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『バジーノイズ』

『バジーノイズ』
監督:風間太樹
出演:川西拓実,桜田ひより,井之脇海,栁俊太郎,円井わん,奥野瑛太,
   天野はな,駒井蓮,櫻井海音,馬場園梓,テイ龍進,佐津川愛美他
 
パスしてもいいかなと思っていた作品でしたが、観に行ってみたら意外とよかった。
イオンシネマ茨木にて。
 
原作は『ビッグコミックスピリッツ』に連載されていたむつき潤の同名漫画。
監督は『チア男子!!』(2019)の風間太樹。
 
20代の清澄(川西拓実)は、若者には珍しくマンションの管理人をしている。
DTM(デスクトップミュージック=パソコンで楽曲を制作すること)が趣味の孤独な青年。
自分が管理人を務めるマンションの一室に居住中だが、
防音設備の整っていない部屋で我を忘れて音楽作りに没頭するゆえ、
騒音を訴える苦情が管理会社に入るらしく、次に音を出せばクビ、部屋も退去させると警告される。
 
ところがある日、真上の部屋に住む潮(桜田ひより)が夜中に訪ねてきて、
いつも下の部屋から聞こえてくる音楽が大好きだということ、
失恋して悲しい夜だから、あの音楽を聴かせてほしいということを言われる。
ドアは開けずに、次に音を出せばクビだからと断るが、ついに潮のために演奏を始める。
音楽を奏でているのが管理人だとようやく知った潮。
 
警告どおりクビと退去を言い渡された清澄に、潮は同居を持ちかける。
隣室は空き部屋だし、苦情が来ることもない。
潮の部屋で曲作りに専念しても良い代わりに、その様子を動画に撮影してSNSに投稿させてほしいと。
しばし迷ったものの、悪い話ではないと、その提案を受け入れる清澄。
 
潮の動画を見て清澄に会いに来たのは、かつてバンド仲間だった陸(栁俊太郎)。
陸は今は人気バンドのベーシストだが、現状に不満を感じていた。
清澄と一緒に音楽をやりたいと言い、清澄は戸惑いつつも陸と共に活動を始めて……。
 
人づきあいを徹底して避けてきた清澄が、潮と出会って外の世界へと連れ出されます。
清澄がここまで孤独を貫き通してきた理由はよくわかりませんが、
何がいいって、JO1の川西くんがカワイイことと、音楽が良いこと。
“エモい曲”ってこういうことなのでしょうね。
 
潮の幼なじみで、今は音楽プロデューサーの航太郎役に井之脇海
自身のバンド仲間と上手くやれずに脱退、ドラマーとして活躍する岬役に円井わん
陸が所属していたバンドのボーカリスト役に奥野瑛太
奥野瑛太って、ほんとに人相が悪いでしょ(笑)。
チンピラ役しか似合わんと思っていたけれど、そんなことはなかった。
潮が最初に勤めていたカフェの同僚役を佐津川愛美が演じています。
 
全体的に「青い」映画だなぁという印象を持ったのは、
清澄と陸のバンド名が“アジュール”だったからかもしれません。
気恥ずかしくなりそうなシーンはあるけれど、カワイイ男子と女子主演で、
流れる音楽もいいならば、これ以上何を望むことがありましょう。
 
甲子園で始球式をしていたときも全然興味が及ばなかったJO1。
ちょっと聴いてみようかなという気持ちになりました。

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『青春18×2 君へと続く道』

『青春18×2 君へと続く道』
監督:藤井道人
出演:シュー・グァンハン,清原果耶,ジョセフ・チャン,道枝駿佑,黒木華,松重豊,黒木瞳他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
藤井道人監督は面白いですねぇ。
公安に目をつけられたに違いない『新聞記者』(2019)や、『ヤクザと家族 The Family』(2020)とか、
『ヴィレッジ』(2023)とか『最後まで行く』(2023)のような重めのサスペンスを撮ったかと思えば、
『余命10年』(2021)のようなラブストーリーもあったりして、ものすごく引き出しが多い。
 
本作はちょっと感傷的すぎるかなと思うほどのラブストーリー。
主演は『僕と幽霊が家族になった件』(2022)がめちゃめちゃよかったシュー・グアンハン。
この人、名前をどう使い分けているのか知りませんが、グレッグ・ハンとも言います。
 
30代半ばのジミー(シュー・グァンハン)は、大学在学中に友人とゲームを開発
起業すると大当たり、会社はどんどん大きくなる。
ところがあるとき、社長の不信任案が出され、ジミーは創業者でありながら追い出される。
最後の東京出張時、社員たちとは別れて旅をすることを思いつくジミー。
 
18年前、台南に暮らす高校生だったジミーはカラオケ店でバイトしていた。
そこへ、日本人のアミ(清原果耶)が住み込みで雇ってほしいと言ってやってくる。
バックパッカーのアミは財布を落としたらしく、途方に暮れていた折にたまたまこの店を発見。
彼女のことを気に入ったオーナーはすぐに採用。アミはたちまち近所の人気者となる。
 
4つ上のアミに恋心を抱くジミーだったが、アミは日本に恋人がいる様子。
それでもあきらめきれず、バイト仲間たちにけしかけられてアミを映画に誘う。
少なからず良い感触を得ていたのに、アミが突然帰国すると言い出し、納得がいかない。
どちらも夢を叶えたら再会しようと言うアミ。それから18年経っていたのだ。
 
アミが見ていたはずの風景を自分も見たくて、長野から福島へと旅するジミーは……。
 
旅の途中で出会う能天気な青年・幸次に道枝駿佑
終盤、ジミーが立ち寄ったインターネットカフェに勤務する女性・由紀子に黒木華
アミの故郷で実家まで車に乗せてくれる男性・中里に松重豊。アミの母親に黒木瞳
 
予告編を観ただけでもアミが何か病を患っていてもうこの世にはいないのだとわかるから、
本編を観ても「えーっ、死んでたの!?」という驚きは皆無です。
ただ、どの時点でジミーがそのことを知ったのかはわからなかったから、
そうか、こういうタイミングで知ってしまったのねとは思いました。
 
ジミーとアミが初デートで観に行く映画は岩井俊二監督の『Love Letter』(1995)。
台湾の人気バンド“五月天(メイデイ)”をミスチルに例えたり、
ジミーが日本語を勉強するきっかけになったのがスラダンだったりと、日本に友好的な台湾のイメージがいっぱい。
トンネルを抜けると雪の世界が広がる様子なども美しく、岩井監督を意識した作品です。
 
だけど、泣くようなところまでは行かないなぁ。ちょっとあざとっぽさを感じます(笑)。
台湾映画好きとしては、これで台湾好きの人が増えると嬉しいとは思う。
台湾に行ったこともない私が言うのはどうかと思いますけれども。(^^;

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『カラオケ行こ!』【成田狂児 大生誕祭 絶唱応援上映】

たいして客の入りが良いとは思えなかったのに、原作ファンの間で良作だと噂になったのか、
じわじわロングランの末に一旦上映が終了するも再上映されるようになった『カラオケ行こ!』
4月初めには【岡聡実 大生誕祭】と銘打って上映、
そして今回は綾野剛演じる成田狂児が5月5日生まれということで【成田狂児 大生誕祭】。
しかも発声OKの絶唱応援上映が催されました。TOHOシネマズなんばへ。
 
思えば本作の応援上映は塚口サンサン劇場で早くから催されていました。
が今日明日いつ亡くなっても不思議はない、3週間はもつことがあったとしても、
あとひと月は絶対にもちませんと主治医から電話をもらったのは塚口にいるときでした。懐かしい。
 
さてさて、私は基本的に何でもひとり。これももちろんひとりで予約。
後方の端っこ席を取って、ほかの客の応援ぶりを見るのが楽しい。
 
本編前にメイキング映像や綾野剛のコメント映像が流れて早くもテンションが上がります。
「狂児」と書いて「きょうじ」、彼の誕生日が「こどもの日」というのがいいですよねぇ。
 
応援上映のために気合いを入れてきた人が多いと見えて、最初から声かかりまくり。
「カッコイイ!」「足長っ!」などなど綾野剛に声援が飛ぶ。
冒頭、齋藤潤演じる聡実が合唱部のメンバーと離れて階段を降りようとするシーンでは、
「そっち行ったらアカン」などという声も。
 
聡実の部屋が映れば、「そのたこ焼き何!?」とか「右上の算盤が気になる」という声も。
坂井真紀演じるオカンと聡実との会話には「このやりとり好き!」。
スベリ気味のかけ声もあるものの、みんながこうして楽しめる上映、大好きです。
 
またあれば行きたいと思う。
細々とでもどこかで上映が続いてほしい『カラオケ行こ!』なのでした。

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『デーヴダース』

『デーヴダース』(原題:Devdas)
監督:サンジャイ・リーラ・バンサーリー
出演:シャー・ルク・カーン,アイシュワリヤー・ラーイ・バッチャン,マードゥリー・ディークシト,ジャッキー・シュロフ
 
NGK→TOHOシネマズなんばで『マリウポリの20日間』→第七藝術劇場でこれ。
“ゴールデンウィークインド映画祭”で上映されておりまして、鑑賞料金は2,000円。
だけど、2,000円だからということで、スタンプを2個押してくださいました。
 
ちなみにナナゲイの“インド映画祭”のラインナップはこれを含めて4本で、
未見だったのは本作のみだったわけですが、2002年の作品って、20年以上前じゃあないか。
 
現在58歳だから、本作のときは30代だったのか。うーむ、タイプとは言えません。
本作の中では彼のことをさんざん「美しい」と言っているけれど、どやねん。
 
大地主の息子デーヴダースが弁護士となり、10年ぶりにロンドンから帰国することに。
母親のカウシャリヤは嬉しくてたまらず、息子の帰宅を誰よりも待ちわびているというのに、
デーヴダースが帰国して最初に会いに行ったのは、母親ではなくて幼なじみのパーロー。
 
デーヴダースとパーローはただの幼なじみではなく、お互いに想いを寄せ合っている。
デーヴダースの兄嫁クムドは、姑カウシャリヤが息子のことばかり気にかけるのが面白くなくて、
母親を差し置いてパーローに先に会いに行ったとカウシャリヤにチクるなどして事を荒立てる。
 
パーローの母親スミトラは、わが娘とデーヴダースが結婚する事をつゆとも疑っていなかったが、
カウシャリヤはそれを受け入れたふりをしてスミトラを呼び出し、
さんざんコケにしたうえで、卑しい身分のアンタの娘を自分の息子の嫁にするわけがないと嘲笑う。
 
騙されて見下され、怒りに燃えるスミトラは、パーローをもっと凄い大地主のもとへ嫁がせるのだが……。
 
いや〜、もう、絢爛豪華。キラキラしているお屋敷とか衣装とか宝飾品とか、見ているだけで楽しい。
そこに惹かれて183分、1秒も目を閉じることはなかったのですから、面白かったのでしょう。
だけど、物語を振り返ってみると(振り返るまでもなく)、グダグダだと思うのです。
 
大地主とフツーの地主の間には凄い差があるのでしょうけれど、パーローの家だってじゅうぶん以上にデカい
だから「身分違いの恋」にイマイチ説得力なし。
そして、親を怒らせて想い人と結婚できなかったデーヴダースってば、
3時間超の作品のうち、3分の2ぐらいは酔っぱらっています。
こんなどうしようもない酒浸りの男を見ているだけで引っ張る引っ張る。
 
パーロー役のアイシュワリヤー・ラーイ・バッチャンと、
デーヴダースを介抱する娼婦チャンドラムキー役のマードゥリー・ディークシトがめちゃめちゃ綺麗。
美人ふたりを見ていられたおかげで最後までもったようなもの。
 
インドの女性観や結婚観にちょっと嫌悪感も抱いてしまいます。
本作から20年経って、どれくらい変わったのかなぁ。

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『マリウポリの20日間』

『マリウポリの20日間』(原題:20 Days in Mariupol)
監督:ミスティスラフ・チェルノフ
 
GW後半初日、実家で両親が使っていたマットレスを臨時収集に出してからなんばへ。
が亡くなる前に予約していたNGKで漫才と吉本新喜劇で大笑いした後、
TOHOシネマズなんば別館で本作を鑑賞。
 
AP通信のウクライナ人記者ミスティスラフ・チェルノフによるドキュメンタリー映像が
こんなふうに映画となって世界中で公開されています。
 
よく名前を聞くハルキウはウクライナの北東部の都市。マリウポリは南東部の都市。
2022年2月、記者チェルノフが取材を進めていた頃、ロシアがウクライナへの侵攻を開始
「戦争は静かに始まる」という、チェルノフ本人のナレーションが頭に残ります。
 
海外メディアは次々とウクライナを脱出しますが、チェルノフはそのまま残る。
ロシア軍に包囲されていく街で、まさに命懸けの取材を敢行するのです。
 
ロシアはウクライナを兵糧攻めに。
民間人は攻撃を受けることはないと思われていたのに、爆弾が民家に落ちてきます。
電気や水が使えなくなり、食糧も底を突きそうになるばかりか、
病院では薬が入って来ず、窓際は危険だからベッドを廊下に並べる。
 
凄絶で、直視するのが怖くなる映像。
よりによって病院を狙って砲撃するなんてあり得ない。しかも産科病棟ですよ。
妊婦の骨盤は砕かれ、胎児の死を体で感じ取った母親は「殺してくれ」と叫んだそうです。
 
サッカーを楽しんでいた少年を殺さねばならない理由がどこにあるのか。
生まれてまもない赤ちゃんを殺す理由がどこにあるのか。
映像に絶望が漂っていて、それでも生まれてくる命には涙が出る。
 
これをフェイク映像だとニュースで流すロシア。
すべての国民を騙し洗脳するロシアは北朝鮮と同じ。
こんな国に生まれなくてよかったとつくづく思ってしまうのです。
 
この人たちに早く故郷を返してあげてください。

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