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『雨とあなたの物語』

『雨とあなたの物語』(英題:Waiting for Rain)
監督:チョ・ジンモ
出演:カン・ハヌル,チョン・ウヒ,イ・ソル,カン・ヨンソク,
   イム・ジュファン,イ・ヤンヒ,イ・ハンナ,カン・ソラ他
 
シネマート心斎橋にて2本ハシゴの2本目。
 
2003年の韓国。
ソウルに暮らすヨンホ(カン・ハヌル)は予備校に通う浪人生。
ふと思い出したのは、小学校の運動会のときのこと。
かけっこで派手に転倒したヨンホに優しかった同級生ソヨンに手紙を出してみたところ、
それを受け取ったのはソヨンの妹ソヒ(チョン・ウヒ)だった。
ソヨンは病床にいるということを伏せたまま、姉に代わって手紙を書くソヒ。
 
一方、ヨンホに片想い中の予備校生スジン(カン・ソラ)は、
なんだかんだとヨンホの周辺に出没。
変わった女だと思いつつもヨンホはスジンと楽しい時間を過ごすが、ソヨンへの想いとは別物。
いつかソヨンに会えると信じて手紙を書き続けるヨンホだったが……。
 
前述の『ニューイヤー・ブルース』よりも本作がこの日の本命だったのです。
「雨」とタイトルに付くだけで観たくなってしまうもので。
 
なのに、序盤で結構寝てしまった。話が穏やかに流れすぎて、睡魔に打ち勝てず。(^^;
だから、上記のあらすじも、起きている時間に把握できた部分。合ってる!?
中盤以降なんとか覚醒しました。
 
亡くなった人に宛てられた手紙。その人のふりをして身内の誰かが返事を書く。
『チィファの手紙』(2018)、『ラストレター』(2019)がまさにそれです。
そしてどれも、身内の誰かとは亡くなった人の妹で、妹は手紙の主が好きだった。
切ないですよねぇ。
 
素敵だったのは、ヨンホの実家の傘店と、ソヒの実家の古書店
結局進学をあきらめて傘の職人になったヨンホが作る傘の美しさには息を飲みました。
叶わぬ恋の相手から傘を贈られたスジンがいちばん切なかったかも。
 
予備校の鬼講師が黒板の横に学費の入った封筒を毎日つるしていて、
途中で辞めたくなった奴はこれ持って帰れと言うのも可笑しいですよね。
授業中に突然立ち上がったかと想うとシュパッとそれを奪って帰るヨンホに笑った。
 
エンドロールに突入して終わりかと思ったら、まさかのオチ。
いやいやいや、そんなのあり!? さらに切ないでしょ!
 
……寝てしまったと思っていたけれど、結構ちゃんと観てますよね!?私。(^o^;

—–

『ニューイヤー・ブルース』

『ニューイヤー・ブルース』(英題:New Year Blues)
監督:ホン・ジヨン
出演:キム・ガンウ,ユ・インナ,ユ・ヨンソク,イ・ヨニ,イ・ドンフィ,
   チェン・ドゥーリン,ヨム・ヘラン,チェ・スヨン,ユ・テオ他
 
シネマート心斎橋にて2本ハシゴの1本目は、いわば韓国版『ラブ・アクチュアリー』(2003)。
クリスマスから新年を迎えるまでの7日間の4組の男女を描いた群像劇です。
 
強行犯係の刑事ジホ(キム・ガンウ)は、ちょっと暴走気味なのが災いして配置換えされる。
異動先で対応することになったのは、ヒョヨン(ユ・インナ)の身辺保護。
ヒョヨンはフィットネストレーナーで、離婚調停中の夫にストーキングされているらしい。
 
契約社員のジナ(イ・ヨニ)は、長年貢いできた恋人にいとも簡単にフラれて傷心。
とにかく遠くへ行こうと、イグアスの滝に飛び込むつもりでブエノスアイレスへと旅立つ。
そこで出会ったのはワイナリーで働くジェホン(ユ・ヨンソク)。
 
旅行会社の店長ヨンチャン(イ・ドンフィ)は、中国人美女ヤオリン(チェン・ドゥーリン)と婚約。
小姑となる姉のヨンミ(ヨム・ヘラン)と韓国語を話せないヤオリンの意思疎通が問題だが、
まぁなんとかなるだろうと思っていたところ、部下が会社の金を持ち逃げしてしまう。
 
レファン(ユ・テオ)は片脚が義足のパラリンピック選手、国家代表のスノーボーダー
植物をこよなく愛する園芸家オウォル(チェ・スヨン)にプロポーズして大成功。
オウォルの稼ぎに頼らなくて済むようにエージェント契約をするが、
そのエージェントはレファンとオウォルの二人三脚美談に仕立て上げたがる。
 
こんな感じの4組です。
ラブコメに興味のない方にはまったくお薦めできませんが、
韓国作品好き、ラブコメ好きならどハマリするはず。
 
ブエノスアイレスの話では、レスリー・チャンの名前がたびたび登場するのも嬉しい。
『欲望の翼』(1990)についての会話もありますよ。
ユ・ヨンソクは私は初めて見るように思いますが、雰囲気が宮沢氷魚に似ている。
でも顔を見てすぐ思ったのは、「土田晃之に似てへんか?」です。(^^;
 
また、情けない顔が似合うイ・ドンフィは星野源っぽい。
そういえば『エクストリーム・ジョブ』(2019)でもひとり真面目に仕事をして怒っていましたよねぇ(笑)。
特筆すべきは、彼の姉を演じるヨム・ヘラン。
やっぱりこの頃は彼女の顔を見ただけで笑ってしまうようになりました。
 
みんな繋がっていて、みんなが幸せになる話はやっぱり良い。

—–

『マトリックス レザレクションズ』

『マトリックス レザレクションズ』(原題:The Matrix Resurrections)
監督:ラナ・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーヴス,キャリー=アン・モス,ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世,
   ジェシカ・ヘンウィック,ジョナサン・グロフ,ニール・パトリック・ハリス,
   ランベール・ウィルソン,ジェイダ・ピンケット=スミス他
 
109シネマズ箕面にて。
 
“マトリックス”シリーズ、18年ぶりの第4弾。
第1弾の1999年で一世風靡、第2弾と第3弾は2003年。
『アニマトリックス』(2003)なんてのもありました。
 
この18年の間になんと「兄弟」から「姉妹」に変わりました。
まずはラリーが、その後アンディが、性別適合手術を受け、
それぞれラナとリリーを名乗るように。ビックリだわ。
本作はお兄さん、いや、お姉さんのほうのラリー改めラナが監督。
 
もともとSFには頭がついていかないんです。
SFを理解できる人の頭ってどうなっているんだと思う。
だから、“マトリックス”もわかっているようで全然わかっちゃいない。
本作も笑ってしまうほど私は理解できていません。
だけど睡魔には襲われなかったから、それなりに面白かったのでしょう。
 
私の理解ではこんな話。
 
トーマスは超人気ゲーム“マトリックス”をつくった世界的に有名なゲームデザイナー。
彼は長らく幻覚症状に悩まされており、セラピストのもとへかよっている。
しかし実は幻覚症状などではなく、そう思い込まされているだけ。
彼の本当の名前はネオで、前作で死んでしまったはずの人。
機械=マトリックスに繋がれて蘇生させられた彼は自分がネオであるという認識なく、
ネオとしての記憶を自身がつくったゲームに反映させていることにも気づいていない。
 
死んだはずなのに生きているらしい伝説の救世主ネオを何十年も探していたのが、
バッグスやモーフィアスとその仲間たち。
あらすじを書こうとすると、この時点ですでに理解できていないのがバレバレなのですが(笑)、
バッグスたちもマトリックスに繋がりながらネオを探しています。たぶん。(^^;
 
ネオと同様に記憶を消されて生きていたのがトリニティー。
彼女はティファニーという名前を与えられています。
トーマスとティファニーとしてカフェで再会したネオとトリニティーは、
なんとなく初対面ではないような気がしている。さて、ここからどうなるか。
 
それなりに歳をとったキアヌ・リーヴスキャリー=アン・モスの共演を見られるのは嬉しい。
過去のシーンがちょこちょこ出てくるのも面白くて、ニヤニヤしてしまいます。
けれど、ラナ・ウォシャウスキー、ちょっと茶化しすぎじゃなかろうか。
エンドロール終了後のシーンなど、かなりふざけています。
“マトリックス”ファンが観たら、この茶化し具合に悲しくなるのではと思いました。
 
若かりし頃のキアヌを懐かしみたい人にはよろしいかと。
SFについていけない私にはSFとしての完成度はさっぱりわかりません。
つまらなくはないけどこれは正しいのかどうか、詳しい人に聞きたい。

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『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』

『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』(原題:Dark Waters)
監督:トッド・ヘインズ
出演:マーク・ラファロ,アン・ハサウェイ,ティム・ロビンス,ビル・キャンプ,ヴィクター・ガーバー,
   メア・ウィニンガム,ウィリアム・ジャクソン・ハーパー,ビル・プルマン他
 
大阪ステーションシティシネマにて。
 
みんな観てっと言いたくなる面白さ。実話に基づく。
 
ロブは主に化学企業を顧客とするオハイオ州の大手法律事務所弁護士
ある日、どう見てもこの事務所にふさわしいとは思えない中年男ウィルバーがロブを訪ねてやってくる。
追い返そうとすると、ウィルバーはロブの祖母の紹介でここへ来たと言う。
 
大切な祖母の紹介ならば、断るにしても丁寧に応対しなくては。
故郷のウェストバージニア州へと向かったロブは、ウィルバーの農場を訪れて愕然とする。
 
ウィルバーの話では、巨大企業デュポン社の工場から排出される廃液のせいで、
彼の農場はことごとく汚染され、死んだ牛の数は200頭近く。
もちろんデュポン社に連絡したが、ウィルバーの管理が悪いと言われただけ。
しかも政府の機関が調査した結果がそれだと言う。
 
納得の行かないウィルバーはデュポン社を訴えるべく、地元の弁護士に相談。
しかしあのデュポン社が相手。すべての弁護士に断られたらしい。
 
立場上、ロブはこんな仕事は引き受けられないと思いながらも、
ウィルバーの話を真剣に聴くべきだと考え、法律事務所の代表トムに掛け合う。
デュポン社を怒らせないよう、慎重に話を進めることにするのだが……。
 
これを観たら、テフロン加工の鍋やフライパンは使えなくなるかもしれません。(^^;
デュポン社のほかにも化学企業の名前がちらほら出ますが、
これって『モンサントの不自然な食べもの』(2008)で見かけた会社ばかり。
 
人間の生活に便利なものを発明する。これは決して悪いことではありません。
だけど、その中に人の命をおびやかすほど危険な物質が含まれていたら。
そしてそれを企業は承知のうえで使っていて、かつ、隠していたら。
 
隠す理由はただひとつ。儲からなくなるから。
時には社員にわからぬように社員たちを使って人体実験に近いことをおこなっている。
なんと恐ろしいことでしょう。
 
巨大企業がある町では大きな雇用が生まれ、住民はデュポン社に感謝している。
環境汚染があったとしても自分の土地のことじゃないからいいと思っているふしすらある。
だから、その企業を訴えたウィルバーは白い目で見られ、
彼以外に原告に加わった人も家に火を放たれたりします。難しいですね。
 
ウィルバーがロブのもとを初めて訪れたのは1998年。
それから20年以上の月日が経ちますが、ロブはまだ戦い続けているそうです。
 
危険であることをひたすら隠して安全だという会社の偉いさんたち。
あなたたちの家では自社製品を愛用していますか。

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『テュベテイカをかぶった天使』

『テュベテイカをかぶった天使』(原題:Angel v Tyubeteyke)
監督:シャケン・アイマノフ
出演:アミナ・ウルムザコワ,アリムガズィ・ラインベコフ,ビビグリ・トゥレゲノワ他
第七藝術劇場では“中央アジア今昔映画祭”を開催中。
1991年にソビエト連邦が崩壊してから30年。
崩壊と前後して独立した中央アジアの国が5つ。
それらの国々の映画を観ようじゃあないかという催し物。
本作は1968年に製作されたカザフスタンの作品です。
テュベテイカとは中央アジアの伝統的な帽子。
その帽子をかぶった天使って、可愛い子どものことだろうと思ったのに、
口ひげを生やして腹の出たオッサンかいっ!(–;
愛息タイラクの誕生日を祝うため、田舎から都会へやってきた母親タナ。
テュベテイカを手放さないタイラクのことをタナは「天使」と呼ぶ。
タイラクは地理の教師で思いやりのある男だが、あいにく独身。
タナはこの機会にどうしても息子に花嫁を見つけたいと思い……。
オドロキモモノキサンショノキ。
いくら50年以上前の作品とはいえ、この花嫁探しは普通のことだったのでしょうか。
タナは街中を駆け巡り、タイラクにふさわしいと感じる女性に次々と声をかけます。
「ちょっといいかしら。あなた歳はいくつなの」てな具合で。
20歳そこそこの女性を見つけると強引に家に招き、タイラクと会わせる。
ちゃんと相思相愛の相手がいるタイラクは、わざと変な態度を取ってみせます。
必死で息子の花嫁を探す母親のことがちょっとした話題になり、
タナが立場を偽って女子寮を訪れてもバレバレでからかわれる。
それでもまったく平気な母親を強いと見るか、イカれていると思うか。
珍しいカザフスタンのミュージカルという触れ込みでしたが、
ミュージカルというのはどうなのかなぁと思います。
登場人物たちが急に踊り出すのではなく、歌うシーンで踊るだけ。
そのシーンが唐突というわけでもありません。
それより私が驚いたのは、キスシーンがあるんだということです。
こういう国の作品にキスシーンはないだろうという偏見ですかね。
タナが選んだ女性がバレリーナで、その舞台を観に行ったら、
男性ダンサーと踊る場面があり(そら踊るやろ)、
男にあんなに体を触らせるなんてあかんと縁談を進めるのをやめるし、
理不尽このうえないタナを見ているとイライラします。(^^;
そんなタナもいい歳をして恋に落ちるという衝撃のハッピーエンド。
おかげでタイラクもタナに反対されていた恋を実らせます。
しかしタイラクっていったい何歳なんですか。
チョビひげでハゲ、たるんたるんの、どう見ても中年の冴えない男なんですけど。
こういうタイプがカザフスタンではカッコイイ人なのかしら。解せん。

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