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『ウェディング・ハイ』

『ウェディング・ハイ』
監督:大九明子
出演:篠原涼子,中村倫也,関水渚,岩田剛典,中尾明慶,浅利陽介,前野朋哉,宮尾俊太郎,
   六角精児,尾美としのり,池田鉄洋,臼田あさ美,片桐はいり,皆川猿時,向井理,高橋克実他
 
109シネマズ箕面にて。
 
韓流アイドルとの不倫が取り沙汰される篠原涼子主演というのが引っかかるところですが
――私は別に不倫否定派じゃないけれど、市村正親がなんだか気の毒で(^^;――、
バカリズムのオリジナル脚本を大九明子監督が映画化したなら絶対面白いでしょ。
 
優秀なウェディングプランナーの中越真帆(篠原涼子)は、
どんな難題であろうと新郎新婦の要望に沿った結婚式を作り上げる腕を持っている。
 
今回真帆が担当するのは石川彰人(中村倫也)と遥(関水渚)の結婚式。
万全の体制でサポートに当たっているというのに、
参列者は曲者揃いのうえに、招かれていないはずの客まで会場に現れて……。
 
キャバクラ嬢との浮気が家庭にも職場にバレて、すっかり威厳失墜、
どこにも居場所を失っている新郎の上司・財津に高橋克実
そうとは知らない彰人に主賓スピーチを頼まれたことで、生き甲斐を見いだします。
とにかくウケるスピーチをすること。そのために本を読み、動画を視聴して学ぶ。
このスピーチが結局スベるのかと思いきや大ウケというのは予想外で◯。
 
そして普段から面白い上司として人気なのが皆川猿時演じる新婦の上司・井上。
財津に対抗心を燃やしつつも貶めることなく、
逆に場が笑える空気で温まっていることに感謝もして、財津と優劣つけがたいスピーチをします。
って、別にスピーチの全容を私たちが聴けるわけではありません。
財津と井上の心情を見ることでウケ具合をはかるだけのことです。
お笑いって、映画で全部見せるとたいてい笑えないから、これも◯。
 
宴が盛り上がるのはいいけれど、盛り上がれば時間が押す。
真帆のほか、同会場でスタッフを務める加藤友梨(臼田あさ美)や司会者も大変。
そもそも披露宴前から余興を希望する人続出なんです。
新郎の父親(尾美としのり)は手品、新婦の父親(六角精児)はマグロの解体ショーをやりたがり、
新郎新婦の友人たちは和太鼓だったりダンスだったりをすることにして、
やりたかったのに断られたのは新郎の叔父(池田鉄洋)の縄抜け。
 
これらの小道具、たとえば使われなかった縄などがちゃんと伏線になっています。
新郎と一面識しかないのに参列することになったバーのマスター(宮尾俊太郎)がワラける。
 
岩田剛典演じる新婦の元カレとその友人たち(浅利陽介前野朋哉)が、
「遙は親が勧めるお見合い相手と望まぬ結婚をする」と決めつけているのが滑稽。
ダスティン・ホフマンの『卒業』(1967)よろしく花嫁を奪いに乗り込んで、はたしてどうなるか。
下ネタに走ったところはいただけないけど、まぁいっか。
 
出番は少ないのにきっちり存在感を示す片桐はいりは新婦の恩師役。さすがです。
向井理の役どころだけは内緒。その目でお確かめください。
 
やっぱり非凡だなぁ、バカリズム。

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『アダム&アダム』

『アダム&アダム』(原題:The Adam Project)
監督:ショーン・レヴィ
出演:ライアン・レイノルズ,マーク・ラファロ,ジェニファー・ガーナー,ウォーカー・スコーベル,
   キャサリン・キーナー,ゾーイ・サルダナ,アレックス・マラリ・Jr.他
 
2022年のアメリカ作品。
先週金曜日に配信開始になったばかりのNetflixオリジナル作品です。
大好きなショーン・レヴィ監督ですもの、早く観なくちゃ。
 
12歳の少年アダム・リードは、科学者だった父親ルイスを4年前に亡くし、母親エリーと2人暮らし。
アダムの悲しみが癒えないままでいるのに、エリーはそうでもないのか、
職場の男性と食事に出かけたりしているのが子どもとしては許せず、
ついつい母親が困ることばかりしでかして、反抗的な態度を取ってしまう。
 
いじめっ子に刃向かって派手に喧嘩、停学処分を食らったアダムがひとりで家にいると、
可愛がっている愛犬ホーキングが激しく吠える。
何事かと思ったら、見知らぬ男が負傷して敷地内にいるではないか。
咄嗟に身構えるアダムだったが、相手に制止されて話を聞くと、
その相手は2050年からやってきた自分、つまり28年後のアダム。
 
28年後のアダムによれば、2050年には時間旅行ができるようになっているらしい。
その時間旅行を発明した人こそアダムの父親ルイス。
ところが、ルイスに資金を提供していた良き協力者のはずのマヤ・ソリアンが裏切り、
世界を手に入れるべくルイスを抹殺、2050年は彼女が支配するディストピアとなっていた。
 
時間旅行の発明をなかったことにすればこの世界は変えられると、
28年後のアダムの妻でやはり科学者のローラが発明時期の2018年へ。
さっぱり2050年に戻ってこないローラを探すため、
同じく2018年に飛ぶはずだったアダムが誤って2020年に来てしまったと言う。
 
タイムジェット機に乗ってたどり着いたものの、
負傷中の28年後のアダムは操縦不適格者と機械に見なされて再乗機できない。
致し方なく、同じDNAを持つ12歳のアダムに協力を求めるのだが……。
 
SFはなんだか難しくて、いつも楽しく観ていても、その実、理解できていません。
本作もなんとなくわかっているだけで理論は全然わからない。でも楽しかった!
 
12歳のアダムを演じるウォーカー・スコーベルがめちゃめちゃ可愛いのです。
小生意気で、要らんことしぃで(笑)、でも愛らしい。
髪の毛の色も違うのに、彼が大人になってもライアン・レイノルズにはならんと思うけど。(^^;
 
チビでいかにもひ弱そうなアダムが、28年後の自分を見て興奮します。
「筋肉ムキムキ、どうやったらそうなるの!?」「学生の頃、モテた!?」と質問攻めにする姿が可笑しい。
28年後のアダムが「一大事なのに、自分が童貞を卒業できたかどうかがいちばん気になるんかい」と言い捨て、
それを聞いて「できたんだ!」と喜ぶのがまたカワイイ。
 
マーク・ラファロ演じる父親と再会するところもイイ。
3人でキャッチボール、ちょっと泣いちゃいます。
 
2050年のソリアン、キャサリン・キーナーのでっぷり感が怖いんですけど。
2018年の彼女とどちらが修正なしですか。2018年のほうであってほしい。
 
10年前に原案が出たときは、トム・クルーズ主演で考えられていたそうな。
これを観たあとではトム主演というのはちょっと考えにくい。それもまた観たかったような。
 
とにもかくにもショーン・レヴィ監督、これからも楽しい作品をよろしく!

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『THE BATMAN ザ・バットマン』

『THE BATMAN ザ・バットマン』(原題:The Batman)
監督:マット・リーヴス
出演:ロバート・パティンソン,ゾーイ・クラヴィッツ,ポール・ダノ,ジェフリー・ライト,
   ジョン・タートゥーロ,ピーター・サースガード,アンディ・サーキス,コリン・ファレル他
 
公開初日だった先週金曜日に109シネマズ箕面にて。
 
私の終業時間は17:15。本作の上映開始は17:30で、これはいくらなんでも無理な時間。
でも、109シネマズなら予告編は約10分あるから(ちなみにTOHOシネマズは余裕で15分あり)、
17:40までに着ければ本編開始に間に合う。
ならば全然オッケーやなと職場を出たのですが、何なん、中環のこの混みよう(泣)。
どないもこないもないわと迂回してようようたどり着き、入庫時刻は17:42。
冒頭数分見そびれてガックリしたけれど、特に問題はなく。
 
そして、より前向きに考えるとすれば、17:30上映開始で20:40終了の本作は、
普通に間に合って観た場合、駐車料金がかかります。
17:42入庫になったおかげで3時間以内に出庫することができました(笑)。
 
さて、そんなわけで最初の数分を見そびれた本作ですが、めっちゃ面白かった。
“バットマン”にはまったく思い入れがないにもかかわらず。
バットマン全然知らんねんという人でも楽しめるのではないかと思います。
楽しめますけど、暗いですよ。マジで。バットマン一度も笑わんし。
 
ブルース・ウェインは幼い頃に目の前で資産家の両親を殺された。
以来、両親の忠実な執事だったアルフレッドに育てられ、大人になった。
今は億万長者慈善家としてその名を世間に轟かせているが、
一方では腐敗したゴッサムシティから悪を一掃すべく、
“バットマン”として自警活動に当たっている。そのことを知っているのはアルフレッドのみ。
 
ある日、ゴッサム市長ミッチェルが何者かに殺される。
ゴッサムシティ警察の刑事ジェームズ・ゴードンはバットマンに協力を要請。
どこの誰かもわからないマスク野郎に捜査への協力を求めるなんてと、
ゴッサム市警署長サベージはえらく怒るが、やがてそのサベージも殺される。
リドラーと名乗る犯人は、両者の死体にバットマン宛ての手紙を持たせていた。
 
権力者が立て続けに惨殺され、その繋がりを調べるバットマンとゴードン。
バットマンは事情を知っているとおぼしき“ペンギン”に接触するため、
ゴッサムを牛耳る犯罪王カーマイン・ファルコーネが出入りするナイトクラブへ。
そこで知り合った店員セリーナ・カイルが実は“キャットウーマン”であることを知り……。
 
何がいちばん驚いたって、ペンギン役のコリン・ファレルの特殊メイク。
エンドロールに彼の名前があり、「えっ、どこに出てたん?」と目が点に。
最初の数分間を見逃しているから、その間に出演していたのかと思いました。
そうしたらなんとペンギン役が彼で、まるでマーロン・ブランドでした。
老けメイクが嫌いな私ですが、これはメイクだとは気づかず。
 
また、嬉しかったのはアルフレッドをアンディ・サーキスが演じていること。
すっかりモーションキャプチャーの人になっているから、
こうしてフツーの役者として素顔が見られるのが嬉しいんです。
 
とことん暗いバットマン=ブルース・ウェイン役のロバート・パティンソンには、
『トワイライト 初恋』(2008)の頃の美しさはなく、ちょっと汚いぐらい。
髪の毛もハゲそうなタイプのようで危うい(笑)。でも役者としては今のほうが断然良し。
リドラー役のポール・ダノは完全にイッちゃっていて怖い。
 
いくらお金があっても、両親を殺された理由もわからないまま生きてきたブルース。
心に明かりは灯らない彼の苦悩が感じられてすごくよかった。
いろんな人がバットマンを演じてきましたが、個人的にはこのバットマンが好き。
3時間、どこも睡魔に襲われるところはありません。

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『ブルーサーマル』

『ブルーサーマル』
監督:橘正紀
声の出演:堀田真由,島崎信長,榎木淳弥,小松未可子,小野大輔他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『永遠の1分。』の後に。
 
原作は『月刊コミック@バンチ』に2015年から2018年に渡って連載された、
小沢かなの人気コミック『ブルーサーマル 青凪大学体育会航空部』。
TVアニメを多く手がける橘正紀監督が劇場アニメとして映画化。
上田慎一郎監督による『ブルーサーマルVR はじまりの空』(2018)という作品もあるそうです。
 
堀田真由のことは出てきた頃から気になっていました。
今はゼクシィのCMで人気かと思います。
やわらかくて可愛い雰囲気だけど、なんとなく主演を張るタイプではない。
それが声優初挑戦の本作ではヒロインの声を担当。
ほわんとしたところがピッタリでとてもよかった。
 
長崎から上京して大学生活をスタートした都留たまき。
いかにも大学生らしい生活を送ることを夢に、軟派なサークルに入るつもりだったのに、
体育会航空部の所持品である高価なグライダーを誤って傷つけてしまい、
その場にいた航空部員の空知大介に弁償しろと脅される。
 
空知はえらく怒っているものの、主将の倉持潤はなぜかニヤニヤ。
たまきはそのまま雑用係として航空部に入ることに。
 
訳あって体育会にだけは入りたくなったたまきだが、
倉持が操縦するグライダーに同乗して空の美しさに魅了される。
しかも本人は気づいていないが、たまきには天性の才能があるらしい。
 
すっかり倉持に気に入られたたまきは、
空知と始終喧嘩をしつつもグライダーに夢中になるのだが……。
 
たまきは天真爛漫で本当にいい子。誰もが彼女のペースに巻き込まれます。
どんなイケズな根性の持ち主も、いつのまにかたまきと友だちになるという。
 
たまきの異母姉で強豪校の主将を務める矢野ちづるは、たまきのことが嫌い。
誰もが好きになるたまきとの過去は苦く、思い出したくないものです。
 
能天気に見えるたまきだけれど、実は彼女にも悩みがいっぱいある。
体育会に入りたくなかった理由、姉に嫌われている理由、
すべてたまきにとっては泣きたくなるほど思い詰めていること。
 
倉持や空知にもそれぞれ悩みはあって、やっぱりこれが青春。
グライダーのことなんて何も知らなかったけれど、すごく興味が湧きました。
気持ちのいいアニメです。私も空を飛びたい。

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『永遠の1分。』

『永遠の1分。』
監督:曽根剛
出演:マイケル・キダ,Awich,毎熊克哉,片山萌美,ライアン・ドリース,
   ルナ,中村優一,アレキサンダー・ハンター,西尾舞生,渡辺裕之他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
脚本を手がけたのは『カメラを止めるな!』(2018)の上田慎一郎監督。
『カメ止め』で撮影を務めた曽根剛が本作の監督です。
 
コメディが得意なアメリカ人の映像監督スティーブ(マイケル・キダ)は、
相棒ボブ(ライアン・ドリース)と共に作品を制作していたが、
許可を取らずに道路で撮影していたものだから警察沙汰に。
たびたびこういうことを起こすスティーブに上司は怒り、解雇寸前。
もしもクビになりたくないならば、日本へ行くように命じられる。
 
日本で撮ってくるように言われたのは、東日本大震災のドキュメンタリー。
コメディしか撮ったことがないスティーブにシリアスな題材なんて無理。
楽天家のスティーブは、とりあえず日本へ行こうとボブを誘い、
「日本に行ったけれど、震災はすでに過去のもの。
誰も覚えていないし復興しているから、取材できなかった」と言えばいいと考える。
 
通訳として同行してくれることになったのが女優だという玲奈(ルナ)で、
アジアン美女の彼女を見たスティーブとボブは若干やる気に。
震災をテーマにした映画など撮る気はないとも玲奈には言えないから、
とりあえず被災地を訪れて取材を始めるのだが……。
 
初めの何分かはとても嫌でしたねぇ。
飛行機の中でも店の中でも大声でしゃべるスティーブとボブ。やかましいっちゅうねん。
このまま話が進むととても嫌だなと思いながら。
 
話に入り込めるようになったのは、スティーブが被災地で観た演劇に触発されてから。
そこで会った週刊誌の記者マキ(片山萌美)の協力のもと、
被災者たちがそんな状況下でも笑いを求めていたことを知り、
彼らに出演してもらってコメディ映画を撮ることを考えはじめます。
 
一方、歌手のレイコ(Awich)は仕事を優先して息子を親に預けたせいで、
実家が被災して息子を亡くしました。
日本にいることがつらくて渡米しますが、傷は癒えない。
レストランオーナー(アレキサンダー・ハンター)に促されて店で歌うまでは、
日本から来たというだけで放射能を心配する客の差別にも遭います。
そんな彼女に日本から手紙を送り続けるのがタクシー運転手の夫(毎熊克哉)。
 
全体的には自主映画的な雰囲気が漂っています。
でも、被災地を舞台にしたコメディを撮ることを否定的に捉えられたせいで、
結局スティーブが自主制作した作品の話だからこれでよいかと。
 
阪神・淡路大震災の後に出版された『大震災名言録』を読んで大笑いしたのを思い出します。
いつだって、笑いと歌は必要。

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