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『ビニールハウス』

『ビニールハウス』(英題:Greenhouse)
監督:イ・ソルヒ
出演:キム・ソヒョン,ヤン・ジェソン,シン・ヨンスク,ウォン・ミウォン,アン・ソヨ他
 
前述の『MY SHINee WORLD』の後、同じくイオンシネマ茨木にて。
シネ・リーブル梅田まで行かなきゃ観られないと思っていた作品が、
何週か遅れて茨木でも公開してくれてラッキーです。
ただ、母がこんな状態のときにここまで暗い作品を観ても私のアタマが大丈夫かどうかは気になりました。
大丈夫でした(笑)。
 
これが長編デビューとなる30歳の女流監督イ・ソルヒ。
韓国の名門映画学校のご出身だそうで、見た目かわいいのにえげつない作品をお撮りになる。(^^;
 
貧困のためにビニールハウス内に家具をそろえて住む女性ムンジョン。
少年院に入っている息子が帰ってきたら一緒に暮らすのが夢。
ちゃんとした家を借りるために金を稼ごうと、訪問介護士として懸命に働いている。
 
訪問先は盲目の老人テガンと認知症の妻ファオクの2人暮らし。
テガンは穏やかな性格でいつもムンジョンを労ってくれるが、
ファオクはムンジョンを敵視し、唾を吐きかけたり、「殺される」と喚いたり。
 
あるとき、ファオクを風呂に入れていると、立ち上がって暴れ出す。
なんとかなだめようとするがどうにもならず、ますます暴れて揉み合いに。
気づいたときにはファオクは転倒して頭を打ち、息絶えていた。
 
息子との未来のためにも仕事を失いたくない。
ムンジョンはファオクの死体を持ち出し、ビニールハウスの箪笥に隠す。
そして、入院中の自分の母チュンファを連れてきて、ファオクのふりをさせるのだが……。
 
救いなし。完全ネタバレ、いいですか。
 
自分の頬をぶったり頭を叩いたりという自傷癖のあるムンジョンは、
同様の人たちのグループカウンセリングに参加して、スンナムという少女から信頼されるようになります。
スンナムは「先生」と呼ぶ作家のもとで暮らし、性的虐待を受けている様子。
放っておけずにいつでもビニールハウスに来ればいいと解錠方法を教えます。
 
しかしファオクの死体を運び入れているときにスンナムが来てさぁ大変。
ついついスンナムに冷たい言葉をかけてしまったうえに、
「先生」から嫌な目に遭わされているのなら殺せばいいとも言ってしまう。
軽度の知的障害のあるスンナムはムンジョンの言葉通りに先生をカッターナイフで刺すのです。
 
テガンは自らも認知症の初期段階にあることを知り、ファオクを殺して自殺するつもり。
ところが殺した相手は自分の妻ではなくムンジョンの母親で。
ムンジョンの母親も認知症だから、「ふり」をするには限界がある。
 
とどめはムンジョンがビニールハウスを焼くシーン。
少年院から出てきた息子とその仲間がどこかで飲もうとビニールハウスへ来ていたのに、
ムンジョンが来たのに気づいてハウス内に隠れます。
そうとは知らずにハウスにガソリンを撒き、火を放つムンジョン。
 
ビニールハウスが燃える様子は『バーニング 劇場版』(2018)を思い出させます。
小さな幸せを得たくて真面目に働いているのに、何もかもが悪いほうへ。
救いのまったくない状況に、呆然とするしかありません。
 
でも、この作品は嫌いじゃないなぁ。
イ・チャンドンとかキム・ギドクとかパク・チャヌクとかの後継者になりそう。

—–

『MY SHINee WORLD』

MY SHINee WORLD
監督:イ・フビン
 
一昨日母が亡くなりましたが、今日からしばらくはそれ以前に書き溜めていたものをUPします。
 
3月最後の日曜日。
に面会した後、実家の片付けをぼちぼちと。いろんなものが出てきてついつい見入る。
それから自宅へ帰ろうとしたけれど、もしも母がいよいよということになったら、
箕面にいるよりも茨木にいるほうが病院に近くてすぐに駆けつけられる。
まだ虫の知らせはないから大丈夫と思いつつ、イオンシネマ茨木で2本観ることに。
 
“SHINee”って韓国の新しいアイドルグループかと思ったら、デビュー15周年ですと。
全然知らなくてすみません。読み方も「シニー」と思っていました。「シャイニー」やん。
こんなんで観に行く私みたいは奴はそうそうおらんのでは。(^^;
 
コンサートの様子がメインですが、冒頭はなんだろこれと思う。
デビュー当時からのファンである女性の部屋を模したシーンから始まります。
その部屋に入ってきたメンバーのうちの3人が思い出を語る。
 
デビュー当初は5人だったそうで。
少しずつタイプの違うイケメン、オンユ、ジョンヒョン、キー、ミンホ、テミンが最初のメンバー。
このうちのキーとミンホとテミンが話をします。
 
2008年は5人いたのに、いつのまにか4人になっている。
そもそも今こうして3人だけで集まっているのはなぜなのかと訝っていたら、
メインボーカルを務めていたジョンヒョンが2017年に27歳で急逝。
友人に遺書を託しての練炭自殺だったらしく、悲しい事実。
 
新メンバーを迎えることなく4人で活動を続け、でもどうしてやっぱり3人!?
リードボーカルのオンユが体調不良で活動を休止しているということを鑑賞後に知りました。
 
自ら命を絶ったメンバーがいたり、今はリーダーが休止中だったり、
そんなことを後から知ると切なくなりますね。
いい曲がいっぱいあったから、フルメンバーの時の曲から順にいろいろ聴きたい。
 
K-POPのグループって、みんなイケメンあるいは美人で、歌もダンスもめちゃめちゃ上手い。
ビジュアルがこれだから見なきゃ損だとは思うけど、歌だけ聴いていてもじゅうぶん楽しい。
 
この手のコンサートムービーは『BTS: Yet To Come in Cinemas』(2023)しか観たことがありませんでしたが、
今後は足を運ぼうと思います。

—–

母のこと。その2。

昨日の朝、母が亡くなりました
一夜明け、寂しくはありますが、弟を失ったときの悲しさとは全然違います。
寂しいけれど、悲しみに暮れるというのとは違う。
 
昭和一桁生まれって凄いなぁと改めて思ったのは、大阪府北部地震のとき。
箕面在住の我が家も揺れは過去最大に感じたものの、食器がいくつか割れた程度。
茨木に住む両親に連絡して「大丈夫だった?」と尋ねたら母が「うんうん、大丈夫」。
実家に行ってみてたまげました。「ようこれで大丈夫や言うたね」と。
 
家具という家具はすべて倒れ、食器はほぼすべて見事に割れている。
足の踏み場もないほどの被害で、そのうえガスも止まっているというのに、大丈夫!?
「うん、でもね、生きてるから。命があれば」と母。
 
幼い時分に結核を患ったそうですが、それ以降の母はいたって元気。
女性が車を運転するのはまだ珍しかった時代に仕事で車に乗りこなしていたらしいのに、
父と結婚するとき、自転車すら乗れない父に「車の免許、どうしよう」と聞いたら、
父が「要らないだろう」と言ったらしい。
そう言われてその通りにする母も母ですが、免許を更新せず。
結果、どこに行くにも徒歩か自転車だったおかげで健脚。
水泳も続けていたから、本当に病気知らずでした。
 
私の知る限り、母は寝込んだことがありません。
朝起床して「風邪をひいたみたい」と言っていても、晩には元気になっている。
だから、「今日はしんどいから御飯は作れない」と言ったこともない。
それゆえ私が御飯の支度をしなければいけない状況になったこともなく(笑)。
どんだけ元気やねんと思っていました。
 
今年に入って母の手足と顔にも浮腫が出てきて、私は癌の進行を感じていましたが、
母自身はそんなことを一切感じておらず、「毎日異様に眠たいねん。病人みたい」と言うので、
「お母さん、一応、病人やから」と言ったら「あ、そっか」。ふたりして笑いました。
 
本人はしんどくもなんともないと思っているせいで、末期癌なのにホスピスの面談にも行けず。
昨春に病院の地域連携室担当者がホスピスに連絡を取ってくれましたが、
「自覚症状がもう少し出てきてからでないと」と断られた経緯があります。
そりゃそうだ、本人どこも痛くないしんどくない、何もかも自分でできているのですから。
 
いろんなことを思い出します。
 
池田に住んでいた折、台所の食卓に広げた新聞を読みながら座ったままの母は、
後方のガス台横に置いた炊飯器のスイッチに手だけ伸ばして押さえている。
「お母さん、何してるん」と尋ねたら、「スイッチのバネが壊れてるねん。
お米はちゃんと炊けるから、こうして炊き上がりまでスイッチ押さえてたらええやん」。
確かにそうやけどと大笑いしました。
 
弟が買ってくれた自転車がなくなったと電話してきたこともありました。
「マンションの自転車置き場にないねん」。交番にも届けたそうです。
ところがその夜、ふたたび母から電話がありました。
「自転車でプールへ行って、帰りがけに向かいの関西スーパーへ寄ってん。
関スーからそのまま歩いて帰ってきてしまった」。
実家はマンションの9階。夜になって窓から関スーの駐輪場を見たらチャリが1台。
まさに母が置いてきたチャリがそこに。交番にただちに謝りに行ったとか。
 
笑ってしまう思い出が多いけれど、この数ヶ月は浮腫のせいで転ぶことも何度かあって、
それでもまだ運動不足のせいだからもっと歩かなきゃなどと言っていた姿を思い出すと切ない。
LINEが既読にならない母を心配して実家に駆けつけたら、
寝ていた母が解錠しようと慌てて玄関まで走ってきたために転んだこともありました。
ごめんね、お母さん。
 
悲しかったことはあまり思い出さないようにするわ。それもごめんね、お母さん。
やっぱりありがとう、お母さん。

—–

母、逝く。

2023年4月11日。今朝、が亡くなりました。
 
医者の見立てって凄いものですね。
先月16日の時点で「あと数日か1週間か、2週間か。3週間はもつことがあったとしても、
1ヶ月は絶対にもちません」と断言され、本当に3週間はもったけれど、1ヶ月には足らず。
 
面会の帰り際、「また明日ね」と言うと、「『また』あるかなぁ」と言うので、
「なんでよ、お母さんが危なくなったら、看護師さんがすぐに電話くれはるねんで。
そしたら私、駆けつけるやん。私が来るまで待っててくれるでしょ?
だからあるで、『また』」と言ったら、「うん」と言っていました。昨日も。
 
入院して持ちなおした直後は、自分が死ぬなんて全然思っていなかったのだと思います。
しばらくしてようやくこれは最期に近づいているなと悟った様子。
でも全然取り乱すこともなければ、投げやりになることもなかった母。
 
2週間前、「今からホスピスに移ることできるん?」と母が聞くので
(あと1ヶ月はもたないので、ホスピスに移ることは現実的でないと主治医から言われていました)、
「え、なんで? この病院が嫌なん?」と聞いたら、母は首を振り「ううん、そやなくて、暇やから」。
暇やから転院したいは通らんと思うわ、お母さん。一緒に笑いましたねぇ。
 
面会時はいつも意識がはっきりしていて、笑うことしょっちゅう。
あるときは「もう出してください言おかと思て」。私が問う「何を?」。母「葬式」。
母も私も爆笑。
 
今週初めにやはり意識低下で呼ばれたときは、「お母さん、今日お釈迦様の誕生日なんやて。
お母さんお釈迦様に引かれて行くんかと思たのに」と言ったら、「私もそのつもりやってんけど」。
「誰が『まだ来るな』言うて押し戻してはるんやろな」と笑いました。
 
お葬式でかけてほしい曲を尋ねたら『アヴェ・マリア』だと言う。
「お母さん、そりゃええ曲やけど、御仏前で『アヴェ・マリア』はやっぱりマズイんとちゃう?」と言うと、
「あ、そっか」とまた母笑う。
好きな花を尋ねたら、「野に咲いてるみたいな小さな花。ヒトリシズカみたいなやつ」と言ってました。
それもお葬式では飾りにくい花やなぁ(笑)。
 
昨日までに、会いたい人にはみんな会った。
会えなかった人もいるけれど、母に代わって私が電話して話をした。
もういいわと安心したのかなと思います。
 
今朝3時に母と話したと言う看護師さん。
母が「今日逝くと思う」と言っていたそうです。「有言実行の人ですね」と一緒に泣いてくれました。
 
心拍数が30を切り、いよいよ最期かなというときに耳元で「お母さん、ありがとう」と言ったら、
母の目から涙ひと筋。たまたまかもしれないけれど、聞こえていたのだと思いたい。
 
お母さん、ありがとう。

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『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』

『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』(原題:Ghostbusters: Frozen Empire)
監督:ギル・キーナン
出演:ポール・ラッド,キャリー・クーン,フィン・ウォルフハード,マッケナ・グレイス,クメイル・ナンジアニ,
   ローガン・キム,セレスト・オコナー,パットン・オズワルト,ウィリアム・アザートン,
   ダン・エイクロイド,アーニー・ハドソン,アニー・ポッツ,ビル・マーレイ,エミリー・アリン・リンド他
 
前述の『オッペンハイマー』はイオンシネマ茨木で21:15に上映終了。
車に飛び乗って109シネマズ大阪エキスポシティへ向かい、21:30からの本作を鑑賞。
 
1980年代の大ヒットシリーズ“ゴーストバスターズ”。
本作はそれに続く通算5作目となります。
 
前作では科学オタクの地味な女子高生フィービー・スピングラーがサマースクールでこれまたオタクの教師ゲイリーと出会い、
フィービーの兄トレヴァーと母親キャリーと共に幽霊を退治するゴーストバスターズになりました。
本作ではスピングラー一家+ゲイリーがニューヨークに引越し、
ゴーストバスターズとして活動しつつ、ゴースト研究所の仕事も手伝っているという設定です。
 
初代ゴーストバスターズのメンバーのひとり、レイモンド・スタンツ博士はオカルト鑑定店を経営している。
ある日、そこにやってきたナディームという男が持ち込んだ球体の骨董品
調べてみると、それはすべてを一瞬で凍らせる史上最強ゴースト“ガラッカ”を封印するオーブだった。
 
絶対に封印を解いてはならぬものの封印が解かれてしまい、ニューヨーク中が氷の世界と化す。
ゴーストバスターズは世界を守るために立ち上がるのだが……。
 
ものすごく普通です。特に面白いわけでもなければ、かといってつまらないわけでもない。
前作よりスケールが小さくなったようなのは気になるけれど、まぁこんなもんでしょう。
 
国際色豊かなのは時代を反映してのことか。
前作にも共に出演していたフィービーの友だちポッドキャスト役のローガン・キムはアジア系(何人か不明)、
本作でファイアーマスターとして登場するクメイル・ナンジアニパキスタン系アメリカ人
 
ガラッカが自身の封印を解かせるために利用したのが、成仏できずにいる幽霊女子メロディ。
彼女をフィービーに近づかせます。
騙されて、史上最強のゴーストを解き放ってしまったと落ち込むフィービー。
だけどメロディが使う「最後のマッチ1本」は切なくて泣きそうに。
 
前作で監督を務めたジェイソン・ライトマンは父親アイヴァン・ライトマンの後を継いで
続編もメガホンを取り続けるだろうと思っていたのに、本作ではプロデュースに回っています。
確かに、彼の今までの作品は“ゴーストバスターズ”とはイメージが違う。
でも、どんな形であれ、父親の仕事に関わり続けていられるのは親孝行なのかもしれませんね。
 
やっぱりポール・ラッドが好きです。
最近ヒーローものの出演が多いけど、普通の男性役の彼もそろそろ見たい。

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