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『ただ悪より救いたまえ』

『ただ悪より救いたまえ』(英題:Deliver Us from Evil)
監督:ホン・ウォンチャン
出演:ファン・ジョンミン,イ・ジョンジェ,パク・ジョンミン,
   パク・ソイー,チェ・ヒソ,白竜,豊原功補他
 
冬休み初日、テアトル梅田で『私はいったい、何と闘っているのか』を観たあと、
梅田ブルク7へ移動して本作を鑑賞。
北新地でのひとりディナーまでの空き時間にピッタリだという理由のみで選びましたが、
さすがファン・ジョンミンイ・ジョンジェ、面白かったぁ。
 
凄腕の暗殺者インナムは引退を決意、最後の仕事を引き受ける。
それは東京で悪の中の悪、ヤクザのコレエダ(豊原功補)を殺害することで、難なく完遂。
ところがコレエダの葬式にならず者のレイ(イ・ジョンジェ)が参列していたことを知る。
実はコレエダは在日コリアンでレイとは兄弟。
怒りに燃えるレイは、インナムを見つけ出して復讐しようとする。
 
また、インナムのかつての恋人ヨンジュ(チェ・ヒソ)がバンコクで殺されたことも知る。
しかもヨンジュにはユミン(パク・ソイー)という娘がいて、何者かに連れ去られたらしい。
ユミンは9歳、もしやそれは自分の娘ではないかと考えるインナム。
 
手がかりを探しながら東京から韓国へ、そしてタイへと飛んだインナムは、
ニューハーフのユイ(パク・ジョンミン)にガイドを頼み、ユミンの行方を探す。
レイも手下を総結集して血眼になりながらインナムを追ってきて……。
 
つらい話です。人身売買がこうも簡単におこなわれているのかと思うと。
現在ダンナはタイに駐在中ですが、本作を観ると、バンコクが途轍もなく怖い場所に思える(笑)。
児童をかっさらってきて臓器を取り出し、売買する。
現地の子どももそんな目に遭うけれど、それよりも韓国人の子どもの臓器が高く売れるとか。
警察は闇組織からしっかり賄賂をもらっていて、このような蛮行にも見て見ぬふり。
 
レイ役のイ・ジョンジェの鬼気迫る演技が怖すぎる。
彼が『イカゲーム』に出演しているとはつゆ知らず。そりゃ観なくっちゃ、『イカゲーム』も。
 
重苦しい空気の中、パク・ジョンミン演じるユイが笑わせてくれます。
インナムが死ぬわけないと思って安心して観ていたのに、マジか。(T_T)
でもユイがついてくれていたならば大丈夫でしょう。あ、ネタバレすみません。

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『私はいったい、何と闘っているのか』

『私はいったい、何と闘っているのか』
監督:李闘士男
出演:安田顕,小池栄子,岡田結実,ファーストサマーウイカ,SWAY,金子大地,
   菊池日菜子,小山春朋,田村健太郎,伊藤ふみお,伊集院光,白川和子他
 
「今年観た映画50音順」を開始した後、旧年中に観た作品をしばらくはUPします。
本作は仕事納めの翌日、冬休み初日にテアトル梅田にて。
 
原作はお笑い芸人つぶやきシローの同名小説。
予告編を観たときはバカバカしくて笑える話だろうと思っていましたが、
なかなかどうして、数箇所に渡って涙が頬を伝いました。マスク濡れるがな。(^^;
 
スーパーマーケット“ウメヤ”に勤める45歳の伊澤春男(安田顕)は、万年主任ではあるものの、
店長の上田(伊集院光)から頼られる存在で、従業員たちの人望も厚い。
 
一方、家庭での彼は空回りしっぱなしだが、しっかり者の妻・律子(小池栄子)が切り盛り。
長女・小梅(岡田結実)、次女・香菜子(菊池日菜子)はいずれも美人で優しく、
末っ子でデブの長男・亮太(小山春朋)もユーモアたっぷりの可愛げのある奴。
 
ある日、上田店長が急逝し、次期店長は春男で間違いなしと誰もが噂する。
ついに昇進だと本人も家族も高揚を隠せないが、
本社の経理部にいたという西口(田村健太郎)が新店長として就任して……。
 
こんなに美人で年頃の娘たちが、冴えない父親に何故ここまで優しいのか。
ネタバレになりますが、ふたりとも春男の実の子どもではありません。
沖縄出身の律子はかつて地元の男とつきあっているときに身ごもり、
そのとき相手に逃げられたというのに、再会してまた妊娠、そしてまた逃げられました。
傷心の彼女と出会ったのが春男で、彼は何もかも承知のうえで律子と結婚。
じゃないと娘たちが父親をこれほど持ち上げるのは変だとは言わんけど。(^^;
 
本当に良い家族なのです。
頼りない父親をみんなで見守り、勇気づけて、盛り立てる。
その理由は、このお父さんがいなければどうしようもなかったと、
長男を除く全員がわかっているからなのですね。
 
スーパーでただひとり春男に冷たい従業員、高井役のファーストサマーウイカが素晴らしい。
彼女が異動する春男に贈った言葉は、
「努力しても報われない奴はいる。ただ、成功した奴は必ず努力している」。
長州力の名言だそうな。私も覚えておこう。
それと、春男がたまに寄る食堂のマダム役に白川和子
彼女の台詞は「それだけ食えりゃ大丈夫さ」3回と「それだけ叫べりゃ大丈夫さ」1回のみ。
そうだよね、いくら落ち込んでいたとしても、それだけ食えりゃ、人間大丈夫。

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好きだった映画、嫌いだった映画〈2021年〉

あけましておめでとうございます。
 
2021年に劇場鑑賞した作品は278本。
DVDあるいは配信で鑑賞した作品は84本で、合計362本。
コロナ初襲来の2020年より61本も少ない鑑賞本数でした。
というのも、2020年は休業中を除いて劇場は通常営業していました。
ところが2021年は営業再開後も時短営業。
これではどうがんばっても仕事帰りに1本しか観られず、本数を伸ばすことできず。
それにしたって、2019年は劇場で300本鑑賞したのでなんか悔しい。
ま、歳をとるにつれて体力も落ちてきているのは否めませんから、無茶はしません。(^^;
 
DVDや配信で鑑賞した作品については「今年観た映画50音順」で昨日までに挙げたので、
ここに挙げるのは劇場鑑賞した作品について。
 
いきなりですが、私のワーストは『そして、バトンは渡された』
巷の評価は非常に高いようですが、私にとってはこれこそあざとい。
つまらなかったわけじゃなく、この構成が嫌いです。
巨匠には申し訳ないけれど、『キネマの神様』も私は駄目でした。
あと、『バケモン』香川照之のナレーションにげんなりしちゃってごめんなさい。
 
DVDや配信で観た作品はここには挙げないと言いつつ、
これもつまらなかったのではなくて、途轍もなく嫌な話にヘドが出そう。
一方、配信作品では『消えた時間』が面白かったのを思い出します。
 
あとは好きだった作品を観た日付順に。
 
 
好きだった作品はほかにもい〜っぱいあるのですが、がんばって20本に絞りました。
「劇場鑑賞した人が全国的にわりと少ないだろう作品」を意識して挙げた部分もあります。
 
印象に残っている作品、つまりは不穏で嫌な話だけど面白かった作品は、
 
 
本は129冊読みました。
特に面白く、また勇気づけられたのは、『完璧すぎる結婚』『プエルトリコ行き477便』
大好きな“よろず建物因縁帳”シリーズがついに完結してしまって寂しい。
相変わらず惹きつけられる遠田潤子『オブリヴィオン』もよかったです。
そして私をぐっすり眠れるようにしてくれたのはなんといってもこの本。(^o^)
 
映画の中でいちばん心に残っている台詞は、
『フリー・ガイ』のライアン・レイノルズ演じるガイ(=モブキャラ)が
恋をした相手に最後に言った言葉、「僕は、君へのラブレター」です。
『アナザーラウンド』を観て、酒の飲み方を考えようと思う(笑)。
 
本年もよろしくお願い申し上げます。

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2021年12月に読んだ本まとめ

2021年12月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2242ページ
ナイス数:808ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2021/12

■吃音: 伝えられないもどかしさ (新潮文庫 こ 71-1)
「重松清さんに書評を書いてもらうのが夢だった」、著者がそう話しているというのをどこかで聞いて、読んでみたいと思いました。重松清の『きよしこ』を読んだとき、つっかえながら話す子どもの様子が切なくて、涙がにじんだことを思い出します。吃音だけどステージでなら話せる芸人志望の青年を描く『実りゆく』、歌うことならできる少女を描く『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』、いろんな映画を観ましたが、彼らの苦しみが死を考えるほどだとは思わなかった。吃音ってただのどもりでしょと思っていたことが恥ずかしい。もっともっと知りたい。
読了日:12月01日 著者:近藤 雄生
https://bookmeter.com/books/17861527

■満月と近鉄 (角川文庫)
今どき電車の中で本を読んでいる人は稀ですから、見かけると「何読んでるんですか」と聞きたい衝動に駆られます。もしも私がもうひとりいて、この本を読んでいる私を見かけたら、そのニタニタ具合に「いったい何をお読みで?」とこらえきれずに聞いてしまうと思います。第1章の『佐伯さんと男子たち1993』はそんな感じ。その佐伯さんが再登場する第4章の表題作に再びウキウキ。第2章では法興寺のフットボール大会に笑い、第3章のナラビアンに魅入られる。森見登美彦万城目学をお好きな方にはお薦めできます。それ以外の方はどうでしょ!?
読了日:12月07日 著者:前野 ひろみち
https://bookmeter.com/books/15705527

■七色の毒 刑事犬養隼人 (角川文庫)
映画版『ドクター・デスの遺産』を観たあとにそっちの原作を先に読み、続けてシリーズ1作目を読み終わってから早1年経ってしまいました。犬養のキャラも忘れかけていたところ、綾野剛を想像して思い出す、男には絶対騙されないのに女にはいとも簡単に騙される奴。短編ゆえに読みやすいけれど、さすがの七里センセもこの短さでドンデン返しを繰り返すのは大変とお見受けします。しかしここには裁けない悪が詰まっていて、気分はなかなかに重たい。2つめの物語は東野圭吾の『白鳥とコウモリ』と同様の動機。現実にこんな動機が増えるのは怖すぎる。
読了日:12月10日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/9046078

■高血圧はほっとくのが一番 (講談社+α新書)
白衣高血圧です。そうなったきっかけは明らかで、以降、とにかく血圧計を見れば上がるから、献血すらできません。家で毎日測れば慣れて上がらなくなるなんてウソ。余計に緊張します。私は白衣高血圧なんかじゃなくて、正真正銘の高血圧なのかもしれない、などと思っていたときにこの本を見つけました。読み始めただけで気が楽になって、血圧が下がるのがわかるほど。降圧剤を服用している人には決してお薦めできない本ですが、私と同様に悩む人には太鼓判を押します。大事なのはいっぱい笑うこと。これはできる。あとは「姿勢良く」。気をつけます。
読了日:12月14日 著者:松本 光正
https://bookmeter.com/books/7991999

■やっぱり高血圧はほっとくのが一番 (講談社+α新書)
この手の健康本はほとんど読まないのですが、最近、心配事が多いせいか、このままでは寝ている間に死んでしまうかもと本気で悩み、前作に続いて読みました。前作を読んだだけで血圧が下がったのがわかり、気持ちってこんなにも大事なんだと感心するばかり。前作のみで十分な気はしなくもありません。余りに「何度でも言います」が多すぎて(笑)。いえ、何度でも言ってくださって安心はできるのですが。著者は78歳でまだまだお元気そう。でもこんな本を書き続けていたら、いつか刺されるんじゃないかと心配です。どうぞお気をつけてくださいね。
読了日:12月16日 著者:松本 光正
https://bookmeter.com/books/13755363

■未来 (双葉文庫)
480頁だから、そこそこ以上のボリュームではあるものの、うんざりするほどの厚さではないはず。なのに出てくる大人に鬼畜が多すぎて、心が折れそうになりました。辛い時を過ごしている少女に20年後の自分から届いた手紙。SFかファンタジーかと思ったらこれにはちゃんとタネがある。挟まれた3つのエピソードの語り手が誰かわかるたびに唸る。親を殺したいとか、自らの命を絶ちたいとか、そんなふうに子どもに思わせちゃいけない。あなたを救いたいと思っている大人だっているんだよと伝えたい。「大丈夫」じゃなくて、「助けて」って言って。
読了日:12月19日 著者:湊 かなえ
https://bookmeter.com/books/18224880

■今日は心のおそうじ日和2 心を見せない小説家と自分がわからない私 (メディアワークス文庫)
たとえ本の登場人物であったとしても、人の悪口はあまり言いたくはないけれど、嫌いだなぁ、結菜さん。無邪気と無神経は紙一重。結局すべて計算尽くで、無邪気に見せる無神経もすべて演技だったわけですが。その演技を最初から見抜いていながら涼子に手厳しい先生のこともちょっと嫌いになった(笑)。個人的には涼子のお見合い相手の長内さんが良い感じ。美空の酷い担任が呆然とするところを見たかったのにお預けですね。心が淀んだら家事にいそしむ。有効かもしれないと思いつつ、私の場合は飲酒に走る。でもたまに猛然と掃除したくなるのでした。
読了日:12月24日 著者:成田 名璃子
https://bookmeter.com/books/17445994

■隠温羅 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)
思えば内藤了には本シリーズでハマり、次巻刊行までの繋ぎで“藤堂比奈子”に手を出してとっとと読了。そのロスを埋めるための“堀北恵平”でまたハマり、なんだか私はカモにされているような(笑)。私の中では棟梁は麿赤兒だったのに、若い頃は誰もが振り向くような男前だったとなると麿さんじゃないな(笑)。藤竜也にするか。和尚の短パン姿に笑わされ、仙龍と春菜の抱擁にはこちらが赤面。いつもの私は切なさ重視だけど、本作は思ったほど切ない最後ではなかったおかげでロス度低くて済みそう。で、来月には新シリーズ開始。次も私はカモ決定。
読了日:12月31日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/18953699

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今年観た映画50音順〈わ行〉

《わ》
『私の帰る場所』(原題:Lead Me Home)
2021年のアメリカのドキュメンタリー作品。Netflixにて配信。
ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルの3都市では、
ホームレスに関する非常事態宣言が出されたそうです。
本作は2017年から2020年にかけてそんなホームレスたちに取材。
住むところがないということはこんなにも人の心身を傷つける。
だけど、住むところがない間はなんらかの形で食料を得ることができていたのに、
福祉の力を借りて就職してやっと住居を得ることが叶うと、途端に援助がなくなる。
家賃が払えなくなってまたホームレスに逆戻りという現実。
しかも同じホームレスから虐待を受けている女性などもいて、どうしていいのかわかりません。
 
《を》《ん》
なし。
 
相変わらず最後の2文字で始まるタイトルはないまま。
この20年間で「を」で始まる作品といえば、
劇場で観た『ヲタクに恋は難しい』を除いて2015年だけです。
「ん」で始まる作品を挙げることができたのは2013年だけ。
来年はあるかなぁ。ないだろうなぁ。
求む、いつも難しい「ぬ」「を」「ん」で始まる映画。
 
今年もおつきあいをありがとうございました。
どうぞ良い年をお迎えください。

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