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『ノートルダム 炎の大聖堂』

『ノートルダム 炎の大聖堂』(原題:Notre-Dame brule)
監督:ジャン=ジャック・アノー 
出演:サミュエル・ラバルト,ジャン=ポール・ボーデス,ミカエル・チリニアン,ジェレミー・ラウールト他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
なんとまたまた“おひとりさま”。今年4度目、今月すでに2度目やん。
まだ比較的新しい劇場だから、前回よりは贅沢感があります。
 
巨匠ジャン=ジャック・アノー監督によるフランス/イタリア合作のディザスタームービー
2019年4月15日に起きたフランス・パリのノートルダム大聖堂火災を描いています。
火災の瞬間を撮っていたはずもないので、ドキュメンタリーではなく、実話に基づくフィクションです。
 
ノートルダム大聖堂のスタッフの職を得て初日の勤務に就いた男性。
発火を感知するシステムから目を離さないように言われており、
まさに発火を知らせるブザーが鳴ったものだから、各部署のスタッフにすぐさま連絡。
 
伏線として、足場が組まれた修復現場で「禁煙」マークがあるのに喫煙している作業員の姿が映る。
また、骨組みの間を飛ぶ鳩などが配線を踏んでバシッと火花が散る様子も。
 
さて、ところが、発火の連絡を受けた者はおざなりの確認をしただけで「異常なし」と判断。
そればかりか、発火感知システムはよく誤作動を起こすから鬱陶しい、切っておけと言います。
避難を促すアナウンスが自動的に流れたというのに、一旦退出した客たちをもう一度戻す始末。
 
火災に気づいたのは大聖堂内にいる誰かではなく、大聖堂を背景に写真を撮った人でした。
あれ?大聖堂の上から煙が出てるよ、火事じゃないの?てな感じで。通報を受けた消防局も半信半疑。
しかしやがて隙間からチラチラと炎が見えはじめ、こりゃ大変だということになります。
 
幸いにして、建物がデカすぎるから逃げる時間はじゅうぶんにある。
一般的なディザスタームービーのように慌ててドミノ倒しになったりすることもありません。
ただ、消防車がなかなか大聖堂までたどり着けない。
道路が混んでいて、放置自転車などもあれば工事中の箇所もある。
そんななかで大統領が来たりするんですよね。これっていい迷惑じゃないですか。
 
建物は修復できるけれど、聖遺物を失えばどうにもならない。
大聖堂内に保存されている文化財約1,300点を持ち出すことが最優先。
 
ちょうど非番の日だった主任学芸員は、出先で火災を知って驚愕。
気も狂わんばかりの勢いで大聖堂に向かうけれど、あちこち封鎖されていて進めない。
しかし彼がいないと、文化財が入っている部屋の鍵を開けるのも大変だそうで。
何百という鍵の中からその部屋の鍵をすぐに見つけられるのは彼だけ。
聖遺物はキリストの本物の血って、ホンマですか!?
 
おそらく事実に即した作りになっているのでしょうから、感動を煽ったりはしません。
私がちょっともらい泣きしそうになったのは、老いたスタッフが消防士に懇願するところでしょうか。
文化財すべてを救出することは叶いそうにないと考えた彼が、
どれかひとつだけならば、いばらの冠をお願いしますと涙ながらに訴えるシーン。
 
野次馬も多いなか、消火活動を見守る人々が“アヴェ・マリア”を歌いつづけるところもよかったです。
 
客が私ひとりだったおかげで、途中で巨人vs阪神の試合経過のチェックもしてしまいました。
劇場でスマホを見るなんて言語道断の行為ですが、場内にひとりっきりだったらやっちゃいますねぇ。(^^;
ひとり、火災現場でその様子を観ているようで、当日そこに居合わせた気分になりました。

—–

『フラッシュ・ゴードン』【4K版】

『フラッシュ・ゴードン』(原題:Flash Gordon)
監督:マイク・ホッジス
出演:サム・ジョーンズ,マックス・フォン・シドー,メロディ・アンダーソン,トポル,
   オルネラ・ムーティ,ティモシー・ダルトン,ブライアン・ブレッスド他
 
なんばパークスシネマまで出向いたので、前述の『パリタクシー』1本で帰るのはもったいない。
1980年に製作された本作の4K版が現在公開されています。
『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)を30回観た私としては、
クイーンが音楽を担当するこれを観ないままでは一生を終われないかしらと思って。
 
『テッド』(2012)と『テッド2』(2015)にも登場する本作は、
どれぐらいの人が観ているものなのでしょう。
少なくとも私は今まで観たことがありませんでした。
私同様、全然知らんかったわという人のために今さらですがあらすじを書く。
 
惑星モンゴを支配する悪の皇帝ミンは、ふざけて地球に天変地異を起こします。
そのせいで地球はあと10日で月と衝突する危機に。
 
いつか地球が襲われる説を唱えつづけてきた科学者ハンス・ザーコフは、
今こそ宇宙人と和平交渉するのだと、自前のロケットでモンゴに向かおうとします。
しかし彼のイカれた考えについていけない助手が逃げ出してしまう。
 
そんな折、研究所の近くに飛行機が不時着
乗客だったアメフトスター選手フラッシュ・ゴードンと、
一人旅中の女性デイル・アーデンが研究所にやってきます。
ロケットを独りでは発射できないザーコフは、このチャンスを逃してなるまいと、
強引にフラッシュとデイルをロケットに押し込んで出発。
 
たどり着いたモンゴで、ミンはもちろん交渉に応じるつもりなどなく、
フラッシュ、デイル、ザーコフは捕らわれますが、
デイルに一目惚れしたミンが、彼女と結婚すると言い出して……。
 
どの程度まじめに作られたものなのか知りませんけど、いま観るとふざけているとしか思えません(笑)。
プロデューサーからは『スター・ウォーズ』(1977)以上のものを作るようにとの指令が飛んでいたそうですが、
どこをどう見ても『スター・ウォーズ』に遠く及ばないというのか、
比較すること自体、『スター・ウォーズ』をナメとんか!と思います。
 
でもキャストの人たちは楽しかったでしょうねぇ。
それに40年以上経った今、こうして4K版が公開されて、
アホくさと思いながらもいそいそと劇場へ足を運ぶ人がいる。
このアホらしさを共有できることが嬉しいです。

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『パリタクシー』

『パリタクシー』(原題:Une Belle Course)
監督:クリスチャン・カリオン
出演:リーヌ・ルノー,ダニー・ブーン,アリス・イザーズ,ジェレミー・ラウールト,
   グウェンドリーヌ・アモン,ジュリー・デラルム,トマ・アルダン他
 
北摂の劇場では観るものが尽きそうになったので、なんばパークスシネマへ。
 
主演のふたり、リーヌ・ルノーとダニー・ブーンは国民的スターらしいのですが、
日本では全然知名度が高くないですよね。
リーヌ・ルノーの出演作では『女はみんな生きている』(2001)が大好きでしたが、
彼女がどんな役で出ていたか覚えていないし。
とにかくフランスでは大人気ゆえ、本作も大ヒットを飛ばしたそうです。
 
タクシー運転手のシャルルは、くだびれたアラフィフ男性。
1年で地球3周分もタクシーを走らせているというのに、給料は安く、妻子を養うのが大変。
良い客ばかりではないから、嫌な思いをすることもしょっちゅう。
 
ある日、配車の依頼を受けて迎えに行ったのは、92歳の女性マドレーヌ。
結構なお屋敷で暮らしていた彼女は、その年齢で一人暮らしは駄目だと周囲から言われ、
致し方なく住み慣れた家を引き払って老人介護施設に入ることになったらしい。
 
パリからはずいぶん離れたところにある施設までの道すがら、
思い出の場所に寄り道してほしいというマドレーヌ。
渋々それにつきあうことになったシャルルに最初は一方的に話しかける彼女だったが……。
 
まさにハートウォーミングな作品というよりほかにありません。
 
毎日寝る間も惜しんで働いているのに金がない。
そのせいで気持ちが荒んで行き、客にも失礼な態度を取るシャルル。
まぁこれは客も客で、シャルルの言動も理解できます。
 
世の中への不満がにじみ出た表情で車を走らせるシャルルに、
マドレーヌはこれまでの自分の人生を話しはじめます。
次第に彼女の話に引き込まれ、シャルルは自らのことも語るように。
 
もっと軽い話を想像していたら、マドレーヌの人生は凄絶。
女性は男性に服従することが当たり前だった1950年代には離婚も許されません。
暴力亭主を殺しかけた彼女は逮捕され、裁判の陪審員は全員男性だなんて。
 
道中の風景も楽しいし、ふたりの会話や食事のシーンも抜群に良い。
ユーモアにあふれ、ラストも万人が感動しそうな話で、大ヒットに納得。
ただ、このラストは目新しいものではありません。
 
じゅうぶんに予測できるラストですから、ネタバレにはならんと思って書きます。
後日シャルルが妻を連れて施設を訪れると、マドレーヌはすでに亡くなっていて、
管財人から1通の手紙を渡される。そこには莫大な金額の小切手が入っているという。
 
親切にしてくれた赤の他人に遺産を譲る話は珍しくないですもんね。
真面目に生きていればこういうことが待っていると思いたいけれど、
そうそうこんな話は舞い込んでこないでしょう。
 
すごく良い話で、鑑賞後にとても穏やかな気持ちになれたものの、
「んー、映画としてはそんなに珍しい話やないし」と思った私もいるのでした。(^^;

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『AIR/エア』

『AIR/エア』(原題:Air)
監督:ベン・アフレック
出演:マット・デイモン,ベン・アフレック,ジェイソン・ベイトマン,クリス・メッシーナ,
   マーロン・ウェイアンズ,クリス・タッカー,ヴィオラ・デイヴィス他
 
109シネマズ箕面にて仕事帰りに2本ハシゴの2本目。
前述の『仕掛人・藤枝梅安』を観たあと、スタバで時間を潰してから。
 
久しぶりではないでしょうか。ベン・アフレックマット・デイモンのコンビ。
ふたりは別々の道を歩みはじめたように思っていましたが、
こうしてふたりがまた同じ作品に関わるのはちょっと嬉しいですね。
 
バスケットボールといえばナイキのシューズだと思っていましたが、
知りませんでした。1980年代、3番手に甘んじていたことを。
1番はコンバース、2番がアディダス、そこから大差をつけられてナイキだったとは。
業績不振だったナイキから伝説のシューズ“エアジョーダン”が誕生するまでの逸話です。
 
1984年、シューズメーカーのナイキは人気がなくて低迷。
CEOのフィル・ナイトは、バスケットボール部門の立て直しをソニー・ヴァッカロに命じる。
ソニーは全米の高校バスケオールスターゲームを設立した人物で、
バスケを知る者であれば誰でも一目置く存在だったが、
なにしろカネのないナイキでは、引っ張りたい選手も引っ張れない。
 
25万ドルで3人採ろうという話が進むなか、
数々の選手のビデオを見まくっていたソニーが絶対にこれだと感じたのは、
まだNBAの試合に出た経験すらない無名の新人選手マイケル・ジョーダン
 
無名とはいえ、その資質にはコンバースもアディダスも目をつけており、
最低でも25万ドルを提示するだろうと代理人は言う。
ソニーは「3人は要らない。マイケル・ジョーダンひとりに25万ドル」とフィルに直訴。
そんなリスクは冒せないとフィルから拒否されるが、ソニーはあきらめず……。
 
ナイキが善良な企業なのかどうか私は知りませんけれど、こういう逸話は楽しい。
黒人選手を口説くなら、本人よりもオカンを落とすべきだとか。
代理人が取り次いでくれないから、オトンとオカンに直接会いに行くソニー。
やっとこぎつけたプレゼンの様子なども面白いです。
 
どんな賛辞を並べようとも、心が入っていなければ響かない。
キング牧師のスピーチについてなど、ソニーがここに至るまでの話には
いちいち「へ~」「ほ~」と感心してしまいました。
 
話自体も面白いのですが、当時の音楽と映像がてんこ盛り。
オープニングはダイアー・ストレイツの“Money for Nothing”でそこからもうウキウキ。
1980年代の洋楽が次から次へと流れます。
実際の映像もいろいろと映し出され、興味を惹かれること限りなし。
 
それまでシューズの最高収益が300万ドルだったナイキ。
この年“エアジョーダン”で1億何千万ドルもの収益を上げ、現在毎年40億ドル売り上げるとか。
すごすぎて想像でけん。
 
良いおこないには、自然と収益がついてくるそうです。

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『仕掛人・藤枝梅安2』

『仕掛人・藤枝梅安2』
監督:河毛俊作
出演:豊川悦司,片岡愛之助,菅野美穂,小野了,高畑淳子,小林薫,一ノ瀬颯,
   椎名桔平,佐藤浩市,篠原ゆき子,石橋蓮司,金井勇太,高橋ひとみ他
 
109シネマズ箕面にて、仕事帰りに2本ハシゴの1本目。
 
池波正太郎の生誕100年を記念してまず公開されたのが前作『仕掛人・藤枝梅安』でした。
とても面白くて、心待ちにしていた2作目。
前作に引き続き、河毛俊作監督がメガホンを取っています。
 
前作の最後で京に旅に出た藤枝梅安(豊川悦司)と彦次郎(片岡愛之助)。
梅安の目的は、幼い頃に彼を拾って鍼医に育ててくれた恩人・津山悦堂(小林薫)の墓に参ること。
ところがそこへ向かう途中、ある侍の顔を見た彦次郎が血相を変える。
 
彦次郎によれば、かつて彼が妻子とつましくも幸せに暮らしていた頃、
通りすがりのごろつきに妻が犯され、そのせいで気がおかしくなった妻は、
まだ乳飲み子だった我が子を道連れに首を吊った。
あのごろつきがいま目の前を歩いている侍だと言うのだ。
 
今にも侍に襲いかかろうとする彦次郎を制し、梅安が侍のあとをつけると、
なんとその侍も悦堂の墓参りにやってきたではないか。
 
梅安が侍に話しかけたところ、彼は松平甲斐守の家臣・峯山又十郎(椎名桔平)。
又十郎の父親が悦堂の患者だったらしく、梅安に丁寧に挨拶する。
彦次郎が殺したがっているごろつきが又十郎だとは思えずさらに探ると、
又十郎には双子の弟がいることがわかる。
 
その晩、裏稼業の元締め・白子屋菊右衛門(石橋蓮司)が、
又十郎から彼の弟・井坂惣一(椎名桔平)率いる無頼の浪人集団を殺してほしいと頼まれていた。
菊右衛門は井上半十郎(佐藤浩市)と佐々木八蔵(一ノ瀬颯)に仕掛を依頼するが、
報酬のあまりの安さに半十郎たちは断る。
 
入れ違いで菊右衛門のもとを訪れた梅安はこの仕掛を引き受けるのだが……。
 
前作より生々しいシーンが多くて、ちょっと引き気味で観ました。
善人と悪人を一人二役で演じる椎名桔平が腰を振っているときの顔がキモくて(笑)。
ああいうシーンは女性にはかなりキツイですね。
 
しかし話はやっぱり面白い。
このキモかったごろつきどもがバッタバッタと殺されるのは痛快。
奴ら相手に梅安と彦次郎が圧勝を見せてくれるのは嬉しい。
 
梅安と半十郎の因縁にはなかなか考えさせられます。
妻(篠原ゆき子)を寝取られ、殺された半十郎は梅安が憎くてたまらない。
梅安に想いを寄せる女中・おもん(菅野美穂)が半十郎に詰め寄られたとき、
あの人が私をなんとも思っていないことなんてわかっている、
それでも、あの人を好きでいることが私を救う、みたいなことを言うのがよかった。
相変わらず豪快なお手伝いさん・おせき(高畑淳子)には笑わされます。
 
2作で終わりかと思っていたら、次作もありそうですね。楽しみ!

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