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『僕らの千年と君が死ぬまでの30日間』

『僕らの千年と君が死ぬまでの30日間』
監督:菊地健雄
出演:辰巳雄大,浜中文一,小西桜子,筒井真理子,足立智充他
 
寄席に行く前になんばパークスシネマにて2本ハシゴの2本目。
 
ノーマークでした。時間がちょうどよかったから選んだだけ。
出演者の中に筒井真理子の名前を見つけなければ、
某宗教団体の作品と思ってしまうような匂いを感じて避けたと思います。
観てみたら意外と面白かったのですが、なんとなく宗教臭が。なんで?
 
その筒井真理子と小西桜子はわかるけど、ダブル主演のふたりのことは知りません。
辰巳雄大は“ふぉ~ゆ~”というアイドルグループのメンバーで、
浜中文一は舞台やドラマで俳優として活躍している人なのだそうな。
これは舞台×漫画×映画で物語が展開するプロジェクトの映画版で、舞台版は平安時代
漫画版は平安時代から大正時代、映画版は物語の終局となる現代を描いているとのこと。
 
平安時代、草介(辰巳雄大)と光蔭(浜中文一)は人魚の子孫とわ(小西桜子)と日々楽しく過ごしていたが、
あるとき、ふたりが瀕死の状態に陥り、とわは自らの命を彼らに差し出す。
その結果、とわは死に、草介と光蔭は不老不死の身体となる。
 
平安時代から約千年の時を経た今、長い眠りから覚めた草介は、すべての記憶を失っていた
光蔭は草介の世話をしつつ、草介が自分たちの秘密に気づくことを恐れている。
というのも、とわが輪廻転生を繰り返して100年に1度30日間だけ別人となってこの世に現れるから。
とわを死なせてしまったことを後悔する草介が、もしその30日の間に記憶を取り戻せば、
とわに命を返すと言い出しかねないのだ。草介のいない孤独に光蔭は耐えられない。
 
そして恐れていたとおり、とわと草介が再会してしまう。

草介が自分の夢を書き起こして劇団に持ち込んだところ、草介の脚本と主演で舞台が決まり、

そのオーディションにやってきた舞(小西桜子の一人二役)こそがとわの化身で……。
 
筒井真理子の役どころは草介のカウンセラー。
カウンセラーとして生きているけれど、草介と光蔭を見守り続けてきた神のような存在。
すべてわかったうえで草介に真実を明かすべきかどうか迷っています。
彼女も不老不死だと思っていたら、あ、そう、首を絞められたら死ぬのね。(^^;
 
手をかざして怪我を治すシーンなどに宗教臭を感じてしまうのかもしれません。
死なないという以外には空を飛べるとか姿を消せるとかいうわけでもなし、
どうやってお金を稼いでいるのかしらと思わなくもない。
患者の秘密を金で売る医者と看護師もどうかと思い、いろいろとわずかな違和感。
たまにホラーばりのシーンも出てくるんですもの、そこは目を伏せました。
 
いちばんビビったのは足立智充演じるストーカー
粘着度が高くて本気で怖かった。
彼がいったい何をしたかったのかも謎なんですけど。
 
これホントに宗教団体の映画じゃないのかしらとずっと疑いつつ観ていたせいで、
エンドロールにたどり着くまで安心できませんでした。
そうじゃなかったのでごめんなさい。これからは観る前にちゃんと調べて安心します。

—–

『愛にイナズマ』

『愛にイナズマ』
監督:石井裕也
出演:松岡茉優,窪田正孝,池松壮亮,若葉竜也,仲野太賀,趣里,高良健吾,MEGUMI,
   三浦貴大,芹澤興人,笠原秀幸,北村有起哉,中野英雄,益岡徹,佐藤浩市他
声の出演:鶴見辰吾
 
日本シリーズ第2戦の日、出かけている場合じゃないよと思うけど、
寄席のチケットを予約しているし、どうせ京セラドームのチケットは取れなかったし、
なんとなく負けそうな気もするから、予定どおり落語を聴きに行くことに。
このところ毎月定例化している、落語の前に映画
なんばパークスシネマにて2本、その1本目。
 
石井裕也監督のことは『川の底からこんにちは』(2009)以来大好きです。
確かそれで私は満島ひかりのことも知りました。
映画がご縁で結婚したふたりは5年後に別れちゃいましたけど。
ほんで!? 石井監督ってば、またしても女優と再婚してはるやん。一回りも下の。
今から5年前に再婚した奥さんは相楽樹だそうです。
 
私生活はさておき、石井監督のオリジナル脚本による本作、やっぱり好きでした。
 
毎日どんなときもカメラを携えて歩く26歳の折村花子(松岡茉優)。
自らのへっぽこ家族を描いた脚本がプロデューサー・原(MEGUMI)の目にとまり、
ようやく念願の映画監督デビューの日が近づいてきた。
 
新人監督の花子に助監督として帯同することになったのはベテランの荒川(三浦貴大)。
荒川は花子のやり方にいちいち文句を付け、原もそれに同意。
思うように事を進められず、金も入らないから家賃を滞納して困る花子。
 
そんな折、バーで出会ったのが、食肉流通工場に勤める舘正夫(窪田正孝)。
偶然にも花子が監督する映画のオーディションを受けたのが正夫と同居する落合(仲野太賀)で、
正夫はもともと花子の名前を知っていたことから意気投合。
まったく空気の読めない正夫だが、花子にとっては逆にそれが落ち着く。
 
やがて原と荒川によって花子は監督を降ろされ、落合も仕事を失って首を吊る。
企画だけを奪われたうえにギャラもまったく貰えなかった花子は激しい怒りに駆られ、
正夫を連れて10年以上連絡を取っていなかった父親・治(佐藤浩市)のもとへと向かう。
 
実は治は末期の胃癌に冒されており、子どもたちにそれを知らせようとしていたところ。
長男・誠一(池松壮亮)、次男・雄二(若葉竜也)が一堂に会し、
花子は正夫の協力のもと、家族を被写体にカメラを回しはじめるのだが……。
 
幼い頃に出て行った母親について、真実を何も知らされていなかった子どもたち。
母が去った後、自宅で暴れるようになった父のことも本当は何も知らなかった。
父親の余命わずかになってからようやくわかったこと。
 
こんな感じだとお涙頂戴になりがちですが、全然そんなことはない。
ふきだしたシーンがいくつもあって、さすが石井監督だと思う。
 
特筆すべきは正夫役の窪田正孝。親友の落合以外とはろくにしゃべれない。
人と目を合わせることができず、おどおどしているふうなのに、信念は強い。
こんな役の彼は初めて見ました。
彼が治を抱きしめるシーンは『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)を思い出す。
 
池松壮亮、若葉竜也もすごくイイ。
池松くんはこの間観たばかりの『白鍵と黒鍵の間に』よりずっと良いから。
カッコいいぞ、長男!
バーのマスター役の芹澤興人にも笑わされたなぁ。いつもいい俳優さん。
 
「全然そんなことはない」と書いたけど、ちゃんと泣きました。
笑った、泣いた、切なかった。大好き。がんばれ。

—–

『ドミノ』

『ドミノ』(原題:Hypnotic)
監督:ロバート・ロドリゲス
出演:ベン・アフレック,アリシー・ブラガ,J・D・パルド,ハラ・フィンリー,ダイオ・オケニイ,
   ジェフ・フェイヒー,ジャッキー・アール・ヘイリー,ウィリアム・フィクトナー他
 
映画の「観だめ」をしておかなければなりません。
ロバート・ロドリゲス監督の新作を公開初日だった先週金曜日のレイトショーにて。
仕事→実家→109シネマズ大阪エキスポシティに寄りました。
長尺作品も多いなか、20時半から上映開始でほぼ22時に終わる作品はありがたい。
 
刑事のダニーは、愛娘のミニーと訪れていた公園で、わずか数秒目を離した隙にミニーがいなくなる。
同じ公園内にいた青年が逮捕されるが、なぜか彼の頭からは記憶がすっぽり抜けており、
ミニーがどこへ連れ去られたのか、生死もわからないままで解決に至らず。
 
時が経ち、カウンセリングを受けながら復職することになったダニーは、
銀行強盗予告の匿名通報を受け、同僚のニックスと共に現場に急行する。
 
捜査車両から現場の様子を伺っていると、どこか見覚えのある男が不審な行動を取って銀行へ。
後を追うと、謎の男が言葉をかけた警備員も銀行員も警察官までも態度がおかしい。
全員謎の男のグルなのか、ダニーに銃を向けるありさま。
 
男を取り逃がしたもののニックスが調べた結果、匿名通報の主が占い師のダイアナだと判明。
ダイアナに話を聴きに行くと、男は催眠術の能力を持つレヴ・デルレインだという。
目を見つめて声をかけた相手すべてを意のままに動かすことができる。
ダイアナ自身も同じ能力を持っているが、レヴのその能力は極めて高くて誰も止められない。
ところが、ダニーにはなぜかそれを遮断する力が備わっているらしい。
 
娘の失踪にレヴが関わっていると考えたダニーは、
ミニーの行方を突き止めるべく、ダイアナと協力してレヴに接近するのだが……。
 
最初から騙されるみたいな触れ込みに、どうせ私が考えてもわからんし、
騙されてやろうじゃありませんかと鑑賞に臨みましたけれど、あんまり騙された感はないなぁ。
だってこんな催眠術師は何でもできそうじゃないですか。
相手が見るものすべてを操作して、違うものを見せることができるわけですし、
レヴとダイアナがそうなら、ほかにそんな仲間がいても不思議はない。
 
タイトルになっているドミノが果たして何を意味するのか。
これも『ザ・クリエイター/創造者』を観た翌日だったからか、あ、そう、てな感じで。
 
普通には面白いです。
エンドロール開始後にも映像がありますから、席はお立ちになりませんように。
でもこの映像、観ないほうがハッピーエンディング。
ホラー映画みたいな最後を付け加えなくてもええのにと思ってしまいました。
 
何でもありや!

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2023年10月に読んだ本まとめ

2023年10月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1954ページ
ナイス数:495ナイス
■ルポ西成~七十八日間ドヤ街生活~
今春から毎月1回必ず動物園前に出かける機会があり、あの辺りに関心が向いています。とはいうものの、それは今に始まったことではなく、これまでもさまざまな映画を観ています。特に印象に残っているのは、本作同様に取材のために西成に移り住んだ映画監督による『解放区』でした。ノンフィクションのようなフィクションで、でもモキュメンタリーとは少し違う不思議な作品でしたが、これが西成なのだと放心した記憶があります。本作を読むとそのときのことを思い出す。今は外国人観光客でにぎわう新世界だけど、新世界国際劇場には絶対入れません。
読了日:10月01日 著者:國友 公司
■ほねがらみ (幻冬舎文庫 ろ 1-1)
先日『近畿地方のある場所について』を読んだばかりです。ホラーは苦手なのにどうしてこんな本ばかり手に取ってしまうのか(笑)。私は『近畿地方の~』のほうが怖かったですが、こちらのほうが断然好み。そもそも「はじめに」で挙げられた作家みんな好き。特に三津田信三に惹かれているとのことだから、私にとってハズレになるはずもなく。その昔、映画『シャイニング』を観て以来、確信していることがあります。視覚的に最も怖いのは同じ文字あるいは文章の羅列。そして澤村伊智の著作のタイトルにもあるような、異様な響きを持つ意味不明の言葉。
読了日:10月05日 著者:芦花公園
■ロックンロール・トーキョー (小学館文庫 き 14-2)
いつ読んでもそんなに文章が上手いと思えない。でもさっさか読めちゃうし、なんか楽しいのよねぇ、しかも不覚にも泣いてしまうこともあるし。そう思っていました。わかりやすさを狙っていたのだということ、バランスを大事にしているのだということを知り、ますます半太ファンになってしまった。実際の映画や俳優を思い浮かべながら、彼の人生そのまんまの物語を読むのは最高。『リトル・ミス・サンシャイン』など、タイトルが挙がる映画も私のツボ。ようやく自分で監督することが叶った『ロックンロール・ストリップ』、めっちゃ好きだよ半太さん。
読了日:10月10日 著者:木下 半太
■三日間の幸福 (メディアワークス文庫)
金に困って自分の寿命を売ることにした主人公。そもそも寿命はそんなに長くないことがわかって、それでも30年売れば何億円かせめて何千万円にはなるかと思っていたのに、30万円って。そりゃ凹む。余命が1年を切るころに自暴自棄になる人が多いという話に、私のが癌で余命宣告されたときのことを思い、自暴自棄どころか達観していたよと改めて思う。「阪神勝ったねとか、大谷打ったねとか、そんなことを喜びながら過ごして行けたらいい」と言っていたこと。あと3日、元気じゃないと幸せに過ごすことは難しいけれど、そんなふうに過ごせたら。
読了日:10月15日 著者:三秋 縋
■紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)
凄惨な現場に転がる指3本。そして肝心の死体はない。どういうことだよと想像力をかき立てられるなか、毎度赤堀先生に振り回される岩楯刑事の姿が気の毒ながら面白い。今回の相棒ワニさんにはいつも赤堀先生への敬意が感じられるから好き。しかしイケメンではなさそうなのは残念(笑)。新たに設けられた捜査分析支援センターの面々も個性豊か。ムカデに咬まれたことはあるけれど、やけど虫は知りません。絶対にお目にかかりたくない。赤堀先生の過去が少し見えてきて、次巻への期待が高まります。ただの虫好きじゃないんだとしみじみ思ったこの巻。
読了日:10月20日 著者:川瀬 七緒
■迷塚 警視庁異能処理班ミカヅチ (講談社タイガ)
よろず建物因縁帳藤堂比奈子けっぺーちゃんと、次々シリーズにハマってはロスに陥るというパターンを繰り返してきました。隙間をしのいだフロイトもまぁまぁだったけど、イマイチだと思った微生物研究室は1冊で飛び、同様に最初はイマイチに思えた憑依作家は今はそれなり。そして現時点で大本命となり得るのは鳴瀬清花かこのミカヅチシリーズ。掴みの女性描写は夏に震えて読みたかったほどでしたが、以降は事件そのものよりも各者の背景が綴られて、三婆ズの出会いにも驚かされました。よろず建物の小林教授の登場が嬉しすぎる。もっと絡んで。
読了日:10月28日 著者:内藤 了

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『ザ・クリエイター/創造者』

『ザ・クリエイター/創造者』(原題:The Creator)
監督:ギャレス・エドワーズ
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン,ジェンマ・チャン,渡辺謙,スタージル・シンプソン,
   マデリン・ユナ・ヴォイルズ,アリソン・ジャネイ,ラルフ・アイネソン,ヴェロニカ・グゥ他
 
私の年齢であればいつでも1,100円で観られるイオンシネマ茨木に行く機会が増えています。
駐車場も最大7時間まで無料になるからありがたい。
 
日本の“ゴジラ”シリーズの大ファンとして知られるギャレス・エドワーズ監督。
好きすぎて自ら『GODZILLA ゴジラ』(2014)を撮り、アニメ版“ゴジラ”には賞賛コメントもお寄せになる。
低予算モンスター映画で評価されてメジャー入りしたこの監督は、
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)を撮るなど、いまやすっかり一流の部類。
相当日本好きと見えて、作品中もエンドロールも凝った字体の日本語炸裂。
 
舞台は2065年。約40年後は近未来ということになるのでしょうか。
私はその頃まで生きていられないでしょうけれど。
 
AI(人工知能)と人類による戦いが勃発。
もとはAIがロサンゼルス上空で核弾頭を爆発させたことがこの争いのきっかけ。
どんどん進化していくAIを殲滅したい米国と西側諸国は宇宙ステーション“ノマド”を設立し、
AIを受け入れて共存することを選んだニューアジアを標的にした攻撃を計画する。
 
米陸軍の特殊部隊に所属するジョシュアは潜入捜査中。
高度AIの設計者“ニルマータ”が、戦争と人類を終わらせる両方の力を持つ兵器を作り上げたらしいが、
ニルマータがはたして何者でどこにいるのか、またその兵器がどこにあるのかがわからない。
それを見つけるため、人間でありながらAIに肩入れをする女性マヤに近づいて結婚したのだ。
 
とはいうものの、マヤを本当に愛していたジョシュア。
おなかにふたりの子を宿すマヤと幸せな時間を過ごしていた折、ノマドが襲来。
ジョシュアの嘘を知ったマヤは、攻撃の渦中へと自ら飛び込んでしまう。
 
心の傷が癒えないジョシュアに、謎の兵器の回収とニルマータの発見が命じられる。
マヤを見つけたい一心で任務に応じたジョシュアは、ニューアジアでその兵器を発見。
なんとそれは愛らしいことこのうえない少女だった。
 
見た目は少女だが、彼女はありとあらゆる機械を制御して操る力を持つ。
ノマドは一刻も早く彼女を抹殺しようとするが、
彼女がいればマヤにたどり着けると考えたジョシュアは、少女を連れて逃げる。
 
彼女に「アルフィー」と名付け、ふたりの逃避行が始まるのだが……。
 
アルフィー役にはこれがデビュー作となるマデリン・ユナ・ヴォイルズ。
ちっちゃいお坊さんみたいで、めちゃめちゃ可愛い。
天国ってどういうところ? 善人が行けるところ。じゃあ私もあなたも行けないね。
あなたは善人じゃないし、私は人間じゃない。この台詞が切ないです。
 
正直なところ、想像していたのはもっと壮大で目を奪われそうな作品。
そこは思っていたよりもイマイチだったように思います。
マヤに固執しすぎているジョシュアにも感情移入しにくくて、予告編で期待したほどではありませんでした。
 
でも、日本への愛が溢れたエドワード監督のこと。あんまりつれなくもできない(笑)。
私は渡辺謙があまり好きではないからそこもマイナスなのかも。
もし彼の役を真田広之が演じていたら、もっとウキウキしたでしょうね。
ちなみに彼の役どころはAI。アルフィーを人類に奪われてなるものかと奮闘します。
 
必然的に『ブレードランナー』(1982)を思い出す。
AIと人類は上手くやっていけますか。

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