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『ブラック・フォン』

『ブラック・フォン』(原題:The Black Phone)
監督:スコット・デリクソン
出演:メイソン・テムズ,マデリーン・マックグロウ,ジェレミー・デイヴィス, ジェームズ・ランソン,
   E・ロジャー・ミッチェル,トロイ・ルードシール,イーサン・ホーク他
 
怖そうだからパスしようと思っていましたが、
飲み友だちの兄さんが「シチュエーションスリラーだから大丈夫じゃない?」と言わはる。
そうです、ホラーは苦手だけど、シチュエーションスリラーは好きなんですよね。
で、いざ観に行かんとしたら、先に観に行った兄さんが「作りが雑で残念だった」とおっしゃる。
う〜む、ならばやめておくか。でも他に観るものないし。で、やっぱり観に行きました。
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
出だしからなんだかとても“IT/イット”シリーズっぽいなと思ったら、
原作者のジョー・ヒルはスティーヴン・キングの息子なんですね。
監督は『ドクター・ストレンジ』(2016)のスコット・デリクソン。
ウィキには堂々とイーサン・ホーク主演と書かれていますが、こんなの主演じゃないです。
主演はどう見ても少年フィニー役のメイソン・テムズ。これがスクリーンデビューだとか。
 
兄さんが「どうしてこんな作品にイーサン・ホークのような一流俳優が出演しているのか」と訝っていました。
どうやら本作の製作に当たっているブラムハウス・プロダクションズの創設者ジェイソン・ブラムは、
イーサン・ホーク主宰の劇団で長らく演出家を務めていた模様で、そのご縁ではなかろうかと。
 
さて、どんな物語かと言いますと。
 
1978年。ある田舎町では男児の失踪事件が相次いでいる。
投手としては優秀だが内気な少年フィニーからホームランを打ったブルースや、
いじめられっ子のフィニーを助けてくれた喧嘩自慢のロビンも攫われたまま。
 
ある日、学校帰りのフィニーの前に止まったワンボックスカー。
運転手の怪しげな男は、フィニーに手品を見せてやると言って近づいてくる。
ワンボックスカーの後ろ扉が開くと、そこには大量の黒い風船が。
驚く暇もなく、その中に押し込まれて意識を失うフィニー。
 
目覚めると、薄汚れたベッド枠以外は何もない地下室に監禁されていた。
壁には1台の黒電話が掛かっているが、断線していて通じない。
 
ところがその黒電話が突然鳴り出す。
おそるおそる受話器を取ると、失踪した少年ブルースの声が聞こえて来る。
その後もたびたび鳴る黒電話からはそのたびに違う少年の声。
もうこの世にはいない少年たちが、フィニーを救うためにメッセージを寄越しているらしく……。
 
兄さんの言うとおり、確かに雑。
個人的には、科学的じゃないならない、科学的なら科学的に説明がつく、
どちらかの話であってほしいのですが、とても中途半端。
断線した電話が鳴るのはなぜなのよ。
あの世からの電話ならば、もっと何から何まで超常現象であってほしいというのか。
 
それに、グラバーと呼ばれる誘拐殺人魔がどうしてこんなことをするのか、動機の説明が皆無。
なぜ男児ばかり狙うのか、それはどんな男児なのか、何が目的なのか、
あの世からの電話に「ゲームを始めないと勝てない」というような台詞があるけれど、
その詳細についてもわからないまま。
 
と、いろいろ不満はあるのですが、ハードルが下がっていたおかげで結構楽しめました。
 
フィニー役のメイソン・テムズはわりと美形で、今後どんな俳優になるのか楽しみ。
彼の妹で予知夢の能力を持つグウェン役のマデリーン・マックグロウがめっちゃ可愛く知的で逞しい。
彼女をもっと見ていたくなります。
 
最後はハッピーエンドと言うべきか。そこまでやるかとちょっと不気味。
でも、そこまでやったから今までいじめられっ子だったフィニーが一目置かれるのか。
 
イーサン・ホークのたるんだ腹を見るのがキツイです。(^O^;

—–

『エルヴィス』

『エルヴィス』(原題:Ervis)
監督:バズ・ラーマン
出演:オースティン・バトラー,トム・ハンクス,オリヴィア・デヨング,ヘレン・トムソン,
   リチャード・ロクスバーグ,ルーク・ブレイシー,ケルヴィン・ハリソン・Jr.他
 
仕事が終わるとの部屋までひとっ走りしてゴミを出す。
茨木市は「何でも燃える焼却炉」がウリで、可燃ゴミと不燃ゴミの分別がないんです。
全部まとめて「普通ゴミ」。あとは資源ゴミと大型ゴミにしか分かれていません。
刃物とかスプレー缶まで普通ゴミでいいのかよと驚いてしまいます。
とはいうものの、分別に慣れた身としてはそんなになんでもかんでも一緒に突っ込めず、
わが家にある不燃ゴミ袋を持参しては分別して持ち帰る日々。
この日はちゃんと可燃ゴミだけ入れた袋をマンションのゴミ置き場へ運びました。
 
さてその後は母に「今日も来たよ~」と声だけかけてクリーニング店へ。
そしてそして109シネマズ大阪エキスポシティへと向かい、レイトショーで本作を。
 
絶対観ておきたいとは思ったものの、エルヴィス・プレスリーにまったく思い入れがないんです。
だって、1935年生まれの彼が最も活躍したのは1950年代。
生まれてもおらんときに活躍した人のことを聞いてもピンと来ません。
 
プレスリーと聞いて私がすぐに思いつくのは、プレスリーのモノマネ大会が登場する作品。
また、『グッド・ドクター 禁断のカルテ』(2010)に出演していたライリー・キーオはプレスリーの孫娘ですが、
おじいちゃんの七光りということもなく、きちんと良作に出続けているようです。
直近の作品では『THE GUILTY/ギルティ』(2021)であの母親の声を担当していました。
 
いくら伝説のスーパースターであっても、思い入れがないとツライ。
バズ・ラーマン監督作品はいつも煌びやかな夢の中のような世界。
夢のようだなと思っていたら、本当に寝ちゃいました。(^^;
 
ただ、プレスリーのルーツが黒人音楽にあることすら知らなかったから、
B・B・キングなどとも親しかったプレスリーが、人種差別主義者から叩かれ、
政治家によってこの世から抹殺されそうになっていたことに驚きました。
 
何が駄目だったって、老けメイクですよ。苦手なんだってば。
これだけ苦手なのに、のっけからトム・ハンクスが老けメイクで登場。
そもそもトム・ハンクスはもうそんなに若くないのに、
そこにさらにメイクを施して老人の役を演じられるとそれだけでドン引き。
彼が演じるトム・パーカー大佐の嫌な奴ぶりも鼻について、集中できませんでした。
 
42歳で亡くなったんですね。彼は自分の人生をどう思っていたのか。
ついつい若くして亡くなった人の話を聞くと、弟の年齢と比べてしまいます。
プレスリーより13年も長く生きたで!

—–

『リコリス・ピザ』

『リコリス・ピザ』(原題:Licorice Pizza)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:アラナ・ハイム,クーパー・ホフマン,ショーン・ペン,トム・ウェイツ,
   ブラッドリー・クーパー,ベニー・サフディ,ジョエル・ワックス他
 
イオンシネマ茨木にて。
この監督の作品を観るときは毎度書いていることですが、
ポール・アンダーソンという著名監督は2人存在して、
「良いほう」と「駄目なほう」と一般的には言われています。
 
「駄目なほう」の監督はポール・W・S・アンダーソンで、ミラ・ジョヴォヴィッチの旦那。
なんというのか、大衆向けのわかりやすい娯楽作品ばっかり。
一方、「良いほう」が本作の監督、ポール・トーマス・アンダーソン
批評家受けする監督のほうが小難しい印象はありますし、
実際、ポール・トーマス・アンダーソン監督作品には「いったい何?」というものもありますが、
これは結構わかりやすい部類ではないかと思います。
 
予告編を観たときはあまり惹かれませんでした。
物語自体は私の好みっぽいのですが、主演カップルの顔がどうもタイプじゃない。すんません。
特に男性のほうは、こんな恋愛ものでイケてる男子を演じる風貌には到底思えず、
フィリップ・シーモア・ホフマンに似てるなぁと思ったら、息子でした。(^^;
 
1973年、ハリウッド近郊のサンフェルナンド・バレー。
ゲイリー・ヴァレンタインは子役として活躍する15歳の高校生。
CM会社を経営する母親が宣伝を担当した近隣のレストランなどにも出入りして顔なじみ。
大人とのやりとりも慣れたもの。
 
ある日、生徒の写真撮影にアシスタントとして訪れた25歳の女性アラナに一目惚れ。
ゲイリーは早速アラナを口説きにかかる。
アラナはその強引さに閉口しながらもなんとなく気になり、食事の誘いを受け入れるのだが……。
 
ゲイリーを演じるのがクーパー・ホフマン。
失礼極まりないことを言いますが、この容姿で「イケてる子役」という設定は私には無理。
フィリップ・シーモア・ホフマンのことは好きでしたが、
それはあくまで脇役としての彼の演技が好きだっただけ。
もしもモテモテの役なんかやられたらドン引きしていたと思います。
 
無理だと思いながら観るのもツライので、頭をニュートラルにして鑑賞しました。
そもそも15歳の少年と25歳の女性の恋の話なんて、私の苦手な「オバハンの妄想」でしょ。
だけど、クーパー・ホフマンがとても15歳には見えないおかげで、妄想とは感じず。
その点はありがたいことでした(笑)。
 
アラナ役のアラナ・ハイムは、三姉妹のロックバンド“ハイム”のメンバーで、
実姉妹のエスティとダニエルが姉妹役で出演しているばかりか、
父親と母親を演じているのも実の両親だったようで、ビックリ。
 
15歳らしからぬゲイリーは、ウォーターベッドやらピンボールマシンやら、
流行りそうなものを見つけると速攻で商売を始め、商才を見せつけます。
撮影アシスタントを辞めてゲイリーのビジネスパートナーとなったアラナですが、
ガキなんて相手にしていられないとゲイリーを邪険にするくせに、
ゲイリーが同世代の子役女優とイチャイチャしていると腹を立てる。
この辺はやっぱりオバハン(というほどの年齢じゃあないが)の妄想だよなぁ。
 
スター俳優役のショーン・ペン、映画監督役のトム・ウェイツ
大物プロデューサー役のブラッドリー・クーパーといった面々の演技が楽しい。さすがです。
 
結論として、良い作品だったし、睡魔に襲われることもなかったけれど、
やっぱりタイプの俳優が演じていないと、そこまで好きにはなれないというところです。
 
ところで、話中にはリコリスもピザも出てこないというのに、
タイトルの“リコリス・ピザ”ってどういう意味さと思ったら、
舞台となっているサンフェルナンド・バレーにあったレコード店のことですと。
でもレコード店も出てこないよ。

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『妖怪シェアハウス 白馬の王子様じゃないん怪』

『妖怪シェアハウス 白馬の王子様じゃないん怪』
監督:豊島圭介
出演:小芝風花,松本まりか,毎熊克哉,池谷のぶえ,小久保寿人,
   川辺雄介,片桐仁,望月歩,池田成志,大倉孝二他
 
スルーするつもりだったのですが、ちょっと気になる。
何の割引もない木曜日、貯まったポイントを使って観ることに。
109シネマズ箕面にて。
 
“妖怪アパート”シリーズは知っているけど、“妖怪シェアハウス”シリーズは知りません。
これも原作はコミックだろうと思っていたら、TVドラマなのですね。
テレビ朝日にて、2年前に第1シリーズ。第2シリーズがついこの間まで放映されていたらしい。
 
作家を目指しつつ会社勤めを続けている目黒澪(小芝風花)。
恋愛に関する話を執筆してみたが、上司にもその辺の女子高生にも古いと言われる。
聞けば、最近流行の恋愛の相手は生身の人間ではなく、AI(人工知能)
どんな理想もAIならその通りの相手が見つかる。
 
シェアハウスに同居する妖怪たちに澪がこの流行を話したところ、
お岩さん(松本まりか)をはじめ、みんな大反対。
しかしつい興味を惹かれてアプリを使ってみると、ただちに理想の相手ツトム(望月歩)が現れる。
彼と話すのが楽しくて、澪は毎日ウキウキ。
 
ある日、若き天才数学者AITO(望月歩の一人二役)に取材する機会を得た澪は、
AITOがツトムと瓜二つであることにビックリ。速攻で恋に落ちた澪だったが……。
 
観るのがまったく初めてだったもので、何から何までビミョー。
どこを面白がればよいのかがわかりません。
 
確かに風花ちゃんは可愛いからそれだけで良い気もします。
お岩さん役の松本まりか以外も、酒呑童子役の毎熊克哉座敷童子役の池谷のぶえ
それに特に良いのがぬらりひょん役の大倉孝二。彼にはまずまず笑わされました。
ただやっぱりTVドラマ版を観ていないとツライのではないかと。
それに特殊メイクが結構怖くて、子どもさんなんて泣いちゃうのではと思ったりも。
誰も泣いていませんでしたけど。(^^;
TVドラマ版のファンだった人にはオススメします。じゃないと睡魔に襲われます。(^o^;
と言いつつも、今も劇場で流れている予告編を観るとほっこりします。
『燃える仏像人間』(2012)を思い出す人形劇風アニメも楽しいし、
大倉孝二の「怖いわ!」、大好き。

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『ニューオーダー』

『ニューオーダー』(原題:Nuevo Orden)
監督:ミシェル・フランコ
出演:ナイアン・ゴンサレス・ノルビンド,ディエゴ・ボネータ,モニカ・デル・カルメン,
   フェルナンド・クアウトレ,エリヒオ・メレンデス他
 
せっかくシネ・リーブル梅田まで来たならば、1本で帰るのはもったいない。
もう1本、今度はメキシコ/フランス作品を観ることにしました。
 
メキシコ、半端でない富裕層が暮らす地区。
富豪の両親のもとで生まれ育った娘マリアンは25歳。今日は彼女の結婚式。
政財界の有力者たちも出席する披露パーティーが盛大におこなわれたいた。
 
その一方で、貧困層が暮らす地区では、格差拡大に抗議する市民デモが起こり、
今まさに暴動に発展しようとしていた。
 
マリアンの邸の元使用人ロランドは、病床の妻エリサに手術を受けさせたいと、
金の工面を頼みにマリアンの両親を訪ねる。
つれない態度の両親に怒りを感じたマリアンは、自分がなんとかしたいと考え、
現在の使用人クリスチャンに道案内を頼んでロランドの家へ行こうとする。
 
ちょうどマリアンとクリスチャンが邸を出たとき、
暴徒と化した市民が邸に乗り込み、銃を乱射。
そうとは知らないマリアンはロランドの家へとたどり着いたところ、兵士がやってくる。
彼らはマリアンを邸へ送り届けると嘘をつき、彼女を拉致誘拐して……。
 
こういう作品を見ると、メキシコって怖い国だなぁと思います。
 
金持ちの息子や娘はみんな誘拐されて牢獄に入れられ、拷問や強姦を受ける。
身代金をふんだくるための映像を撮らされて、
身代金がきちんと支払われてやっと解放されるかと思いきやズドン。
政府高官もまったく信用できず、いったいどうすりゃいいんだか。
 
救いがありません。最後は呆然。善人であるだけ損だと思ってしまうぐらい。
映画マニアでないならば、カップルでなんて決して観に行かないように。
 
この絶望感は何に似ているだろう。
『ミッドサマー』(2019)がお好きだった人は気に入るかも。
悲惨すぎて笑っちゃうぐらいで、私も嫌いじゃないけれど、人には鑑賞を勧めません。

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