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『truth 姦しき弔いの果て』

『truth 姦しき弔いの果て』
監督:堤幸彦
出演:広山詞葉,福宮あやの,河野知美,佐藤二朗
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『BELUSHI ベルーシ』とハシゴ。
これを観てから帰れば、ちょうど道路も空いた時間になるはず。
 
ちょうどこの日の前日、仕事帰りの車中でラジオをつけたら、
堤幸彦監督がゲストで出演されていて、本作の話をしていました。
あまり得意ではない監督なんだけどと思いながら、
キャストがたった4人(うち1人はほぼ声と写真だけの出演)で、
自主制作映画ということに興味を惹かれて。
女優3人がプロデューサーも務めているそうです。
 
東京の一等地にいくつもビルを持つ億万長者の男(佐藤二朗)が急逝。
葬儀の後、彼の部屋を訪ねた女3人が鉢合わせする。
 
1人目は九条真弓(広山詞葉)、美貌の受付嬢。
2人目は栗林マロン(福宮あやの)、子持ちのシングルマザー。
3人目は小林さな(河野知美)、知的な女医。
 
3人とも35歳。
自分こそが本命で、男とつきあいが最も長いのは自分だと主張するが、
つきあいはじめたのはほぼ同時期で、3人とも合鍵を持っている。
どうやらマロンとは月曜日に、真弓とは水曜日に、さなとは金曜日に会っていたらしい。
 
亡くなる前日に「明日話したいことがある」と電話を受けた時間も同じ。
いったい男は何を考え、3人に何を話したかったというのか。
 
億万長者のミステリアスな男を演じるのが佐藤二朗です。
そんな役に彼をキャスティングしたのは面白い。
陰のありそうなイケメンをキャスティングしていたら雰囲気は違ったでしょう。
 
会話劇って楽しいですよね。部屋の中のみで繰り広げられる言葉の応酬。
職業もこれまでの人生も何もかも異なる女たち。
でも好きになった男は同じで、いがみ合っていたのがいつしか盟友みたいになる。
 
名前の漢字が真相解明のキーになるとか、面白かったことは間違いないのですけれど、
その真実の内容も含めてやっぱりちょっと苦手だなぁ。
堤監督の作品なら、私は『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM Record of Memories』のほうがいい。
同じテーマでいろんな監督が撮ってくれたらすごく楽しめそう。
 
監督50作目にこういう作品を撮るというのは、先日の園子温監督同様に、
初心に戻るということなのかなと思ったりもします。

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『BELUSHI ベルーシ』

『BELUSHI ベルーシ』(原題:Belushi)
監督:R・J・カトラー
 
車で大阪市内に出た帰り、いま帰ると新御ババ混みやろなと思い、
シネ・リーブル梅田で映画を観て時間を調整することに。
 
コロナに見舞われた世の中でいいことなんて何もないけれど、
コインパーキングの料金が安価にはなりました。
特に梅田スカイビル周辺は観光客が来なくなって、
2年前まで最大料金2,600円だったタイムズが今は半値以下。
 
っちゅうても駐車料金1,000円はかかるわけで、
阪急電車で梅田まで行けば往復の交通費は520円で済むから高いっちゃ高い。
でも電車で帰れば家までなんだかんだで1時間要する。
車なら25分程度で家に着きます。
それに、電車で行ったら復路はタクシーに乗りたくなると思われ(だってめっちゃ上り坂)、
するってぇと合計で駐車料金より高くなるのでした。
 
ジョン・ベルーシ。
1949年生まれの彼は、“サタデー・ナイト・ライブ”で大人気を博したコメディアン。
しかし1982年、ヘロインとコカインの過剰摂取により、33歳の若さで急逝しました。
本作は今なお伝説として語り継がれる彼の生き様を収めたドキュメンタリーです。
 
彼について証言するのは、妻ジュディス、弟ジェームズのほか、
彼の親友だった俳優のダン・エイクロイドや、映画監督のハロルド・ライミス
ジョンが出演するテレビ番組や映画の映像も多く含まれていて面白い。
 
交際前、ジュディスはジョンのことをイタリア系移民だと思っていたとか。
ジョンはそうではなくアルバニア系移民で、それをとても恥じていたとのこと。
彼のみならず両親も同じように恥じていて、そのせいで父親はほとんど口を利かなかったと。
移民の国に生まれなかった私には、どこの移民かでそれほど差があるのかと驚きます。
 
レイア姫のキャリー・フィッシャーも60歳で死去、
その体内からは多量のアルコールと薬物が発見されたと言われていますが、
本作の中で確かキャリーが「薬物依存症患者には薬物に依存する原因が必ずある」と証言していました。
いくら依存症を治療しても、原因を取り除くことができなければ駄目なんですね。
 
突如としてブルース音楽に没頭するようになり、バンドまで結成したジョン。
『ブルース・ブラザーズ』(1980)はなんと楽しかったことか。
アレサ・フランクリンが登場するシーンも本作に出てきてお得な気分。
 
来月、『ゴーストバスターズ』(1984)の続編が公開されます。
ジョンが生きていたらキャストに名を連ねていたことでしょう。観たかったなぁ。

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『ロスト・ドーター』

『ロスト・ドーター』(原題:The Lost Daughter)
監督:マギー・ギレンホール
出演:オリヴィア・コールマン,ジェシー・バックリー,ダコタ・ジョンソン,エド・ハリス,
   ピーター・サースガード,ポール・メスカル,ダグマーラ・ドミンチック他
 
日本では昨年大晦日に配信がスタートしました。
 
比較文学の教鞭を執るレダ(オリヴィア・コールマン)は、ひとりでギリシャの避暑地へ。
海辺の町のコテージを借り、管理人のライル(エド・ハリス)の歓迎を受ける。
 
レダがビーチでのんびり日光浴をしていると、ある母娘の姿が視界に入る。
母親のニーナ(ダコタ・ジョンソン)は若く美しい女性なのに、
幼い娘エレーナにイライラしっぱなしらしく、それを見たレダの脳裏に浮かび上がる記憶。
 
若かりし頃、まだまだ勉強して人生を楽しみたい時分に娘ふたりを抱えていたレダ。
自身の母性を疑い、子どものことも好きだとは思えなかった。
同世代の夫が協力的であったのをいいことに、不倫に走り、家族を捨てた自分。
 
そんなことをぼんやり考えていると、エレーナがビーチからいなくなる。
半狂乱になるニーナをなだめ、捜索に加わったレダはエレーナを見つけるが、
エレーナが大事にしていた人形を出来心から盗んでしまい……。
 
監督は女優のマギー・ギレンホールでこれが彼女の監督デビュー作(のはずですが合ってます?)。
常々不思議な女優だと思っていましたが、結構好きです。
彼女はオリヴィア・コールマンと似たタイプですから、
彼女こそレダの若かりし頃を演じるのにふさわしかったろうと思いますが、
監督業に徹したかったのか、若いときのレダはジェシー・バックリーが演じています。
 
批評家に絶賛されているそうで、いかにもそんな感じ。ゆえに万人にはお薦めしません。
ただ、子育てで気が狂いそうになった経験がおありの方は共感できるかも。
見るべきはオリヴィア・コールマンの演技。やっぱりこの人、上手いですよね。
でも40歳には見えんと思うのよ。外国人の年齢の感覚、まったくわからん。(^^;

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『消えない罪』

『消えない罪』(原題:The Unforgivable)
監督:ノラ・フィングシャイト
出演:サンドラ・ブロック,ジョン・バーンサル,ヴィンセント・ドノフリオ,ヴィオラ・デイヴィス,
   リチャード・トーマス,リンダ・エモンド,アシュリン・フランチオージ,ロブ・モーガン他
 
お正月休み中、ちらつく雪を見ていたら出かけるのが嫌になり、
せっかく契約しているNetflixを今年はちゃんと活用しようと視聴した1本。
配信はひと月ほど前。その少し前に劇場でも限定的に上映されていました。
 
英国のTVドラマ『アンフォーギヴン 記憶の扉』を映画化。
キャストを見るとハリウッドリメイクですが、監督はドイツ出身の新鋭女性らしい。
アメリカ/イギリス/ドイツの合作。
 
保安官を殺害して20年間服役していた女性ルース(サンドラ・ブロック)が仮出所する。
保護観察官ヴィンス(ロブ・モーガン)に見送られて居心地がいいとはとても言えない新居へ。
大工としての腕に自信があるから仕事は自分で見つけるつもりだったのに雇ってもらえず。
致し方なくヴィンスの紹介で魚の加工工場に勤める。
 
彼女がいま望むことはただひとつ。
事件を起こすまで一緒に暮らしていた歳の離れた妹キャサリンの無事を知ること。
当時キャサリンはまだ5歳で、ルースとふたり暮らしだった。
保安官を殺したのは、ふたりの家を取り上げられそうになったから。
ルースの収監後、妹は養子に出されたはず。なんとかして居場所を知りたい。
 
ルースはかつて自分たちが住んでいた家を訪れる。
そこには弁護士のジョン(ヴィンセント・ドノフリオ)と妻リズ(ヴィオラ・デイヴィス)、
その息子たちが仲睦まじく暮らしていた。
突然のルースの来訪に、20年前の事件を知らない家族は不信感あらわ。
しかし事情を知ったジョンは、ルースを助けたいと考える。
 
ジョンの調査により、キャサリンがマルコム夫妻と養子縁組して、
夫妻の実子エマの妹として育てられていることがわかるが、
キャサリンには事件のショックによりそれ以前の記憶がないという。
ルースをキャサリンとは断固として会わせたくない夫妻だったが、
それでも自分たちがルースと会うことには応じて……。
 
来る日も来る日も妹に手紙を書き続けたルース。
でもその手紙は妹のもとへは届けられていませんでした。
だけど、捨ててしまうほど夫妻は薄情な人間ではない。
戸棚の奥に隠していた手紙の束をエマが見つけて読みます。
そして、今は自分の妹であるキャサリンに対するルースの気持ちを知り、
両親には内緒でルースと会うことを試みます。
 
事件の真相は推理できなくもない話。
またまたネタをバラしちゃいますけど、幼い妹をかばってのことだったという、
衝撃的だけど、ミステリーのオチとしてはなくもない。
この手のオチで私が最初に衝撃を受けたのは、原尞の『私が殺した少女』だったと思います。
 
ま、でも、久しぶりにサンドラ・ブロックを見られたし、
家で観る分にはじゅうぶんに面白かったです。
20年前の事件当時のルースもサンドラが演じるのはちとツライかな。いくら若作りしてもなぁ。
とはいえ、老けメイクなど私の苦手なやつでかわされるよりはいいです。
 
これからもNetflixではできるかぎりNetflixオリジナル作品を観るつもりです。
そしてやっぱり、配信に先立って劇場でも公開している場合は劇場で観たいかな。

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『明け方の若者たち』

『明け方の若者たち』
監督:松本花奈
出演:北村匠海,黒島結菜,井上祐貴,楽駆,菅原健,高橋春織,
   佐津川愛美,山中崇,高橋ひとみ,濱田マリ他
 
原作はカツセマサヒコの同名小説。と言っても知らないのですけれど。
これが長編小説デビュー作で、各界著名人の推薦を受けて大人気らしい。
推薦人として挙がっている名前の中に今泉力哉監督がありました。
ほなら観てみるかということで109シネマズ大阪エキスポシティへ。
 
大手印刷会社に就職が決まっている大学生の僕(北村匠海)。
不況で就職難航している学生が多いなか、「勝ち組」の飲み会に誘われる。
主催者・石田(楽駆)のはしゃぎぶりに乗れずにいると、
ひそかに帰ろうとしている女子学生(黒島結菜)に目を惹かれる。
 
先に出た彼女からスマホに着信あり。
そこには「私と飲むほうが楽しいかもよ」と書かれていた。
いそいそと彼女に会いに向かう僕。
 
間違いなく一目惚れだった。
まんまと恋に落ち、彼女にぞっこんになった僕は社会人に。
夢に描いていたサラリーマン生活にはほど遠いが、
同期の親友・古賀(井上祐貴)は僕の気持ちをわかってくれる存在。
古賀と飲みに行くとき以外では、彼女と会っているときしか楽しくない。
好きで好きでたまらない気持ちは募るばかりで……。
 
ネタバレです。
 
衝撃的でした。彼女が既婚者とわかるくだりが。
彼女と僕が初めて会った日のそこの部分の会話は抜かれていて、
終盤近くになるまで私たち観客にはその事実が明かされません。
 
一目惚れした彼女に呼び出されて会いに行く。
巧妙な手口に、向こうがこっちに気があると思うでしょ。
でも彼女には夫がいて、今は離れて暮らしているだけ。
初日にそれを知らされていたのに、彼女を好きになってしまった僕。
 
原作ではどのような構成になっているのか知りませんが、
事実がわかったとき、目が点になりました。上手くできています。
しかし衝撃が大きすぎて、そこまでの恋愛模様が頭から飛んだかも(笑)。
ずるいよなぁ、彼女。でも隠していないし嘘もついていない。
なのになんでハマるかなぁ、僕。
 
印象に残ったのは、風俗嬢役の佐津川愛美、僕の会社の先輩役の山中崇
濱田マリ演じる、僕が学生時代に常連だった沖縄料理屋の女将。
 
『花束みたいな恋をした』(2020)に心を掴まれた人はこれもキューッと来ると思います。
登場人物たちと同世代の若者で、こんなふうに仕事をして、
こんなふうに恋をしている、あるいはした人なら心をえぐられるのでは。
 
僕と彼女と過ごした5年。
本当に好きだったよって言われたら、それだけで生きて行けるかな。
 
昨日原作も読み終わりました。レビューはこちら

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