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『オッペンハイマー』

『オッペンハイマー』(原題:Oppenheimer)
監督:クリストファー・ノーラン
出演:キリアン・マーフィ,エミリー・ブラント,マット・デイモン,ロバート・ダウニー・Jr.,フローレンス・ピュー,
   ジョシュ・ハートネット,ケイシー・アフレック,ラミ・マレック,ケネス・ブラナー,デヴィッド・クラムホルツ,
   ベニー・サフディ,デヴィッド・ダストマルチャン,トム・コンティ,ゲイリー・オールドマン他
 
封切り日だった3月29日、に面会してから実家の片付けに寄った後、イオンシネマ茨木へ。
 
原爆の父」と呼ばれるロバート・オッペンハイマーの伝記作品。
製作国のアメリカはもちろんのこと、日本を除くほとんどの国では昨夏に公開されましたが
これだと日本に原爆が投下された時期と重なってしまうことから、
昨夏の日本では公開が見送られ、予告編すら目にすることはありませんでした。
はたして日本で公開される日は来るのだろうかと思っていたら、8カ月経ってその日が到来。
 
予告編を含めると190分を超える長尺、180分。
第96回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、撮影賞、編集賞、作曲賞を受賞したほか、
キリアン・マーフィが主演男優賞、ロバート・ダウニー・Jr.が助演男優賞を受賞しています。
 
第二次世界大戦下のアメリカでは、ドイツよりも先に原子爆弾を開発することが最大の目標。
米軍将校レズリー・グローヴスは、目標完遂のために極秘プロジェクト“マンハッタン計画”を始動させるに当たり、
ヨーロッパの名門大学にも留学経験のある天才物理学者ロバート・オッペンハイマーを任命する。
 
オッペンハイマーはこのプロジェクトのためには秘密を貫ける研究所が必要だと主張。
ニューメキシコ州のロスアラモスに研究所を設立すると、全米の優秀な科学者を集めて原爆開発に邁進する。
そしてついに世界初の核実験“トリニティ”を成功させるのだが……。
 
という話だと思っていたのですが、そればかりの話ではなくて、ちょっと衝撃的。
原爆を開発したことによって戦争終結に導いた英雄として崇められていたオッペンハイマーですが、
アメリカ原子力委員会の委員長を務めるルイス・ストローズが実はオッペンハイマーに私怨を持っていて、
仕返しの機会を狙い続けていたらしくて。器のちっちぇえ男です。
 
物語はカラーとモノクロの2通りで構成されており、
オッペンハイマー側の主観をカラーで映し、ストローズ側をモノクロで映し出しています。
ストローズはオッペンハイマーをソ連のスパイだとしてでっち上げ、
自分の手は汚さずに、オッペンハイマーをよく思わない人物に告発させ、FBIの目に留まるようにする。
どうにもよろしくないやり方です。
 
オッペンハイマーに華々しい舞台を与えるのも嫌だから、裁判にはしない。
あくまで非公表の聴聞会という形にして、ストローズが勝つように周りを固めます。
ストローズ役がロバート・ダウニー・Jr.で、“アイアンマン”の彼はどこへやら、
そりゃこんな役を演じた後にオスカー授与式であんな態度を取れば叩かれるでしょう。(^^;
すごくよかったマット・デイモン演じるグローヴスや、デヴィッド・クラムホルツ演じる旧友イジドール・ラビのように、
オッペンハイマーについて尋ねられたときに、どんな相手であろうが変わらない話をする人もいれば、
黒幕の存在を感じ取って簡単にオッペンハイマーを貶める話をする人もいる。がっかりです。
 
一流のキャストが多すぎて名前が出る機会の少ない役者の中にも目を引かれた人がいます。
グローヴスの部下でありながらオッペンハイマーに黒い感情を抱いていた中佐ニコルス役のデイン・デハーンは、
10年前は将来を有望視される若手俳優だったのに今はすっかり脇役俳優。
でも鋭い目つきは健在で、こんな嫌な役を演じるとなおさら印象に残ります。
また、ストローズの側近を演じたオールデン・エアエンライクは、忠実な部下だったはずが、
だんだんとストローズがいかに小物でこじらせた奴かに気づいた後の表情がよかった。
 
原爆を開発するために、荒野に町までつくっていたことを私は知りませんでした。
ナチスに先に開発されてはならない、それはそうだと思う。
けれど、殺戮のためのみに自分の研究が使われることになったら。
『映画 太陽の子』(2021)を観たときのように、科学者の苦悩についても考える。

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『流転の地球 太陽系脱出計画』

『流転の地球 太陽系脱出計画』(原題:流浪地球2)
監督:グオ・ファン
出演:ウー・ジン,アンディ・ラウ,リー・シュエチェン,シャー・イー,
   ニン・リー,ワン・チー,シュ・ヤンマンツー他
 
映画を観に行かない日が3日続いていました。
がそんな状態だから、そもそも映画を観に行く気分でもないけれど、
それでも近所の劇場で前週末に封切りとなった作品は鑑賞済み。
この日も母と面会後にまっすぐ家へ帰ろうと思ったのですが、
ちょっと気になっていた本作を観るために名神茨木から西宮まで高速に乗って行っちゃいました。
TOHOシネマズ西宮にて。
 
中国の人気作家リウ・ツーシンのSF短編小説を映画化したのが『流転の地球』(2019)だそうで。
観てないし、そんな作品があったことすら知らんかったけど。
本作はその第2弾で、前日譚が描かれています。ボリウッドも顔負けの173分の長尺。
 
近未来の地球では太陽が急速に膨張しはじめている。
いずれ地球は太陽に飲み込まれると科学者たちの間で結論づけられ、
 
さまざまな意見の中から採用されることになったのは、
地球そのものを太陽系から脱出させる巨大プロジェクト“移山計画”。
プロジェクトの実現に向け、全世界で準備が進められるのだが……。
 
地球自体が宇宙船のごとく宇宙空間を移動するというプロジェクト。
現実にこれが可能かどうかは私にはまったくわかりませんが、
とにかく大がかりでお金がかかっていて、劇場で観るべき作品であることは間違いありません。
 
移山計画以外にも検討されていた計画はいろいろあり、そのうちのひとつがデジタル生命体。
地球ごと移動するのではなくて、人間の記憶や人格をコンピュータ上に再現し、
太陽系崩壊後もデジタル生命体として生きることを選びたい人もいるんですね。
そちらを唱える人たちは宇宙ステーションを破壊するテロを目論んだりもする。
 
アンディ・ラウ演じる量子化学研究者は、事故で愛娘を亡くした過去があり、
その娘をなんとかデジタル生命体として蘇らせたい。
彼の気持ちを理解しつつも、立場的にそうすることを認められない上司の気持ちを慮ると悲しい。
また、ウー・ジン演じる宇宙飛行士は、同僚の女性宇宙飛行士に一目惚れして恋を成就させますが、
息子を授かったのちにかつて放射能を浴びた彼女の余命がわずかであることを知ります。
 
とにかくこのプロジェクトの主軸になっているのは中国とロシアだから、
日本人としてはあまりテンション上がらず、「はぁ」と思うしかありません。
ロシアの司令官のうるさいことと言ったら、ちょっとゲンナリするくらい(笑)。
 
と言いつつも、200人以上が志願して『アルマゲドン』(1998)のブルース・ウィリス的役目を果たすシーンは
じわんと感動して泣きそうになりましたけどね。(^^;

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『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』
アニメーションディレクター:黒川智之
声の出演:幾田りら,あの,種崎敦美,島袋美由利,大木咲絵子,和氣あず未,白石涼子,
     入野自由,内山昂輝,坂泰斗,諏訪部順一,津田健次郎,杉田智和,TARAKO他
 
日々、というのか、時間単位で変わるの容態。
ただ、面会に行って意識のなかった日というのはまだなくて、
この日も母と私共通の友人を連れて面会に行き、
声をかけたら目を覚ました母が「ありがとう。来てくれたん」と力はなくも笑顔になる。
会いに来てくれた友人は70代後半で、93歳の母よりずいぶん若いけれど、
ステージ4の膵臓癌ともう何年も闘病中で、母の希望の星。
新しい抗がん剤の投与で体調がすぐれないなか、母に会いに来てくれて感謝。
しばし楽しく話をしたあと、今日も母は大丈夫だろうと私はイオンシネマ茨木へ。
 
原作は『ビッグコミックスピリッツ』に2014年から2022年にわたって連載された浅野いにおの同名漫画。
毎度のことながら私は未読、その存在も劇場で本作のポスターを見て初めて知りました。
「デ」が多すぎるねんと目がラリラリしながらも、「ラララランド」みたいになることはない(笑)。
 
ある年の8月31日、巨大な母艦が宇宙から飛来。
それから3年、何がしたいのかもわからぬまま、母艦は東京の上空に浮かび続けている。
当初は怯えていた人々も今はその状況に慣れ、不安は抱きつつ日常として受け入れている。
 
女子高生の小山門出と中川凰蘭は受験勉強に追われながらも、それなりに毎日を謳歌している。
……って、あらすじを書いてみたらこれだけじゃあないか。(^^;
 
でも、一筋縄ではいかない物語なのです。
母艦には地球をわが物にしようと企んでいるらしい侵略者たちが乗っていて、
彼らを一掃すべく米軍や自衛隊がうろうろしています。
忘れた頃にまた空から船が降ってきて、巻き添えをくらった女子高生が亡くなったりも。
いつも一緒にいた仲間を失った門出や凰蘭のやりとりには涙が出る。
 
中盤以降に幼かった頃の門出と凰蘭の過去が描かれる場面は不穏。
実は彼女たちは侵略者のひとりを保護していて、それまで同級生からいじめられていた門出が変わる。
侵略者の一員イソベやんがドラえもんみたいにひみつの道具を持っているのですよね。
それを使って、社会の悪を駆逐しようとする門出が痛々しい。
 
5月に公開が予定されている後章でどうなるのか。
声優としてダブル主演、門出役の幾田りらと“おんたん”こと中川凰蘭役のあの、ふたりとも素晴らしい。
特に、テレビではあまり良い印象を持っていなかったあのちゃん、見方が変わる。
 
個人的には、おんたんのデベ子評が私ののび太評と一致していたのがツボでした。
後章が楽しみです。

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『四月になれば彼女は』

『四月になれば彼女は』
監督:山田智和
出演:佐藤健,長澤まさみ,森七菜,仲野太賀,中島歩,河合優実,ともさかりえ,竹野内豊他
 
老健に入所中のを連れて、入院中のの面会に行く。
車椅子で病室に入り、母の姿を見るや目に涙をいっぱい溜める父。
意識はちゃんとある母は「今日はもう駄目、死にそうやわ」と言っていました。
父は「俺より先に死んじゃダメだ」と言ったあと、母と握手。
それ以上言葉が出てこなくて、母に会えて気が済んだ父と共に介護タクシーに乗車して老健に帰る。
私は再び実家に戻って、あれこれ片付けた後、イオンシネマ茨木へ。
 
鑑賞前に原作は読了しています。川村元気の同名ベストセラー小説。感想はこちら
 
精神科医の藤代俊(佐藤健)は獣医の坂本弥生(長澤まさみ)と婚約中。
一緒に式場を見に行くなど、結婚式に向けて滞りなく進んでいたはずだったが、
実は長らくセックスレスのふたりは寝室も別。
 
4月1日は弥生の誕生日。たまたま起きていたふたりは午前0時を一緒に迎える。
夜は思い出のレストランで食事をする約束をして就寝。
朝目覚めると、弥生がいなくなっていた。電話をかけてもLINEを送っても応答なし。
 
何が原因で、何を思って弥生が姿を消したのか、俊にはまったくわからない。
ふと、俊の学生時代の恋人だった伊予田春(森七菜)から来た手紙を弥生に見せたときのことを思い出し……。
 
結論から言って、私の心に響いたのは、ラストシーンとエンディング曲だけ。
 
そもそも予告編を観たときからキャストに違和感ありありでした。
俊役の佐藤健は35歳。その今カノ弥生役の長澤まさみは36歳。これはいいとして。
俊の元カノ春役の森七菜は22歳なんですもの。
俊と春が大学生の恋人同士で、その恋愛を俊は引きずりまくっている設定。
それだけ年齢差がある役者を同世代として起用する理由は何ですか。
事務所の忖度があったのかと訝ってしまうほど。(^^;
 
また、原作には出てこない人物として、春の父親役に竹野内豊を起用。
好きですよ、竹野内豊。でもこの役は要らないと思う。何のためかさっぱりわからん。
 
10年ぶりに元カレに旅先から手紙を送ってくる女性。
その女性からの手紙を読みふける今カノ。
死を前にした春が(ネタバレ御免)俊の幸せを望んだゆえのことだったのは美談だし、
最後の手紙はそれなりにグッと来るものはあるけれど、なんだかなぁ。
とにかくこのキャストが私には受け入れられないせいで、冷めてしまいました。
 
世間では大人気の藤井風ですが、私は最初にラジオで耳にした曲の歌詞「青春はドドメ色」にドン引きして、
藤井風にはまったく興味を持てずにいました。でもこれはめちゃくちゃ良かった。
それだけで良しとします。

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『COUNT ME IN 魂のリズム』

『COUNT ME IN 魂のリズム』(原題:Count Me In)
監督:マーク・ロー
 
前述の『青春ジャック 止められるか、俺たちを 2』の後に、同じくシネ・リーブル梅田にて。
 
ドラムとドラマーに焦点を当てたドキュメンタリーです。
音楽は好きだけど、ドラムとドラマーに詳しいわけじゃありません。
でも興味はあるし、気分も明るく保てそうだったから。
 
ドラマーがいっぱい出てきます。
名前と顔が一致して私がわかるのは、クイーンロジャー・テイラーぐらい(笑)。
本作で最も登場シーンが多いのは、スティーヴン・パーキンスでしょうか。
ジェーンズ・アディクションやポルノ・フォー・パイロスなどのバンドに参加したドラマーらしいけど、
この人の名前もそれらのバンドの名前も初耳の私を許してください。
 
だけどこの人、俳優もできそうなぐらい柔らかな雰囲気のイケメンで、
さまざまなドラマーのことを教えてくれます。
とにかくドラムとドラマーが好きでたまらないという雰囲気が伝わってきて、
こちらまで嬉しくなってしまう。
 
ほかに印象に残っているのは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミス、
ポリスのスチュワート・コープランド、ザ・クラッシュのトッパー・ヒードン、
アイアン・メイデンのニコ・マクブレイン、ザ・サマーセットのジェス・ボーウェン。
モトリー・クルーのツアーメンバーを務めたというサマンサ・メロニーもカッコよかった。
 
どんなドラマーも惚れ込んだのがレッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムだとか。
32歳の若さで他界したザ・フーのキース・ムーンの映像にも見入りました。
 
ドラムの音に酔いしれて、気持ちよく劇場を後にする。

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