕も許さない、何年経とうがそこにいろ、
必ず迎えに行くからと言われてひたすらそれを守った小野田。
上官の命令がこれほどのものだったと思うとやるせない。
 
潜伏生活がこれだけ長いのに、そのわりには小野田も小塚も綺麗なんです。
そこだけはものすごくフィクションだなとは思いますが、
もしもゲッソリ薄汚く描かれていたら、見ていられなかったかもしれません。
 
小野田さんは日本に帰国して2014(平成26)年までご存命でした。
長寿だったのは私たちの救いに思えます。
幸せでしたか。やっぱり訊いてみたい。

—–

『キャッシュトラック』

『キャッシュトラック』(原題:Wrath of Man)
監督:ガイ・リッチー
出演:ジェイソン・ステイサム,ホルト・マッキャラニー,ジェフリー・ドノヴァン,ジョシュ・ハートネット,
   デオビア・オパレイ,エディ・マーサン,スコット・イーストウッド,アンディ・ガルシア他
 
ガイ・リッチー監督によるアメリカ/イギリス作品。
主役は大好きなジェイソン・ステイサムだから、
公開初日、仕事帰りにイオンシネマ茨木まで走りました。
 
リメイクなんですよね、これ。
オリジナルは『ブルー・レクイエム』(2004)というフランス作品。未見です。
 
ロサンゼルスにある現金輸送専門の武装警備会社フォーティコ・セキュリティ社に、
ヨーロッパの倒産した警備会社で働いていたという男パトリック・ヒルがやってくる。
人事を担当するマネージャーのテリーは、パトリックの経歴を高く評価。
しかしとりあえずは体力や適性に問題がないか調べなければならない。
体力検査や拳銃の命中率などを審査し、パトリックはかろうじてクリアする。
 
ところが、ギリギリ合格点だったはずの彼がとんでもない強者であることがわかる。
社員の中でリーダー格のブレット、中堅のデイヴと組んで現金輸送車に乗り込んだパトリックは、
強盗に襲われたさい、人質に取られたブレットを見て震え上がるデイヴを横目に、
驚異的なスキルで犯人たちを次々と殺したのだ。
 
フォーティコ社の社長はまったく金銭的被害が出なかったことに大喜び。
また、パトリックの活躍が紙上を賑わせて有名人となったため、
次に現金輸送車を狙った強盗団がパトリックを見た瞬間に怯えて逃げ出すまでに。
社員たちはパトリックがいったい何者なのかと訝りはじめるのだが……。
 
パトリックの狙いは何なのかはわりと早く明らかにされます。
だからネタバレにはならないと思うんですけど。
 
パトリックの一人息子は強盗現場を目撃したために犯人に殺されました。
その強盗団はまだ捕まっておらず、復讐するためにやってきたパトリック。
強盗に遭って犯人たちの覆面を剥ぐたびに、息子を殺した奴とは違うことに落胆します。
 
概ね面白かったのですけれど、テンポがイマイチ。そして暗い。
ガイ・リッチー監督なら、もっとシュシュッと、そして時折笑ってしまうような明るさもあるのに。
小気味よさに欠けると言いましょうか。
 
フォーティコ社のマネージャー役にエディ・マーサン
強すぎるパトリックに腰が引けている姿が可笑しい。
憎き強盗団を率いるジャクソンを演じるのはジェフリー・ドノヴァン
この人、たいてい悪役ですよね。善人役だったのはこのときぐらいしか記憶にない。
そして誰よりも嫌な奴の役だったのが、スコット・イーストウッド
そうです、クリント・イーストウッドの息子。
彼は今後こういう悪い脇役で生きていくことにしたのかも。
 
最初から最後まで観てもわからんかったのが、そもそもパトリックの会社って何をしている会社なのかということ。
真っ当なことはしていそうにないけれど、勤めている人たちは真っ当に見えなくもない。
政府の組織ではなさそうに見えるけど、FBIとは繋がっている。政府の組織なのかなぁ。
あ、FBIの人でアンディ・ガルシアが出ています。
 
パトリックがこそこそと動き回っているのもすべて復讐のためだけど、
何をやっているのかよくわからないところが他にもちょこちょこあって、スッキリ感はありません。
ただ、スコット・イーストウッドがあんな目に遭っていい気味ではある(笑)。
 
もう一度観たら、わからなかったこともわかるのでしょうか。
かと言ってもう一度観たいほど面白かったわけじゃない。

—–

『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』

『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(原題:The Conjuring: The Devil Made Me Do It)
監督:マイケル・チャベス
出演:ヴェラ・ファーミガ,パトリック・ウィルソン,ルアイリ・オコナー,
   サラ・キャサリン・フック,ジュリアン・ヒリアード,ジョン・ノーブル他
 
観るつもりはなかったのです。怖いから。でも、観るものがこれかもう1本しかない。
もう1本の上映は職場にいちばん近い劇場で18:50から。
これの上映は自宅にいちばん近い劇場で17:55から。
ということは、帰宅時間が1時間以上変わるわけですよ。
そんな理由でこんな怖そうな映画を選ぶか!?と思いつつ、そんな理由で選びました。
109シネマズ箕面にて。3日連続でかよっています。(^^;
 
“死霊館”シリーズは、実在の心霊研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻が、
恐ろしい心霊現象の謎に立ち向かうという大ヒットホラー。
ホラー苦手な私は当然観たことがありませんが、
ジェームズ・ワンが監督を務めた第1弾『死霊館』(2013)がヒット。
それに登場した人形アナベルをフィーチャーしたスピンオフが『アナベル 死霊館の人形』(2014)。
第2弾は『死霊館 エンフィールド事件』(2016)。
その後も“死霊館ユニバース”と称される関連作品いろいろ。
 
怖いのは怖いけど、個人的に恐怖を感じる人形よりはマシだろうし、
なにしろ私は直近50年で最も怖いと言われる『ヘレディタリー/継承』(2018)を観ている。
それよりは怖くないんじゃないの~?
 
監督は“死霊館ユニバース”のひとつである『ラ・ヨローナ 泣く女』(2019)のマイケル・チャベス。
ヴェラ・ファーミガって、『エスター』(2009)を思い出して初めから怖いがな(泣)。
ま、行ってみよう。
 
1981年。心霊研究家のウォーレン夫妻、エドとロレインは、
グラツェル家の依頼により、少年デヴィッドの悪魔祓いの儀式に立ち会う。
思った以上に手強い悪魔を引き離そうと、儀式は凄絶なものに。
デヴィッドの命が危ういと感じたエドは、自分に取り憑くようにと悪魔に語りかける。
そのせいでエドは意識を失うが、デヴィッドの体から悪魔は消え去る。
 
明るい日常が戻ってきたグラツェル家。
しかし、病院で目を覚ましたエドは、グラツェル家に直ちに警告しなければと言う。
悪魔はデヴィッドから離れたものの、エドには乗り移らずに、
儀式に居合わせた青年アーニーへと乗り移っていたのだ。
アーニーはデヴィッドの姉デビーの恋人で、しばらくは変わりなく過ごしていたが、
ある日突然、家主を狂ったように刺して殺害する。
 
返り血を浴びて放心状態で歩いているところを捕まえられたアーニー。
殺人の瞬間の彼はアーニーではなかったと証言するデビー。
アーニーに悪魔が取り憑いていたことを証明できれば無罪もあり得る。
彼を救うため、ウォーレン夫妻は証拠を探しはじめるのだが……。
 
すげぇ怖かったので、『未成仏百物語 AKB48 異界への灯火寺』の鑑賞時と同様、
眼鏡をかけずに裸眼で観ました。
薄ぼんやりと見えるぐらいでいいのに、やっぱり視力0.3だとじゅうぶんに見えてしまう(笑)。
怖そうなシーンが来るなと思うときは目を閉じ、ときどき薄目を開けて鑑賞。
観たとは言えないほど直視していないシーンが多いです(笑)。
 
でも話自体はとても面白かった。
呪いをかけられた人に何か恨みがあるのかと思いきや、
悪魔崇拝者って、恨んでいるから呪ってやるとかじゃないんですね。
ただ、カオスとなるのを好んでこんなことをする。
誰でもターゲットになる可能性があるのだとしたら、めっちゃ怖いのよ。
 
ウォーレン夫妻は共にすでに亡くなっています。
エドは15年前に79歳で、ロレインはつい2年前までご存命だったそうで、92歳で他界とのこと。
こんな恐ろしいことを職にして長生きできるって、凄いなぁ。
事件に関わるたびに寿命が縮んでいきそうだもの。
 
ふたりの馴れ初めのお話が素敵です。
とても怖いホラー映画だったけど、こういう話が挟まれていることに救われるし、
同様の事件を捜査する刑事とのプレスリーに関する会話にもクスッ。
暗くておぞましいだけじゃないところがよかった。
まだ何か出てくるんじゃないかと思って最後までドキドキしますけどね(笑)。

—–

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(原題:No Time to Die)
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
出演:ダニエル・クレイグ,ラミ・マレック,レア・セドゥ,ラシャーナ・リンチ,ベン・ウィショー,
   ナオミ・ハリス,ジェフリー・ライト,クリストフ・ヴァルツ,レイフ・ファインズ他
 
109シネマズ箕面にて。
 
“007”シリーズはダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドになってからしか観ていません。
彼がボンドを演じるのは5作目。これが最後になってしまうなんて寂しいなぁ。
 
さて。冒頭はジェームズとその恋人マドレーヌのやたら幸せそうなシーン。
“ワイルド・スピード”シリーズもよくこんな感じで始まりますよねぇ。
それが一瞬にして不幸に見舞われる。
ボンドの場合は、彼ひとりでいるときに何者かに襲われ、
自分の居場所を敵に教えられるのはマドレーヌしかいないと、彼女を裏切り者に認定します。
必死で否定する彼女を見て、そうじゃないのかもと思ったものの、
もう彼女とは一緒には居られないと別れます。
 
さてさて。ふたりが分かれてから時は経ち、5年後。
本来なら本作は昨年公開されていたはずですから、
前作『007 スペクター』(2015)からもちゃんと5年後。
 
公開直後に観たという友人から、人間関係がようわからんから説明してほしいと言われました。
酔っぱらってメッセージをくれたので、しらふになった今はすでにわかっているでしょう(笑)。
 
ラミ・マレック演じる今回の敵=サフィンは、まだ子どもだった頃、
自分の家族を闇の巨大組織“スペクター”のメンバーに殺されました。
大人になったサフィンは、復讐を果たすために犯人の家を訪ねます。
それがこちらもまだ子どもだったマドレーヌの家でした。
つまり、サフィンの家族を殺したのは、マドレーヌの父親だったというわけです。
 
ところがマドレーヌの父親は不在。
サフィンは母親を瞬殺すると、逃げたマドレーヌを追いかけます。
家の前に広がる凍った湖を駆け出したマドレーヌは氷を踏み抜き、
そのまま溺れかけたところを救ったのがなんとサフィン。
少女だったマドレーヌをサフィンは殺せなかったのです。
 
何十年も経った今、サフィンはやはり復讐を果たそうと考えます。
まずはスペクターの壊滅を目論み、完遂。
そして今度は家族を殺した憎き犯人の娘マドレーヌを苦しめようとします。
 
彼女を苦しめるいちばんの方法は、彼女が愛してやまない者を消し去ること。
マドレーヌが最も愛しているのはジェームズと、
(ジェームズは知らなかったけれど)マドレーヌとジェームズの間に生まれた娘マチルド。
 
という流れになっていると思うのですが、私の解釈って合ってます!?
 
めっちゃよかったとは言えないけど、160分超の長編なのに飽きません。
睡魔に襲われることなく最後まで観られました。
 
ラミ・マレックには悪役の迫力があまり感じられなくて、イマイチ。
死んだと思われていたジェームズの007番を継いだという、
ノーミ(ラシャーナ・リンチ)は器が小さすぎて(笑)、007を名乗るのは許しがたい。
と思っていたら、終盤はそれなりの人物になっていましたね。
 
私はやっぱりベン・ウィショー演じるQが好き。
彼がゲイであることを匂わせる台詞は初めて登場したのでは。
好きな人が来訪するからといそいそ料理していたのに、
その直前にやってきたジェームズに嫌な顔をするところも笑いました。
ジェームズに苛立つノーミに、秘書のイヴ(ナオミ・ハリス)が聞かせるジェームズ評も笑った。
ボンドガール、マドレーヌ役のレア・セドゥも好きでした。
 
これで本当にサヨナラかぁ。
って、ダニエル・クレイグが死んだわけじゃなし。
で、次のボンドは誰!?
誰でもいいけど、候補に挙がっているヘンリー・カヴィルは無しじゃないか?
スーパーマンの人がボンドなんて、変すぎる。

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『MINAMATA ミナマタ』

『MINAMATA ミナマタ』(原題:Minamata)
監督:アンドリュー・レヴィタス
出演:ジョニー・デップ,真田広之,國村隼,美波,加瀬亮,浅野忠信,岩瀬晶子,ビル・ナイ他
 
109シネマズ箕面にて。
 
人気者のジョニー・デップですが、実は私はあまり思い入れがありません。
『シザーハンズ』(1990)や『ギルバート・グレイプ』(1993)の彼はそりゃもうよかったけれど、
ちょっとキワモノ的なイメージが付いてしまって、
普通の男を演じる彼の姿がなかなか見られなくなりました。
で、あんまり食指が動かなかったけど、ほかに観るものがなかったので。
結果、これは観に行ってよかったです。
 
1918年生まれのアメリカ人、ユージン・スミス。
第二次世界大戦中、戦争写真家として沖縄へ派遣された彼は、
歩兵と共に戦場にいたさいに爆風を浴び、全身を負傷しています。
本作にはそれに関する具体的な描写はありませんが、
戦争の様子が何度もフラッシュバックするシーンがあり、
また、胸の傷跡が一瞬見えるシーンも終盤にあります。
 
ジョニー・デップ演じるユージンは、伝説の写真家ではありますが、
戦争が終わって数十年経った1970年代、
かつてのような写真を撮ることもなく、酒に溺れる日々。
仕事がないから、離れて暮らす子どもに残す金もありません。
 
それをぼやいていたところへアイリーンという女性がやってきます。
彼女が言うには、熊本県水俣市でチッソという会社が有害物質を含む廃水を垂れ流している、
苦しんでいる人々がいるから、あなたが写真を撮って世界に伝えてほしいと。
 
沖縄で散々な目に遭っているユージンは、二度と日本には行きたくないとアイリーンを追い返しますが、
彼女が置いていった資料を見て愕然とします。これは日本に行かなければと思う。
 
旧知のライフ誌の編集長ロバート・“ボブ”・ヘイズに金を出してくれと半ば脅し、
ユージンはアイリーンと共に水俣へと向かいます。
そこで彼が目にしたものは、想像を遙かに超えていました。
 
ユージンとアイリーンを家に泊めてしばらく世話をするのが、
浅野忠信と岩瀬晶子が演じるマツムラ夫妻。
夫妻の娘は脳性麻痺と診断されていますが、そんなはずはない。水俣病です。
加瀬亮演じる住民のひとりも息子が水俣病に冒され、自身にも症状が出ている。
シャッターを切るユージンを國村隼演じるチッソの社長は大金で買収しようとし、
応じないと知るや、ネガフィルムを焼き尽くそうとします。
 
ボブ役のビル・ナイが素晴らしい。
ユージンに振り回されてきた彼が、最後に今一度ユージンを信じたおかげで、
彼にしか撮れない写真がこうして後世まで残っているのですね。
って、ボブの存在はどこまで本当なのかわかりませんけど。
 
水俣病といえば、教科書で知るぐらいの知識しかありませんでした。
エンドロールでは公害病に苦しむ世界各地の人々の写真も見ることができます。
今なお、苦しんでいる人たちがいることを覚えておきたい。

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