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『ヴィクラムとヴェーダ』【ヒンディー語版】

『ヴィクラムとヴェーダ』(原題:Vikram Vedha)
監督:ブシュカル,ガーヤトリ
出演:リティック・ローシャン,サイーフ・アリー・カーン,ラーディカー・アープテー,ロヒット・サラフ,
   ヨギタ・ビハニ,シャーリブ・ハーシュミー,サティーヤディーブ・ミシュラ他
 
驚異の回復力を見せたかと思ったでしたが、癌に覆い尽くされて肝不全を起こしているせいで、
夢と現実の間を往き来しているような状態がしばらく続いています。
ずっと付き添えればと思うものの、コロナの再流行でそれは許されず、30分の面会のみ可能。
本当にもう最期という時にならなければ病室に呼んでもらえません。
家にまっすぐ帰っても落ち着かないだけだから、やっぱり映画を観に行く。
 
2017年製作のタミル語作品『ヴィクラムとヴェーダー』がヒンディー語でリメイクされました。
リティック・ ローシャン主演なら観たいじゃあないか。塚口サンサン劇場へ。
 
犯罪の撲滅を目指して偽装襲撃をかけては悪人を一掃してきた警視ヴィクラム(サイフ・アリー・カーン)。
上司や同僚、部下の信頼も厚く、妻のプーリヤは優秀な美人弁護士で、公私ともに絶好調。
 
そんなヴィクラムが長年追い続けているのが伝説の犯罪者ヴェーダ(リティック・ローシャン)。
ヴェーダの居場所だけは掴むことができずに苛立っていたところ、
ある日、ヴェーダのほうから警察に出頭、自首すると言う。
誰が聴取に臨もうが口を開こうとしないヴェーダだったが、ヴィクラムが現れると話し始める。
 
話を聴くうち、以前の偽装襲撃でヴィクラムが殺した丸腰の青年シャタクがヴェーダの実弟であることがわかる。
ヴェーダが姿を現したのは、ヴィクラムへの復讐だとばかり思っていたが、
プーリヤを弁護人として雇ったヴェーダを保釈後に追うと、そう単純な話ではないことに気づき……。
 
ボリウッドのご多分に漏れず、157分の長尺。
ダンスシーンもてんこ盛りかと思いきや、90分経った頃に1シーンのみしかありません。
もっとダンスもほしかったけれど、なくてもめちゃめちゃ面白い。
 
最初はヴィクラムが汚職警官なのかと思いましたが、そうではない熱血漢。
しかしこの手のボリウッド作品で警察など権力者が黒幕に決まっていると思ったら、やはりそう。(^^;
パターンといえばパターンですが、ヴィクラムとヴェーダが手を組んで、
本当の悪を一掃するのはわかりやすくて気持ちいい。
 
でもオチは珍しく観客に委ねられるのですよ。
この後ふたりはどうするのか。この先もふたりで闘ってよと思わなくもない。
 
余談ですが、サイーフ・アリー・カーンってジル・ルルーシュに似ているな~と思いながら観ていました。
ちょっとマッチョすぎやしませんか。
リティック・ローシャンが多指症と知ってからというもの、ついつい手を見てしまいます。
右手の親指が2本あるって、豊臣秀吉もそうだったとか。なんだか神秘的。

—–

『DOGMAN ドッグマン』

『DOGMAN ドッグマン』(原題:Dogman)
監督:リュック・ベッソン
出演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ,ジョージョー・T・ギッブス,クリストファー・デナム,
   クレーメンス・シック,マリサ・ベレンソン,ジョン・チャールズ・アギュラー,グレース・パルマ他
 
イオンシネマ茨木にて、2本ハシゴの2本目。前述の『映画 マイホームヒーロー』の後に。
 
『ドッグマン』(2018)というイタリア/フランス作品を観たのが4年半ほど前だから、
5年の間にすでに世にある名前の映画の別作品を撮るのね、リュック・ベッソン監督、と思いました。
あっちはイタリア出身のマッテオ・ガローネ監督作品。
本作とは全然違うけれど、主人公が犬をこよなく愛している点は同じです。
 
批評家の意見としては賛否両論あるようですが、私は好きでした。
最近のベッソン監督の作品の中ではいちばん。
 
ある晩、検問で停められたトラックを運転していたのは女装した男性
荷台を開けてみると、そこには数え切れないほどの犬が積まれていた。
 
シングルマザー精神科医エヴリンは、夜中に拘置所から連絡を受ける。
逮捕した人物を「彼」か「彼女」か決めかねて、エヴリンに指示を仰ぎたいらしい。
 
エヴリンが面会に行くと、異様な相貌の相手はダグラスだと名乗り、
淡々と自分の生い立ちについて話しはじめるのだが……。
 
フランス語作品なのかと思っていましたが、舞台はアメリカ・ニュージャージー州で全編英語。
何が凄いって、ダグラス役のケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技。
だけどそれより驚いたのは、ダグラスが少年時代に受けた仕打ちの告白内容です。
 
闘犬を育てていた父親の暴力は日常茶飯事。それに追随する兄。
優しい母親は父親に抵抗できず、ダグラスが虐待を受けても見過ごすしかありません。
ある日、父親はダグラスの態度に腹を立て、犬の檻にダグラスをぶち込むのです。
 
犬たちはダグラスのことが大好きだから、噛みついたりなんかしない。
犬のことは怖くないけれど、父親はダグラスを犬と一緒に檻に入れたまま。
この状況を映像で観るのは本当におぞましい。よくぞ生きていてくれたものだと思う。
 
隣の納屋の隙間に手を入れれば届く雑誌を読むことでダグラスは勉強します。
読んで読んで、どんどん賢くなる。だけど檻からは出られない。
 
ダグラスがどうやって檻から出たのか。車椅子に乗っているのはなぜなのか。
百匹近くいるかと思われる犬を飼いつつ、どのように生活を成り立たせてきたのか。
エヴリンと共に聴き入ってしまいました。
 
「規格外のダークヒーロー」、本当にそうだと思います。
彼が幸せに満ちた顔をしていたのが救い。切ない。

—–

『映画 マイホームヒーロー』

『映画 マイホームヒーロー』
監督:青山貴洋
出演:佐々木蔵之介,齋藤飛鳥,高橋恭平,宮世琉弥,板倉俊之,大東駿介,淵上泰史,
   西垣匠,金子隼也,立川談春,神野三鈴,音尾琢真,津田健次郎,木村多江他
 
前週、93歳のが倒れて救急車で病院へ搬送されましたが、驚異の生命力。
今日明日の命かもしれませんと主治医から言われていたところ、
翌々日に「おなかが空いた」と言って普通食を摂れるように。
その翌日には好きなおやつも食べられるようになり、
さらにその次の日には自分のスマホで電話もかけてきました。
大腸から転移した癌が肝臓を覆い尽くしているので、終末であることに変わりはないけれど、とりあえず復活。
昭和一桁の人って本当に凄い(笑)。私はこんなに長生きできそうにないなぁ。
 
で、病院から連絡があればすぐに駆けつけられるようにしておきたいものの、
まっすぐ帰っても落ち着かないだけなので、やっぱり映画を観に行くことにしました。
 
イオンシネマ茨木にて2本ハシゴの1本目はこれ。
山川直輝原作、朝基まさし作画の同名人気漫画は2017年より『週刊ヤングマガジン』に連載中。
TVアニメ化されたのがちょうど1年ほど前で、その後TVドラマ化。
同じキャストでこのたび劇場版が作られ、監督もTVドラマ版と同じ青山貴洋。
私は劇場版の予告編で初めて本作の存在を知りました。
 
おもちゃメーカーの営業職に就くサラリーマン・鳥栖哲雄(佐々木蔵之介)は、
7年前に長女・零花(齋藤飛鳥)と交際していた麻取延人を殺害した。
半グレ組織の一員だった延人に女性を殺した過去があると知ったうえに、
延人が決して零花を愛しているわけではないことも知ってしまったから。
 
そのとき、哲雄は妻・歌仙(木村多江)と協力して延人の遺体を処分したが、
延人の行方を捜す父親で詐欺師の義辰に犯行がバレ、
義辰は哲雄の目の前で自殺して哲雄に殺されたように見せようとする。
その罪を延人と同じ半グレ組織に所属する間島恭一(高橋恭平)になすりつけることに成功し、
鳥栖家は安泰したと思われていた。
 
ところが、義辰が10億円という大金を持って姿を消したせいで、
半グレ組織を仕切る暴力団“間野会”のトップ・志野寛治(津田健次郎)が躍起になって真相を暴こうとする。
ついに哲雄にたどり着かれてしまい、10億円を返さないならば、妻子を殺すと脅される。
 
困り果てる哲雄に連絡をしてきた謎の青年・大沢隼人(宮世琉弥)に会ってみると、
彼は間野会を潰すために哲雄に力を貸すと言い……。
 
殺害シーンがあまり気持ちの良いものではないので、楽しいとも言えませんが、
最後まで飽きずに観られるのは確か。
私のツボは志野が頼りにしている殺し屋役を演じた音尾琢真
チンピラなどの役がすごく多くて、だけどどこか抜けているところがあるから憎めない。
歴代の役の中ではその抜けたところが少なくて、いちばん怖かったかな。
でも、素人の哲雄にまんまと殺されてしまうのですから、やっぱり間抜けか。
 
これほど凄腕の女刑事・零花がそもそもどうして半グレとつきあっていたのか、
TVドラマ版を観ていないからさっぱりわかりません。
観ていなくてもなんら問題のない作品ではありますが、TVドラマ版ファンのほうがそりゃ楽しいでしょうね。
 
半グレ、怖いよ。
だけど、仕えていた人間にこんなにも虐げられ、あっさり殺されるのに、半グレで居たいものですか。
その気持ちがわからん。

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『PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて』

『PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて』
監督:古厩智之
出演:奥平大兼,鈴鹿央士,山下リオ,小倉史也,花瀬琴音,斉藤陽一郎,山田キヌヲ,
   唯野未歩子,西間木冠,味元耀大,和田聰宏,三浦誠己,OooDa,平岩康佑他
 
イオンシネマ茨木にて2本ハシゴの2本目。前述の『ゴールド・ボーイ』の次に。
 
監督は『ロボコン』(2003)や『奈緒子』(2008)、『のぼる小寺さん』(2020)の古厩智之
eスポーツを映画化した作品は日本初なのだそうです。
キャラクタークリエイターの広井王子が企画とプロデュースを務めているとのことですが、
私はそれがどういう人なのかも知らなければeスポーツのことも全然知らない。
さらにはVTuberの胡桃のあが出演していることでも話題になっているそうだけど、

封切り日だったこの日の客は私ひとり。今年初めての“おひとりさま”でした。
 
何はともあれ、予告編がとても面白そうだったので、私は観る。
キャストもいいのだから、もっと宣伝すればよかったのに。
 
徳島県の阿波工業高専(実際は阿南工業高専らしい)の電気科3年、田中達郎(鈴鹿央士)は、
バスケットボールの有力選手だったが、手首を傷めたせいで辞めざるをえなくなる。
授業を聴いている様子はほとんどないのに、担任教諭の木村佳浩(三浦誠己)が呆れるほど学業優秀。
天才ゲーマーでもある彼はバスケよりも没頭できるものを見つけようとしているのかどうか、
全国高校eスポーツ大会の開催を知り、出場を決意する。
 
しかし、出場するには3人1組のチームが必要で、あと2人集めなければならない。
達郎はたまたま近くの席に座っている同級生でゲームオタクの小西亘(小倉史也)に声をかけると、
亘が「ほかにどうしても見つからなければ名前を書いてもいい」と言っているにもかかわらず、
すぐに応募書類に亘の名前を書き加える。
 
もう1人、達郎が貼ったポスターを見て連絡してきたのが、情報科2年の郡司翔太(奥平大兼)。
金髪でモテるが、その実は奥手。
同級生の松永紗良(花瀬琴音)が自分に想いを寄せていることは明らかなのに応えられない。
ふと目にしたポスターのキャッチコピーに惹かれ、応募したいと考える。
 
これで3人集まったものの、亘と翔太はeスポーツが何なのかも知らない。
達郎から「人ではなく車でプレーするサッカー」と聞き、習うより慣れろで特訓を開始するのだが……。
 
いずれも能天気な若者というわけではありません。
達郎の父親は飲んだくれで、酔っぱらって寝ている姿しか見ることがない。
母親はいつも疲れた表情で達郎に構っている余裕なし。
亘の家庭は一見平和ですが、友だちはひとりもいないことを家族は知っていて腫れ物に触るよう。
翔太の父親はDV気質で母親は離婚したがっています。
歳の離れた弟たちを守ろうとしていることが翔太の様子からわかります。
 
家には居場所がなくて、相談相手は誰もいないし、それを深刻に考えないように振る舞っていた。
そんな3人が集まって、車でサッカーするゲームにのめり込みます。
 
なにしろ私は大スクリーンを独占してたったひとりで本作を観るはめになったから、
肝心の全国大会のシーンではちょっと盛り上がれないままでしたが、
そこに至るまでのシーンはとてもよかった。予選のほうが楽しかったかも。
 
木村先生役の三浦誠己はバイプレイヤーですよね。本作でもめっちゃ良い味。
 
なんだかんだで、ザ・青春。

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『ゴールド・ボーイ』

『ゴールド・ボーイ』
監督:金子修介
出演:岡田将生,黒木華,羽村仁成,星乃あんな,前出燿志,松井玲奈,北村一輝,江口洋介他
 
イオンシネマ茨木にて2本ハシゴの1本目。
 
中国の人気作家・紫金陳(ズー・ジンチェン)のベストセラー小説『悪童たち』を日本で映画化。
監督は『DEATH NOTE デスノート』(2006)の金子修介
 
莫大な資産を持つ事業家である東家に婿入りした昇(岡田将生)は、
妻の静(松井玲奈)から離婚を突きつけられ、義両親の殺害を決行する。
崖から突き落として事故による転落死に見せかけ、それが成功したかに思われたが、
犯行の瞬間を偶然動画に収めていた少年少女3人がいた。
 
中学生の朝陽(羽村仁成)と、彼を頼って家出したきた浩(前出燿志)と夏月(星乃あんな)は、
昇を脅して金を取ることを思いつく。
朝陽は親が離婚したせいで学費の工面に悩まされているし、
浩と夏月はこのさき自分たちだけで生きていかねばならない。
どちらの悩みも金があれば解決できることだと考え、昇に連絡して金を求める。
 
一方、静は両親の死は絶対に昇の犯行だといとこの刑事・巌(江口洋介)に主張。
取り合おうとしない巌に、もしも今後自分が死ぬようなことがあれば、
それは昇に殺されたのだと思ってくれと言う。
そして実際に静は車の運転中に事故に遭って死亡する。
 
やっと昇のことを疑いはじめた巌は、昇と朝陽が会っていることに気づくのだが……。
 
なぜ沖縄を舞台にすることにしたのかわかりませんが、
東なしではこの土地は潤わないことから警察もなかなか口出ししにくいという設定。
 
岡田将生演じる昇がとにかく卑劣な奴で、気の毒な環境にある朝陽たちが頑張る話かと思ったら、
どうですか、この想像を裏切るめちゃめちゃ嫌な展開。
いや〜、朝陽みたいな奴には『おまえの親になったるで』とは言えませんね。
生まれついての悪人というのはいると思います。そして彼がそう。
 
朝陽の本性を知ってからというもの、不気味なことこのうえない。
彼をいい奴だと信じて巻き込まれたあとの2人が可哀想。あ、ネタバレだ。(–;
大人をナメるなよと言いながら朝陽をナメていた昇すら少々可哀想になりました(笑)。
こんなモンスターを産んでしまった母親役に黒木華。彼女の心を思うとつらい。
 
途轍もなく嫌な話です。面白かったけど。

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