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『帰れない山』

『帰れない山』(原題:Le Otto Montagne)
監督:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン,シャルロッテ・ファンデルメールシュ
出演:ルカ・マリネッリ,アレッサンドロ・ボルギ,フィリッポ・ティーミ,エレナ・リエッティ,
   エリザベッタ・マッズーロ,ルポ・バルビエロ,クリスティアーノ・サッセッラ他
 
『ウィ、シェフ!』を観るためになんばパークスシネマまで行ったから、
1本で帰るのはもったいなくて、これも観ました。
パオロ・コニェッティの同名ベストセラー小説を映画化したイタリア/ベルギー/フランス作品。
原作はイタリア文学界の最高峰であるストレーガ賞を受賞しているそうです。
 
都会育ちの少年ピエトロは、山好きの両親に連れられて休暇を山麓で過ごすのが恒例。
山以外に何もないその村には同年代の子どもなど見当たらずひとりぼっちだったが、
ある日、牛飼いの同い年の少年ブルーノと出会う。
 
もやしっ子だったピエトロは、たくましいブルーノについて回るのが楽しくて仕方がない。
毎夏を共に過ごすようになったふたりは友情を育んでゆく。
 
しかし、成長したピエトロは父親に対する不満を募らせて家を出る。
恒例だった山麓での休暇に行かなくなったせいで、ブルーノとも疎遠に。
やがて父親の訃報が届いたのをきっかけに村を訪れたピエトロはブルーノと再会。
ピエトロが父親と会わなかった間、ブルーノが息子のごとく父親と交流を深めていたことを知る。
 
父親は山に横たわる草原を理想の地として手に入れており、
そこに家を建てることを切望していたらしい。
死んでも約束は残るからと、ブルーノは建てると言ってきかない。
ピエトロもブルーノに教えられながら一緒に家を建てはじめて……。
 
147分の長尺で、寝てしまうのは当然と思われました。
実際、途中で睡魔に襲われたところはありますが、意外と大丈夫でした(笑)。
 
何よりも大自然が美しい。
これを「自然」と呼ぶ時点で、ブルーノに言わせれば地元の人間ではないらしい。
普通に山、草原、川というふうに、当たり前の風景があるだけ。
山とピエトロとブルーノ、それだけでよかったはずなのに、
人生には恋愛なども含めていろいろなことが起こるから、それだけでは済まなくなる。
 
山に籠もるのは孤独か。そこで死ぬことは気の毒か。
ふたりにしかわからないこと。他人には理解してもらえなくてかまわない。
カラスを見て、こんな葬式もありかなと思いました。
 
やはり私は海の映画より山の映画のほうが好きなようです。

—–

『ウィ、シェフ!』

『ウィ、シェフ!』(原題:La Brigade)
監督:ルイ=ジュリアン・プティ
出演:オドレイ・ラミー,フランソワ・クリュゼ,シャンタル・ヌーヴィル他
 
料理に関わる映画はスルーできません。
仕事帰りにホイッと行ける劇場では上映していないため、どうしたものかと悩みましたが、
観逃すと後悔しそうだったから、なんばパークスシネマへ。
 
実在の女性シェフ、カトリーヌ・グロージャンをモデルにしたフランス作品。
監督は39歳の新鋭ルイ=ジュリアン・プティ、長編を撮るのはまだ2本目。
1本目の『社会の片隅で』(2018)でも主演に本作と同じオドレイ・ラミーを起用しています。
『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』(2018)でジルベールの妻を演じた女優ですね。
 
結論から言って、観に行って本当によかった。
原題の“La Brigade”はどういう意味かと思ったら「旅団」。
そのまま訳さなかったこの邦題は上手い。
 
メディアへの露出度が高くて超人気の美人シェフが仕切る一流フレンチレストラン
ここでスーシェフとして働くカティは、見栄えだけを気にするシェフにうんざり。
カティの料理のソースまでシェフに変えられてプッツン。
「三流の勘違いシェフのもとで働く気はない」と捨て台詞を吐いて辞める。
 
自分は引く手あまただと思いたかったが、どの店からも人手は足りていると断られてガックリ。
見かねた親友ファトゥが探してきた仕事の面接にとりあえず行くことに。
 
ところが行ってみてびっくり。そこは店ですらなかったのだ。
移民の少年たちが生活する自立支援施設で、厨房は荒れ放題、まともな機材もない。
施設長のロレンゾは、子どもたちに人気なのは缶詰のラビオリだと言い、
料理に質など求めておらず、とにかく食べられればいいという態度。
巨漢のスタッフ、サビーヌは、カティが大喧嘩したあのシェフの大ファンらしいし。
とはいうものの、他に職はないのだからここで耐えるしかなく……。
 
住み込みで子どもたちの食事を作ることになったカティは、
もともと人づきあいがいいとは言えず、ファトゥ以外には友人もいません。
しかし冒頭から決して嫌な人には思えなくて、彼女を応援したくなります。
 
少年たちはいずれも未成年で、成人するまでに就学できなければ国外へ強制退去させられます。
フランス語もまだまだ苦手な彼らと料理を通じて打ち解けてゆくカティは、
彼らがここから追い出されることがないように、なんとかしたいと思いはじめます。
 
まずはエシャロットの千切りをさせてみて、それぞれの資質を見る。
料理に興味を抱いた彼らを適材適所に配し、メインの肉を焼く人、ソースを作る人、
付け合わせを作る人、食堂のフロアでサービスする人、皿を洗う人まで決める。
それぞれの役目をサッカーに例えるところもすごくいい。
 
どこまでが事実に即した話なのか不明ですが、施設長が学校に掛け合っても、
移民が入学するようにはなかなか取り計らってもらえなかったところ、
少年たちの姿が映し出されたおかげであちこちで受け入れの提案があったようです。
メディアをあれだけ嫌っていたカティがそれを利用するのも面白い。
 
故郷で家族と暮らせるに越したことはないかもしれないけれど、
彼らの料理を食べてみたい。

—–

『最後まで行く』〈韓国版〉

『最後まで行く』(英題:A Hard Day)
監督:キム・ソンフン
出演:イ・ソンギュン,チョ・ジヌン,チョン・マンシク,シン・ジョングン,キム・ドンヨン他
 
来週公開になる藤井道人監督の『最後まで行く』はこの韓国作品のリメイク。
日本では2015年開催の“カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2015”で上映されました。
現在Amazonプライムビデオで配信中。プライム会員なら無料で視聴可能です。
 
殺人課の刑事コ・ゴンスは、母親の葬儀の準備中、署内に内部監査が入ることを知る。
課ぐるみの横領の事実を隠さねばならないと、葬儀を抜け出して職場へ向かうが、
暗闇に現れた犬に気を取られた次の瞬間、男を撥ねてしまう。
 
車を降りて駆け寄るも、すでに男は息絶えていた。
死亡事故など起こせば大変なことになる。監査がどうなるのかも気が気でない。
向かいからパトカーがやってくるのが見えたものだから、
咄嗟に死体を路肩に追いやってやり過ごした後、迷った末にトランクを開ける。
 
飲酒検問をなんとか切り抜け、実家へ死体を持ち帰ったゴンスは、
母親が眠る棺桶に死体を突っ込んで一緒に埋葬することを思いつくのだが……。
 
以下、ネタバレしていますのでご注意ください。
 
日本版リメイクではこのゴンス役を岡田准一が演じることになるのですね。
 
序盤、ゴンスが本当にろくでなしで、同情の余地はいっさいありません。
さらに課をあげて汚職に関わっているようだから、こいつらみんなクズ!と言いたくなる。
 
ところが少しだけゴンスが気の毒になってきます。
というのも、彼が男を撥ねたことを知って脅してくるのがこれまた刑事だから。
しかも実はゴンスが撥ねるより前に男は死んでいたかもしれないなんて。
罪を着せられかけているゴンスは、いくらクズといえどもちょっと可哀想。
 
死んだ男が殺人を犯して逃走中のヤクザだったなんて、なんたる不幸。
切羽詰まったゴンスは見るからに情けなくて、大馬鹿者です。
 
日本版のキャストを見ると、綾野剛の役回りは監察官となっているのでよくわからず。
オリジナルとは幾分異なるのかもしれません。公開がとても楽しみです。
ゴンス役のイ・ソンギュンがタイプじゃないから、岡田くんならばもっと気の毒に見えるかどうか。
 
棺桶の中から鳴り響くスマホの音が怖い(笑)。

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『銀河鉄道の父』

『銀河鉄道の父』
監督:成島出
出演:役所広司,菅田将暉,森七菜,豊田裕大,坂井真紀,田中泯他
 
TOHOシネマズ梅田にて。ひとり飲みの前に1本だけ。
 
原作は門井慶喜の直木賞受賞作
成島出監督は胃癌を患い、『ちょっと今から仕事やめてくる』(2017)以降すこし間が空きましたが、
その後はわりとコンスタントに撮っていらっしゃるようです。
 
岩手県の花巻で質屋を営む宮沢家。
主の政次郎(役所広司)とその妻イチ(坂井真紀)の長男として生まれた賢治(菅田将暉)は、
早く家業を継がせたい父親に抗い、進学させてほしいと主張する。
怒りを募らせる政次郎を長女で賢治の妹トシ(森七菜)が説き伏せ、賢治は無事進学。
 
ところが、一流校を目指すと思いきや農業を学ぶと言うわ、人造宝石で一儲けしたいと言うわ、
果てには学校を辞めて日蓮宗に身を捧げると言い出す。宮沢家は浄土真宗だというのに。
どうすればいいのか政次郎も困り果てる。
 
そんな折、トシが結核で倒れてしまう。
昔から「日本のアンデルセンになる」と妹に話していた賢治は、トシを励まそうと物語を書きはじめて……。
 
宮沢賢治がこんな人だとは知らなかったんです、私。
こらえ性がないというのかなんというのか、ダメダメですよねぇ(笑)。
それにひきかえトシの賢いこと。父親も兄もトシの手のひらの上で転がされている。
そのやりとりが可笑しくて、場内からしばしば笑いがこぼれていました。
 
本作でいちばん印象に残っているのは、認知症で暴れるようになった祖父の喜助(田中泯)を
家族みんなが取り押さえようとして慌てているシーンで、トシが喜助の頬をビンタ。
「きれいに死ね!」と言うところです。強烈すぎて笑ってしまうくらい。
ただ、トシはそう言ったあとに喜助をしっかりと抱きしめ、
「人は必ず死ぬのだから、死を恐れることはない。みんな爺ちゃんのことが大好きだ」と言います。
 
トシが亡くなった後、自分がいちばんの読み手になるから書くのをやめるなと賢治に言った政次郎。
娘に続いて息子まで喪ってしまう場面では涙が止まらなくなりました。
 
生きている間はその作品が売れることはなかった賢治。
彼が今もこうして読み継がれているのは、この父親がいたからこそなのかもしれません。

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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』(原題:Guardians of the Galaxy Vol.3)
監督:ジェームズ・ガン
出演:クリス・プラット,ゾーイ・サルダナ,デイヴ・バウティスタ,マイケル・ルーカー,
   カレン・ギラン,ポム・クレメンティエフ,エリザベス・デビッキ他
声の出演:ヴィン・ディーゼル,ブラッドリー・クーパー他
 
朝イチで前述の『アダマン号に乗って』を観た後、実家へ。
昼過ぎから晩まで母と過ごしてから、再び109シネマズ箕面へ行ってレイトショー。
 
前作を観たのはいつでしたっけ。1作目が2014年、2作目が2017年ですって。
間でちらほら姿は見かけたといっても、6年も経ったらアカンて。
めちゃめちゃ話を忘れてしもてるんですけれど。
 
8歳のときに地球を離れたピーター・クイル。
“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”は、彼が率いる銀河のスーパーヒーローチーム
恋人だったガモーラが、ピーターと過ごした日々の記憶を失ったらしく、
ピーターは絶望から立ち直れずに酒浸りに。皆も彼にどう接すればよいか困っている。
 
そんなある日、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが建設した本拠地ノーウェアに、
ウォーロックという全身金色の恐ろしく強い奴が飛来してノーウェアを攻撃。
アライグマのロケットが瀕死の重傷を負う。
 
直ちにロケットを治療しようとしたところ、手術すればロケットが爆死することが判明。
ロケットを開発したオルゴコープ社の創設者ハイ・エボリューショナリーが、
技術を盗まれるのを阻止するためにロケットの体にキルスイッチを埋め込んでいたのだ。
 
システムを解除するパスコードが存在するはず。
ピーターたちメンバーは、オルゴコープ社に乗り込むと決めるのだが……。
 
どれぐらい忘れていたかというと、ピーターが冒頭で酒浸りになっている理由がまるでわからず。
ガモーラと恋仲だったのは覚えていましたが、え、ガモーラって死んだんだっけ。
あらら、そうじゃなくて生きてるのね。でも記憶喪失なのかしら。
でも、ピーターのことは忘れているけれど、ネビュラが妹だという記憶はあるの?
 
このガモーラがいけ好かない奴なのです。
いくら忘れたからって、そんな嫌な女になるもんですかと思う(笑)。
ピーターはピーターで、ちょっとウジウジしすぎじゃないでしょか。
 
そういうところも含めて、結構笑えます。
シュワちゃんの娘と結婚したことを除けば昔から私のお気に入りだし(笑)、
ロケットの声を担当するブラッドリー・クーパーも大好きです。
ただ、彼って、顔が見えなくて声だけ聞くとイケメンとは思えませんよねぇ。
 
ドラックス役のデイヴ・バウティスタは、先月観たばかりの『ノック 終末の訪問者』からは想像もできない配役。
カレン・ギラン演じるネビュラもとても好き。
悪役のまま死ぬと思われたアダムが最後はピーターを助けるのもよかった。
アダム役のウィル・ポールター『リトル・ランボーズ』(2007)のときから顔が全然変わっていません(笑)。
 
前作までの話を見事に忘れていましたが、それでも全然眠たくならなかったから、
とても面白かったということなのだと思います。
エンロドールの後の1コマは意味がよくわからなかったけど、続編があるってことですよね!?

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