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『忌怪島/きかいじま』

『忌怪島/きかいじま』
監督:清水崇
出演:西畑大吾,生駒里奈,平岡祐太,水石亜飛夢,川添野愛,大場泰正,祷キララ,
   吉田妙子,大谷凜香,笹野高史,當真あみ,なだぎ武,伊藤歩,山本美月他
 
いくらホラーに耐性がついてきたからって、日本のホラーは観る気がしない。
だけど、仕事帰りにシュッと行ける劇場で観るには他に選択肢がないじゃあないか。
眠れなくなったらどうしようとビビりながら、109シネマズ大阪エキスポシティへ。
 
ホラーがお得意の清水崇監督だから、私はほとんど縁がない。
これだってスルーするはずだったんですけどねぇ。まさか観ることになるとは。
 
古い因習が残る孤島に建つVR研究施設“シンセカイ”。
若き天才脳科学者・片岡友彦(西畑大吾)はシンセカイのチーフ・出井文子(伊藤歩)に招かれ、
チームに参加するため、島へと渡る。
 
プログラマーの深澤未央(生駒里奈)、山本春樹(平岡祐太)、三浦葵(川添野愛)、
エンジニアの北島弘治(水石亜飛夢)は友彦を温かく迎えるが、
そもそも人と関わらない世界をつくりたくてVRの研究をしている友彦は冷ややか。
 
しかし、チームがつくっていた島全体の仮想空間に友彦が開発した技術を加えると、
なんと潮風までも感じることができる仮想世界に変わる。
友彦の態度は別として、その才能に舌を巻くメンバーたち。
 
友彦を招聘した文子の姿がないことを疑問に思って尋ねると、なんと文子は急逝したという。
急死直前に文子が見ていたはずの映像を友彦たちが確かめてみると、
同時期にやはり突然亡くなった園田哲夫(大場泰正)という男性が文子の研究に協力していたことがわかる。
 
哲夫の娘・環(山本美月)から父親の身に何が起きたのか調べてほしいと言われ、
友彦たちが研究に取りかかると、システムエラーが発生。
島のシャーマン・南トキ(吉田妙子)によれば、これは島に伝わる“イマジョ”の祟りで……。
 
最初から怖そうだったので、眼鏡をかけずに観ました
さらには、それっぽいモノが出てきそうなときとか、「キャー」という絶叫が聞こえたときとか、
「んぎょ」「ぶぼー」とかいう嫌な音が聞こえたときにはその前から目をつぶっていたため、
観たくないシーンはすべて直視していません(笑)。
 
島を呪うイマジョを演じるのは祷キララ
村八分に遭っている老人・シゲさん役に笹野高史。こんな暗い笹野さんを見ることありましたっけ。
イマジョに取り憑かれていたとされる幼きシゲの母親役、和田光沙のイメージが鮮烈。
島民がシゲを忌み嫌うなか、ただひとり彼に懐いている少女リン役の當真あみが可愛い。
 
ホラー苦手な私にはホラーとしての出来は全然わかりませんが、じゅうぶん怖かった。
途中で怖すぎて笑っている私がいたほど。こんなん直視したら風呂に入れん。
ネットで「ホラーを観るのは初めてだけど大丈夫でした」みたいな口コミを見かけましたが、
これってサクラじゃないの!? ホントにホラー苦手でも大丈夫でしたか!?(^^;
 
あっちの門とこっちの門を閉じたら終了のはずが、どうして最後にまたそんな不気味なことが。
エンドロールの途中で帰ればよかったよ。「あはれあはれ~」って歌、やめて~。ワロた。(T_T)

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『探偵マーロウ』

『探偵マーロウ』(原題:Marlowe)
監督:ニール・ジョーダン
出演:リーアム・ニーソン,ダイアン・クルーガー,ジェシカ・ラング,アドウェール・アキノエ=アグバエ,
   コルム・ミーニイ,フランソワ・アルノー,ダニー・ヒューストン,アラン・カミング他
 
月曜日に西宮まで行くなんて、と思うものの、実は週初めのほうが元気です。
月、火と仕事帰りにはりきって映画を観に行ったら、週半ばには疲れ果てて直帰するという感じで。
 
一昨日、なんだかんだで職場を出るのが19時半近くなり、まっすぐ帰ればいいものを、
月曜日だ、まだ元気だ!とTOHOシネマズ西宮へ。
 
アイルランド/スペイン/フランス作品。
リーアム・ニーソンの出演100本目となる記念作でメガホンを取るのは、ニール・ジョーダン監督。
ロバート・デ・ニーロショーン・ペンが共演した『俺たちは天使じゃない』(1989)や
やはりニーソンを主演に起用した『マイケル・コリンズ』(1996)の監督です。御年73歳。
 
本作でニーソンが演じるのは、レイモンド・チャンドラーが生み出した私立探偵フィリップ・マーロウ。
原作は、チャンドラーの『ロング・グッドバイ』の続編として公認されている、
ジョン・バンヴィルがベンジャミン・ブラック名義で発表した『黒い瞳のブロンド』とのこと。
公認続編なんてあったんだと今さら知りました。
 
私立探偵フィリップ・マーロウの事務所に現れた美女クレア・キャヴェンディッシュ。
彼女の依頼は、突然姿を消した愛人ニコ・ピーターソンを探してほしいというもの。
 
かつて検事局に勤めていたマーロウがツテを頼って調べてみると、
映画業界に身を置いていたニコは、セレブが集うクラブの前で車に轢き殺されたらしい。
未逮捕の犯人はきっとクラブの客だから、金で揉み消せるほどの人物に違いない。
 
ニコがすでに死んでいることをクレアが知らないはずもなく、マーロウが尋ねると、
遺体の顔は見事に潰されていたから、あれはきっとニコの身代わりで、本人はまだ生きているはずだと。
しかもクレアはつい最近ニコを街で見かけたと言い……。
 
調べれば調べるほど、腐った真相が浮かび上がってきて、ドロドロになります。
少し退屈なぐらいの進行なのですが、キャストはみんな魅力的。
 
クレア役にはいくつになろうが美しいダイアン・クルーガー。本作の彼女はちょっと鼻につく嫌らしさ。
クレアの母で有名女優のドロシー・クインキャノン役にはジェシカ・ラング
汚職も絡むのかと思いきや、意外にも正義感あふれるベテラン刑事にコルム・ミーニイ
クラブのトップでいちばんのワルにダニー・ヒューストン。死ね!と思ったら死んだ(笑)。
彼と敵対するもうひとりのワルにアラン・カミング。久しぶりに見た気がして嬉しい。
 
最近のリーアム・ニーソンの出演作は、アクションにキレがなくなったことを言い訳するかのように、
孫と一緒に居たい爺の役だったり、認知症の兆候が出始めている殺し屋の役だったり、設定にずいぶん無理がありました。
でもこうして、アクションはごく控えめの本作を観ると、キレがなくても暴れ回るリーソンのほうが楽しい。
となると、結局ワンパターンな役を彼に望んでいるのは私のほうなのでしょうかね。(^^;

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2回目の『BLUE GIANT』は【拍手歓迎上映】。

1回目の『BLUE GIANT』を観たのは2月末でした。
すごく良かったのでもう1度ぐらいは観たいな~と思いつつ時が経ちました。
 
六甲で晩ごはんを食べる日、シネ・リーブル神戸で1本目2本目を観て、
あと1本観ればちょうど良い頃合いで、どれにするか迷う。
封切りになったばかりの作品のうちのどれかを観たかったけど、時間が合わず。
だったらこれにしておこうかなということで、2回目の『BLUE GIANT』。
【拍手歓迎上映】とあります。はたして盛り上がるのでしょうか。
 
最初に観てから5カ月近くが経つと、演奏の感動は新たに味わえます。
1回目に観たイオンシネマ茨木よりも音響設備が良いのか、
それとも劇場が小さいから音が響くように感じるのか、めちゃめちゃイイ。
 
終盤、交通事故に遭って右手がぐちゃぐちゃになる雪祈のことを「重体」とアナウンスされるのは
今回も気になりました。重体ならさすがにこの場に来るのは無理だよねぇ、重症だよねぇって。(^^;
 
大と俊二ふたりきりの演奏、「重体」の雪祈がやってきてからの演奏、
どちらもすごく良かったけれど、画面内の聴衆みんなこんなに泣いていましたっけ。
みんながあまりに泣きすぎるから、アマノジャクの私は泣けなかった(笑)。
この辺りは初見のときのほうが素直に演奏にのめり込めますね。
 
で、肝心の拍手なんですけど、誰も拍手せぇへんやん。私だけやったがな。
しかも映像の中の拍手の音がデカすぎて、私がいくら拍手しようともかき消されてしまう。
上映が完全に終わってからも拍手する人はいなくて、ちょっと、だいぶ、がっかりでした。
『RRR』のときにはほぼルーティン化していた拍手を思い出すなぁ。
 
たぶん拍手したいお客さんはいっぱい。だけどそれに慣れていないからなんとなく恥ずかしい。
そういうことだと思いたい。

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『青いカフタンの仕立て屋』

『青いカフタンの仕立て屋』(原題:Le Bleu du Caftan)
監督:マリヤム・トゥザニ
出演:ルブナ・アザバル,サレ・バクリ,アイユーブ・ミシウィ他
 
六甲で晩ごはんの前にシネ・リーブル神戸で3本ハシゴの2本目。
 
フランス/モロッコ/ベルギー/デンマーク作品。
 
マリヤム・トゥザニ監督によるこれが長編2本目。
長編デビュー作の『モロッコ、彼女たちの朝』(2019)は昨年DVDで観ましたが、
パン屋という舞台にも惹かれ、心に残る作品でした。
トゥザニ監督は美人女優でありながら脚本も自分で執筆。天は二物を与える。
 
モロッコの古都サレの旧市街で仕立て屋を営む中年夫婦。
職人気質のハリムと主に接客を担当するミナは結婚して25年、子どもはいない。
 
手縫いにこだわり、決してミシンを使おうとしないハリムの腕は確かだが、
注文を捌ききれずに客が逃げてしまいそうになることもしばしば。
助手を務める者が必要だと考え、若手職人ユーセフを雇うことに。
 
真面目で筋も良いユーセフは期待以上の働きを見せ、仕事も上手く回り出す。
しかし、ハリムとユーセフの間に師弟関係を超えた感情があるのをミナは察知し……。
 
説明は多すぎることなく、だからといって難しい作品でもありません。
 
寡黙なハリムが公衆浴場に通う様子から、彼はゲイであることがわかります。
彼だけが特別なわけではなくて、公衆浴場はいわゆる「ハッテン場」として利用されているらしい。
妻にそれを話すことはできないけれど、ミナはおそらくずっと前から気づいています。
 
ミナは同性から見て素晴らしい女性とは言い難い。
生地がなくなった折にはユーセフを疑って責め、それが自分のミスだとわかったときには隠す。
ずいぶん気も強くて難儀な部分があるのに、ミナといるときのハリムが意外にも幸せそうで不思議。
その理由がわかったときには胸にジーンと来ました。
 
恋とは別の愛情がこの夫婦の間にはある。
癌を患うミナの余命がわずかとなったときには、ハリムは献身的に介護し、
ミナもユーセフにならハリムを託したいと思っていることが感じられます。
 
ユーセフ役のアイユーブ・ミシウィがまたイケメンで、
そりゃ夫の前にこんなイケメンの若くて善人の男が出てきたら、妻は心配でたまらんだろうと思う。
でも張り合ったって仕方がない。妻は恋の相手にはなれないわけですから。
3人で踊る姿がとてもよかった。
 
じんわりと、良作。
カフタンを仕立てる一刺し一刺しからも目が離せません。

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『テノール! 人生はハーモニー』

『テノール!人生はハーモニー』(原題:Tenor)
監督:クロード・ジディ・ジュニオール
出演:ミシェル・ラロック,MB14,ロベルト・アラーニャ,ギヨーム・デュエム,ステファーヌ・ドゥバク,
   マエヴァ・エル・アルーシ,サミール・デカッツァ,マリー・オペール,ルイ・ドゥ・ラヴィニエール他
 
昨日の晩ごはんは六甲で。せっかくなのでその前にシネ・リーブル神戸で映画を3本。
そうでもしないと、神戸まで映画を観に行く機会というのか気力は今はないから。
前回この劇場へ出向いたのは去年の11月だったようです。
そうだ、そのときも後に神戸で食事する予定があったんだわ。
 
これは絶対観たかった作品です。
梅田かなんばか迷っているうちに終映になりそうで、今回神戸で観られて本当によかった。
 
ラップ好きの青年アントワーヌは、賭けボクシングで稼ぐ兄ディディエとふたり暮らし。
学のないディディエは、自分とは違って賢いアントワーヌをなんとか学ばせたい。
並外れて数学に強いアントワーヌには会計士になってほしくて、賭けに勝った金で学費を工面している。
 
会計士の資格を取るべく学校に通うかたわら、アントワーヌはデリバリーの寿司屋でバイト。
ある日、オペラ座からの注文を受けて配達に行ったところ、レッスン生の歌声が。
しばらくそれに聴き惚れていると、居合わせた別のレッスン生から酷い侮辱の言葉を投げつけられる。
あまりにムカついたアントワーヌは、ラップで対抗した後にオペラの真似事をして立ち去る。
 
アントワーヌの歌声を聴いてただならぬ才能を感じた教師マリーはすぐさま追いかけるが、
腹を立てているアントワーヌは話を聞こうともしない。
するとマリーは彼のバイト先の寿司屋を訪ねて店長に掛け合い、
自宅までアントワーヌに寿司を配達させる手段に出る。
 
マリーから押しつけられた『蝶々夫人』のCDを聴いたアントワーヌは、
自分もオペラを歌ってみたいと思い、レッスンを受けるようになるのだが……。
 
この手の音楽の映画はたいていが予想できる展開ではありますよねぇ。
音楽を続けるには金がかかる。貧困層の若者には無理。
そんなふうに本人も周囲も考えているからそうそう手は出さない。
だけど、類稀なる才能を見出した教師はあきらめない。
『パリに見出されたピアニスト』(2018)もまんまそんな話でしたが、どれも私は惹かれます。
 
厳しいレッスンが嫌になり、自分の思うままに進められないことに挫折して逃げ出しかける。
でもやっぱり音楽が好きだから、押しつけられたわけではないと悟り、
もう一度音楽と向き合いたい自分に気づく。
 
アントワーヌ役のMB14はオーディション番組で注目されたビートボクサーなのだそうで。
彼とマリーがヴィクトル・ユーゴーの詩でラップバトルするシーンなども楽しい。
オペラ歌手のロベルト・アラーニャが本人役で出演しているのも見もの。
 
月並みなストーリーであったとしても、このラストは最高。
やっぱり外せない、音楽の映画。

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