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『REVOLUTION+1』

『REVOLUTION+1』
監督:足立正生
出演:タモト清嵐,岩崎聡子,高橋雄祐,紫木風太,前迫莉亜,森山みつき,イザベル矢野,木村知貴他
 
安倍晋三元総理が近鉄奈良西大寺駅前で選挙の応援演説中に撃たれたのは2022年7月8日のことでした。
それから3カ月も経たないうちに公開に至った本作。
なんとなく嫌な印象を受けて、観に行く気は起こらず今まで来ました。
しかし近所のシネコンでは観るものがなくなり、観なきゃ文句も言えないからナナゲイへ。
 
監督は元日本赤軍のメンバー、足立正生。観に行く気になれなかった理由はここにもあります。
『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007)を観て「総括」という言葉が大嫌いになった私は、
連合赤軍リニューアルメンバーだった監督が撮った映画を好きになれるとは思えない。
……という下げ下げ状態からの鑑賞です。
 
主人公は銃撃事件の犯人・山上徹也をモデルとした川上達也(タモト清嵐)。
母親(岩崎聡子)の実家の建築業を継いだ父親(高橋雄祐)は自殺。
逹也の兄(紫木風太)は小児がんに罹って失明。
母親が統一教会にのめり込み、多額の献金をおこない続けるせいで極貧生活に。
達也の妹は日々の貧相な食事に耐えきれず、「せめて週1でハンバーグを食べたい」と訴えるが駄目。
 
貧乏ゆえに大学進学もあきらめざるをえなかった逹也は母を恨み、
これは母が信じる統一教会と、教会と深い関係にある安倍元総理のせいだと考え、
安倍元総理を殺害すべく機会を探り、爆弾づくりを始める。
 
モノローグ形式で、舞台演劇っぽい。
先入観があるからでしょうが、台詞、仕草、表情、音、何もかも好きになれません。
そもそも事件が起きてから映画が撮られるまで時間がなかったから、取材不足は否めず、
「話題になりそうな題材で素早く撮りました感」があるのです。
 
安倍元総理のことは大嫌いでしたけど、だからって犯人に肩入れした本作を好きになれるわけじゃない。
主人公の妹の「民主主義の敵だった安倍さんを殺したお兄ちゃんを尊敬する」みたいな台詞がありますが、
安倍さんって、「民主主義の敵」というほどの人でしたかね。
 
あ~、政治的な作品の話をするのはやっぱり苦手です。(^^;

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『そして僕は途方に暮れる』

『そして僕は途方に暮れる』
監督:三浦大輔
出演:藤ヶ谷太輔,前田敦子,中尾明慶,毎熊克哉,野村周平,香里奈,原田美枝子,豊川悦司他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『ひみつのなっちゃん。』の後に。
 
やっぱり言わずにはいられない、ハマの番長と同姓同名の監督、三浦大輔
原作は、劇作家でもある三浦監督自身のヒット舞台。
舞台版と同じく藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)を主演に起用して映画化。
 
フリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)は鈴木里美(前田敦子)と5年間同棲中。
毎日真面目に出勤する里美を横目に自堕落な生活を続けていたある日、浮気がバレる。
里美は話し合いたいと言っているのに、すかさず逃げ出す裕一。
 
頼った先は、同郷北海道出身の親友・今井伸二(中尾明慶)。
快く迎え入れてくれた伸二だったが、転がり込んできた分際で態度がデカすぎる裕一にイラッ。
ついに我慢できずに裕一を非難すると、またしても裕一はすぐに逃げ出す。
 
次に訪ねたのはバイト先の先輩・田村修(毎熊克哉)。
里美に言われたことを参考に家事一般を引き受けたところ、修は大喜び。
しかし酔っぱらった修と一悶着あって怒鳴りつけられた裕一はまたまた飛び出す。
 
次は誰に泊めてもらおうか。
学生時代の後輩・加藤勇(野村周平)を面白い話があると言って呼びつける。
映画の助監督を務める勇は、裕一の話を映画のネタになると受け止める。
喜んで聴いてはくれたものの、裕一が「次はおまえの家に泊めてくれ」と言おうとした矢先に
「次はどうするんですか」と勇から勢い込んで言われ、言い出せなくなってしまう。
 
恋人、友人、先輩、後輩と渡り歩いて頼る人がいなくなった裕一は、
ついに今まで避けていた姉・菅原香(香里奈)に連絡をするのだが……。
 
初めの頃の裕一はとんでもないクズ。
里美といるときも伸二の家に転がり込んだときも、自分は居候の身でゴロゴロしているだけなのに、
「トイレの電球切れてたよ。買って付け替えといて」とか「出かけるとき、音を立てないでくれるかな、
俺、起きちゃうから」とか、「俺の布団敷いといて」とか。アホぼけカス。
 
まったく好きになれなかった彼が逃げ出すたびに、少しずつ可哀想になってきます。
彼の振る舞いは何も考えていないゆえのことで、マウント取ったり嫌がらせをしたりしているのではない。
それが人にどんな思いをさせているのか、まったくわかっていません。
指摘されれば悪いことだったのだと気づく。変わろうと思うけど変われない人。
 
郷里の母親(原田美枝子)はリウマチを患っているというのに父親(豊川悦司)に捨てられ、
その父親もこの親にしてこの子、逆もまた然りというようなクズ。
でもなんというのか、憎めないんですよねぇ、トヨエツ演じるクズ男は。
 
大晦日、団らんとも言えない団らんの様子にちょっぴりホロリ。いいよトヨエツ。
ホロリときたところでそのオチって。
アンマリだと思ったけれど、「面白くなってきたじゃねえか」。そう感じられたら前に進めるかも。

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『ひみつのなっちゃん。』

『ひみつのなっちゃん。』
監督:田中和次朗
出演:滝藤賢一,渡部秀,前野朋哉,カンニング竹山,豊本明長,本多力,岩永洋昭,
   永田薫,市ノ瀬アオ,生稲晃子,菅原大吉,本田博太郎,松原智恵子他
 
北摂の劇場で上映しているのはイオンシネマ茨木だけ。
 
ドラァグクイーンロードムービーといえばなんといっても『プリシラ』(1994)。
人数もそれと同じ、3人です。
 
ドラァグクイーンのバージンこと坂下純(滝藤賢一)はステージに立たなくなって長いが、
今でも毎日、自宅でひそかに踊りの練習を欠かさずにはいられない。
この日もひとりで踊っていたところ、後輩のモリリンこと石野守(渡部秀)から電話が入る。
 
モリリンは“なっちゃん”(カンニング竹山)が店主を務めるバーの従業員。
行き場のないモリリンを新宿2丁目の伝説のドラァグクイーンだったなっちゃんが拾い、
以来、モリリンはなっちゃんのもとで水を得た魚のような日々を送ってきたが、
そのなっちゃんが急逝したのだと言う。バージンもすぐに病院に駆けつける。
 
なっちゃんの亡骸を前に悲しむふたりに、葬儀屋(本多力)があれこれ質問。
なっちゃんの住まい、家族はいるのか、出身地はどこなのかなどなど。
あれだけ世話になったなっちゃんについて、何も知らないことにふたりは愕然。
やがてなっちゃんが家族にカミングアウトしていなかったことがわかる。
 
この界隈の住人なら誰かがなっちゃんの住所を知っているのではないか。
ドラァグクイーン仲間でテレビでも活躍中のズブ子こと沼田治彦(前野朋哉)も同行し、
あちこち回った末、ようやくグローリーこと下田信之介(本田博太郎)にたどり着く。
 
グローリーから受け取ったなっちゃんの履歴書を頼りに現住所を訪ね、
なっちゃんがドラァグクイーンであったことを墓場まで持っていくため、
家族がここへやってくるまでにその痕跡を消そうとするのだが……。
 
惹きつけられる作品です。なんだかんだで楽しかった。
 
前野朋哉の声がやかましすぎて途中で耳を塞ぎたくなったほどですが(笑)、
徐々に慣れて大丈夫になりました。
モリリン役の渡部秀は“仮面ライダー”上がりらしくイケメン。
彼(彼女というべきか)のドラァグクイーン姿はめちゃめちゃ綺麗です。
脇毛ボーボーなのはどうかと思うけれど。(^^;
 
男性の格好をしていてもなんとなくそれをわかってしまう3人の歩き方や仕草は、
白い目で見られることもあれば、男を誘っているように見られることもあります。
偏見はあるはずなのに彼らを家に招いてもてなす菅原大吉が○。
ドラァグクイーンのダンスも郡上八幡踊りも、キラキラしていて一緒だって。
 
なっちゃんの母親役の松原智恵子の可愛いことと言ったら。息子のことなんてお見通し。
でもお母さんが知っていたことは空の上の息子に内緒です。ひみつのなっちゃん。

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7回目の『RRR』はシアタス心斎橋のグランシアターで。

もうええやろっちゅう感じですが、今年初めての『RRR』です。
 
各地でまだまだ上映中。7回目となるとどこで観てもいいわけではありません。
決め手となったのは、シアタス心斎橋で上映が始まったこと。
3時間の長尺作品であるにもかかわらず、1日に何回かかかっています。
そのうち1回がグランシアターでの上映。
そうです、30回目の『トップガン マーヴェリック』もここで観ました。
 
どうかな~、混んでるかな~と思ってオンラインチケット予約ページにアクセスしたら、
9席のうちの8席まで埋まっていて残り1席。
最後列(といっても3列しかないんですが)のドア寄りの席が空いていてラッキー。
これならもしも飲酒しても途中でトイレに行きやすい(笑)。
 
グランシアターはドリンクとおつまみ付きで4,000円。
今回はビールとミックスナッツ(結構な容量です)を選択し、ナチョスも追加。
ナチョスって食べるときにバリバリ音がしますよね。
これ、鑑賞中に食べるのは迷惑でしょ。上映前に完食。
 
1回目2回目は面白いとは思っていても、涙ぐむことはありませんでした。
でも回を増すごとに泣けてくるシーンがあります。
少年時代のラーマが父親を撃たざるを得なくなったシーンはツボ。
大人のラーマもカッコイイけど、少年ラーマもめちゃカワイイ。
 
前日はワイン会で飲み過ぎ、寝不足だったため、7回目はさすがに寝たところも。
でもとりあえず1回グランシアターで鑑賞できて大満足です。
このシアター、家にほしい。無理だけど(笑)。

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『映画 イチケイのカラス』

『映画 イチケイのカラス』
監督:田中亮
出演:竹野内豊,黒木華,斎藤工,山崎育三郎,柄本時生,西野七瀬,田中みな実,桜井ユキ,水谷果穂,
   平山祐介,津田健次郎,八木勇征,尾上菊之助,宮藤官九郎,吉田羊,向井理,小日向文世他
 
公開初日だった金曜日、もはや恒例となっている「実家帰りに劇場に寄る」。
実家から自宅への導線上にある109シネマズ箕面がやはりいちばん楽ちん。
 
原作は浅見理都の同名漫画。講談社発行の『モーニング』に2018年から2019年に渡って連載。
TVドラマ化されたのは2021年のことだそうですが、原作未読、ドラマも未見です。
 
予告編を観たとき、主演のふたりは同じ事務所に所属する弁護士なのかと思っていました。
違うじゃあないか。誰がどういう立場なのか最初だけこんがらがりました。すぐ慣れる。
そうか、「イチケイ」というのがそもそも地方裁判所の第一刑事部を指すのですね。
本作はTVドラマの2年後の設定とのこと。
 
予備知識ゼロで初見の私がわかる範囲で。
 
以前は裁判官だか判事だかだったらしい坂間千鶴(黒木華)は、他職を経験する制度を利用して、
岡山県秋名市日尾美町で弁護士として事務所を開設している。
平和なこの町では住民から相談事が寄せられることもめったにない。
 
いま携わっているのは、老婦人が車を運転中、
予期せぬ場所に停車していたトラックを避けようとハンドルを切ったところ、
町のモニュメントにぶつかって破壊してしまった件。
老婦人のゴールド免許の存続をかけて絶対に勝たなければならない。
 
やる気満々でいたのに、老婦人はイケメン人権派弁護士・月本信吾(斎藤工)に乗り換えると言う。
納得できない坂間は月本を訪ねるが、彼が剛腕投手であることを知り、野球チームに誘う。
すると相手チームにあの型破りな裁判官・入間みちお(竹野内豊)の姿が。
噂によれば、入間は岡山地裁秋名支部に赴任直後から周囲を大混乱に陥れているらしい。
 
そんな入間がこのたび担当することになったのは、
主婦・島谷加奈子(田中みな実)が防衛大臣・鵜城英二(向井理)に包丁を突きつけた事件。
背景には、イージス艦と貨物船の衝突事故があり、貨物船の乗員は全員死亡。
貨物船が誤った進路を採ったせいだとされていたが、貨物船の船長(津田健次郎)の妻である加奈子は納得がいかない。
鵜城に詰め寄ったさいに持っていた包丁がポロリとこぼれ落ちたのだった。
 
坂間と入間の担当する案件が絡み合うことなどないと思われたが、
日尾美町の環境問題を密かに調べる月本に坂間が協力するうち、真相が浮かび上がってきて……。
 
過疎化が進む町。多くの人が勤務する大企業。
もしその企業がなくなれば、社員のみならず、町のありとあらゆる店が潰れてしまう。
環境をどんどん破壊しても、誰かが病気になったとしても、企業を潰しては駄目。
 
なんだか聞いていて切なくなります。
住民のほうがおかしいはずなのに、じゃあ誰が彼らを救えるのかと聞かれたら、何もできません。
 
去年『沈黙のパレード』(2022)を観たばかりだからだと思うのですが、吉田羊の役どころがかぶる。
彼女がいるだけで、えーっ、町ぐるみの隠蔽じゃないのかしらと疑ってしまい。
あ、めっちゃネタバレですね。すみません。(^^;
 
入間をサポートするメンバーたちの表情が楽しい。
山崎育三郎柄本時生西野七瀬『ファミリア』にも出演していた高橋侃、良いですね。
住民役のクドカンを久しぶりに見た気がします。嬉しい。
 
劇場で観るほどかと問われるとビミョーですが、じゅうぶん面白かった。

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