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『ボイリング・ポイント/沸騰』

『ボイリング・ポイント/沸騰』(原題:Boiling Point)
監督:フィリップ・バランティーニ
出演:スティーヴン・グレアム,ヴィネット・ロビンソン,ジェイソン・フレミング,アリス・フィーザム,
   ハンナ・ウォルターズ,マラカイ・カービー,ローリン・アジューフォ,レイ・パンサキ他
 
三連休の中日に観るつもりでいたのに、初日の土曜日の晩に飲み過ぎて起きられず。
最終日の月曜日に出かけるのはなんとなく面倒だなぁと思いつつ、
「映画×食べ物・飲み物」って外せないじゃないですか。
どうしても観たかったから、朝からシネ・リーブル梅田へ車で走る。
 
イギリス作品。90分ワンカットというのが話題になっています。
フィリップ・バランティーニ監督は同名の短編作品を2019年に撮っていて、その長編版が本作。
主演も短編版と同じスティーヴン・グレアム
彼のこと、ご存じですか。“ヴェノム”シリーズでちょっと気の毒で笑えるマリガン刑事役の俳優ですね。
 
ロンドンに実在する“Jones&Sons”でロケをおこなった模様。
高級レストランということなのですが、私が想像する高級店とはかなり違います。
一度に100人以上の予約を受けられるような大箱で、
店内はレストランとバーエリアに分かれ、スタッフもざっと見たところ20人はいそう。
客の服装はフォーマルなものではなく、いたってラフ。
静けさとは無縁の様相は、『ディナーラッシュ』(2001)を思い出させます。
 
そんな店のシェフを務めるのがスティーヴン・グレアム演じる主人公のアンディ。
妻とは別居中で事務所に寝泊まりする日々が続き、疲労困憊。
しかし今日はクリスマス直前の週末とあって、開店前から大忙しのレストラン。
なのにこんなときに限ってやってくる衛生管理検査官。
 
この間までは最高点の5点を獲得していたのに、
スタッフが食品用の流し台で手を洗ったとか、髭を撫でる癖があるとか、
いろんなところに駄目出しされて3点に減点されます。
でも、スタッフよりも何よりも、いちばん駄目なのはアンディ。
妻子のことで頭がいっぱいだから、日誌をつけるのをさぼっていたのが最大の減点理由。
 
フロアでは傲慢な態度を取る客、メニューにないものをSNS用に作れという自称インフルエンサー
ナッツアレルギーの彼女に今宵プロポーズしたい男性だとか、もうそりゃいろんな客で溢れかえっています。
一般客の相手で手一杯なのに、アンディの元同僚でTVで大人気のセレブシェフ、アリステアまで来店。
しかもアリステアが愛人のグルメ評論家を連れてきたものだから、厨房は大慌て。
 
てな感じで、90分ワンカット、緊迫感ありありの様子が描かれます。
 
非常に面白かったですが、愉快な作品ではありません。
なにしろ、アンディがアルコール依存症で、水を持ち歩いているのかと思いきやずっと飲酒。
スタッフを罵倒したところで、遅刻ばかりで発注も忘れるようなシェフに威厳なし。
支配人とスタッフの間のぎすぎすした空気をなんともできずにいます。
 
いけ好かない態度の支配人女性ですが、父親から継いだ店だというプレッシャーは相当なもの。
聖母のようなパティシエの助手を務める青年の袖を捲れば自傷の跡。このシーンは泣きそう。
 
客からラム肉が生焼けだと突き返されてきたサービススタッフを見て、
セコンドシェフが「ラム肉はピンクなの。生焼けじゃないと言って来い」。
客から料理を返されるのは料理人の責任だという支配人と、
料理のことをわかっちゃいない客にきちんと説明できないサービスの責任やろが、
サービスを教育できていないアンタが悪いねんと言い合うシーンはド迫力。
 
すごく素敵だと思ったのは、「千切り」をフランス語でなんと言うか。
「ジュリエンヌ」って、なんて上品な響きなんだ~。テンション上がりました。
 
ん〜、愉快ではなくともやっぱり面白かったなぁ。

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『ミニオンズ フィーバー』

『ミニオンズ フィーバー』(原題:Minions: The Rise of Gru)
監督:カイル・バルダ
声の出演:笑福亭鶴瓶,ピエール・コフィン,尾野真千子,渡辺直美,大塚明夫,田中真弓,
     速水奨,立木文彦,土田大,京田尚子,市村正親,宮野真守,鈴木拡樹他
 
三連休の中日にこれもレイトショー、109シネマズ箕面にて。
 
『怪盗グルーのミニオン大脱走』(2017)と来ましたけれど、
ちっとも変わらないミニオンズ、カワイイです。
スティーヴ・カレルの声で聞きたいところですが、この辺りでは字幕版の上映なし。
やってないもんはどうしようもなく、仕方ないから鶴瓶の声で我慢します。
 
今は怪盗となったグルーの少年時代の話に遡るスピンオフで、舞台は1970年代。
 
大悪党になることを夢見る12歳の少年グルー。
訳あって地下室に住まわせることになったミニオンズは、
グルーのことを「ミニボス」と呼んで慕っている。
 
ある日、グルーが憧れる極悪チーム“ヴィシャス”が新メンバーを募集。
グルーも応募したところ、オーディションの案内が届くが、
面接に赴いたグルーを見て、まだ子どもじゃないかとヴィシャスの面々は嘲笑う。
 
とぼとぼと帰りかけたグルーだったが、面接会場でいざこざが起きたのを機に、
ヴィシャスが大事に持っていたお宝の石を盗み出すことに成功。
なんとか逃げおおせたグルーをヴィシャスは血眼になって追いかける。
 
一方、もともとはヴィシャスのリーダーだった老人ワイルド・ナックルズは、
年齢を理由にヴィシャスのメンバーたちに裏切られたうえに殺されかける。
生き延びたワイルド・ナックルズもお宝の石を奪還しようとしていて……。
 
なんならミニオンズの名前を全員覚えたいところですが、
ケビン、スチュアート、ボブ、そして今回キーとなるオットーしか覚えられず。
あれ?そもそも名前を呼ばれるのはそれぐらいしかいないか。
 
渡辺直美が声を担当しているカンフーの達人マスター・チャウが最高。
稽古をつけてもらうシーンが可笑しくて、にへにへしてしまいます。
 
鶴瓶はすっかりグルーだから、これでいいんですけれど、
ワイルド・ナックルズをアラン・アーキンが担当しているのも気になるし、
ミシェル・ヨーとかドルフ・ラングレンとか、やっぱり気になりません?
 
いついつまでも続いてほしいミニオンズ。フィーバーならぬフォーエバー。

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『キングダム2 遥かなる大地へ』

『キングダム2 遥かなる大地へ』
監督:佐藤信介
出演:山﨑賢人,吉沢亮,橋本環奈,清野菜名,満島真之介,岡山天音,三浦貴大,濱津隆之,
   豊川悦司,高嶋政宏,要潤,加藤雅也,高橋努,渋川清彦,小澤征悦,大沢たかお他
 
先週金曜日の封切り日、109シネマズ箕面にてレイトショーを鑑賞。
 
前作『キングダム』(2019)がどんな話だったか忘れていそうでしたが、意外と覚えていました。
信と漂は幼なじみで、共に世界の底辺を生きる奴隷
奴隷に生まれついた者は死ぬまで奴隷という世の中をひっくり返すべく、天下の大将軍を目指す。
そんななか、漂が秦国王と瓜二つということで影武者に抜擢されます。
その漂がみごと影武者の役目を果たしたというのか、殺されちゃったのでしたよねぇ。
で、漂に代わって秦国王を守る信、そんな感じでしょうか。
 
前作から半年後という設定らしいです。
 
秦国王・嬴政(吉沢亮)は隣の魏国の刺客に狙われるが、信(山﨑賢人)によって救われる。
魏軍の総大将・呉慶(小澤征悦)が秦への侵攻を開始したと知り、
秦軍の総大将・麃公(豊川悦司)は蛇甘平原で魏軍を迎え討つことに。
信も歩兵として同郷の尾平(岡山天音)や尾到(三浦貴大)と共に戦場へと向かう。
 
秦軍は戦いの折に5人1組となることが決まっているらしいが、
強そうには見えない信たちと組もうとする歩兵はいない。
誰からも声をかけられずにいた羌瘣(清野菜名)を誘い、
あと1人は人数が足りない組に合流するのが常だという伍長・澤圭(濱津隆之)が合流し……。        
 
合戦オタクではない私にとって何がややこしいって、王がいて、総大将がいて、
副将もいて、千人将とかいう「肩書き」の人もいて、誰がどういう立場なのか。
どっちがどっちの味方で誰がつるんでいるのかも時折わからなくなりますが(笑)、
その程度の理解力であっても楽しめます。
 
秦軍の千人将・縛虎申(渋川清彦)がすげぇ嫌な奴だと最初は思ったのに、
魏軍の副将・宮元(高橋努)と刺し違えるシーンはシビれました。
渋川清彦はやっぱり良い役者と再認識。
 
王騎将軍って、ずっと大木将軍と書くのだと思っていた私、アホですみません。(^^;
前作も本作も大沢たかおのこの王騎将軍がなんともいえず良い味。
 
予告編で羌瘣が「駄目じゃない。だっておまえはまだ生きているじゃないか!」というシーン、
相手が写っていなかったので、信に向けられた台詞かと思っていたら、そっか、違ったんだ。
よくよく考えてみれば、「駄目だ」なんて後ろ向きな台詞、信が口にするはずもない。
信の超ポジティブなところ、見習いたい。なんとかなるもんだ。

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『スパイダーヘッド』

『スパイダーヘッド』(原題:Spiderhead)
監督:ジョセフ・コシンスキー 
出演:クリス・ヘムズワース,マイルズ・テラー,ジャーニー・スモレット,マーク・パギオ,
   テス・ハウブリック,アンジー・ミリケン,ベベ・ベッテンコート,ネイサン・ジョーンズ他
 
連日の実家通いで結構疲れが溜まっていて、今週は劇場に一度足を運んだだけ。
帰宅しても映画鑑賞の時間はなかったから、Netflixで映画を観るのはいつぶりか。
これを観て以来だから、2カ月ぶりですね。
 
6月17日に配信開始となったNetflixオリジナル作品。
原作はジョージ・ソーンダーズによる短編小説。
ジョセフ・コシンスキー監督といえば『トップガン マーヴェリック』
そしてマイルズ・テラーといえばやっぱり同映画の“ルースター”。
“ソー”クリス・ヘムズワース主演ということになっているけれど、
こりゃどう見てもマイルズ・テラーのほうが主人公です。
 
孤島にある刑務所“スパイダーヘッド”。
服役しているのは開発中の薬剤の治験を受けることを条件に移送されてきた囚人たち
囚人同士の喧嘩やレイプが日常茶飯事の州立刑務所とは違い、
スパイダーヘッドではベッドも家具も設えられた個室を与えられ、廊下の行き来も自由。
 
飲酒運転で事故を起こし、同乗者を死なせてしまったジェフ(マイルズ・テラー)は、
スパイダーヘッドの看守スティーヴ(クリス・ヘムズワース)から特に期待されている被治験者。
目の前の相手に好感を持つようになる薬、描写の語彙が増える薬など、
次々と投与される薬剤の効果をジェフによってスティーヴは確認する。
 
しかしあるとき治験内容に疑問を抱いたジェフは、スティーヴが実は看守などではなく、
自ら経営する製薬会社のために治験をおこなっているだけだと知り……。
 
なかなか嫌な話です。
善人役が多いクリス・ヘムズワースは反吐が出るほど酷い奴。
 
相手に好感を持つようになる薬を投与されると、
目の前にいるのがどんなオバハンであろうと欲情してしまい、その場でおっぱじめるというのは怖い。
スティーヴの助手を務めるマーク(マーク・パギオ)が投与の指示を受けつつ
「見たくない」とぼやくシーンは、マジで見たくない、こんな絡み、と思いました(笑)。
この間のことを被治験者が覚えているのも残酷ですよねぇ。
 
ネタバレになりますが、スティーヴが本当に治験の結果を得たかったのは、
相手のどんな命令にも従うようになる薬。
こんな薬が存在すれば、人を殺させるのも簡単、戦争もたやすく起こせることでしょう。
 
一見自由に見える刑務所。
優雅に音楽が流れ、清潔で、食事も豪華。オードブルなんかも提供されます。
刑期の短縮と引き換えに治験を受け入れた囚人たちですが、
ジェフと恋仲になるやはり囚人のリジー(ジャーニー・スモレット)が
妙な薬を投与され続けるよりも、殴られる州立刑務所のほうがマシと言うシーンは、
実際のところどうなんだろうと考え込んでしまいました。
 
つまらなくはないですが、そりゃこの監督でこの出演陣なら他作品のほうが面白い。

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『モエカレはオレンジ色』

『モエカレはオレンジ色』
監督:村上正典
出演:岩本照,生見愛瑠,鈴木仁,上杉柊平,浮所飛貴,古川雄大,
   藤原大祐,永瀬莉子,高月彩良,晴瑠,笛木優子他
 
前述の『ビリーバーズ』の後、同じくイオンシネマ茨木にてレイトショー。
 
予告編を観たとき、これは私が観に行くべき作品ではないと思いました。
だって最近、この手の高校生がヒロインの作品を観るたびに、
キュンキュンできないどころか観ているのが恥ずかしくなるから。
きっと本作もそうだろうと思いつつ、ほかに観るものもないので覚悟を決めて。
 
原作は月刊漫画雑誌『デザート』に2016年から今も連載中の同名コミック。
監督はTVドラマの演出を多く務める村上正典。
生見愛瑠、なんと読むのかと思ったら「ぬくみめる」ですか。読めねぇ。
 
父親を亡くした悲しみも癒えないうちに転校した女子高生・佐々木萌衣(生見愛瑠)は、
学校の避難訓練で出会った消防士・蛯原恭介(岩本照)に恋をする。
蛯原のひと言のおかげで気持ちが前向きになり、
同級生・桐谷紗弓(永瀬莉子)に思い切って声をかけて親友に。
紗弓の計らいでさっそく蛯原にコクった萌衣だったが、あっさりフラれてしまい……。
 
書くほどのあらすじがないがな(笑)。
フラれたけど一途に思い続けているうちに蛯原も心を開くという、書かなくてもわかる展開。
ただ、こんなもんだろうと覚悟して観に行ったおかげでまぁまぁ楽しかった。
私以上に観客として浮いていたオッサンひとり客が声に出して笑うシーンが結構あり、
それがほかの客の笑いを誘ったりもしていました。わりといい雰囲気。
 
それにしても、ショッピングモールガス爆発とかあり得んし、
なんぼ救急救命士の資格取得に向けて勉強中だからって、
女子高生が現場に残って逃げ遅れた客をひとりずつ助けるって、そんな無茶したらあかんやろ。
顔にハンカチすら当てずに燃えさかる火と煙の中で平気な萌衣、アリですか。
蛯原ら消防士たちも、「萌衣が取り残されている」って走り出すし。えーっ。
 
もうお好きにしてください、ラブラブなだけでいい話なんだからと思いました。
いま売れているのは誰かを知るために、今後もこの手のやつを観ることにします。

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