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『鹿の王 ユナと約束の旅』

『鹿の王 ユナと約束の旅』
監督:安藤雅司,宮地昌幸
声の出演:堤真一,竹内涼真,杏,木村日翠,阿部敦,安原義人,
     櫻井トオル,藤真秀,玄田哲章,西村知道,青山穣他
 
TOHOシネマズ伊丹にて、前述の『大怪獣のあとしまつ』の次に。
 
原作は上橋菜穂子のベストセラー小説ですが、 1冊では終わらないことに躊躇して未読。
原作読まず、映画も一度観ただけのわかる範囲でのあらすじです。
 
かつて敵対関係にあったツオル帝国とアカファ王国。
強大な力を持つツオルにアカファが従属する形で、現在は友好関係を築いている。
しかしそれは表向きの話で、アカファの王はツオルを叩く機会を密かに窺っていた。
 
あるとき、ツオルの岩塩鉱を山犬が襲う。
山犬は黒狼熱(ミッツァル)というウイルスを宿すとされており、
山犬に噛まれた人間は苦しみながら直に死に至る。
岩塩鉱で奴隷として働かされていた人々や看守たちも襲われてすぐに息絶えるが、
どうやら山犬に噛まれても死なずに逃げ出した者がいる様子。
 
それは奴隷の元戦士ヴァン。
山犬に噛まれても生き延びたということは、ヴァンには抗体があるはず。
ツオルの皇帝に呼ばれた医師ホッサムは、ヴァンの血から治療薬をつくれると考え、
行方を追ってなんとしてでも生きたまま連れ帰ってほしいと皇帝に頼む。
 
アカファの王の懐刀トゥーリムは、ツオルの皇帝に協力すると見せかけて、
凄腕の跡追い女にヴァンを探し出して殺すように命じる。
 
跡追い女はヴァンの行方を追ううち、彼がひとりではなく、
ユナという名の女児を連れて逃げていることに気づくのだが……。
 
原作、面白いだろうなぁと思えるアニメでした。
予告編を観たとき、ミッツァルって、なんでこんな発音しにくい名前つけるねんと思っていましたが、
これだけ言いづらい片仮名が出てきても、映画版を観た今ならサクサク読めるかもしれません。
 
ヴァンとユナがたどり着く集落の人々との暮らしはに和みます。
ニコリともしなかったヴァンが、こうして暮らすうちに笑うようになる。
命を懸けても守りたいものができる過程。
 
山犬の王として選ばれたのは自分。でもユナにもその資格があるらしい。
自分が山犬を率いなければ、ユナがそこに導かれてしまうと悟ったときのヴァン。
泣くほど感動したわけではないけれど、かなり切なかったです。
 
原作をお読みになった方の評価はいかがですか。

—–

『大怪獣のあとしまつ』

『大怪獣のあとしまつ』
監督:三木聡
出演:山田涼介,土屋太鳳,濱田岳,眞島秀和,ふせえり,六角精児, 矢柴俊博,有薗芳記,
   SUMIRE,笠兼三,MEGUMI,岩松了,田中要次,銀粉蝶,嶋田久作,笹野高史,
   菊地凛子,二階堂ふみ,染谷将太,松重豊,オダギリジョー,西田敏行他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
『亀は意外と速く泳ぐ』(2005)の頃の三木聡監督のことは結構好きだったのですが、
以来、劇場公開される作品はこれが初めて。
ふざけた感じになるんだかどうなんだか、やっぱりふざけていました(笑)。
 
人類に未曾有の恐怖をもたらした大怪獣が死亡して、国民に安堵の空気が流れるなか、
この死体をどう処分するかということで政府は頭を悩ませる。
死体の一部が徐々に膨張しはじめ、放っておけば爆発する危険があるのだ。
 
内閣総理大臣・ 西大立目(西田敏行)は総理秘書官・雨音(濱田岳)に大臣たちの招集を命じる。
集まったのは、環境大臣・蓮佛(ふせえり)、官房長官・杉原(六角精児)、
文部科学大臣・竹中(矢柴俊博)、国土交通大臣・道尾(笠兼三)、
厚生労働大臣・甘栗(MEGUMI)、国防大臣・五百蔵(岩松了)といった面々。
 
各省の押し付け合いが始まったとき、雨音が提案したのは、
政府直轄の特殊部隊である特務隊に大怪獣の死体処理を任せよということ。
そしてその責任者には帯刀アラタ(山田涼介)がうってつけだと言う。
 
にわかにこのような任命を受けたアラタは戸惑う。
雨音と彼の妻・ユキノ(土屋太鳳)はかつてアラタと共に特務隊に所属し、
当時ユキノはアラタとつきあっていた。
今は雨音の妻となり、環境大臣秘書を務めるユキノとアラタは再会を果たすのだが……。
 
ふざけてはいるんですけれど、昔よりスベリ気味の感は否めません。
特に国防大臣が発する下ネタ寄りの話はほとんど面白くないし。(^^;
三木作品の常連、ふせえりがひときわ異彩を放っていて、
もしも今までふせえりを知らなかった人が観たとしたら、このおばちゃん誰?と思うかも。
相変わらずがんばっています。
 
うんこネタゲロネタは苦手ですが、それを見せるわけじゃなくてネタにするだけなのはイイ。
大怪獣の腫れた部分が破裂したときに噴出するガスのにおいを表して、
うんこかゲロのにおいみたいだと言ったら、「うんこかゲロかハッキリしろ」とマスコミの怒号。
ふせえり演じる環境大臣が「ゲロ寄りのうんこのにおい」と言ったのには笑った。
で、うんことゲロのにおいの中間って、やっぱり銀杏なんですかね。
 
同じく三木組の村松利史が飲み屋だかカフェだかのサイケな店員役でチラリと出ていたり、
食堂の店員に二階堂ふみがいたり、体を張って動画撮影をするYouTuber染谷将太だったり。
誰よりカッコイイのはユキノの兄で爆破の天才、ブルース役のオダギリジョーです。
あ、焼肉店の排煙をヒントに大怪獣の腐敗臭ガスを逃がす方法を進言する松重豊も胡散臭くてよかった。
アラタの上司役の眞島秀和もいいですよね。
 

というふうに、キャストを見ている分にはじゅうぶん楽しかったのですが、

ふざけるには壮大な話で、ちょっと中途半端なふざけ具合になっちゃったかなと思います。
三木作品を初めて観る人の感想を聴いてみたい。

—–

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(原題:Ghostbusters: Afterlife)
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:マッケナ・グレイス,フィン・ウォルフハード,キャリー・クーン,ポール・ラッド,
   ローガン・キム,セレスト・オコナー,アニー・ポッツ,トレイシー・レッツ他
 
公開初日の晩、イオンシネマ茨木にて。
 
『ゴーストバスターズ』(1984)、『ゴーストバスターズ2』(1989)、
リブート作品の『ゴーストバスターズ』(2016)に続く4作目。
一連のシリーズをリブートも含めてフランチャイズと言うのですね。知らなんだ。
 
1作目と2作目の監督だったアイヴァン・ライトマンの息子、
お父さんは今年75歳、息子は44歳。親子で同じシリーズの監督ができるなんて。
アイヴァンは最近もっぱら製作に回ることのほうが多くて、
本作でもプロデューサーとして名を連ねています。
 
シリーズで“ゴーストバスターズ”のメンバーだったイゴン・スペングラー博士。
オクラホマ州のぼろ屋敷にひとりで住んでいた彼の訃報が娘キャリーのもとへ届く。
 
父親に捨てられたと今も思い込んでいるキャリーには、悲しみも何もない。
イゴンが遺した屋敷に住むつもりなどなかったが、
長男トレヴァーと長女フィービーを抱えて生活はかつかつ。
家賃を滞納していて追い出されたことから、致し方なく屋敷に引っ越し。
 
町の新しい住人となったキャリーたちに、世間の目は冷ややか。
あの荒れた屋敷に住んでいた変人の家族か、という感じで。
 
とりあえず、科学オタクのフィービーがサマースクールへ行くと、
やる気のなさそうな講師ゲイリー・グルーバーソンが、
児童たちにホラー映画を見せながらその傍らで何やら研究している。
 
フィービーがあの屋敷で暮らしていると知り、ゲイリーは驚喜。
サマースクールでフィービーに唯一声をかけてきた少年ポッドキャストも連れて、
ゲイリーを家に案内するはめになる。
 
キャリーとゲイリーがなんとなくいい関係になりそうな一方、
イゴンの研究していたことがゲイリーの研究にリンクしそう。
やがてフィービーは祖父こそがゴーストバスターズの一員だったと気づくのだが……。
 
公開初日に観に行ったのは、ポール・ラッドが出演しているからに尽きます。
なんででしょうね、特にタイプとも思えないのに、
この人が出ている作品は必ず観たくなってしまうのです。
今回の彼はゲイリー。科学オタクで独身で、最初からキャリーを狙うフツーの男。
キャリーとゲイリーが憑依されるところはあんまり観たくなかったかも(笑)。
 
ほかに特に著名な俳優が出ているわけでもなく、
やはり見どころは最後の最後、旧ゴーストバスターズが勢揃いするところでしょう。
いささかくたびれた感のあるビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、アーニー・ハドソン。
みんなアラ古稀、アーニーなんて後期高齢者です。
イゴン役のハロルド・ライミスは2014年に他界しているので、CGによる出演。
 
復活するゴーザ役がオリヴィア・ワイルドって、全然わかりませんでした。
キャストをちゃんとわかってから観るほうがより楽しそう。
 
フィービー役のマッケナ・グレイスは眼鏡が似合い、めっちゃ賢そうでカワイイ。
このシリーズが今後も続くのかどうか。彼女の活躍はまだ観たい気がします。

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『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』

『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(原題:The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun)
監督:ウェス・アンダーソン
出演:ベニチオ・デル・トロ,ティルダ・スウィントン,レア・セドゥ,フランシス・マクドーマンド,
   ティモシー・シャラメ,ジェフリー・ライト,ビル・マーレイ,オーウェン・ウィルソン他
声の出演:アンジェリカ・ヒューストン
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、仕事帰りに観ました。
 
前週金曜日が公開初日だった作品の中でいちばん観たかった作品です。
出演俳優の誰も上記から外したくないほど面白い役者ばかり。
挙げた以外にも錚々たる顔ぶれが並んでいます。曲者だらけ。
そして何よりもいちばん曲者なのはウェス・アンダーソン監督。
 
実話が基なのかと勘違いさせられてしまうような楽しい構成。
 
1925年に創刊された雑誌『フレンチ・ディスパッチ』。
これは、アメリカの新聞『ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン』の別冊雑誌で、
フランスのとある町に編集部があり、世界50カ国に50万人の読者を持っている。
 
1975年、創刊者で名物編集長のアーサーが急逝。
遺言に従って雑誌は廃刊することになるのだが……。
 
これすべて、架空の町の架空の雑誌のお話です。
架空の話ではありますが、実在する雑誌『ザ・ニューヨーカー』にインスパイアされているらしい。
 
編集長役にビル・マーレイ
彼のもとでユニークな記事を書き続けてきたジャーナリストたちをオーウェン・ウィルソン
それぞれの記事の中の登場人物がベニチオ・デル・トロレア・セドゥティモシー・シャラメ
 
ベニチオ・デル・トロ演じる服役中の前衛芸術家のヌードモデル
看守役のボンドガール、レア・セドゥでした。
一糸まとわぬ姿を披露しているうえに、このシーンにもユーモアたっぷり。
 
フランシス・マクドーマンド演じるジャーナリストが書く記事は学生運動の話で、
ティモシー・シャラメ扮する学生とベッドの上での会話があり、
おばばと若者の絡みは見とうないと思いましたが、幸いそのシーンはなくてホッ(笑)。
 
楽しかったはずなのですけれど、これまでの同監督作品は一切眠くならなかったのに、
本作ではところどころ睡魔に襲われたのは何故でしょう。
ウキウキするような色使いは絵本を見ているようで、音楽の使い方も楽しい。
映画というよりはアートというほうがふさわしいかもしれません。
 
遊び心は満点だけど、ウェス・アンダーソン監督を知らない人にはお薦めしづらい。
美術を学ぶ学生とかなら楽しめそう。
とにかく、変な監督に変な出演者たちです。

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『ノイズ』

『ノイズ』
監督:廣木隆一
出演:藤原竜也,松山ケンイチ,神木隆之介,黒木華,伊藤歩,渡辺大知,酒向芳,迫田孝也,鶴田真由,
   波岡一喜,菜葉菜,諏訪太朗,大石吾朗,飯島莉央,寺島進,余貴美子,柄本明,永瀬正敏他
 
予告編が大嫌いでした。「誰がノイズかな」という女性の歌声が流れるところが。
普通に歌えばいいものを、どうしてこんなおどろおどろしげに歌うのか。
薄気味悪さを醸し出そうとしているのでしょうが、耳栓をしたくなるほど嫌でした。
 
が、映画自体は面白そうでしたからね。
まさか劇中であの歌が流れることはないだろうと、109シネマズ箕面にて。
はい、流れませんでした。ほっ(笑)。
 
原作は集英社発行の漫画雑誌『グランドジャンプ』に掲載された筒井哲也の同名コミック。
監督は廣木隆一で、私の中の作品イメージは瀬々敬久監督や三木孝浩監督と近い。
 
過疎に悩む孤島“猪狩島”。
救世主となりそうなのは、幼い頃からこの島に住む泉圭太(藤原竜也)。
幼なじみの妻・加奈(黒木華)と結婚して農園を営む圭太は、黒イチジクの栽培に成功。
おかげで特別交付金も貰えそうだと町長・庄司華江(余貴美子)はほくほく顔。
 
ある日、圭太とその親友・田辺純(松山ケンイチ)は、島をうろつく怪しげな男(渡辺大知)と揉み合いになり、
圭太が男を押しのけたところ、はずみで男は転倒、頭を強打して死亡する。
その場に居合わせた新米警官・守屋真一郎(神木隆之介)は、今こそ町を守らねばと思い、
つい「すべてなかったことにしよう」と言ってしまう。
 
その後、死んだ男の名前は小御坂睦雄で、かつて本土で幼女殺人事件を起こした犯人だと判明。
そんな奴はいなくなっても誰も探しに来ないだろうと、隠し通せると考えた圭太たちだったが、
県警から2人の刑事(永瀬正敏伊藤歩)がやってきて……。
 
以下、ネタバレ全開です。
 
嘘をつき通すのって大変ですね。
特に人と人との結びつきが強い小さな町では、住民が住民を守らざるを得ません。
ほぼ全員共犯者というのは『99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE』と同じ。
 
刑期は終わっているとはいえ、島にやってきたよそ者はおぞましい殺人犯。
死んだっていい奴だし、死んでいれば何も心配することはない。
だから刑事もこれ以上調べずにとっとと立ち去ってほしいのに、
永瀬正敏演じる刑事といったら、もうしつこいのなんのって(笑)。
 
彼以上に嫌な人間だったのは、余貴美子演じる町長。
小御坂が圭太に殺されたのを知ったうえで、圭太はこの町の星だから、
純なり真一郎なりが罪をすべてかぶればいいと言い切る非情さ。
 
ぼけが進んでいたはずが町の未来をいちばん考えていたかもしれない老人(柄本明)、
老人の息子(酒向芳)とその嫁(菜葉菜)、町長の側近(迫田孝也)、
特別交付金の交付が妥当かどうか調査に来る超軽いお役人(波岡一喜)、
町唯一の病院の医者(大石吾朗)などなど、実にバラエティ豊かなキャストです。
善人だったせいであっちゅうまに殺された諏訪太郎は気の毒すぎて唖然。
 
町を守るためにここまでしなければいけなかった真一郎の死が切なすぎる。
そして想像していたとおりの純の思いと、
それをわかっていたと言う圭太に呆然としました。
 
廣木監督作品の中では骨太と言ってよいのではないかと思える作品でした。
ちなみに私は藤原竜也より松山ケンイチのほうがタイプです(笑)。
藤原竜也の泣き顔は美しくない。そして後味もよろしくない。(^^;

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