MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『アンジーのBARで逢いましょう』

『アンジーのBARで逢いましょう』
監督:松本動
出演:草笛光子,松田陽子,青木柚,六平直政,黒田大輔,宮崎吐夢,工藤丈輝,田中偉登,駿河メイ,
   村田秀亮,田中要次,沢田亜矢子,木村祐一,石田ひかり,ディーン・フジオカ,寺尾聰他
 
109シネマズ箕面にて。
 
ある町に風に乗って現れた高齢の女性アンジー(草笛光子)。
入居者なくボロ家となったまま放置されている物件を一目で気に入って不動産屋へ。
 
あの物件を借りたいと聞き、不動産業者(宮崎吐夢)は仰天。
なんでもあれは曰く付きも曰く付き、事故多発物件とのこと。殺人はないものの、自殺はあった。
住めば不幸に見舞われる物件だと。
 
そんなことは屁とも思わないアンジーが金を積んで交渉しようとしていたところへ、
物件の大家(寺尾聰)本人が現れ、店をやってくれるなら喜んで貸しますと言う。
 
店を開けるべく早速手入れを始めたアンジーだったが、ひとりでは埒があかない。
近くの公園を訪れると、そこで暮らすホームレスたちに声をかけ、改修を頼む。
そんな様子を向かいの美容院から眺める店主(松田陽子)と高校生の息子(青木柚)。
 
ホームレスの面々に扮するのは、元大工役の六平直政、元電気屋役の黒田大輔、暗黒舞踏家役の工藤丈輝。
路上生活者だからといって不幸せなわけじゃない。けれど張りのある生活をしていたわけでもない。
それが、アンジーからあーだこーだと指示されて自分の得意分野で働いているうちに張り合いが出てきます。
 
青木紬演じる少年は、女友達(駿河メイ)の兄(田中偉登)のことが好き。
けれどその想いをなかなか打ち明けられず、母親にも自分がゲイであることを言えずにいます。
アンジーと関わることで彼自身も母親も少しずつ気持ちに変化があらわれてきます。
 
舞台劇を観ているかのようでした。
可も不可もなく、最後にディーン・フジオカがバイクを乗る姿に驚くぐらいで。
でも、後味はいい。
今年91歳になる草笛光子を見るための作品でしょう。

—–

『1980 僕たちの光州事件』

『1980 僕たちの光州事件』(英題:1980: The Unforgettable Day)
監督:カン・スンヨン
出演:カン・シニル,キム・ギュリ,ペク・ソンヒョン,ハン・スヨン,ソン・ミンジェ他
 
アップリンク京都にて、『エミリア・ペレス』の次に。
 
『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017)を観るまで、光州事件のことはまったく知りませんでした。
なんとお気楽な人生を私は送っているんだろうと思うと共に、1980年代にこんな事件が起きる国って何よと思ったりもしました。
軍事政権下民主化を求める学生が弾圧され、大勢の死者を出すに至った歴史的悲劇。
本作は『タクシー運転手 約束は海を越えて』および『ソウルの春』(2023)と是が非でも併せて観たい1本です。
 
それら2本のように光州事件そのものを描いているというよりは、
そんなことが起きているとも知らずに平和に暮らしていた人々を襲った現実がここには描かれています。
 
1980年5月17日、三代で暮らす家族のうち、祖父が念願の中国料理店をオープン。
祖父の自慢はソウルの大学を出た長男。
それに比べて出来の悪い次男こそ店を継ぐ気持ちがあるのに、祖父が相手にしてくれない。
しかし長男は出かけてばかりで、どうやら軍事政権に反発してデモを主導している様子。
長男の嫁は働き者で、彼女が店に立って祖父の仕事を大忙しで手伝う。
 
長男夫婦の息子で小学生のチョルスは、隣家の美容院の娘ヨンヘが好き。
「中国めし」の店を継いだらヨンヘに嫌われそうだから絶対に嫌だ。
だけど家族は笑うばかりでまともに話を聞いてくれない。
 
なかなか祖父の信頼を得られない次男だったが、知的で美人で性格も良いアモーレと結婚が決まる。
店のオープンと次男の結婚話でお祝いムードのなか、来店した軍人たちと学生客の間に不穏な空気が流れる。
軍人たちは学生と見るやアカだと決めつけ、学生の味方につけばそれもアカ扱いされる。
 
ある日、軍人に追いかけられた長男が逃げ込み、そのまま行方をくらます。
すると、兄の居場所を教えろと次男が捕まって拷問にかけられ……。
 
シリアス一辺倒ではなくてユーモアもふんだんに盛り込まれています。
それがむしろ悲惨さを倍増させる役目を果たしているから、虐殺のシーンでは愕然とするしかありません。
アジトが爆撃された瞬間は呆気にとられて言葉を失いました。
 
最初はデモがなんたるや知らない者まで連行される。
デモが周知のこととなると、家族が連れて行かれたり殺されたりして、みんな事実を知る。
なんだかよくわからずにデモに参加していた人もいるでしょうが、
軍事政権下で民主化を唱えるには命を懸けなければならないのですね。
 
この悲劇を乗り越えて、国は良くなりましたか。
少なくとも韓国映画はもの凄く面白い。でも面白いと言っているだけで良いのかどうか。
私には命を懸ける勇気はありません。

—–

『エミリア・ペレス』

『エミリア・ペレス』(原題:Emilia Perez)
監督:ジャック・オーディアール
出演:カルラ・ソフィア・ガスコン,ゾーイ・サルダナ,セレーナ・ゴメス,
   アドリアーナ・パス,エドガー・ラミレス,マーク・イヴァニール他
 
平日、有休を取って京都へ。
私のいちばん年上の友人だった人が2月下旬に77歳で亡くなりました。
その夫婦とさらにそのお友達ご夫婦が行く予定だった蕎麦会席のお店へ、亡くなった友人の代打で私がおじゃますることに。
昼食の席で献杯し、友人の思い出話もいっぱいして笑ったりしんみりしたり。
皆さんと別れてから、これもその友人との思い出の劇場、アップリンク京都へひとりで向かいました。
 
『パリ13区』(2021)のジャック・オーディアール監督によるフランス/ベルギー作品。
 
優秀な弁護士でありながら理不尽に感じざるを得ない日々を送るリタは、ある日突然拉致される。
連れて行かれたのは麻薬カルテルを仕切るメキシコの麻薬王マニタスのもと。
彼は麻薬王という立場を捨てて自分らしく生きることを望んでおり、
そのために性別適合手術を受けて女性として生まれ変わりたいのだと。
かねてからリタの力量を見抜いていたマニタスは、新しい人生を用意する役目をリタに任せると言う。
 
マニタスが見込んだとおり、リタは完璧な計画を立てて彼をエミリアとして再生させる。
亡き者とされたマニタスが残した妻ジェシカと幼い子どもたちは、リタの進言により安全のためにスイスへと移住する。
 
4年後、イギリスで暮らすリタの前にあのエミリアが現れる。
子どもたちと一緒に暮らせるように段取りを図ってほしいと頼まれたリタ。
エミリアは、マニタスの遠い親戚だと偽って妻子をメキシコシティに呼び寄せ、
マニタスに代わって面倒を見ることを約束して……。
 
エミリア役のカルラ・ソフィア・ガスコンは第97回アカデミー賞で主演女優賞の受賞確実と言われながら、
要らん口を叩いて非難を浴びたせいで受賞ならず。ホント、口は災いのもとです。
マニタスの妻を演じたセレーナ・ゴメスの悪口まで言っちゃったそうで。
一方、リタを演じたゾーイ・サルダナは助演女優賞を受賞。
本作自体はメキシコ文化の捉え方に問題があるらしくて、メキシコでは素人にも玄人にも評判悪いそうな。
 
こんな外野での動きのせいで評判が悪かったのだろうと思って観に行きましたが、
それなりに期待度が高かったため、フツーだったなぁという感想。
ミュージカルとしての面白さも抜きん出ているわけではなくて、誰かに推すかと言われると難しい。
ただ、出演作は結構多いゾーイ・サルダナが50前にして認められてよかったとは思います。

—–

『おいしくて泣くとき』

『おいしくて泣くとき』
監督:横尾初喜
出演:長尾謙杜,當真あみ,水沢林太郎,芋生悠,池田良,田村健太郎,
   篠原ゆき子,安藤玉恵,美村里江,安田顕,ディーン・フジオカ他
 
 
モギリで駐車サービスを受けるさい、処理済みの刻印を見て疑われることが結構あります。
「すでにサービス受けているのに、不正に追加で処理してもらおうとしている奴やないか」ってとこですね。
だから、不審な表情をされる前に、それまでに観た作品のチケットを見せて「今日○本目です」と言うようにしています。
本作の入場時、「今日4本目です」と言ったら「4本目ですか。凄いですね。ありがとうございます」と言われました。
こちらこそありがとうございます。土日であろうが全部サービスを付けてくれる西宮ガーデンズ、本当にありがたい。
 
原作は森沢明夫の同名小説。横尾初喜監督の作品を観るのは私は初めてです。
 
中学生の風間心也(長尾謙杜)は、幼い頃に母・南(美村里江)を病気で亡くして以来、食堂を営む父・耕平(安田顕)と2人暮らし。
耕平は、家庭の事情でおなかを空かせている子どもたちのために“こどもごはん”と称して食事を提供。
生活に困窮してやってくる子どものなかには、心也の同級生・新井夕花(當真あみ)と小学生の弟(矢崎滉)の姿もあった。
 
学級新聞委員を決めるとき、意地悪な女子たちが「部活をしていなくてヒマなのは夕花だけ」と言う。
足を負傷しているせいでサッカー部の部活を休んでいた心也と共に委員を押しつけられることに。
放課後の図書室で学級新聞の内容を打ち合わせがてら、ふたりの時間を過ごすようになるのだが……。
 
個人経営の小さな食堂でありながら来る人拒まずの姿勢を貫く耕平。
そこにやってくる子どもたちは学校に行けば貧乏だといじめられている場合が多い。
しかしそれだけではないということを知って驚きました。
食事を提供している側の人間も偽善者だと陰口を叩かれる。心也は偽善者の息子だとじめられるのです。
子ども食堂の経営者は金の余っている人というわけではありません。
本作の耕平も近所の農家などを回り、商品にならないような野菜を分けてもらえるよう頼んでいる。
それもいじめのもとになる。
 
父のことが大好きで、父がやっていることが善行に違いないのもわかっている。
けれど偽善者呼ばわりされて酷いいじめを受けるのはつらいから、もうやめてほしいのだとつい父に訴える心也。
 
一方の夕花は継父(池田良)から虐待を受けています。
継父のことは憎くても、彼の連れ子である幼い弟のことは放っておけない。
腹違いの幼い弟は、自分が父親と転がり込んだせいで夕花が辛い目に遭っていることをわかっているから悲しくて仕方ない。
ふたりで一緒に逃げて!と思うけれど、なかなかそんな決心はできないですよね。
ようやく決心した夕花ですが、その決心のせいで心也とは会えなくなってしまいます。
 
耕平の後を継ぎ、同じ地で子ども食堂を続ける心也(ディーン・フジオカ)。
やっと再会した夕花を尾野真千子が演じています。
 
あのときの味が記憶を呼び戻す。
生きていたらいいこと、ありますか。あると思いたい。
 
余談ですが、これを観た翌日、京都へ向かう電車の中で見かけた4人組の女子が嵐山へ花見に向かう様子。
私の隣でしゃべっているのが嫌でも耳に飛び込んでくる。
自分のことを「オレ」と言うし、友だちのことは「オマエら」と言う。女子やで、女子(笑)。
それはまぁええんですけど、最近近所にできたお店について話しはじめ、「子ども食堂できたで」。
「それ何?」「18歳までなら誰でもごはんタダで食べられる店」。ちゃうってばっ!(T_T)

—–

『ナタ 魔童の大暴れ』〈字幕版〉

『ナタ 魔童の大暴れ』(原題:哪吒之魔童鬧海)
監督:ジャオズ 
声の出演:リュー・イェンティン,ジョンセンセフ,ハンモー,チェン・ハオ,リュー・チー,チャン・ジャーミン,ヤン・ウェイ,ワン・デーシュン他
 
TOHOシネマズ西宮にて4本ハシゴの3本目。
 
ちょっと前から『ナタ転生』(2021)という中国アニメが劇場で上映されていて、
いったいこれは何なのだろうと思っていました。
しかも英語字幕で日本語字幕なしの上映だったりして、特別料金を取っているし、意味わからん。
と思っていたら、続編の本作公開前の特別上映だったわけですね。
いや~、何も知らずに観たらめちゃくちゃ面白くて、前作をスルーしたことを激しく後悔。
 
スルーしたせいで最初は「ついていけないかも」と不安になる。
しかし細かいことがわからないのは全然問題じゃないくらいのめり込む。
 
魔丸の転生体ナタと霊珠の転生体ゴウヘイは敵対関係にあるはずが、前作で親友になった様子。
ところが本作序盤、ゴウヘイの体は死んで魂だけが残った状態に。
そこでナタの師匠が考えついたのは、ゴウヘイがナタに憑依し、1週間の猶予の間に仙人になる資格を得ること。
ナタが魔丸であることがバレないようにして、ゴウヘイの力を発揮できれば仙人になれる。
ゴウヘイは仙人として生き返ることができると。
 
って書いてみたけど、これで本当に合っているのかどうか不安。(^^;
まぁいいや。
とにかくこんな感じで、ナタとゴウヘイはニコイチとなり、仙人の試験に挑みます。
途中陰謀があって、ナタの暮らす村が丸ごと焼かれてしまう。
その犯人がゴウヘイの父親が統べる龍族だと思い込まされたナタは、龍族のもとへと乗り込みます。
 
『ヨウゼン』と同じく『封神演義』をモチーフにしているため、黒幕は同じ。
仙界を仕切るジジイがくせ者とは。
 
『封神演義』自体が面白いのでしょうね。
ゴウヘイやその父親、覚醒したナタも男前で心が躍ります。なんと楽しいアニメ。

—–