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『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺダンシングPARTY』

『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺダンシングPARTY』
監督:清水貴栄
声の出演:岩本彩楓,川田一輝,矢内雄一郎,松丸友紀,玉木宏,二宮和也他
 
私はどうしてこんなものまで観に行っているのでしょう(笑)。
キノシネマ神戸国際にて前述の『タイヨウのウタ』鑑賞後、夕刻のジャズ懐石までまだ時間があって。
ほかの劇場にもちょうど良い時間帯の作品がなくて、このままキノシネマで本作を観ることに。
 
『シナぷしゅ』って、タイトルを聞いてもなんのこっちゃさっぱりわかりません。
『THE MOVIE』と付くからにはTV版があるのだろうと調べてみたら、
テレビ東京系列で2019年12月16日から数日間に渡ってパイロット版が放送されたのち、
翌春からレギュラー放送をしている乳幼児向けの番組なのだそうです。
乳幼児、つまり0歳児から2歳児が対象の番組です。そんなもんまで観に行くか。(^O^;
 
でも、乳幼児を対象とする番組というのは異例だそうで。
乳幼児はビデオリサーチの対象にならんから、番組をつくったところで視聴率を稼げるかどうかもわからんということなのでしょうね。
そんな試みの番組の劇場版なら、観る価値ありそうじゃあないか。
 
何もかもよくわかりません。(^^;
「ぷしゅぷしゅ」と「にゅう」が出かけている途中、ぷしゅぷしゅのほっぺが片方飛んで行きます。
ほっぺ片方って、字で見ると何!?っちゅう感じですよね。
ほっぺを絵で描くとき、丸だったり二重丸だったりを描くじゃないですか。
そのほっぺの丸の向かって右側がどこかへ飛んで行っちゃう。
で、ぷしゅぷしゅとにゅうは一緒にほっぺを探しに行くお話のようです。
 
面白いのは、にゅうの声を玉木宏が担当していること。
これは聞けばすぐにわかります。ただし、台詞はほぼ「にゅうにゅう」だけだからワラける。
あと、DJみたいな「ぱるてぃ」の声は二宮和也。わかりませんでした。
 
上映が始まっても場内は暗くなりません。
若いパパとママが一緒に赤ちゃんを連れてきているというのがほとんどで、
赤ちゃんが泣けば親のどちらかが外に連れ出す様子も見受けられましたが、
こういう映画ですから、場内で泣いていたって全然気になりません。
意外とみんなおとなしかったりもして、好きなキャラクターが出てくると叫んだりする姿も微笑ましい。
 
映画館デビューを記念するという意味もあるらしい上映会です。
上映終了後もスクリーンにはしばらく「映画館デビューおめでとう」という文字が映し出されて撮影も自由。
 
ひとりで観に来ている私は明らかに異質。何この人と思われていたかも。(^^;

—–

『タイヨウのウタ』

『タイヨウのウタ』(英題:Midnight Sun)
監督:チョ・ヨンジュン
出演:チョン・ジソ,チャ・ハギョン,チン・ギョン,チョン・ウンイン,クォン・ハンソル他
 
ジャズライブと懐石の会に行く前にキノシネマ神戸国際にて2本ハシゴの1本目。
 
『タイヨウのうた』(2006)はアニタ・ユン主演の香港作品『つきせぬ想い』(1993)が原案。
沢尻エリカ山田孝之の主演でまずはTVドラマ化したものを、小泉徳宏監督がYUIと塚本高史を起用して映画化した作品でした。
のちにベトナムでリメイクされ、『ミッドナイト・サン タイヨウのうた』 (2017)としてハリウッドリメイク。
この手の話は世界各国どこでも好まれるのか、このたびは韓国でリメイク。日本公開が世界最速なのだそうです。
 
主演は『パラサイト 半地下の家族』(2019)でパク家(金持ち側)の長女を演じてブレイクしたチョン・ジソと、
K-POP男性アイドルグループ“VIXX”でリーダーを務めるチャ・ハギョン。ちょっとだけヒョンビン似。
 
17歳の少女ミソル(チョン・ジソ)は、太陽の光を浴びると命に危険が及ぶ難病XP(Xeroderma Pigmentosum=色素性乾皮症)患者。
そのため、日中に外出することは許されず、遮光カーテンを下ろした部屋の中で暮らしているが、
父親(チョン・ウンイン)と母親(チン・ギョン)から惜しみない愛情を注がれ、親友のウンエ(クォン・ハンソル)は毎日のように遊びに来る。
そんなミソルが好きなのは歌うこと。誰に聴かせるあてもない自作の曲を毎日ギターで弾き語り。
 
そして、ミソルのひそかな楽しみは、フルーツ売りの青年ミンジュン(チャ・ハギョン)を窓から眺めること。
ミンジュンがやってくるのは昼間だから、フルーツを買いに行くこともできなければ話しかけることもできない。
しかしある日、日が暮れてからやってきたのを見つけ、靴も履かずに慌てて家から飛び出して追いかける。
 
昼間は勤めに出ているのでフルーツを買えないと嘘をついてこぼすミソルに、連絡をもらえれば夜に配達に来ると答えるミンジュン。
ウンエのアドバイスにより、配達に来てくれたミンジュンが歌を聴かざるをえない状況を作ると、
なんとミンジュンはミソルの歌を絶賛、SNSで配信すべきだと言う。
 
かつて自作の曲を配信した経験があるが、XPであることを明かすや否や、悲劇のヒロイン気取りだと叩かれた。
自身のプロフィールや病気については隠したままにしたいと思うミソル。
顔出しはせずに配信することにして、ミンジュンやウンエ、両親協力のもと動画を公開すると……。
 
典型的なお涙頂戴ものではあるのですが、泣きますよねぇ、やっぱり。
何よりも曲がいいんです。聴き入っていると泣きそうな歌詞だし、歌声がとても切なくて美しい。
 
ここ数年、主人公その他の母親役でよく見かけるチン・ギョンが気になります。
誰かに似ているとずっと思っていましたが、ようやくわかりました。高島礼子だ。
 
難病の子どもを抱えたら、経済的なことを含めて何かと大変だろうと思うのです。
オリジナルもリメイクも、裕福な家庭に生まれたというのは変わらぬ設定で、家そのものが美しい。
特にこの韓国リメイク版は、広々とした部屋を囲む窓から日が差す様子が美しくて、
太陽に当たると危険と言っても真っ暗闇での生活を強いられそうな昔の作品とは違い、
こんな部屋で暮らせるならいいよなぁと思ってしまいそうなほど。
実際にこの病の患者はどんなふうに暮らしているのでしょうか。
 
お涙頂戴だなんて書きましたが、映画が難病を知るきっかけになるのは良いこと。
だからこうして国を問わずリメイクされるのかもしれません。

—–

『ミゼリコルディア』

『ミゼリコルディア』(原題:Miséricorde)
監督:アラン・ギロディ
出演:フェリックス・キシル,カトリーヌ・フロ,ジャン=バティスト・デュラン,ジャック・ドゥヴレ,
   ダヴィド・アヤラ,タチアナ・スピヴァコヴァ,セバスチャン・ファグラン,サロメ・ペロス他
 
アラン・ギロディ特集を開催中だった第七藝術劇場へ、最後の1本となった本作を観に行く。
『湖の見知らぬ男』(2013)、『ノーバディーズ・ヒーロー』(2022)、そして2024年の本作と、発表年順で観ることができました。
 
パン職人のジェレミーは、かつて勤めていたパン屋の主人の訃報を夫人マルティーヌから受ける。
当時、主人に恋い焦がれながらもその想いを打ち明けることはできなかったジェレミー。
今はトゥールーズで暮らす彼は、車で数時間の道のりをかけて弔問にやってくる。
マルティーヌは歓迎し、ジェレミーにパン屋を継がないかと言い出したものだから少々困惑。
 
酒も入って1泊だけのはずが、そのままマルティーヌ宅に居座り続けるジェレミー。
マルティーヌの息子ヴァンサンはそんなジェレミーが自分の母親を狙っているにちがいないと考え、
ことあるごとにジェレミーに突っかかり、追い出そうとする。
 
パン屋時代の同僚ワルターに会いに行ったジェレミーは、ワルターを怒らせて叩き出された帰り、
追いかけてきたヴァンサンと森の中で揉み合いになる。
殺されかねない勢いに反撃した結果、ヴァンサンは死亡。死体を土の中に埋めるジェレミー。
 
帰宅しないヴァンサンのことを心配する家族が心当たりを探すも見つからない。
やがて警察が動き出し、マルティーヌの家に集まったワルターやジェレミーも聴取される。
 
内心不安で仕方ないジェレミーが教会に行くと、神父フィリップが告解したいと言い出し……。
 
“miséricorde”を調べたら、3つほどの意味があるようです。
「慈悲」「教会の聖職者席の腰支え」「大変だ」。どれも当てはまる絶妙のタイトル。
 
変な村なんですよ。
そういえば、ギロディ監督の『湖の見知らぬ男』はリゾートビーチ、『ノーバディーズ・ヒーロー』は街、
本作は山に囲まれた田舎の村と、全部違う。特に本作の村はとても美しい。
木洩れ陽の差し方を見ていると、変な村だということを忘れそう(笑)。
 
はっきりとは描かれないけれど、みんな人に言えない秘密を持っている様子。
ジェレミーがゲイなのは明らかですが、ワルターのこともゲイだと思って迫ったら逆鱗に触れる。
ヴァンサンには妻子がいるものの、どうやら昔はジェレミーと何かあったらしいし、
マルティーヌはジェレミーのことがお気に入りで、彼が自分の夫に気があったことも察しています。
そしてまた神父はジェレミーに片想いしていて、ジェレミーが殺人を犯したことを知っている。
ジェレミーのことをなんとか助けようと、警察の目を欺くために考える場面が凄い。
 
森の中はキノコの宝庫らしくて、セップ茸がわんさか採れる。
時期外れのモリーユ茸も生えてきたその場所の下にこそヴァンサンの遺体が眠っていて、
キノコ採りを装ってジェレミーがうろうろするのは怪しすぎ。
 
笑ったのは、話を聴きに来た刑事がマルティーヌから勧められて酒を飲んでいるところ。
おかわりも断らない。で、パトカーで平然と帰って行く。これが普通なんですか。
パスティスを飲みたくなりました。
 
やっぱりこれも人に薦める気持ちにはなれない作品なのですが、なんだかクセになるギロディ監督。

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『ノーバディーズ・ヒーロー』

『ノーバディーズ・ヒーロー』(原題:Viens je t’emmene)
監督:アラン・ギロディ
出演:ジャン=シャルル・クリシェ,ノエミ・ルヴォフスキー,イリエス・カドリ,ミシェル・マジエロ、ドリア・ティリエ他
 
本邦初公開というアラン・ギロディ監督作品をとりあえず3本とも観ようかと思い、
『湖の見知らぬ男』を観た数日後に再び第七藝術劇場へと向かいました。
 
ハッテン場を舞台にした『湖の見知らぬ男』に度肝を抜かれ、
きっとこの監督の作品はこういうの(どういうの!?)ばかりなんだわと覚悟していたら、これはそんなの(どんなの!?)じゃなかった。
ただ、やっぱりギロディ監督は変態なんじゃないかと思う(笑)。
 
独身男性のメデリックは日課のランニング中、路上に立つ売春婦のイザドラに一目惚れして声をかける。
「君と寝たいけれど売春には反対だから、タダでヤラせてほしい」。
一旦はそこから立ち去ったイザドラから後ほど連絡があり、メデリックはいそいそとホテルに向かう。
 
ところが、いざ挿入というときにイザドラの喘ぎ声がピタリと止まる。
ホテル近くの広場で爆破テロが発生したというニュースがテレビで流れたから。
早く続きをしたいメデリックに対し、イザドラはそれどころではないと言う。
イザドラを押しとどめようとしているうちに彼女の夫が迎えにきて、そのまま帰ってしまう。
 
仕方なく帰ると、アパートの前にいたアラブ系のホームレスの青年セリムから金を無心される。
ケバブが買える程度の金を渡して追い返すが、雨の中にいるセリムが気の毒になり、アパートへ招き入れる。
 
アパートの住人たちはセリムの処遇について討議。
ここに置いてやるべきだと言う者、いやいや、危険だから追い出すべきと言う者。
 
そんなことよりもとにかくイザドラとヤリたいメデリックは、なんとか連絡を取ってベッドへと誘うが、
いつも今からというときに邪魔が入って……。
 
すごくヘンテコな作品です。
そもそもメデリック役のジャン=シャルル・クリシェの見た目が私の苦手なタイプなので、正直なところ気持ち悪さしかありません。
イザドラ役のノエミ・ルヴォフスキーにしたって、若い美人どころかバスケットボール級の巨乳のアラ還なんですもの。
このふたりの絡みなんて見たくないし、ドン引きやっちゅうの。
 
でもストーリーは確かに面白い。
売春は良くないからカネ払わんとヤラせろってどういう理屈やねん。
それにイザドラの夫は嫉妬深いというけれど、妻が売春を続けていることはなんとも思っていません。
客を取って帰るのが遅くなるのは許せなくて迎えに来るのもどういう心境なのかしらん。
 
聖戦士って童貞じゃないと駄目なんですね。
だからおそらく童貞のセリムが童貞を喪失したら自爆テロなんて考えなくて済むとか、もう無茶苦茶。
ギロディ監督らしくゲイの話ももちろん出てきて、ありとあらゆる社会問題が込められています。
 
誰にも薦めません。でも同監督の作品が上映されれば、私はまた観に行くことでしょう。

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『赤い糸 輪廻のひみつ』(付:2回目の『劇場版 モノノ怪 第二章 火鼠』)

『赤い糸 輪廻のひみつ』(原題:月老)
監督:ギデンズ・コー
出演:クー・チェンドン,ヴィヴィアン・ソン,ワン・ジン,マー・ジーシアン他
 
仕事帰りに塚口サンサン劇場へ。本命は台湾の本作だったのですが、その前にもう1本観られそう。
といっても上映スケジュールが合うのはすでに観た『劇場版 モノノ怪 第二章 火鼠』のみ。
まぁ、めっちゃ面白かったし、眠くなりゃ寝てもいいしねと思ったけれど、まったく睡魔に襲われず。
それどころか最後の「自分を許せない」とわかるシーンではやっぱり涙目になったのでした。
 
さて、そのあと数分後に上映開始の本作は、『あの頃、君を追いかけた』(2011)のギデンズ・コーが監督。
同作は日本でリメイクされ、主演は今ほどはまだ売れていない山田裕貴でしたね。
 
本作は2022年に台湾で公開され、当時、台湾映画興行収入トップだった『呪詛』を超える大ヒットを飛ばす。
そんな作品を上映してくれてありがとう、塚口サンサン劇場さん。
 
近所のオッサンたちとバスケを楽しむ青年シャオルン(クー・チェンドン)。
突然の雨に大木の下で雨宿りをしていたところ、雷に見舞われて命を落としてしまう。
 
冥界にやってきたシャオルンは、“月老(ユエラオ)”となって善行を積むために修行を始める。
月老とは台湾で親しまれている縁結びの神様。
現世でこれはと思われる相手同士を赤い糸で結ぶことによって幸せを呼び込むのだ。
 
月老となるには相棒が必要。2人1組となって試験に合格し、月老を目指す。
シャオルンは同時期に冥界にやってきた生意気な女性ピンキー(ワン・ジン)と渋々コンビを組むも、なんとか月老となって現世へ。
 
ピンキーは生きていた頃の記憶をちゃんと持っているが、落雷のせいで記憶が飛んだシャオルンは何も覚えていない。
冥界入りした際にいくつか示された資料を見て、自分の通っていた高校はわかるからその辺りをうろついてみる。
すると、シャオルンとピンキーの姿は誰にも見えないはずなのに、1匹の犬が走り寄ってくるではないか。
 
その犬“アールー”を探しにきた女性シャオミー(ヴィヴィアン・ソン)を見た瞬間にシャオルンの記憶が蘇る。
小学校のときに転校してきたシャオミーにシャオルンは一目惚れし、すぐさまプロポーズ。
シャオミーは決して「いいよ」と言ってくれなかったが、シャオルンの想いは変わらず。
そして10年以上が経ってようやく恋人同士になったというのに、シャオルンが死んでしまったのだ。
 
ずっと一緒にいてくれたシャオルンを失い、うつろな毎日を送るシャオミー。
自分の姿が見えずとも彼女に寄り添っていたいシャオルンは、一方的にシャオミーに話しかけるのだが……。
 
結論から言うと『僕と幽霊が家族になった件』(2022)のほうが断然好きでした。
でも台湾のファンタジー作品って良いですよね。
前日に『ガラ』を観てゲンナリしたばかりだったから、なおさらのことそう思います。
 
冥界の仕組みが面白い。
生きている間にどれぐらい善人であったかによって、何に転生できるかが決まる。
ゴキブリだったりカタツムリだったり、上位がブタというのはどういう理由なのかわからんけど。
 
閻魔大王から牛頭に任命されたグイトウチェン(マー・ジーシアン)は、500年間その役目を果たしてきたのに、浄土にたどり着けません。
現世で自分を貶めた相手のことが忘れられずに憎み続けているのに、当の相手は何度も転生してグイトウチェンへの仕打ちなんて忘れている。
もうどうなってもいいと決めたグイトウチェンは現世へと逃亡し、誰かに乗り移りながら殺人を繰り返します。
憎む相手のひとりがシャオミーの前世だったから、シャオミーもターゲットになってしまう。
 
殺されかけているシャオミーをなんとか助けたいシャオルンは、グイトウチェンと相対するうち、ふと自分の前世を思い出します。
このシーンはめちゃめちゃ良くて、涙ポロリ。
 
日々に感謝して生きることを忘れずにいようと思える作品です。

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