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『秋が来るとき』

『秋が来るとき』(原題:Quand vient l’automne)
監督:フランソワ・オゾン
出演:エレーヌ・ヴァンサン,ジョジアーヌ・バラスコ,リュディヴィーヌ・サニエ,ピエール・ロタン,
   ガルラン・エルロス,ソフィー・ギルマン,マリック・ジディ,ポール・ブールペール他
 
ここからやっと、6月に入ってから観た作品です。もう上映が終了している作品があるかも(泣)。
 
6月最初の日曜日、北新地でランチの前に大阪ステーションシティシネマで映画を2本。
朝8:20からの回を観るために、仕事に行くときよりも早起きして家を出ました。
 
1年に1本のペースで撮り続けるフランソワ・オゾン監督の最新作。
多作なのにどれも趣が違って面白く、だけどやっぱりオゾン監督だなぁと思わせられます。
そういえばこの人もゲイであることをカミングアウトしています。
ペドロ・アルモドバルルカ・グァダニーノ、そしてオゾンが私がすぐに思いつく「カミングアウトしている人」ですが、
オゾンは群を抜いて男前。優しそうで、毒を感じないイケオジです。というのはどうでもいいか。(^^;
 
フランス・ブルゴーニュの美しい田舎町でひとり暮らす老女ミシェル。
訳あって彼女を恨む娘ヴァレリーが孫のルカを連れて休暇を過ごすためにやって来ることになり、ミシェルは大喜び。
娘と孫に食事をふるまうため、森にキノコを採りに行く
 
食事後も相変わらず素っ気ないヴァレリーを残し、ルカと散歩に出るミシェル。
ところが、家に戻るとヴァレリーが救急搬送されるところだった。
ヴァレリーは食中毒を起こしたらしく、自ら電話したのちに失神した模様。原因はキノコ。
幸い命に別条はなかったが、怒ったヴァレリーはルカを連れてすぐにパリに帰り、以降完全にミシェルを無視。
 
一方、いつ何時もミシェルの心の支えとなっていた親友マリ=クロードは、
服役していた息子のヴァンサンが出所して喜ぶも、仕事が見つかりそうになくて心配している。
ミシェルは薪割りや庭掃除などをヴァンサンに頼むことにして日当を払う。
 
ミシェルとマリ=クロードの話を立ち聞きしたヴァンサンは、ヴァレリーを説得しようとこっそりパリへ。
仕事に来る約束だったのに来ないヴァンサンを心配していたミシェルのもとへ、ヴァレリーが死んだと警察から連絡が入り……。
 
良好な仲でなかったとはいえ、ヴァレリーという一人娘を亡くして悲しむミシェルですが、
離婚調停中だったヴァレリーの夫ロランはドバイに単身赴任中。
ルカがフランスを離れたくないと言ったものだから、ミシェルがルカを引き取ることになります。
 
ミシェルが食中毒になったのは、ヴァレリーがわざとキノコを使ったからではないのか。
ヴァレリーが死んだのは事故だったのか、それともヴァンサンに殺されたのか。
さまざまな疑問ははっきりとは解消されないまま最後に至ります。
 
どれもこれも、結局自分に都合の良いように人は解釈したがるし、そうしなきゃ生きるのは難しいとも思えます。
死を目前にしたマリ=クロードが「良かれと思ってしたことが裏目に出て」と言ったとき、
ミシェルは「良かれと思うことが大事」と答えます。独りよがりかもしれないけれど、それでいいのかもしれません。
 
ネタバレですが、ヴァレリーがミシェルを憎んでいたのは、ミシェルがかつて娼婦だったから。
娘を女手ひとつで育てるためにミシェルが選んだ道。
パリにアパートメントを所有するまでになった彼女は、そのアパートメントをヴァレリーに譲ってブルゴーニュの田舎に戻ったわけですが、
ヴァレリーは自分のためであっても母親のことを許さず、ブルゴーニュの家までとっとと自分に譲れと言います。
ルカの目の前でも夫婦喧嘩が絶えず、死んで自業自得とは言わないけれど、これがみんな円満におさまる道だったように映る。
 
ルカ役のガルラン・エルロスの美しさに目を惹かれました。どう育つのか楽しみ。

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3回目の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は吹替版で。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(原題:Mission: Impossible – The Final Reckoning)
監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ,ヘイリー・アトウェル,ヴィング・レイムス,サイモン・ペッグ,イーサイ・モラレス,ポム・クレメンティエフ,
   ロルフ・サクソン,ルーシー・トゥルガリュク,グレッグ・ターザン・デイヴィス,ヘンリー・ツェーニー,ホルト・マッキャラニー,
   ジャネット・マクティア,ニック・オファーマン,シェー・ウィガム,ハンナ・ワディンガム,トラメル・ティルマン,アンジェラ・バセット他
声の出演:森川智之,園崎未恵,手塚秀彰,根本泰彦,津田健次郎,高梁りつ,牛山茂,杉村憲司,江原正士,
     志村知幸,伊沢磨紀,星野充昭,石住昭彦,藤本喜久子,福田賢二,高島雅羅,早川毅他
 
TOHOシネマズ伊丹へ前述の『IVE THE 1ST WORLD TOUR in CINEMA』を観に行ったついでに、
これも観て帰ることにしました。
 
1回目は先行上映、2回目は4,000円払ってグランシアターで。3回目は吹替版。
 
なんだかんだでややこしい話だから、吹替版で観ると理解の度合いは進みます。
ただ、これは日本語だからわかりやすいのか、3回目だからわかってきたのかは謎。
 
3回観て今さら特記したいようなことは別にないのですが、
ドガ役のグレッグ・ターザン・デイヴィス、NRO代表役のチャールズ・パーネルが出ているのを見ると、
ついつい『トップガン マーヴェリック』を思い出して笑ってしまいます。
あのときのチャールズ・パーネルはカッコよかったけれど、本作では髪型も言うことも駄目(笑)。
それに引きかえ、グレッグ・ターザン・デイヴィスは最後まで良い役ですよねぇ。
 
キトリッジ役のヘンリー・ツェニーの憎たらしいこと。
彼は『アマチュア』でも嫌な役をしているのを見たばかり。汚職政治家とかがめちゃ似合う。
今回も「あいつ、やり遂げたのか」とは言うものの、イーサンを賞賛する態度は無し。
と思ったら違いました~。『アマチュア』に出演していたのは、バーンスタイン役のホルト・マッキャラニーのほうでした。スミマセン。
なんにせよ、ふたりとも悪人顔なんだなぁ。しかも、マフィアとかじゃなくて政治家の。
 
一方、ハンナ・ワディンガム演じるニーリー少将役およびトラメル・ティルマン演じるブレッドソー大尉役は信頼が置ける。
ブレッドソーの部下コディアク役のケイティ・オブライエンも同性ながら惚れてしまいそうな格好良さ。
北極で暮らすダンローの妻タペッサと、ヘイリー・アトウェル演じるグレースの会話には笑って和まされましたし。
          
大統領を演じるアンジェラ・バセットは素晴らしい。
実際にアメリカの大統領がこんな人ならいいのに。トランプ、どこかへ行ってください。
 
ベンジー役のサイモン・ペッグを“ミッション:インポッシブル”シリーズでしか知らない人は、
 
また観に行くかもしれません。

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『IVE THE 1ST WORLD TOUR in CINEMA』

『IVE THE 1ST WORLD TOUR in CINEMA』(英題:IVE The 1st Workd Tour in Cinema)
監督:チョ・ユンス
 
ジョングクのおかげでK-POPファンになったものの、私はやっぱりBTSが好き。
アレクサに「BTSをかけて」と頼んだときにNewJeansが印象に残ったのをきっかけに、
彼女たちの曲も少し聴くようになりましたが、ほかの女性グループはわからない。
 
IVEと聞いてももちろんわからず、スルーしようかと思ったけれど、気になる。
きっと来場者特典があるだろうから、それ目当てで行ってみることにしました。
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
IVEは2021年デビュー、韓国人5人と日本人1人からなる6人組のグループなのだそうです。
本作は、彼女たちの初のワールドツアー“SHOW WHAT I HAVE”のアンコール公演をフィルムに収めたもの。
ソウルのKSPO DOMEはオリンピック体操競技場であり、収容人数は韓国最大の15,000人とか。
 
BTSのファンはARMY、ZEROBASEONEのファンはZEROSE、SEVENTEENのファンはCARAT。
IVEのファンはDIVEと呼ばれているのですと。
メンバーは20歳前後で、リーダーがユジン。ウォニョン、ガウル、リズ、イソ、レイのうち、日本人はレイ。
 
みんな超カワイイんです。足が細すぎる子もいて、もう少し太くてもと思わないことはないけれど(笑)。
きっと髪型が変わると私は見分けがつかなくなると思いますが、ウォニョンがいちばんいいかも。
と思ったら、どうもウォニョンが最も人気のあるメンバーのようですね。
 
日本人としてはついつい応援したくなるレイも本当に可愛い。
ちょっとオタク受けしそうなルックスでもあります。
異国で頑張っているのを見ると、声援を送らずにはいられません。
 
寝てもいいやぐらいのつもりで行きましたが、それなりに楽しかった。
ルッキズムと言われても、見るなら可愛い子のほうがいいに決まっています。(^^;
でもイケメンを見るほうがもっと楽しいんだよなぁ。
 
そろそろジョングクが除隊。フルメンバーそろうBTSの活動再開が楽しみです。
↑と書いた時点では除隊までまだ2週間以上ありましたが、UPした今日時点、すでに除隊済み。(^O^)

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『岸辺露伴は動かない 懺悔室』

『岸辺露伴は動かない 懺悔室』
監督:渡辺一貴
出演:高橋一生,飯豊まりえ,玉城ティナ,戸次重幸,大東駿介,アンドレア・ベッラチッコ,井浦新他
 
休みを取って友人宅に遊びに行く前に、朝イチ、TOHOシネマズ伊丹にて。
 
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2023)に続く劇場版第2弾。
“岸辺露伴”シリーズって、“ジョジョの奇妙な冒険”シリーズのスピンオフ作品だったのですね。
第1弾を観たときにそのことを知ったはずですが、すっかり忘れておりました。
覚えていたとしても、どちらのシリーズも原作を知らないんだから何の助けにもならないけれど。
 
さて、第1弾の公開時にはまだタダの共演者にしか見えなかった高橋一生飯豊まりえは2024年に結婚。
リアル夫婦をスクリーンで見るのは不思議な感じもします。
 
芸術大学図書館の建設に関わる仕事でヴェネツィアを訪れた岸辺露伴(高橋一生)。
たまたま教会に足を踏み入れた折に告解にやってきた男の話を神父のふりをして聴いてしまう。
 
仮面をかぶったままのその男が言うには、この地にはかつて旅行に来ただけだったのに、
その途中で荷物をすべて盗まれて一文無しになり、致し方なく働くことになったらしい。
どれだけ肉体労働に従事しようとも、日本人であるせいで差別を受け、ろくに稼げない。
 
悔しい思いをしているとき、浮浪者(戸次重幸)に食べ物を恵んでほしいと縋りつかれた。
まずは働けよと腹を立てた男が浮浪者につれなく当たると、浮浪者は階段から転げ落ちて死亡。
すると死んだはずの浮浪者が男の前に現れて呪いの言葉を吐き、男が幸せの絶頂にあるときに絶望を味あわせてやると言う。
 
それ以降、男は信じられない幸運に見舞われる。
親族の遺産が入り、宝くじも当たって大金を手にし、会社を興せば大当たり。美女と結婚、可愛い娘も授かる。
しかし、幸せを実感すれば呪われた自分は不幸に襲われるはずだから、幸せの絶頂に到達してはいけない。
ひたすらそう考えて生きてきた男は、いつまでこの思いに囚われていなければならないのか悩んでいた。
 
一方、露伴を追いかけてヴェネツィアへやってきた編集担当者の泉京香(飯豊まりえ)は、
仕事の依頼主であるイタリア人男性ロレンツォ(アンドレア・ベッラチッコ)が近々結婚予定であることを知る。
彼は露伴の大ファンで、挙式に参列してもらえないかと泉を通じて打診してくる。
それを聞いた露伴は、仮面職人のマリア(玉城ティナ)がその結婚相手であり、あの告解の男の娘であると知るのだが……。
 
かつて浮浪者を死に追い込んだ男は水尾(大東駿介)。
金持ちになった男は、浮浪者から「おまえの顔を忘れない」と言われたのだから、自分の顔を変えてしまえば大丈夫だと考えます。
そこで汚れ仕事を頼んでいた・田宮(井浦新)を上手く騙くらかして、多額の報酬と引き換えに顔を入れ替えるのです。
浮浪者は水尾の顔をした田宮のことを自らの憎むべき相手だと思い込んで復讐するというわけで。
 
娘が幸せになれば自分も幸せを感じるだろう。そうすると幸せの絶頂期が訪れて、自分は殺されてしまう。
自分が死にたくないから娘にも幸せになってほしくない。だから娘を結婚させたくない。とんだ父親です。
 
でも、はたして「死=絶望」なのか。
死ぬよりも苦しいことがあるのではないか。泉の呟きをヒントに、そんなふうに考える露伴。
 
他人の頭の中を本にして読むことができる露伴の能力は面白くて、かなり羨ましい。
しかしこのシリーズ、不必要にグロいシーンが多い気がします。一瞬で良いのに延々そのシーンが続くし。
高橋一生の髪型とかメイクもないほうが好きだから、手放しで面白いとは言えないのでした。

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『デビルズ・バス』

『デビルズ・バス』(原題:Des Teufels Bad)
監督:ヴェロニカ・フランツ,ゼヴリン・フィアラ
出演:アーニャ・プラシュク,ダーヴィド・シャイト,マリア・ホーフスタッター,ナタリア・バラノワ,
   ルーカス・ウォルチャー,クラウディア・マルティーニ,アグネス・ランプル,カミラ・シチリア他
 
テアトル梅田にて2本ハシゴの2本目。
これが観たくて仕事帰りに車を飛ばしたわけですが、1本目の『サスカッチ・サンセット』でゲンナリ。
どんよりした気持ちを引きずったまま観たこのオーストリア/ドイツ作品がまた一段と暗かった。
 
舞台は18世紀のヨーロッパ。「代理自殺」なるものがあるということを知って本作に興味を持ちました。
 
母と兄との3人暮らしだったアグネスは、近隣の村のヴォルフと結婚することに。
家族と離ればなれになる不安に駆られながらも、優しいヴォルフとなら温かい家庭を築けるはず。
当然義母と同居するのだと覚悟していたのに、ヴォルフはアグネスとの新居を買ったという。
 
とにかく早く子どもを授かること。母や兄もアグネス自身もそれで幸せになれると信じている。
友人たちと飲んでいたヴォルフが帰宅した初夜、服を脱いで待つアグネス。
ところがヴォルフはアグネスに反対側を向くように言ってひとりで始め、終わるとすぐに寝てしまう。
以降、幾晩重ねようが、アグネスとしようとしないヴォルフ。これでは子どもを授かれない。
 
息子がそうだとは知らない義母は、アグネスに冷たい態度。
毎日のように新居にやってきては世話を焼きたがり、アグネスに文句をつけてばかり。
アグネスは徐々に心を病んで行き……。
 
冒頭から度肝を抜かれました。
若い母親が生まれてまもない赤ん坊を滝の上から投げ落とすシーンに唖然。
 
代理自殺という言葉が本作に出てくるわけではありません。
ちらりと調べたところによれば、キリスト教では自殺は最大の罪。
自殺した人は埋葬してもらえず、地獄に落ちる。
だけど、殺人を犯した人は告解すれば赦してもらえて天国に行ける。
 
だから、死にたくなったら他人を殺して告解する。
その結果、例えばこの村では斬首刑に処されるけれど、魂は天国へ召されるのです。
 
ヴォルフが恋していたとおぼしき男性リンツは首を吊ったせいで荒野にさらされ、
赤ん坊を殺した母親は首を切り落とされたまま刑場に放置される。
こんな場面を目の当たりにすれば、頭がおかしくなっても不思議はない。
 
ラストは、実家に戻されたアグネスが少年を殺して告解します。
斬首されたアグネスを見て狂喜乱舞する村人たち。
そしてアグネスの血を飲もうと群がるのですから、もう不気味以外の何物でもありません。
 
ひたすら暗いけれど、面白い作品でした。
仏教の国に生まれたことをありがたく思ったりもします。

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