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『やまぶき』

『やまぶき』
監督:山崎樹一郎
出演:カン・ユンス,祷キララ,川瀬陽太,和田光沙,三浦誠己,青木崇高,黒住尚生,
   桜まゆみ,謝村梨帆,西山真来,千田知美,大倉英莉,松浦祐也,佐野和宏
 
シネ・ヌーヴォにて、前述の『隠された顔』の次に。
スクリーンは同じく小さいXのほう。このちんまりした感じ、好きです。
 
私はお初の山崎樹一郎監督。
大阪生まれの山崎監督は学生時代を京都で過ごし、15年ほど前に岡山県真庭市に移住。
農家としてトマトをつくりながら映画を撮っているという変わり種。
本作はクラウドファンディングで集まった資金をもとに製作を叶え、徐々に公開が広がる。
今後も各地のミニシアターで上映される予定です。
 
岡山県真庭市。
韓国人で乗馬競技のホープだったユン・チャンス(カン・ユンス)は、
父親の会社が倒産して多額の借金を背負ったせいで競技続行を断念。
今はほかの外国人労働者たちと共に採石場で働いている。
 
暮らしは楽ではないものの、恋人の美南(和田光沙)とその娘と三人、穏やかな日々。
チャンスの真面目な働きぶりが評価されて、正社員登用されることに。
喜ぶチャンスと美南たちだったが、想像していなかったことが起きる。
チャンスひとりで出かけた際に落石に直撃され、足に大怪我を負ったのだ。
 
実はその落石を起こしたのは、地元の警察官・早川(川瀬陽太)。
妻を喪い、高校生の娘・山吹(祷キララ)を連れて山にヤマブキを採りに行った折、
無造作に土を掘り起こして投げ捨てた石がチャンスを襲ったのだ。
新聞でその事実を知るが、まさか自分が落とした石だとは言えない。
 
一方、山吹は同じ高校に通う祐介(黒住尚生)からコクられてつきあうことに。
叫ぶことのない無言の抗議活動“サイレントスタンディング”に祐介を誘い、交差点に立つ。
 
「資本主義と家父長制社会に潜む悲劇と希望を描いた群像ドラマ」と言われても、
正直なところ私にはピンと来ません。
だけど、母親を亡くした山吹の「いつか誰かと繋がれたら」という思いや、
正直者がバカを見るみたいなチャンスの不遇には胸が痛くなります。
投げやりになったチャンスが山吹に語るヤマブキの話も深い。
 
小さな幸せを大切に思える、懸命に生きている人たちの物語。
誰もが生きやすい世の中になればいいけれど、そんなふうにはならないのもまた世の中。
こんな映画を撮りつづけてくださいね。

—–

『隠された顔』

『隠された顔』(原題:Chathur Mukham)
監督:ランジート・カマラ
出演:マンジュ・ワーリヤル,サニー・ウェインアランシヤル・レー・ロペス,ニランジャナ・アヌープ,
   バブ・アヌール,シャマプラサード,ロニー・デイヴィッド,スリカント・ムラーリ,シャジュ・スリードハル他
 
明日UP予定の日本作品を観るためにシネ・ヌーヴォへ。
西九条はどうも遠く感じて、普段はほとんど行きません。
コロナのせいで緊急事態宣言が発令され、行き慣れた劇場がほぼ休業していたとき、
営業を続けていた劇場のひとつがここでした。そのとき以来のおじゃま。
 
12月10日から30日にかけて“第4回インド大映画祭 IDE2023”が開催されていました。
本当は29日に上映されていた『ただ空高く舞え』(2020)を観たかったのに、気づいたときにはチケット完売。
そりゃまぁそうだ。シネ・ヌーヴォにはスクリーンが2つあるけれど、Xのほうは24席ですもんね。
注目度の高いボリウッド作品ならすぐに売り切れてしまうでしょう。不覚。
 
それで致し方なく30日に上映された本作を鑑賞することに。
2022年のマラヤーラム語作品らしい。マラヤーラム語って何?
インドの南のほう、ケーララ州などで話されている言語だそうです。
 
すでに退官しながらも科学への情熱を抱きつづける教授クレメントは、
ケーララの農業大学で子どもたちにワークショップを開いている。
保護者も子どもたちの実験を見守り、頼もしげな笑顔。
 
ある日のワークショップ開催日、保護者でもないのにクレメントを訪ねてきた青年アントニーは、
彼の大学時代から親友関係の女性テジャスウィニについてクレメントに相談したいと言う。
アントニーとテジャスウィニは現在共同で防犯カメラの設置事業をおこなっているらしい。
 
片時もスマホを手放すことがないテジャスウィニは、寺院の儀式を見学した折、
参列者に突然襲いかかられそうになり、驚いてスマホを池に落としてしまう。
スマホがなければ何もできないが、手持ちの金もなければ店に出向く時間もない。
とりあえず用を足せそうな格安スマホをネットで購入したところ、即届いて大喜び。
 
ところが、このスマホを入手してからテジャスウィニのまわりで奇怪なことばかり起きる。
彼女自身はかけた覚えのない電話が誰かにかかっていたり、かかってきたり。
薄気味悪くてスマホの電源を切ってしまいこんでも音が鳴る。
思い切って捨てようとすると、テジャスウィニの体に発疹が出る。
そしてスマホを持つとただちに発疹が消えるのだ。
 
アントニーとテジャスウィニがほかにも同じスマホを買った人がいないか調べると、
何名かは死亡していることがわかる。
まだ生存している持ち主も死期が近いのではないかと思われ、
謎を解明すべくクレメントに協力を仰ぐのだが……。
 
相当怖いです。サスペンスですか。ホラーでしょ(笑)。
スマホで自撮りすると、画面の隅っこに謎の数字が映ります。
その数字が自分の命のカウントダウンだとしたら。
 
なかなか笑えるのが、テジャスウィニが買ったスマホは“LISA”。
アップル社製でもないのにスティーヴ・ジョブズの長女の名前が付いている。
実際、アップル社が1983年に販売したオフィス用コンピュータの名前が“LISA”なんですよね。
 
真相は、投資家に騙された開発者の怨念がこんな形で現れたという非科学的な話。
でも、停電まで起こすこのスマホをどう隔離すべきかなど、
もしも自分がスマホに襲われたときのための参考になると思います。ないっすか。(^^;
 
邦題は『隠された顔』よりも『スマホを落としただけなのに』(2018)と
『スマホを買っただけなのに』がいいんじゃないでしょうか。
 
スマホの画面を見っぱなしの娘に向かって父親が発する、「頭を垂れる時代だな」というつぶやきが印象的。
前と上を向いて歩こう。

—–

『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』

『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』(原題:Whitney Houston: I Wanna Dance with Somebody)
監督:ケイシー・レモンズ
出演:ナオミ・アッキー,スタンリー・トゥッチ,アシュトン・サンダーズ,
   タマラ・チュニー,ナフェッサ・ウィリアムズ,クラーク・ピータース他
 
6回目の『RRR』を観たあと、長堀橋でひとり昼呑み
すっごく酔っぱらった状態で、絶対寝るとわかっていながらTOHOシネマズ梅田へ。
 
ちょうど10年前になるのですね、ホイットニー・ヒューストンが亡くなったのは。
彼女がデビューアルバムを出したときは私は大学生で、そりゃもうよく聴きました。
聴こうとしなくてもそこらじゅうで彼女の曲が流れていましたしね。
 
彼女が売れっ子になるのと時を同じくしてバブルがやってきて、
バブルがはじけた直後はまだ売れっ子だったけど、だんだん落ち目になって、
忘れかけた頃にドラッグで命を失ってしまった、そんな印象。
 
3年前にドキュメンタリー作品を観ていたせいか、驚きはひとつもなく。
ただ、彼女を見出した敏腕プロデューサー、クライヴ・デイヴィス役のスタンリー・トゥッチがとてもよかった。
 
ホイットニー役のナオミ・アッキーが本当に歌っているわけではないそうで、その点はつまらない。
歌姫の伝記ドラマといえば、その役を演じる女優の歌声が素晴らしい場合が多いから。
 
本作ではホイットニーの人柄に魅力が感じられず、
歌も女優本人が歌っているのじゃないのなら、わざわざ映画を観なくても、
ホイットニーの曲だけ聴けばええやんと思ってしまいます。
 
ええ、まぁ、爆睡したんですけどね。(^^;
まったく、酒飲んで映画観て爆睡するというパターンを何度繰り返すのか、私。

—–

6回目の『RRR』

もう観るつもりはなかったんです。少なくとも2022年中は。
だけど年末、予定の隙間を何か映画を観て埋めようとしたき、
チェックしてしまったのです、大阪ステーションシティシネマの混雑状況を。
 
5回目の『RRR』のことを書いたときのように、
私は自分が観に行けない時間帯の上映回であっても、
自分の大好きな映画がどれぐらい混んでいるか確かめるのが好き。
で、この日、ふとそれを確かめるために覗いたら、めちゃくちゃ混んでる!
嬉しくなって、もう観なくてもいいのにポチっと押してしまった。
 
私が予約した段階で残席はかなり少なくなっていましたが、
家を出る前にまた見たらすでに完売。やっほー。
 
リピーターばかりかと思っていたら、そうでもなさそう。
上映終了後のお手洗いで、「あのお母さん、死んだと思ったら生きてて驚いた」などという会話が。
そうなんですよ、ツッコミどころ満載なんです。
あんなん突き刺さっても戦えるって何、とか、死にかけてたのに復活早すぎやろとか、
矢ってそんなにようさんなかったやん、どんだけ増えとるねんとか。
鑑賞した人とそんな会話で盛り上がれるのもめちゃめちゃ楽しい。
 
とにかくラーム・チャランがカッコよすぎて。
彼がこの先お父さん(=チランジーヴィ)に似ないことを祈るばかりです。
 
そういえば、好きだった映画、嫌いだった映画〈2022年〉を挙げたときに、
俳優のことをまったく書かなかったけど、
主演男優賞はラーム・チャランとN・T・ラーマ・ラオ・Jr.に。
トム・クルーズではなくて(笑)。

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『ブラックナイトパレード』

『ブラックナイトパレード』
監督:福田雄一
出演:吉沢亮,橋本環奈,中川大志,渡邊圭祐,若月佑美,藤井美菜,山田裕貴,佐藤二朗他
声の出演:玉木宏
 
「今年観た映画50音順」を始めた日に109シネマズ箕面で観ました。
 
原作は中村光の同名人気ギャグ漫画だそうで、もちろん知りません。
福田雄一監督の手によって実写映画化され、吉沢亮主演とあらば期待しかないでしょう。
なのに、嗚呼。(T_T)
 
コンビニ“ポーソン”に勤務する青年・日野三春(吉沢亮)。
大学受験に失敗し、就活も思うように行かず、気がつけば万年フリーター。
けっこう真面目に生きてきた自負があるのに、
明らかに不真面目な後輩・田中皇帝(カイザー)(中川大志)が内定をもらったと聞いて呆然。
 
投げやりな気持ちになっていたところ、目の前に黒いサンタ服を着た男が現れる。
瞬く間に拉致された三春は、なんと北極まで連れて行かれ、
“サンタクロースハウス”という会社で黒サンタとして働くことになるのだが……。
 
黒サンタはみんなもともと「悪い子」。
先輩には橋本環奈演じる北条志乃や渡邊圭祐演じる古平鉄平がいて、みんな楽しそう。
悪い子に罰としてのプレゼントを配るのが役目のはずが、
持ち場を逃げ出したサンタに代わり、子どもたちへのプレゼントを持って駆けずり回ります。
 
悪い子が最も嫌がることをシミュレートする係があったり、
スーパー配達員で構成されるトナカイたちの存在が面白い。
また、サンタも配達員もボランティアなどではなくて給与制のサラリーマン。
すごい設定ですよねぇ。
 
なのに話がぺらんぺらんで、途中睡魔に襲われる。
今回に関しては寝不足だったせいではないと思います。
面白いけどバカバカしい設定がスベりまくりで笑えない。
キャストは良いのにもったいないなぁ。
 
それでも、最後に三春と皇帝、志乃と鉄平がなんとかクリスマス中に
子どもたちにプレゼントを届けようと奮闘する姿はよかったということで。
 
個人的にいちばん盛り上がったのは、冒頭、皇帝の彼女として中田青渚が出てきたシーン。
キャストにも載っていなかったのでビックリ&得した気分。

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