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『極主夫道 ザ・シネマ』

『極主夫道 ザ・シネマ』
監督:瑠東東一郎
出演:玉木宏,川口春奈,志尊淳,古川雄大,玉城ティナ,MEGUMI,白鳥玉季,藤田朋子,
   安達祐実,橋本じゅん,松本まりか,滝藤賢一,吉田鋼太郎,稲森いずみ,竹中直人他
 
『はい、泳げません』を観て帰った前日同様に、
実家とその3軒隣のの部屋に寄った後、109シネマズ箕面でレイトショーを観て帰る。
 
原作はおおのこうすけの同名コミックで、ウェブコミックサイトで連載。
2020年に本作と同キャストでTVドラマ化されました。未見だけど。
アニメ化もされているとは知らなんだ。Netflixで観られるらしいから観なくては。
 
読んでないし、観ていないので、細かい設定はまったく知りません。
なぜ主人公が主夫になったのかも知らんし、絶望的に家事が苦手な妻の職業も知らん。
知らないけど、この劇場版を観るのになんら問題はありません。
 
“不死身の龍(たつ)”の異名を持つ伝説の極道、龍(玉木宏)。
今は足を洗って主夫となり、家事のスキルに磨きをかけ続けている。
妻の美久(川口春奈)とラブラブなのはもちろんのこと、
美久の連れ子で血は繋がらない向日葵(白鳥玉季)との関係も実に良好。
 
そんなある日、龍宅の玄関に乳母車ごと男児が置き去りにされる。
早速警察に届けるが、男児の身元がわからない。
このままでは施設に預けられてしまうと知り、しばらく龍一家が預かることに。
 
その頃、近所のビルに怪しげな奴らが入居する。
それは、近藤(吉田鋼太郎)を組長とするヤクザで、付近の地上げを目論んでいた。
地上げの標的としている保育園に悪質な嫌がらせをおこなうようになり、
見かねた龍と元舎弟の雅(志尊淳)は園長の白石(安達祐実)を助けようとするのだが……。
 
普通に楽しかったです。
監督が『劇場版 おっさんずラブ LOVE or DEAD』(2019)の瑠東東一郎ということで、
志尊淳だったり吉田鋼太郎だったりのキャストがかぶるから、同じ雰囲気も感じます。
 
舌を巻いたのは安達祐実。彼女、やっぱり只者ではないですよね(笑)。
ヤクザを逆に恫喝した後「怖かったぁ」と可愛く言うシーンなど、笑ってしまいました。
 
龍が協力を求める元ヤクザの虎二郎に滝藤賢一
玉木宏のカラダが凄過ぎて、これホンマにここまで作り込んだん?と驚きましたが、
それに引けを取るとはいうものの、滝藤賢一もなかなか凄い。
その虎二郎の妹・虎春役の松本まりかの啖呵もカッコイイ。
わざわざ劇場で観るほどのものだろうかという気はするけれど、
キャストが楽しかったから良いのだ!

—–

『はい、泳げません』

『はい、泳げません』
監督:渡辺謙作
出演:長谷川博己,綾瀬はるか,伊佐山ひろ子,広岡由里子,
   占部房子,上原奈美,小林薫,阿部純子,麻生久美子他
 
『劇場版 ブルーバースデー』を観て以降、1本も映画を観ていません。
の病室で本を読む時間はあるだろうと、文庫本を何冊も携えて行ったのに、
字なんてまったく目に入って来ないから、1冊も読めず。
 
まだまだ映画を観る気にも本を読む気にもなれないし、
物理的にもそういう時間を取ることは難しいけれど、
もう緊急の電話がかかって来ることはないから、劇場に行けないこともない。
 
徐々に日常を取り戻したいなぁと思い、
弟の部屋と3軒隣の実家に寄った後、レイトショーを観に行くことにしました。
6月に入って初めて観る映画がこれ。109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
原作はノンフィクション作家である高橋秀実の同名エッセイなのだそうです。
監督は『舟を編む』(2013)の脚本を担当した渡辺謙作
 
大学で哲学の教鞭を執る小鳥遊(たかなし)雄司(長谷川博己)は正真正銘のカナヅチ。
顔に水を付けることはできても、水に顔を浸けることはできず、
水面に顔を近づけるだけでバタバタ暴れ出すほどほど水が苦手。
 
そんな雄司がふと目にした水泳教室のポスター。
泳げるようになりたいとなんとなく思って申し込みに行ったものの、受付で怯む。
そんな彼にコーチの薄原静香(綾瀬はるか)は「必ず泳げるようにする」と断言。
初心者コースに入会した雄司は、賑やかな主婦たちに囲まれて静香の指導を受けるのだが……。
 
雄司はバツイチで、離婚の原因になったと言えるのは、
妻の美弥子(麻生久美子)との間の一人息子を溺死させてしまったから。
それがトラウマで泳げないのかと思ったら、もともとカナヅチだったせいで、
息子を助けようとして自分が溺れて頭を打ってしまったんですね。
 
こういう話にこういうツッコミは駄目だろうと思いますが、
美弥子が関西弁である必要はなかったように思えて仕方ありません。
麻生久美子は比較的がんばってしゃべっていたとは思うけど、
それでも妙なイントネーションのときがいくつかあって、そっちに気を取られてしまうのです。
映画化に当たっては標準語でしゃべってもよかったような気が。
 
泳げない雄司を叱咤する静香ですが、彼女は彼女で道路を歩くことに恐怖を感じています。
お互いのトラウマを克服する展開かと思いきや、静香のそれはそのままで、
この設定も別に要らないのではと思いましたが、
パッタリ音信の途絶えた雄司に決死の覚悟で静香が会いに行くシーンがあったから、有効ですね。
 
哲学の教授らしく、人はなぜ生きるのかなんて話もあり、今は特に考え込む。
日々のちょっとした楽しさを感じたいという学生の話を聞けば、
弟にももっと長生きしてほしかったなぁと思わずにはいられません。
 
初心者コースにかようおばちゃんたちが強烈。
伊佐山ひろ子日活ロマンポルノの人気女優だったとか、みんな知ってる〜?と言いたくなる。
今年70歳なんですね。いつまでも活躍してほしい。
 
子どもを死なせてしまった雄司が、子持ちの女性(阿部純子)との新しい恋を見つけ、
果たして自分はこの親子を守れるだろうかと葛藤する。長谷川博己演じる雄司がとてもよかったです。
 
水の中なら「無」の気持ちでいられるかも。そんなことも思います。
優しい作品でした。

—–

弟のこと。その4。

弟が大きくひとつ息を吐く前、もういつ息がなくなっても不思議ではない頃、
私のダンナがタイから日本に向かう途中でした。
今までならコロナで容易には帰国できないところ、
ちょうど6月1日から規制緩和されたおかげで、ダンナは弟にお別れを言えそうだと搭乗。
 
弟はダンナが駆けつけるのを待っているのかなと思いました。
 
30年ぐらい前、あるTV番組で「王将で全品食べるといくらになるか」を検証していて、8千円と言っていた。
そんなに安いってホンマか!?と、ダンナと私と弟で王将にチャレンジしに行ったことがあります。
3人で3千円分頼んだだけなのに、もう動けんというぐらいの量で、
ゲンナリしつつ、王将はやっぱり安いと納得。
 
私が作った激辛カレーをダンナは滝のような汗を流しながら、
弟は「めっちゃ辛いやん」と言いながら鉢巻して食べていたこととか。
だから辛いでって言うたやん!
 
私が車の免許を取ったとき、ダンナと弟が同乗して震え上がっていたこととか、
私は翌日の仕事に備えて早く寝たいのに、まだ学生のダンナと弟が延々しゃべってダンナが帰らない。
「もうええ加減帰って!私ははよ寝たい」とイライラしたのも懐かしい。
 
結局ダンナの帰国寸前に弟は息を引き取ってしまったけれど、
弟にお別れを言ったらタイへとんぼ返りしてお葬式に再帰国するつもりだったダンナだから、
きっと弟が「そないに何遍も帰ってきてくれんでええよ」と言ってくれたのだと思います。
 
亡くなる前日の6月2日、弟がスマホを取ってほしいと言いました。
まずロックを解除するパターンを教えてくれて、
その後、指紋認証に私の指紋を追加登録すると言いました。
しかし弟の指はすでに上手く動かず、自分の指紋認証を解除してくれていいとのこと。
どんだけ私に全部さらすつもりやねんと思う。
 
お通夜にはたくさんの人が参列してくださいました。
高校時代にラグビー部で一緒だった人たちは、前回の私のブログを読んでくださっていて、
「一緒にチョコパ食べた者です」とか声をかけてくれたりして。
夜中に同窓会の写真を持ってかけつけてくれた同級生もいました。
泣きじゃくりながら缶ビールとおつまみが入ったコンビニ袋を差し出してくれた会社の女性も。嬉しい。
「お姉さん、阪神ファンですよね」って、すごい浸透率です、私の虎バカ。
  
今は何を見ても弟のことが思い出されて泣いてしまいます。
この7カ月の間に弟と何度も車で往復した道を走れば涙が出る。
スーパーに行けば、病状が進んだ弟が食べたがったもの、飲みたがったものを目にして涙が出る。
駐車場の解約に行ったときは、本人ではない事由に「本人死亡のため」と書いていて嗚咽してしまう。
はたから見るとかなり怪しい。大丈夫かこいつと思われていそうです。(^^;
 
弟と過ごしてくださった方々、ひとりひとりに感謝したい。
今までどうもありがとうございました。
 
生まれ変わっても、この弟と姉弟で居たいです。

—–

弟のこと。その3。

今年に入ってから先週の木曜日までは毎日このブログを更新してきたので、
ずいぶん長く空いた気がします。
 
先週金曜日の朝、が永眠しました。
5月5日の「子どもの日」生まれ。ひとつ歳をとってからひと月も経っていません。
 
5月18日、通常の診察の予定日、弟宅に迎えに行ったら、すごく調子が悪そう。
前々日には行きつけの美容院へ散髪に行ったのに。
帰り際、「あと1回来ます」と弟自ら宣言していたのに。
なんとか弟を病院へ連れて行ったら、緩和ケア病棟へ緊急入院になりました。
 
弟との連絡手段はもっぱらChatwork。
緊急入院の翌日、看護師さんが忙しなすぎるから転院したいと伝えてきました。
弟の言葉ありのままを病院に伝えると角が立ちそうやなぁとも弟と相談し、
「いずれホスピスでお世話になることが決まっている病院へ、できれば早く、
緩和ケアの段階から移りたい」と希望したところ、5月31日に転院できることになりました。
 
弟にとって、18日から31日までの時間が長かったか短かったかはわかりません。
ただ、その間にも病状はとどまることなく進行して、傾眠がちになり、
Chatworkで連絡が来る回数も激減しました。
大谷翔平打ったねとか、阪神勝ったねとかいう話もできなくなってしまった。
 
そんな状態だったのに、何を思ったのか、
24日頃から私がFacebookで繋がっている友達に片っ端から弟は友達申請を始めた模様。
自分が生きた証を残したいのか、自分の亡き後も姉をよろしくと言おうとしてくれているのか。
文字を入力するのも大変なのに、時折メッセージに返信すらしていたようです。
「弟さんから返信もらったよ」という話を複数の友達から教えてもらって驚きました。
どこにそんな力が残っていたのか。
 
26日の朝、弟が「どうしても話したいことがあるから病院に寄って。
僕が寝ていたら叩き起こしてほしい」と連絡してきました。
夕方寄ると、よたよたと起き上がり、「ここにすべてのパスワードが入っている」と言って、
パスワードマネージャーのこれまたパスワードを教えてくれました。
 
その翌日からさらに体調が悪くなり、ほぼ連絡が途絶えました。
「転院先の病院は張り込んで特別室にしたよ」と私が連絡したのに対し、
「わーい」のリアクションマークが3つ並んで届いたのが最後。
 
31日、転院先の病院へ付き添い。
ほとんど何も食べられなくなっていると主治医から聞いていましたが、
元の病院を出発する前に売店に寄りたいと言った弟が選んだのは、ポテチと揚げおかき。
ぼんやりしながらもじっと商品を見つめて選ぶ弟の姿が忘れられません。
 
ホスピスに転院してからは本当につらそうでした。
泣き言ひとつ言わなかった弟が初めてイライラする態度を見せました。
それでも、私が「帰るね」と言うと、必ず「ありがとう」と答えてくれる。
凄い奴やな、私の弟って、と改めて思いました。
 
6月1日、両親を連れて行った後、会社の人が来てくれました。
弟は私の目の前では決して泣かなかったのに、会社の話をするときだけ泣くんです。
お見舞いに持ってきてくださったのは、写真いろいろが切り貼りされたパネル。
たくさんの同僚、上司、先輩後輩と共に映るその写真パネルを弟は大事そうに胸に抱きしめていました。
ベッドの上に起き上がって、「これが誰で、これは誰で」と私に教えてくれました。
 
いつもは病室に昼から晩までいて、家に寝に帰っていた私ですが、
2日の晩、なんとなく「今日は晩もいようか」と聞きました。
そうしたら、「そうしてくれると助かる」と弟が答えました。
私は一旦帰ってお風呂に入り、病院へとんぼ返り。戻ってきたときも「ありがとう」と言ってくれて。
 
溜まった腹水のせいで、足がパンパンにむくんでいるから、とても歩ける状態ではないのに、
弟は最後まで尿瓶を使うことに抵抗を示し、なんとしてでもトイレに行こうとしました。
若い美人看護師ふたりに見守られて用を足す姿に、
「美人女子に囲まれてトイレなんて、ちょっとないことやで」と私。
 
明け方、「おかしい。今日はなんかおかしい」とつぶやく弟。
目は見開かれているのに、次第に息が弱くなってゆく。
弟の手を握っても、わかってくれているのかどうかがわからなくて。
ひとつ大きく息を吐いたあと、亡くなりました。
 
すみません、もう1回続けます。

—–

『劇場版 ブルーバースデー』

『劇場版 ブルーバースデー』(原題:Blue Birthday: The Movie)
監督:パク・タンヒ
出演:キム・イェリム,ホンソク,イ・サンジュン,キム・ギョルユ,パク・ジュヒョン他
 
一昨日、がホスピスに転院しました。
残り少ない命を思うと悲しくて切なくてたまりません。
映画を観る気になろうはずもないところですが、家に帰って酔っぱらうわけにもいかない。
コロナのせいで面会はまだ規制があるものの、
「お姉さんはどれだけ居てくれてもいいです」と看護師さんから言われていますので、
転院後は極力病室に居るようにしています。
 
本作は転院前日、109シネマズ大阪エキスポシティにて鑑賞した作品。
“Red Velvet”のキム・イェリムと“PENTAGON”のホンソクの共演と言われても、どっちも知らん。
2021年にWebで配信されたドラマで、未公開シーンを追加し再編集した劇場版とのこと。
いつ観に行こうが割引なしの2,000円均一。
儲ける気満々やんと思ったのですが、137分の長尺というだけでもまぁ納得。
そして、甘アマの恋愛ものだと思っていたら、すげぇサスペンスフルで驚いた。
 
オ・ハリン(♀)とチ・ソジュン(♂)は幼なじみ。
彼女は彼のことが好きでたまらないのに、想いを打ち明けられないまま高校生に。
オ・ハリンの誕生日、チ・ソジュンが所属する写真部の部室で会う約束をし、
今日こそ告白すると決意して向かったのに、チ・ソジュンは手首を切って死んでいた。
 
あれから10年経ってもオ・ハリンの気持ちはまだちっとも癒えていない。
ちゃんと就職し、表面的には明るく過ごしているが、
高校時代の友人が祝ってくれる自分の誕生日には特に凹む。
 
そろそろ気持ちの整理をつけなければと、あの頃写真を燃やしたとき、
耳鳴りがするとともに意識を失い、気づくと10年前にタイムスリップしていた。
チ・ソジュンが亡くなる前だから、運命を変えられるかもしれない。
 
手元にある写真を燃やすことでタイムスリップできることに気づいたオ・ハリンは、
当時へと戻ることを繰り返し、あの手この手を使って運命を変えようとするのだが……。
 
珍しい話とは言えないじゃないですか。この出だし。
タイムスリップして運命を変えようとする話の場合、起こることはほぼ2通り。
亡くなる運命だった人は、何をどう変えようが結局亡くなるか、
あるいは、その人が亡くならない代わりに誰かが亡くなるか。
ふん、これはどっちに転がる話なんだと思ったら、まさかの!
 
チ・ソジュンはなぜ自殺したのか、オ・ハリンはどうにも解せずに10年生きてきましたが、
過去にタイムスリップしているうちに、彼は自殺したのではなく、他殺だったことがわかります。
犯人は誰なのか。高校時代に同級生だった、なぜかチ・ソジュンを嫌っている変な奴。
あいつが彼を殺したに違いないと誰もが思うところ、まさかまさかの真犯人。
この辺りは下手なホラーより怖かった。やめて~(笑)。
 
怖すぎるから2度は観たくない。
でも2,000円分の楽しさはじゅうぶんにありました。
過去に戻っているのが自分だけだと思ったら、え、彼も!?ってね。あ、ネタバレだ。
しかも、自分を助けるために彼も戻っていたと知ったら、泣きますよね。(^^;

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