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『そばかす』

『そばかす』
監督:玉田真也
出演:三浦透子,前田敦子,伊藤万理華,伊島空,前原滉,前原瑞樹,
   浅野千鶴,北村匠海,田島令子,坂井真紀,三宅弘城他
 
年明け、仕事帰りに近所で映画を観たかったのに、観たやつばっかり。
仕方がないので覚悟を決めてシネ・リーブル梅田へ。
 
『ドライブ・マイ・カー』(2021)ですっかり知名度がアップした三浦透子主演。
あのときはニコリともしない役でしたが、本作では影がありながらも結構笑う役。
 
音大を卒業してチェリストになる夢をあきらめた蘇畑佳純(三浦透子)。
今はコールセンターに勤めている。
 
30歳になるというのに浮いた話のひとつもない佳純に
母親(坂井真紀)はなんとかお見合いをさせようと必死。
取り付く島もない佳純に内緒で話を進めると、娘をだまくらかして見合いの場に連れて行く。
 
見合いの相手はたまたま佳純が行ったことのあるラーメン屋の店主・木暮翔(伊島空)。
翔も佳純同様に親から無理矢理この場に連れて来られたことがわかり、
意気投合して交際をスタートさせて母親はホッとするが、
実は佳純は他者に対して恋愛感情や性的欲望をいっさい持てない女性。
彼女自身は翔と気の合う友人でいるつもりだったのに、翔のほうはそうではない。
勘違いを解こうとする佳純に翔は憤り、別れてしまう。
 
周囲に理解してもらえないことに悶々とする佳純は、
ある日、中学時代の同級生・世永真帆(前田敦子)と偶然再会。
自分のことをわかってくれる真帆と会えたことで毎日が楽しくなるのだが……。
 
同性愛者ではなくて、誰にも恋愛感情を持たない人もいるのですね。
そうでなくても結婚しろとか子どもを産めとか言われたらゲンナリするのに、
そもそも恋愛しない人がそんなことを言われたらどうすりゃいいんだか。
 
企画と脚本を手がけたのが『his』(2020)のアサダアツシとのこと。
佳純のみならず、ゲイだと佳純にカミングアウトする友人(前原滉)やうつ病に苦しむ父親(三宅弘城)の気持ち、
佳純と彼女の妹(伊藤万理華)との関係を細やかに描いていて好感が持てます。
 
しかしいちばん嬉しいのは北村匠海の友情出演だったりするんですけどね。(^^;

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『青い山脈』をヱビスシネマで観る。

毎年お正月三が日のうちのいつかは丹波市春日町の某御宅におじゃまして、
昼から晩までずーっと飲んで食べています。
だけどダンナが海外駐在中の今は私自身が車を運転して行かねばならないから飲めない。
飲めないなら行くまいと思っていましたが(笑)、やっぱり行くことに。
どうせならその前に、氷上町にあるという映画館へ行ってみよかと思い立ち、朝8時半に箕面を出発。
箕面グリーンロード→新名神→中国道→舞鶴若狭自動車道→北近畿豊岡自動車道を乗り継いで、
1時間ジャストで到着。意外と近い。いや、近くないけど(笑)早い。
 
こんな通り沿いにこんな映画館があるとは。入る前からワクワクします。
目の前に車が3台駐められるようになっていて、裏手にも駐車場があるそうな。
自転車で来られる人もおられましょうから私の車がじゃまになるのではと思ったけれど、
「いえ、そんなにお客さん来ないので大丈夫です」とニコニコお話しくださる女性スタッフ。
 
10時の開映時間になっても始まらない。
支配人が「皆さんお揃いでしょうか」とお尋ねになると「ひとりまだです」。
「ではもうおひとり来られてから始めましょうか」。マジか。
客の都合で開映を遅らせてくれるなんて、あり得なくて可笑しい。
でもいいなぁ、この和やかなのんびりとした雰囲気が。
 
来場予定者が全員揃ったところで支配人ふたたび登場。
音にこだわっている映画館で、作品によって音響機器を使い分けているそうです。
どう違うかを実際に聴かせてくれます。
まずは『グレイテスト・ショーマン』(2017)のレベッカ・ファーガソン演じるジェニーの歌声をド迫力で。
その後、『リズと青い鳥』(2018)の鎧塚みぞれが吹くオーボエの繊細な音色を真空管で。凄い。
 
そしていよいよ本編、私は『青い山脈』を初鑑賞。
『青い山脈』って、5回製作されているのですね。
今回上映されたのは、1963年版。吉永小百合が出演しているやつです。
 
女子高に通う寺沢新子(吉永小百合)は、男子とも垣根なく話すせいで、
同級生たちの嫉妬を買い、男子大学生を騙ったラブレターを受け取ります。
明らかに偽のラブレターだと気づいた新子は、新任教師の島崎雪子(芦川いずみ)に相談。
雪子がこのいたずらを卑劣だと叱ったことから生徒たちの矛先は雪子にも。
新子の味方になる男子たち&教師 vs 新子を敵視する生徒たち&バカ教師&PTA。
 
吉永小百合はこのときはほっぺた膨らみすぎで(と言うとサユリストに怒られる?)、
もっと歳を取ってからのほうが美しいですね。
吉永小百合以外の役者たち、私は名前と顔がまったく一致しなかったので、帰宅後に調べました。
芦川いずみ、めちゃくちゃ可愛い。美人。
梅太郎役も誰だかわからなかったのですが、南田洋子ですか。
海千山千の古狸よばわりされていましたが、綺麗!
そして沼田先生役も見たことあるけど誰だかわからず。そうかそうか、二谷英明!
 
なんとも楽しい作品で、映画と映画館の楽しさを堪能させてもらいました。
ここだけにわざわざ行くにはお金がかかりすぎるけど、ついでを作ってまた行きたい。

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『Mr.Children「GIFT for you」』

『Mr.Children「GIFT for you」』
監督:稲垣哲朗
 
元日、実家で母とふたりで過ごす。
祇をんたかはしのおせちと母が作った白味噌雑煮を食べてウダウダ。
母にスマホの使い方を特訓したけれど、92歳にはなかなか難しい。
スマホが鳴ると「拒否」と「応答」の文字を凝視して、
数秒間考えてから「拒否」を押してしまうという。(^^;
 
夕方退散してイオンシネマ茨木で映画を観るつもりでしたが、ふと思う。
イオンシネマならいつ行っても1,100円やん。
せっかくのファーストデーなんだから、別の劇場で観るほうがポイントも貯まってお得。
で、もしも正月の道が空いていたら行こうと、エキスポシティに向かいました。
 
な〜んや、めっちゃ空いてるやん。拍子抜けするわと思ったら甘かった。
駐車場に入ってからの混雑が凄まじく、あの広い駐車場に空きスペースがない。
なんとか駐車して109シネマズ大阪エキスポシティ有人受付で、
「本編とっくに始まってますが、入れていただけますか」とお願い。
新年1本目に本作を観ることになりました。
 
昨年メジャーデビュー30周年を迎えたミスチルことMr.Children。
コロナでコンサートがおこなえない日々が続いていましたが、
デビュー30周年の記念日である2022年5月10日に東京ドームを皮切りにツアーを開催。
その東京ドーム公演およびツアー最終日だった6月19日のヤンマースタジアム長居公演のライブ映像を中心に、
ミスチルを支える関係者たちの姿なども収めたドキュメンタリー作品です。
また、ミスチルにまつわるエピソードをインターネット上で投稿する企画「GIFT for you」に寄せられた、
数千件にものぼるというエピソードから選ばれたファンに取材したインタビュー映像も。
「Mr.Childrenとファンが織りなしてきた絆を描き出す」という内容になっています。
 
ミスチルのことは好きか嫌いかと聞かれれば断然好きですが、
アルバムを通して聴いたことはありません。
FM802で初めてヘヴィーローテーションになったときからラジオでよく耳にしていたというだけ。
たぶん、ラジオから流れる時代に私が学生だったらもっとハマっていたかと。
 
そんなわけで格別の思い入れはないけれど、今はBank Band(バンク・バンド)をしょっちゅう聴いています。
やっぱり好きは好きなんでしょうね、櫻井さんの声。
思い入れがないせいで、ファンの話は「へ~、そうですか」という感じでしたが(失礼)、
演奏もてんこ盛りな作品なので、音楽を楽しむことができました。
 
櫻井さんといえば、不倫騒動に衝撃を受けたことも思い出します。
いえ、不倫は別に驚かないんですけどね(笑)、お相手がセクシーアイドルだったことが。
なんとなく勝手なイメージで、すみません。(^^;
そんな騒動の試練(?)も乗り越えて、メンバーが替わることもなく30年続けてこられたのは凄い。
 
失礼ながら、私は本作を観るまで櫻井さん以外のメンバーの顔も名前も知りませんでした。
ベースの中川さん、誰かに似ていると思ったけれどわからない。ネットで調べたら関口アナンとの声。なるほど。
ドラムの鈴木さん、面白いですねぇ。役者もできるんじゃないでしょうか。
ギターの田原さん、上品な安田顕っていう感じがしませんか。これも失礼?←どっちに?(^o^;
 
私みたいな、ミスチルについて何も知らん人は観に来ないでと言われそう。すみません。
でも楽しめました。

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『離ればなれになっても』

『離ればなれになっても』(原題:Gli Anni Piu Belli)
監督:ガブリエレ・ムッチーノ
出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ,ミカエラ・ラマッツォッティ,キム・ロッシ・スチュアート,
   クラウディオ・サンタマリア,ニコレッタ・ロマノフ,エンマ・マローネ,アルマ・ノーチェ他
 
2022年最後に観たのは本作でした。
大晦日、六甲へおせちを取りに行ったあと、その足でTOHOシネマズ西宮へ。
 
イタリア作品。本国で大ヒットを飛ばしたそうです。
監督は『幸せのちから』(2006)、『7つの贈り物』(2008)、『スマイル、アゲイン』(2015)など、
ハリウッド作品も多く撮っているガブリエレ・ムッチーノ。さて、如何に。
 
1982年のローマ
16歳のジュリオとパオロは、暴動に巻き込まれて負傷したリッカルドを助ける。
それが縁で3人は大の親友同士に。
 
あるとき、パオロは同じ学校に通うジェンマに恋をする。
以来、3人+ジェンマで過ごす日が続いていたが、
母親を亡くしたジェンマは叔母に連れられてナポリに引っ越し。
お互いを想い合いながらも離ればなれになったふたり。
 
ジェンマは尻軽女と見られようとも平気。
心の奥底ではパオロとの再会を心待ちにしながら男関係の派手な日々を送っていたが、
恋人と一緒にナポリからローマに遊びに来た日、偶然にもパオロと再会。
すぐさま恋人と別れてパオロのもとへと駆けつける。
 
しかし、いつまで経っても臨時教員の身のままのパオロ。
窮屈な暮らしに嫌気が差しはじめたジェンマは、弁護士として活躍中のジュリオに乗り換え……。
 
めちゃくちゃ嫌でした。
これが大ヒットする国って何やねんイタリア、とすら思いました。
 
とにかくやかましいんです。登場人物みんなよく喋るし、声デカいし。
全員がそれぞれ観客に向けた目線で喋るシーンも鬱陶しい。
 
しかも誰にも共感できないし、見た目も好きになれない。
少女時代のジェンマはキュートだったけど、大人になってからは口元に品がない。
ベアトリス・ダルみたいな感じかなぁ。
パオロが稼げない男だとわかると、あからさまにジュリオに色目を使う。
ジュリオはジュリオで、親友の彼女なのにすぐにそれに乗っちゃって。
 
んじゃジュリオとジェンマは末長くかと思いきやそうじゃない。
教養のないジェンマとの会話がつまらなくなったジュリオは、
弁護士事務所の会長の娘マルゲリータといい仲になります。
これまた仲睦まじくというわけではなくて、マルゲリータのほうが浮気しまくり(笑)。
 
リッカルドは売れないライターで、芝居女優と結婚するけど、やはり稼げず。
嫁の実家に生活費を頼り、離婚をつきつけられたときの情けなさといったら。
息子の親権だけは譲らないと怒鳴るけれど、息子が2日前から家にいないことすら気づいていない。
それでよう「息子は渡さない」なんて言うものです。
 
パオロだけはちょっと気の毒でしたが、最終的にジェンマとよりを戻すとかやめてよと思っていました。
こんな女のどこがええのかわからんし。
 
ところが。
ほんとに最後は元サヤに収まるんです。
収まるんですけど、なんかこれが実に良い感じで。
あの私の途中退場したいほどの憤りは何だったのか。
こんなふうに〆られたら、本国で大ヒットも納得か。
 
終わりよければすべてよしの劇場鑑賞300本目だったのでした。
 
さて、明日からは新年に観た作品です。

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『やまぶき』

『やまぶき』
監督:山崎樹一郎
出演:カン・ユンス,祷キララ,川瀬陽太,和田光沙,三浦誠己,青木崇高,黒住尚生,
   桜まゆみ,謝村梨帆,西山真来,千田知美,大倉英莉,松浦祐也,佐野和宏
 
シネ・ヌーヴォにて、前述の『隠された顔』の次に。
スクリーンは同じく小さいXのほう。このちんまりした感じ、好きです。
 
私はお初の山崎樹一郎監督。
大阪生まれの山崎監督は学生時代を京都で過ごし、15年ほど前に岡山県真庭市に移住。
農家としてトマトをつくりながら映画を撮っているという変わり種。
本作はクラウドファンディングで集まった資金をもとに製作を叶え、徐々に公開が広がる。
今後も各地のミニシアターで上映される予定です。
 
岡山県真庭市。
韓国人で乗馬競技のホープだったユン・チャンス(カン・ユンス)は、
父親の会社が倒産して多額の借金を背負ったせいで競技続行を断念。
今はほかの外国人労働者たちと共に採石場で働いている。
 
暮らしは楽ではないものの、恋人の美南(和田光沙)とその娘と三人、穏やかな日々。
チャンスの真面目な働きぶりが評価されて、正社員登用されることに。
喜ぶチャンスと美南たちだったが、想像していなかったことが起きる。
チャンスひとりで出かけた際に落石に直撃され、足に大怪我を負ったのだ。
 
実はその落石を起こしたのは、地元の警察官・早川(川瀬陽太)。
妻を喪い、高校生の娘・山吹(祷キララ)を連れて山にヤマブキを採りに行った折、
無造作に土を掘り起こして投げ捨てた石がチャンスを襲ったのだ。
新聞でその事実を知るが、まさか自分が落とした石だとは言えない。
 
一方、山吹は同じ高校に通う祐介(黒住尚生)からコクられてつきあうことに。
叫ぶことのない無言の抗議活動“サイレントスタンディング”に祐介を誘い、交差点に立つ。
 
「資本主義と家父長制社会に潜む悲劇と希望を描いた群像ドラマ」と言われても、
正直なところ私にはピンと来ません。
だけど、母親を亡くした山吹の「いつか誰かと繋がれたら」という思いや、
正直者がバカを見るみたいなチャンスの不遇には胸が痛くなります。
投げやりになったチャンスが山吹に語るヤマブキの話も深い。
 
小さな幸せを大切に思える、懸命に生きている人たちの物語。
誰もが生きやすい世の中になればいいけれど、そんなふうにはならないのもまた世の中。
こんな映画を撮りつづけてくださいね。

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