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『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(原題:Black Panther: Wakanda Forever)
監督:ライアン・クーグラー
出演:レティーシャ・ライト,ルピタ・ニョンゴ,ダナイ・グリラ,ウィンストン・デューク,
   フローレンス・カサンバ,ドミニク・ソーン,ミカエラ・コール,テノッチ・ウエルタ・メヒア,
   マーティン・フリーマン,アンジェラ・バセット他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『あちらにいる鬼』の次に。
 
2020年に43歳の若さで亡くなりました。大腸がんだったそうです。
 
主役を失った“ブラックパンサー”がどうなるのかと思っていましたが、
彼がそのまま生きているという体(てい)ではなく、
国王ティ・チャラ(=ブラックパンサー)が亡くなったという話から本作はスタート。
 
ティ・チャラが亡くなったワカンダ王国を守る女王ラモンダ。
しかし、ワカンダで採掘される貴重な鉱石ヴィブラニウムを狙う国が多数存在。
いずれの国もヴィブラニウムを悪事に使おうとしていることが明らかで、
ヴィブラニウム探知機を製作して海底を探りはじめていた。
 
あるとき、ヴィブラニウム探知機を使用して調査していた米軍が急襲を受けて全滅。
米国政府はワカンダの仕業だと断定するが、実はタロカンの仕業。
タロカンは王ネイモアが統べる誰も知らない海の王国で、
ワカンダにしかないと思われていたヴィブラニウムを所持していて……。
 
本作の封切り前に前作のリマインド上映をしていましたが、もちろん観ていません。
前作の話の大半を忘れているのにリマインドは観ていないから、
ついていけないかもしれないと思っていましたが、大丈夫。
 
本作では、アンジェラ・バセット演じる女王まで途中で死んでしまい、
残るは女王の娘で前ブラックパンサーの妹シュリ。
女性がスーパーヒーローになる話もさほど珍しくなくなってきましたが、
主役を張るにはどうかなぁと思われるレティーシャ・ライトに今後は期待するしかない。
 
面白かったのは、ヴィブラニウム探知機の製作者である女子大生リリ。
こんな賢い女子大生がきっとどこぞにはいるんでしょうね。
平穏無事な学生生活を送りたかっただけなのに、こんなものを作ってしまうとは。
 
ネイモア役のテノッチ・ウエルタ・メヒアが渋川清彦に見えて仕方ないんですけど。
最後の彼がちょっと嫌な感じで、続編あるんだなぁと思わされます。
 
ところで冒頭、「エンドクレジットの後にもシーンがあるから帰らないでね」というテロップが流れます。
だけど、エンドクレジット開始直後にそれっぽいシーンがあるだけで、
最後の最後にも何かあるのかと思いきや、「ブラックパンサーは帰ってくる」とあるだけ。
上映終了後、場内には「え、これだけ!?」みたいなビミョーな空気が流れていました。
うん、これは最後の最後までいる必要なし。(–;

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『あちらにいる鬼』

『あちらにいる鬼』
監督:廣木隆一
出演:寺島しのぶ,豊川悦司,広末涼子,高良健吾,村上淳,
   蓮佛美沙子,佐野岳,宇野祥平,丘みつ子他
 
申し訳なくも瀬戸内寂聴をどうにも受け入れられないのです。たぶん生々しすぎるから。
そこへ来て、寺島しのぶの坊主頭のポスター写真。
まったく惹かれないし、彼女とトヨエツの絡みも見たくない。
だけど原作者の井上荒野は好きなんです。
仕事帰りに寄れる劇場では他に観るものもないことだし、行っとくか。
イオンシネマ茨木にて。
 
井上荒野が自身の両親と瀬戸内寂聴をモデルにして綴った同名小説を映画化。
廣木隆一監督の作品は、好きなものもあれば、好きになれないものも。
本作はどちらかといえば後者なのですけれど、キャストがしっくり来ないせいなのかも。
 
1966年、作家の長内みはる(寺島しのぶ)は、
同じ講演会に講師として登壇した同業者の白木篤郎(豊川悦司)に興味を抱く。
篤郎は既婚者、みはるも男と同棲する身だったが、男女の仲に。
 
って、これだけじゃあないか、あらすじに書くと。(^^;
 
白木篤郎のモデルとなっているのが井上荒野の父親・井上光晴なのですが、
ま〜これが女好きも女好きの色男で、彼に惹かれない女はいない。
手当たり次第に声をかけ、相手が多少ブスでもヤレればいい風です。
 
凄いのが広末涼子演じる篤郎の妻・笙子。
どうしようもない夫の女癖をすべてわかっていて、声を荒らげることなど全然ない。
そればかりか夫の浮気相手が自殺を図って入院すると、花を買って見舞いに行く。
その態度は決して上からではないものだから、相手もどうしていいのか困ります。
 
売れっ子作家の篤郎の著作は実は笙子が書いていたという内輪話は、
まるで『天才作家の妻 40年目の真実』(2017)のようですが、
笙子の場合は別に嫌々夫に代わって書いていたわけではないのですよね。
こんな夫を持ったことを後悔しているのかいないのか、書くことで消化しているようです。
 
こうして感想を書いてみると、結構面白かったように思えてくるのですが、
本作でのトヨエツと広末涼子の歳の差がたったの5つ(実際は18歳差)で、
トヨエツ40歳、寺島しのぶ44歳の役と言われるとバリバリの違和感。
私の中では、ありえない年齢の設定がひっかかりすぎて、ずっと冷めた目になってしまう。
今さら寺島しのぶのヌードも見たくないし。
 
私はやっぱり美しいものを映画で観たいのです。これに尽きると思った作品。
しかしよくよく考えてみると、美しくないから好きじゃないとも思えず、
生々しすぎるから好きじゃないとも思えず。
だって生々しさでは『火口のふたり』(2019)なんかのほうがえぐいし。
となると、オッサンオバハンという点がひっかかるのでしょうか、私には。
 
ひとつひとつの演技や話は面白いことを思えば、キャスティングが気にかかる。
つまりはこういうキャスティングをする廣木監督が私は苦手。そういう結論に。

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『土を喰らう十二ヵ月』

『土を喰らう十二ヵ月』
監督:中江裕司
出演:沢田研二,松たか子,西田尚美,尾美としのり,瀧川鯉八,檀ふみ,火野正平,奈良岡朋子他
 
イオンシネマ茨木で『すずめの戸締まり』を観た後、109シネマズ箕面へ移動して。
 
原作は作家・水上勉のエッセイ。水上氏は幼少期に禅寺で精進料理を学んだそうです。
その記憶をたどりながら自分で育てた野菜を使って料理し、
12カ月に渡って日本の食文化について思いを巡らせるという内容のエッセイ。
本作の主人公・ツトムが作る料理は、料理研究家の土井善晴氏が担当しているとのこと。
 
信州の人里離れた家で一人暮らしをしている作家のツトム(沢田研二)。
そんな彼のもとを時折訪ねてくるのが、彼の担当編集者で恋人の真知子(松たか子)。
 
ツトムは13年前に亡くなった妻の遺骨を今もそのままにしています。
義母のチエ(奈良岡朋子)とは親しいものの、娘の墓がないことを咎められたりも。
そしてある日、そのチエが急逝してしまいます。
 
すると亡き妻の弟夫婦(尾美としのり西田尚美)がやってきて、
葬儀の会場にツトムの家を貸してくれと言う。
それはどうかと思いつつも、家を貸すうえに通夜振る舞いの料理を考え始めるツトム。
 
平和なようでいて、よくよく考えると平和なのかどうかわからない話です。
弟夫婦は葬儀にお寺さんも呼ばず、ツトムにお経をあげてくれと言うし、
葬儀が終わるとチエの遺骨まで押しつけて帰ってゆくのですから。
 
季節ごとの野菜をシンプルに調理した料理はとても美味しそう。
しかしすごく楽しい作品だったか問われると、ところどころ寝ました(笑)。
 
やっぱりジュリーには美しいままでいてほしかったじゃないですか。
今のジュリーの顔を大写しにされてもねぇ。
 
ボォォギィー、ボォギィー、アンタの時代はよかった。って、思わず歌っちゃったわ。

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『すずめの戸締まり』

『すずめの戸締まり』
監督:新海誠
声の出演:原菜乃華,松村北斗,深津絵里,染谷将太,伊藤沙莉,
     花瀬琴音,花澤香菜, 神木隆之介,松本白鸚他
 
公開初日にイオンシネマ茨木にて。
 
なんですかね、この上映回数は。
上映スケジュールでこれほどまで何段にも渡っている作品は『名探偵コナン 緋色の弾丸』以来か。
さすがに超話題作とあって結構な客の入りだけど、『鬼滅の刃』ほどではない。
 
鳴り物入りです。
なんてったって、『君の名は。』(2016)、『天気の子』(2019)に続く新海誠監督作品ですから。
しかしまぁ、世間が盛り上がれば盛り上がるほど冷める気質が私にはあります。
だったら私の『トップガン マーヴェリック』『RRR』の盛り上がりようは何なのか。
たぶん新海監督とプロデューサー・川村元気へのやっかみですね(笑)。
 
宮崎県ののどかな町に暮らす女子高生・すずめ。
幼い頃に親を亡くし、叔母・環と二人暮らし。
 
ある日の登校途中、すずめはこの町の者ではないとおぼしき青年・草太と出会う。
そのイケメンぶりに心惹かれて思わず振り返ると、「この辺に廃墟はないか」と尋ねられる。
向こうに見える山を指さし、廃墟があることを教えたすずめだったが、
学校に着いてからふと気になり、その廃墟に向かって駆け出す。
 
草太を探して周囲を歩き回っていると、水たまりの中に1枚の扉があった。
好奇心から開けてみると、不思議な光景が広がる。
そこにあった石を持ち上げると、なんとそれが生きた猫に変身、走り去ってゆく。
 
その後やってきた草太は、災いを呼ぶという扉を閉めようと必死。
それを手伝ったすずめは、草太が「閉じ師」であり、
日本各地の廃墟に存在する扉を閉めて回る旅をしていることを知り……。
 
『君の名は。』にも『天気の子』にも没入できなかった私としては、
本作の設定はいつになく面白いと思いました。何より睡魔に襲われませんでしたから。
 
ただ、震災を絡めた話が映画でも本でもあまり好きではありません。
もちろん、決して忘れてはならないことだし、震災を背景にした作品がある限り、
そのたびに私たちは思い出すわけですから、大事な役目があるとも思っています。
 
特大の鳴り物入りの監督とプロデューサーへのやっかみと、
震災を絡めていることとが合わさって、私を素直にさせません。(^^;
ま、おもしろかったけど、ふーん、みたいな感想に終わらせてしまう。
 
毎度毎度言う、切なさも今ひとつ感じられなかったのも、「ふーん」に終わる要因のひとつです。
本作でいちばん切なかったのは、序盤は悪者にしか見えなかったダイジン=猫が、
実はいちばんの重荷を背負って自らの役割を果たそうとしていたことでしょうかね。
 
で、結局、やっぱり昔の新海作品のほうが好きだなぁと思うのでした。
 
そういえば、震災を背景にした作品で、すっごくよかったと思えた作品ってあったっけなぁ。

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『人生は二度とない』

『人生は二度とない』(原題:Zindagi Na Milegi Dobara)
監督:ゾーヤー・アクタル
出演:リティック・ローシャン,ファルハーン・アクタル,アバイ・デオール,
   カトリーナ・カイフ,カルキ・ケクラン,アリアドナ・カブロル他
 
4回目の『RRR』を観た後、同じくイオンシネマ茨木で。
 
2011年の作品をなぜか今頃上映しています。
監督は『ガリーボーイ』(2018)のゾーヤー・アクタル。
てっきり男性だと思っていたら、女性なんですと。
 
アルジュンとイムラーンとカビールは親友同士。
このたびカビールの結婚が決まり、バチェラーパーティーをするのではなくて、
3人でスペイン縦断の旅に出ることにする。
 
3人それぞれが行きたい町とそこですることを決め、
決めた当人以外の2人も必ずそれを成し遂げなければならず……。
 
スペインのロードムービーと聞くと、『スペインは呼んでいる』(2017)を思い出します。
あれは『イタリアは呼んでいる』(2014)の続編で、グルメ中心の話でした。
本作は食べるものはほとんど出てこず、酔っぱらってバカをしているシーンが多いから、
どちらかといえば『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009)みたいな感じです。
 
4年前にも3人の旅を計画していましたが、
イムラーンがアルジュンの当時の彼女を寝取ったせいでお流れに。今もなんとなく気まずい空気。
 
いちばんのアホでお調子者に見えるイムラーンは、自分の父親が養父だったと昨年知ったところ。
スペインにいる有名な画家が実父だと知り、会いに行くべきかどうか迷っています。
この悩みを2人にも相談できなくて悶々。
 
金融業に携わるアルジュンは毎日仕事ばかり。
常に仕事を優先していたら、結婚するつもりだった彼女にフラれます。
幸せに結婚するはずのカビールも実はこれは予期せぬ結婚で悩んでいる。
誰も順風満帆な人生を歩んでいるわけではありません。
 
3人と出会うのが美女レイラ。
こんな人が一緒に旅してくれたらいいですよねぇ。
キスシーンのあるインド作品ってあまり記憶にないなぁ。
アルジュンとレイラのキスシーンは結構キュンキュンできますよ。
 
スペインが舞台といえどもボリウッドはボリウッド。
フラメンコに合わせて踊るシーンもあって楽しい。
 
世界各国共通だと思われるいたずらが笑えます。
オフィス等の男子トイレで、後から来た他人が用を足し始めたら、1人が突然「あーっ!」と叫び、
残りの2人は後から来た人が用を足している便器を一斉に指差して走り去る。
用足し中だった人は誰でも必ず大慌てで転げるようにトイレから出てくるという(笑)。
このいたずらはちょっと私もやってみたい。(^o^)
 
水恐怖症の人がすぐダイビングできるとは思えないし、
高所恐怖症の人がスカイダイビングできるとも思えません。
でもそんなことはどうでもいいのだ。
楽しく爽やか、少し切ないインド映画なのでした。

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