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『マーベルズ』

『マーベルズ』(原題:The Marvels)
監督:ニア・ダコスタ
出演:ブリー・ラーソン,イマン・ヴェラ―ニ,テヨナ・パリス,ゾウイ・アシュトン,
   ゲイリー・ルイス,パク・ソジュン,サミュエル・L・ジャクソン他
 
109シネマズ箕面のScreenXにて鑑賞しました。
ScreenXで観るときは絶対最後方の席がいいと思っていたのに、しまった、
いつもの習慣でエグゼクティブシートを確保してしまった。(T_T)
まぁいいけど。でもScreenXで観る場合は後方席がオススメです。
 
“アベンジャーズ”最強っちゅう触れ込みなのですが、彼女が最強なんですか。
今も生き残っているということはそうなのか。
 
それにしてもアベンジャーズはよほど根強い人気なのか、
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)から4年半経つというのに、
よくもこんなに次から次へとスピンオフ作品を作れるもんだ。
こうなるともうスピンオフとは呼ばないのでしょうね。
 
アベンジャーズオタクで特にキャプテン・マーベル推しの女子高生カマラ・カーン。
部屋はキャプテン・マーベルグッズで溢れ、自らをミズ・マーベルと名乗る。
祖母から郵送されたバングルを腕に着けたところ、あら不思議。
宇宙エネルギーを操る力を得た模様。
 
その力を不用意に使った瞬間、信じられない現象が起きる。
同様に宇宙エネルギーを操る力を持つキャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァース、
および彼女とかつては家族同様の関係だったモニカ・ランボーが入れ替わってしまう。
 
3人がそれぞれ力を使うたび、カマラの家と宇宙空間を行ったり来たり。
憧れのキャプテン・マーベルに会えたうえに、一緒に戦えるなんて。
これはアベンジャーズの試験で、それに合格したと思い込むカマラは大喜び。
カマラの両親と兄は入れ替わりを見ただけでも呆然としているのに、
目の前で訳のわからない戦いが繰り広げられてただただ驚くばかり。
 
やがて、カマラが着けているバングルと同じもうひとつのバングルが存在し、
それを現在着けているのがクリー人の女戦士ダー・ベンだと判明。
自分の故郷である惑星ハラをキャプテン・マーベルに潰されたと恨むダー・ベンは、
キャプテン・マーベルへの復讐を目論んでいて……。
 
正直なところ、私は何が起きているのかさっぱり理解できていません。
ただ、特異な力で3人が入れ替わってあっちこっちへ出没するという一目瞭然のことをわかっているだけ。
自室にいたカマラが急に宇宙へ飛んだと思ったら、
カマラの部屋には壁をぶち抜いてキャプテン・マーベルが登場したり。こんなことの繰り返し。
 
キャプテン・マーベルがいつのまにか結婚していて、その相手が水の惑星アラドナの王子ヤン。
ヤンを演じるのが韓流スターのパク・ソジュンとは驚きました。
しかもアラドナの言語が歌で、いきなりみんなが歌い出してミュージカル状態に。ドン引き(笑)。
でもヤンだけは普通の言葉をしゃべれるのですよね。バイリンガルなのですって(笑)。
 
キャプテン・マーベルの愛猫グースはフラーケン(口の中にタコの足のような触手を持つ)だから、
敵が現れると飲み込んで応戦可能なのですが、たまにそれが喉につっかえて吐き出す。
ダー・ベンに襲われて宇宙ステーションを脱出する必要が出てきたとき、
このグースといつのまにか増えたフラーケンたちを使って逃げる方法を思いつくニック・フューリー。
これはちょっと笑いました。不気味でも可愛い猫たち。
 
いろいろドン引きしたシーンもあるにはあるし、それ相応には楽しみました。
これまた続編があるようで。
どこまでも枝分かれしていくマーベル・コミック。
ま、ニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソンが健在である限り、観ると思います。
 
カマラの父親の名前がアーミル・カーンって、わざとですよね!?

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『おしょりん』

『おしょりん』
監督:児玉宜久
出演:北乃きい,森崎ウィン,駿河太郎,高橋愛,秋田汐梨,磯野貴理子,
   津田寛治,榎木孝明,東てる美,佐野史郎,かたせ梨乃,小泉孝太郎他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
開演直前の時点で予約客が私ひとりだったため、“おひとりさま”かと思いきや、
あとひと組、カップルが入ってこられました。総勢3名。
ご当地ムービー的だから、シネコンには客を呼びにくいタイプの作品かと思います。
でも、日頃から眼鏡にお世話になっている人もいない人もぜひどうぞ。
 
福井県は眼鏡生産の全国シェアが90%を超えているそうです。
冒頭、いかにもご当地ムービーの福井紹介があり、映画としていささか不安になりましたが、
その後は一転、藤岡陽子の同名原作を基に明治時代へと話が遡り、眼鏡生産の歴史へ。
 
明治30年代後半。福井県の名家・久々津家に生まれついたむめ(北乃きい)は、
やはり名家で庄屋の長男・増永五左衛門(小泉孝太郎)のもとへと嫁ぐ。
実はそれ以前にむめは増永家の次男・幸八(森崎ウィン)と顔を合わせたことがあった。
増永家の息子だと聞き、自分が嫁ぐ相手は幸八だと勝手に思い込んでいたむめは、
五左衛門と初めて会った折に結婚相手が幸八ではないことに衝撃を受けたが、
一目惚れだった想いは胸に秘め、幸八の義姉となる。
 
村の発展を常々考えている五左衛門のもとへ、幸八が持ってきた話は眼鏡づくり。
当時、眼鏡などかける者は特に田舎では誰もいない。
かつて幸八が五左衛門に勧めた羽二重づくりが頓挫したこともあり、
五左衛門も村の衆も眼鏡づくりを戯言として取り合おうとしない。
 
しかしあるとき、村いちばんの宮大工・増永末吉(駿河太郎)の娘が近眼であることにむめが気づく。
とても賢い子なのに、黒板の字が見えないせいで学校にも行けない。
目が悪いのは生まれつきだと末吉とその妻はあきらめていたが、
幸八が差し出した眼鏡をかけてみると、あら不思議、娘は「見える」ことに大喜び。
それを目の当たりにした末吉はぜひ眼鏡をつくりたいと言い、五左衛門も大きくうなずく。
 
こうして増永眼鏡を設立し、何の知識もない村人が一人前の職人を目指すのだが……。
 
何事にも資金が必要。五左衛門が突拍子もないことを始めたと、銀行は金を貸そうとしません。
増永兄弟の母親・せの(かたせ梨乃)は家財や着物を手放し、むめもそれに協力する。
背に腹は代えられずに実家に行くと、五左衛門と離縁するなら手切れ金として工面してやってもいいと両親から言われる。
想い人は幸八であっても、三角関係になどならずに(笑)、ひたすら五左衛門を支えるむめが良い。
 
一方の幸八もずっとむめのことを想っています。
最初は五左衛門が鼻につく嫌な奴っぽかったから、いつむめと幸八がくっつくんだろうなどと思っていましたが、
そうはならない。眼鏡づくりのために奔走する五左衛門のことも応援したくなります。
 
レンズはどうなっとるねんと思わなくもないけれど、それを言うのは無粋ですね。
眼鏡は、見えるようにするだけではなく、かける人の心、その人が接する人の心も和ませるもの。
 
ちなみに「おしょりん」とは福井の言葉で、田畑を覆う雪が固く凍った状態を指すらしい。
おしょりんになると、回り道しないで好きなところへまっすぐ行ける。
「いくつになっても、どんな時も、夢に向かって自由に突き進もうという想い」が込められたタイトルなのだそうです。

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『法廷遊戯』

『法廷遊戯』
監督:深川栄洋
出演:永瀬廉,杉咲花,北村匠海,戸塚純貴,黒沢あすか,やべけんじ,
   柄本明,生瀬勝久,潮田玲子,筒井道隆,大森南朋他
 
TOHOシネマズ伊丹にて、2本ハシゴの2本目。
 
原作は五十嵐律人の同名小説。ベストセラーなのだそうですが、未読。
監督が深川栄洋というのが私にはひっかかる(笑)。
売れっ子監督ではありますが、なんだかその売れようとしているところが。
でも若手人気俳優を使うのは上手い人ですよね。
この監督も、映画は売れてなんぼという人なのかなと思います。
 
久我清義(永瀬廉)は幼なじみの織本美鈴(杉咲花)と共に弁護士を目指している。
ふたりが通うロースクールで、唯一現役で司法試験に合格した超優等生が結城馨(北村匠海)。
馨主催で学生の間でおこなわれているのが“無辜(むこ)ゲーム”。
これは、学生たちが自分たちの間で起きた事件の当事者となっておこなう模擬裁判。
 
あるとき、清義が自席を離れたわずかな隙に、
施設育ちの清義が施設長殺害未遂事件を起こした過去を暴露するチラシをばらまいた者がいた。
清義はこの犯人を裁くために無辜ゲームの開催を提案。
その結果、同じロースクール生の犯人(戸塚純貴)を罰して追放することに成功はしたものの、
清義や美鈴が悪質な嫌がらせに遭うようになったうえに、なぜか馨まで脅迫を受けていることを知る。
 
時が経ち、司法試験に合格して弁護士となった清義のもとへ馨から連絡が入る。
久々に無辜ゲームを開催するとのこと。
懐かしの場所を訪れた清義だったが、そこには誰もいないどころか馨の姿すらない。
と思ったところへ清義の目に飛び込んできたのは、胸を刺されて死んでいる馨の姿と、
手にナイフを持ち、返り血を浴びて呆然としている美鈴の姿。
「私は殺していない」という美鈴を清義が弁護することになるのだが……。
 
話が進むにつれて不愉快になってきました。
杉咲花の怪演で、その気持ちがどんどん募ってゆきます。
 
ネタバレですけど。
 
少年時代の清義が事件を起こしたのは、施設長が美鈴を性的虐待していたから。
ことがおこなわれている部屋に飛び込んで施設長を刺した清義。
救われた美鈴は、このとき今後自分のほうが清義のことを守ると心に決めます。
 
施設を出てからも必死で生きてきたふたりは、あるとき美鈴が電車内で痴漢にあったのをきっかけに、
犯人から金銭を巻き上げることができると知る。
家庭のあるサラリーマンは、痴漢がバレるととんでもないことになるから、いくらでも金を払う。
美鈴が痴漢に遭ったふりをして、清義と一緒に犯人にでっちあげた相手から金を巻き上げる。
 
そんなことを何度も繰り返しているうちに次の獲物に定めたのがなんと警察官でした。
警察官に手口を見破られて逃げる美鈴。追いかける警察官。
清義が警察官の鞄をちょっと引っ張ったら、警察官は階段から転げ落ちてしまった。
あくまで被害を訴える美鈴に世間は騙され、職を失い、自殺した警察官。
それが実は馨の父親(筒井道隆)だったというわけで。
 
復讐というのか、ふたりに罪を償わせて父が捕らえられたのは冤罪であることを訴えようとした馨。
でもそんな馨も美鈴に殺されてしまうんですよね。
しかし、殺されるかもしれないことをわかっていた馨。
あくまでも清義を守ろうとした美鈴ですが、馨が予告していた通りの結果が待っている。
 
馨の冤罪および無罪に関する解釈が面白い。
「君はやり直せる」なんて言葉を軽々しく口にしてはいけないこともわかりました。
そこのところはちょっと美鈴に同情。
 
やっぱり深川監督の作品はあんまり好きになれないのですけれど、客を飽きさせません。
私は永瀬廉よりも北村匠海が好きだなぁ。
柄本明生瀬勝久大森南朋といったおじさま方もさすがです。

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『駒田蒸留所へようこそ』

『駒田蒸留所へようこそ』
監督:吉原正行
声の出演:早見沙織,小野賢章,内田真礼,細谷佳正,辻親八,
     鈴村健一,堀内賢雄,井上喜久子,中村悠一他
 
TOHOシネマズ伊丹にて2本ハシゴの1本目。
 
きっと原作はコミックで、TVアニメ化もされているシリーズなのだろうと思い込んでいました。
そうしたら、アニメ制作会社のP.A.WORKSが手がける“お仕事シリーズ”なるオリジナルアニメとのこと。
過去には北陸の温泉街を舞台にした『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』(2013)や
アニメ業界で働く人々の群像劇である『劇場版 SHIROBAKO』(2020)を制作しています。
これらは予想どおりTVアニメシリーズの劇場版ですが、本作はそうではないらしい。
 
駒田蒸留所に生まれながら絵の才能に長けて美大に進学した長女の琉生(るい)は、
父親の死をきっかけに会社を畳もうとしていた母親を引き留め、大学を中退して実家に戻る。
兄で長男の圭は生前の父と喧嘩して家を飛び出し、今は桜盛酒造で働いている。
 
琉生が社長に就任して職人たちと共に完成させたウイスキーは世間で大評判となる。
長年の駒田蒸留所ファンが次に期待するのは、今はもう幻となったウイスキー“KOMA”の復活。
しかし父親の方針でKOMAはすべて世に送り出してしまったから、原酒が残っていない。
 
そんな駒田蒸留所に取材することになったのは、ニュースサイト記者の高橋光太郎。
まだ若いとはいうものの、今までの会社では長続きせず、すでにこれが5社目。
ウイスキーのことなんて何も知らないし興味もないのに、
編集長の安元広志から急に連載記事を書くように言われて大迷惑。
気乗りしないまま駒田蒸留所を訪れるのだが……。
 
アルコールなら何でも好きな私ですが、別に詳しくないし、特にウイスキーに関してはド素人。
本作がどれほどウイスキーづくりやウイスキーそのものを忠実に描いているかはわかりませんが、面白かった。
 
家族であっても方針が同じとは限らない。
実家に買収を持ちかける兄なんて、最初は嫌な人でしかなかったのに、
KOMAが「家族の酒」だという想いを持っていたことがわかってからは、実に頼りになる兄ちゃん。
 
駒田蒸留所の面々も良い人ばかりで泣けてくる。
そして、駒田の人のみならず、原酒を探していると知ったさまざまな会社が協力を申し出てくれるのも嬉しいこと。
 
こんなのを観たら、やっぱり飲みたくなりますよねぇ、ウイスキー。

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『私がやりました』

『私がやりました』(原題:Mon Crime)
監督:フランソワ・オゾン
出演:ナディア・テレスキウィッツ,レベッカ・マルデール,イザベル・ユペール,
   ファブリス・ルキーニ,ダニー・ブーン,アンドレ・デュソリエ他
 
TOHOシネマズ西宮にて、前述の『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』の次に。
 
フランソワ・オゾン監督がこんなコメディタッチの作品を撮るとは思いませんでした。
いつの時代設定かしばらく不明で、とにかく最近ではないなと思っていたら、
作品中に登場する映画館で上映されているのがビリー・ワイルダー監督の『ろくでなし』(1934)。
中盤以降になってから「1935年」と会話にはっきり出てきます。
 
売れない新人女優のマドレーヌは、親友でこれも新米弁護士のポーリーンと同居中。
お互い仕事がないものだから、家賃を滞納して大家から責め立てられている。
 
その日、有名プロデューサーのモンフェランから呼び出されたマドレーヌは、
新作映画のキャストに抜擢されたのだと喜ぶが、
モンフェランは端役をマドレーヌに与えただけで、愛人になるように強いる。
レイプされそうになって必死に逃げ出したマドレーヌは泣きながら帰宅。
 
翌日、刑事のブランがやってきて、モンフェランが銃で撃ち殺されたと告げる。
第一容疑者はアリバイなし、動機ありのマドレーヌだと。
予審判事のラビュセも彼女のことを犯人と決めつけ、マドレーヌはまずい立場に。
 
しかし、ラビュセに状況を詳しく明かしたところ、
もしもマドレーヌが犯人であれば正当防衛が認められるであろうこと、
情状酌量の余地ありで、無罪になる確率が高いと言われる。
 
そこでマドレーヌはポーリーンに相談し、「私が犯人」と嘘の告白をする。
ポーリーンが弁護人となってすべてのシナリオを整えて裁判に臨み、見事に勝利。
マドレーヌは一躍スターとなり、取材や出演のオファーが舞い込む。
彼女を弁護したポーリーンにも断れきれないほどの依頼が入る。
以前とは打って変わった優雅な生活を送るふたり。
 
ところがそんな折、彼女たちの前に真犯人を名乗る者が現れる。
彼女は無声映画時代の大女優オデット。
自分の犯罪を盗んでスターになったマドレーヌに嫉妬しており……。
 
面白いのですけれど、序盤はイライラ。
時代が時代なものだから、男尊女卑が激しすぎるのです。
女性に参政権は無し、裁判の陪審員は全員男性。検事裁判長の態度も差別的。
そもそも最初に彼女を犯人と決めつける刑事と予審判事も実に不愉快。
殺害に使われた銃なのかどうかの確認もないのは映画の中だけの話だと思いたいけど、
この時代だと本当にこの程度の捜査だったのかと思わなくもない。
 
フランスと日本の笑いの違いを強く感じる作品でもあります。
私が見て不愉快なシーンも、フランス人が見れば笑えるのかしら。
でもフランスのコメディで笑える作品もたくさんあったはず。
 
幾分イライラしましたが、マドレーヌ役のナディア・テレスキウィッツと
ポーリーン役のレベッカ・マルデールはどちらも美しくて見ていて楽しいし、
オデット役のイザベル・ユペールの怪演は怖気が走るほどで良かった。
男性の共感はまったく得られそうにない(笑)。

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