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『月の満ち欠け』

『月の満ち欠け』
監督:廣木隆一
出演:大泉洋,有村架純,目黒蓮,伊藤沙莉,田中圭,柴咲コウ,菊池日菜子,
   小山紗愛,阿部久令亜,寛一郎,波岡一喜,安藤玉恵,丘みつ子他
 
TOHOシネマズにて、前述の『THE FIRST SLAM DANK』とハシゴ。
 
1年間になんぼほど撮っとるねん、廣木隆一監督。
観ますよ、観ますけど、私はやっぱりこの監督が苦手なようです。
 
原作は佐藤正午による直木賞受賞作
同じ原作者の作品ならば、私は圧倒的に『鳩の撃退法』(2021)のほうが好き。
たぶん一般的には逆なのでしょうけれど。
 
青森県八戸市出身の小山内堅(大泉洋)は、同じ町出身の梢(柴咲コウ)と東京の大学で出会い、
恋を実らせて結婚。娘の瑠璃(菊池日菜子)と幸せな日々を送っていた。
しかしある日、梢と瑠璃が交通事故に遭って亡くなってしまう。
 
失意のまま東京の会社を退職して郷里に戻った堅を訪ねてきたのは、三角哲彦(目黒蓮)と名乗る男性。
哲彦は「梢と瑠璃が自分に会いに来る途中に事故に遭った」と言うが、ふたりも哲彦とは面識がないはず。
なぜ見知らぬ男に妻子が会いに行こうとしたのか、堅には理解できない。
 
すると哲彦は、かつて自分が深く愛した女性(有村架純)が堅の娘と同じ“瑠璃”という名前で、
堅の娘はその女性の生まれ変わりなのではないかと言い出す。
そんな馬鹿げた話は到底信じられないと哲彦を帰らせる堅だったが……。
 
演技派が揃っているはずなのに、序盤はなんだかとても拙い演技に思えます。
どうして私が廣木監督の作品を苦手に思うかというと、たぶん「あざとさ」なんですね。
泣かせること前提で作っているように見えて、一滴の涙もこぼれない。
 
もしもこんなふうに、自分の妻が、娘が、誰かに生まれ変わったとします。
生まれ変わりの女児が、子どもらしいとはいえない仕草をしたり、
自分のことを何でも知っている素振りで妻のような話し方をしたりしたら、怖くないですか。
 
堅の娘“瑠璃”の親友・緑坂ゆい(伊藤沙莉)の娘役の子は怖いと思わなかったけど、
ほかの女児役の子は女を感じさせる演技が怖かった。
哲彦の彼女“瑠璃”のモラハラDV気質の夫・正木竜之介(田中圭)もめちゃくちゃ怖い。
彼はこの後いったいどうなるのか。
 
生まれ変わりだとわかった後は、彼女にどのように接すればよいのですか。
最後のほうはほとんどオカルトを観るような気持ちになりました。
堅の母親の介護に当たる女性役の安藤玉恵にだけは救われると思うものの、
彼女だって自分の娘があの人の生まれ変わりだと知っているわけだし。
 
私にとってはじゅうぶんにホラーです。怖っ。

—–

『THE FIRST SLAM DUNK』

『THE FIRST SLAM DUNK』
監督:井上雄彦
声の出演:仲村宗悟,笠間淳,神尾晋一郎,木村昴,三宅健太他
 
1990年から『週刊少年ジャンプ』で連載が始まり、
アニメ化もされて大ブームを巻き起こしたコミック『スラムダンク』。
このたび原作者本人が脚本を担当し、監督も務めたとのことで話題に。
 
しかし私は原作を読んだこともなければアニメも観たことがない。
バスケットボールの話だと知っているだけ。
どうせ話についていけないだろうと思ってスルーを決め込んでいましたが、
今年いっぱい有効の東宝の株主優待券を知人からもらい、
これは観るチャンスではないかと、TOHOシネマズ伊丹へ。
 
予習ももちろんしていないから、最初から爆睡するかもしれないと思っていました。
ところが予想に反してめちゃくちゃわかりやすいうえに面白い。
結果、この1本でスラダンの大ファンになってしまいました。
 
鑑賞後に知って驚いたのは、本作ではメインだった宮城リョータはもともとの主役ではなく、
バスケを始めてまだ4カ月だというド素人の桜木花道が主人公なのですね。
 
この劇場版は、沖縄に生まれたリョータの話で始まります。
リョータの父親が亡くなり、母親とリョータ、兄妹の四人暮らしに。
兄のソータは将来を有望視されているバスケ選手で、リョータはソータのことが大好き。
幼い頃から自分も兄のように上手くなりたいと練習を続けてきました。
 
しかしある日、友人たちと海に遊びに出たソータが事故死。
父親と息子まで失った母親はなかなか立ち直ることができません。
思い出の詰まった沖縄を一家は去り、神奈川で新たな生活を始めます。
 
リョータが入学したのは湘北高校。
無敵の王者(で合っているかどうか知らんけど)、秋田の山王工業高校と対戦するシーンに、
リョータをはじめとする湘北高校のメンバーの過去が挟まれています。
 
リョータのみならず、湘北高校のメンバーの顔ぶれが面白い。
高校生といえども、ここまで人生でいろんなことがあったらしい。
みんな愛すべきキャラクターで、好きでたまらなくなりました。
 
この流れで行って最後は「健闘したけど負けた」だったら嫌だなぁと思ったけれど、
見事に勝ち。←これ、バラしちゃいけないことだったらスミマセン。
 
山王高校のエースが試合前に神社で願を掛けたこと。
願いがこんな形で叶ってしまうのもまた青春。
 
今からスラダンにハマるって、ありでしょうか。
スラダン知らないけどバスケは好きという人にオススメです。
バスケを知らなくてもスポ根好きならばぜひどうぞ。

—–

『ノエルの日記』

『ノエルの日記』(原題:The Noel Diary)
監督:チャールズ・シャイア
出演:ジャスティン・ハートリー,バレット・ドス,エッセンス・アトキンス,
   ボニー・ベデリア,ジェームズ・レマー,アンドレア・スーチ他
 
2022年のアメリカ作品。Netflixオリジナル作品で、先月末に配信開始。
タイトルからしてクリスマス向けのフツーの映画だろうなと予想。
実際、そのとおりではあるのですが、主役がイケメンだと心が躍る(笑)。
 
原作はリチャード・ポール・エヴァンズの同名小説ですが、翻訳はされていないようですね。
作家の顔写真が掲載されているサイトがありました。
本作の主役、ジェイクほどのイケメンではないけれど、まぁまぁイケメン作家の部類か。
 
ベストセラー作家のうえに独身で超イケメン、大人気のジェイク・ターナー。
サイン会などで留守にする折は家政婦に愛犬エヴァの世話を任せているが、
豪邸でひとり静かな暮らしを楽しんでいる。
 
ある日、見慣れない電話番号から連絡があり、疎遠だった母親の死を知る。
電話をかけてきた相続財産管理人によれば、母親はジェイクにすべてを遺したらしい。
 
数十年ぶりに実家を訪れると、内部はまるでゴミ屋敷でうんざり。
かつてよく面倒を見てくれた隣人で、今も同じ家に住む中年女性エリーによれば、
母親の葬式には父親スコットも顔を出していたという。
おそらくスコットはジェイクに会えるかもしれないと思っていたのではないかと。
 
いまさら父親に会う気はない。とっとと実家を片付けて帰ろう。
そのつもりだったジェイクのもとを面識のない女性が訪ねてくる。
 
彼女はレイチェル・キャンベルと名乗り、ずっと養父母のもとで幸せに暮らしてきたが、
最近、実母が昔ターナー邸に住み込みの家政婦として働いていたことを知ったと言う。
実母の名前すら知らないが、ターナー邸に手がかりを求めてやってきたのだった。
 
スコットなら彼女のことを覚えているかもしれない。
ジェイクはスコットのもとへレイチェルを連れて行くことにするのだが……。
 
ジェイク役のジャスティン・ハートリー、マジでイケメン。
こんな俳優、どこにおったんか知らんしと思いましたが、結構見ているじゃあないか、私。
なのに知らなかったってことは、役柄と髪型でいくらでも変わるっちゅうことですよね。
いったい何の役で出演していましたっけね。鼻持ちならん男の役かなぁ。
 
彼がイケメンなのに対して、レイチェル役のバレット・ドスはイマイチに思う。
知的な感じはあるけれど、美人だとは思えないし、
もしもホンマもんのイケメン作家がこんな女性と結婚するとしたら、ネットで叩かれること間違いなし。(^^;
 
えーっ、こんな女性が相手なのぉとがっかりしながら観ていましたが、まぁこのほうが夢はあるか。
それに、超美人ではなくても、何カ国語もペラペラで、国連で働こうかという女性。
しかも思いやりがあって優しいんですよね。魅力的ではあります。
 
こんな賢い女性なのに、納得行かないのは終盤でジェイクを振るところ。
んでもって、振ったくせしてまた戻ってくるって、んな都合よすぎやろ。
都合よくないとロマコメとして成り立たないのですけれど。
 
旅先のホテルで「2部屋空いています」と言われたときに、
ジェイクが「ロマコメならここは1部屋しか空いていないところなんだけど」と苦笑いするのは可笑しかった。
そして2度目はしっかり「あいにく1部屋しか空きがございません」。
いやいや、本作は王道のロマコメですから。(^^;
 
クリスマスシーズン、軽い映画が観たい人、どうぞ。
軽くはありつつも、ジェイクが父親と再会するシーンなどはとてもいいですよん。

—–

『荒れ野』

『荒れ野』(原題:El Paramo)
監督:ダビド・カーサデンムント
出演:インマ・クエスタ,アシエル・フローレス,ロベルト・アラモ他
 
外出する気分ではなかったので、「Netflixオリジナル映画の一覧」 を物色。
2021年のスペイン作品。Netflix独占配信中。
マイリストに載せていながら、ホラーゆえ観る勇気がなくてスルーしていました。
 
19世紀のスペイン。
争い事に嫌気が差して、田舎での隠遁生活を選ぶ人たちがいる。
 
少年ディエゴの家族もそう。
ディエゴは荒野に一軒だけ佇む小屋で父親サルバドールと母親ルシアの三人暮らし。
食糧は自給自足。飼っているウサギを締めることもある。
 
小屋から見渡す荒野には、サルバドールが付けた「しるし」がある。
そこから向こうは危険だから、絶対に行ってはいけないというしるし。
もしそのルールを破れば死に至ると聞かされている。
 
ある日、ディエゴは川からボートが流れてくるのを発見。
中には重傷を負った男が倒れていた。
まだ息のある男をサルバドールは小屋に担ぎ込むが、
少し回復して自力で立ち上がれるようになったその男は、
ルシアとディエゴの目の前でライフル銃で自らの頭を打ち抜いて死ぬ。
 
男の持ち物の中に家族とおぼしき写真があったことから、
サルバドールは男の亡骸を家族に届けると行って出かけてしまう。
ほかには誰もいないこの土地で、母子二人きりの生活に。
 
待てど暮らせどサルバドールは帰ってこない。
するとルシアの様子が次第におかしくなってきて……。
 
私の好きな「切ない系」のホラーだなと思って観ていました。
良い感じではあるのですが、30分を過ぎた頃から、怖くて直視できない場面が時折登場。
 
出て行く前のサルバドールからディエゴが聴く話が結構怖いんです。
サルバドールの姉、つまりディエゴの伯母は過去に自殺している。
その前に弟に執拗に「誰かが来る」と言っていたと。
毎日その誰かがどんどん近づいて来る。そしてついに誰かが目の前に来たとき、自殺する。
 
ルシアがおかしくなっていく様子がまるでそうで、
誰もいない外に向かって銃をぶっ放す。
本当に何かあったときのために弾は取っておかなきゃいけないのに、撃つ撃つ。
優しかった母親が何かに取り憑かれたようになり、心配する息子の姿が切ない。
 
ちょっと考え込んでしまったのは、家族以外だれもいないところ、
見えることすらないところで暮らすのがどういうことなのか。
本作の場合は戦いを避けてこの暮らしを選んだとあるから、究極の選択ではあるでしょうが、
弟や両親の入院に際して、まだ若かった弟はともかく、親の世代で個室はどうなのか考えます。
もちろん、病院の個室は、人の姿すら見えないところというわけではないですけどね。(^^;

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『ブラックアダム』

『ブラックアダム』(原題:Black Adam)
監督:ジャウマ・コレット=セラ
出演:ドウェイン・ジョンソン,オルディス・ホッジ,ノア・センティネオ,サラ・シャヒ,マーワン・ケンザリ,
   クインテッサ・スウィンデル,モー・アマー,ボディ・サボンギ,ピアース・ブロスナン他
 
公開初日だった先週金曜日、109シネマズ箕面にて21:30からのレイトショー。
 
監督は、ものすごく怖かった『エスター』(2009)以来注目し続けているジャウマ・コレット=セラ
しかもドウェイン・ジョンソン主演ならば面白くないわけがない。
と思ったのですけれど、うーむ、どないやねん、これ。スベってる。(^^;
 
破壊神“ブラックアダム”はDCコミックスを代表するアンチヒーローのひとり。
これに対決するのが、スーパーヒーローチーム“JSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)”らしい。
 
5000年前、カンダックの専制君主アクトンは、民衆を奴隷化してこき使っていた。
奴隷だったテス・アダムは、アクトンに強大な力を持たせ得る原石を発掘。
その原石を用いて悪の力を結集した王冠を作ったアクトンは、
本来なら褒美を取らせてもいいはずのテス・アダムを軽くあしらう。
 
それに腹を立てたのがテスの息子フルート。
奴隷たちが力を合わせればアクトンを倒せるはずだと立ち上がったフルートは、
テスの目の前で殺される。憎しみに燃えるテスは、その後、眠らされてしまう。
 
現代のカンダックは、インターギャングという傭兵組織に抑圧されている。
考古学者のアドリアナは王冠を探し当てるが、横取りしようとした傭兵たちに殺されかけ、
思わず地底に眠っているはずのテス・アダムを復活させる呪文「シャザム」を唱える。
 
眠りから覚めたテスは、復讐心から破壊の限りを尽くす。
彼を止めなければと考えた米国政府は、“JSA”に出動命令を出すのだが……。
 
思うに、ジャウマ・コレット=セラ監督にはコメディのセンスが足りないのかと。
そういえば『ジャングル・クルーズ』(2020)もスベり気味でしたよねぇ。
なんだか不出来なコントを見せられているかのよう。
 
アドリアナの息子アモンはとてもいい感じなので、
彼を演じるボディ・サボンギには今後も期待。
だた、ヒーローの中にはドウェイン・ジョンソン以外に魅力的な人物がいません。
 
いちばんアカンのは、巨大化する能力を持つスーパーヒーロー“スマッシャー”。
彼役のノア・センティネオがちっともイケてなくて、愚鈍な兄ちゃんにしか見えない。
行く先々で何かやらかし、でも風を操る“サイクロン”といい感じなのも余計。
オルディス・ホッジ演じる“ホークマン”のことも全然応援する気になれません。
彼は『透明人間』(2020)のほうが断然よかった。
この一団の中の最年長者で良き指導者でもあるドクター・フェイトにピアース・ブロスナン
何もこんな作品に出なくてもいいのではと思ってしまいました。
 
笑いも取りに来ていたのだと思うけれど、まったく笑えない。
続編は要らないんですけど、作られたら観に行くでしょうね、性懲りもなく(笑)。

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