『ヒックとドラゴン』(原題:How to Train Your Dragon)
監督:ディーン・デュボア
声の出演:メイソン・テムズ,ニコ・パーカー,ジェラルド・バトラー,ニック・フロスト,ジュリアン・デニソン,ガブリエル・ハウエル,ブロンウィン・ジェームズ,ハリー・トレヴァルドウィン,ルース・コッド,ピーター・セラフィノウィッツ,マーレイ・マッカーサー他
TOHOシネマズ伊丹にて。『シャッフル・フライデー』は吹替版の上映劇場が多くて字幕版を観ることができず、本作も内容的にそうなるのかなと思っていましたが、仕事帰りにちょうど観られる時間に字幕版の上映がありました。ラッキー♪
『ヒックとドラゴン』はもとはイギリス人作家クレシッダ・コーウェルの同名児童文学。スティーヴン・スピルバーグが創業したアニメーションスタジオ“ドリームワークス・アニメーション”によって2010年にアニメ化され、大ヒットを飛ばしました。続編に当たる『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』(2019)のディーン・デュボア監督がこの実写リメイク版のメガホンを取ることに。彼は“リロとスティッチ”シリーズの脚本の執筆者でもあります。
バイキングが暮らすバーク島。食糧を狙って飛来するドラゴンたちとの間で何世代にも渡って激しい戦いが繰り広げられてきた。少年ヒックはバイキングの首領ストイックの息子。早く自分もドラゴンを倒したくて仕方ないのに、腕力に秀でているわけでもなく、妙な発明でドラゴンに挑もうとしては騒ぎを起こすヒックはみんなの嘲笑の的。ストイックもそんな息子に呆れてまったく期待していない。
ある日のドラゴン襲来時、またもや自ら発明した器械で石を放ったヒック。どうやらそれがドラゴンに命中したようなのに、誰も信じてくれない。ドラゴンが落下したとおぼしき場所を探しに行くと、そこには傷を負った伝説のドラゴン・ナイトフューリーが倒れていた。こいつを殺せば自分は英雄視されるだろうと思いつつ、ナイトフューリーの顔を見るとどうしてもとどめを刺すことができない。殺すどころか絡まった投石器の縄を切ってナイトフューリーを逃がす。
その後どうなったのかが気がかりでふたたび出かけたヒックは、あのナイトフューリーと再会。負傷して体の一部を損壊したせいで上手く飛べずにいるナイトフューリーのために得意の発明を思いつく。飛べるようになったナイトフューリーにトゥースと名づけ、毎日一緒に時間を過ごしはじめるのだが……。
ドラゴンを殺すことしか考えていなかったのに、トゥースとの絆が深まるなかで、人間とドラゴンが共生できないものかとヒックは考えます。人間は皆、力でドラゴンをねじ伏せようとするけれど、トゥースと過ごすうちにドラゴンの習性を学び、武器なんか用いなくてもドラゴンと戦えるどころか仲良くなれることを察知するんですね。今の時代、ドラゴンのペット化が問題視されそうな気がしなくもないですが(笑)、原題は“How to Train Your Dragon”ですから。ドラゴンを手なずけられたらそりゃ楽しいでしょう。
ストイックが登場したとき、バイキングの扮装をしていると誰だかわからなくて、声を聞いてジェラルド・バトラーだと気づきました。ヒックの教育係ゲップを演じるニック・フロストもいいですね。主演のメイソン・テムズは知らない子だと思っていましたけど、『ブラック・フォン』(2021)の子じゃあないか。数年でずいぶん大きくなったもんだ。
ドラゴン討伐隊の子どもたちは、ヒックが恋するアスティ(ニコ・パーカー)以外は結構ウザい。これは吹替版で観たらもっとイライラしたはず(笑)。字幕版でよかった。すごく楽しい作品です。
『シャッフル・フライデー』〈吹替版〉
『シャッフル・フライデー』(原題:Freakier Friday)
監督:ニーシャ・ガナトラ
出演:ジェイミー・リー・カーティス,リンジー・ローハン,ジュリア・バターズ,ソフィア・ハモンズ,マニー・ハシント,マーク・ハーモン,チャド・マイケル・マーレイ,マイトレイ・ラマクリシュナン,X・マヨ他
声の出演:唐沢潤,小笠原亜里沙,本渡楓,伊藤彩沙,竹内栄治,原康義,浪川大輔,島田愛野他
MOVIXあまがさきにて前述の『侵蝕』とハシゴ。字幕版の上映劇場が少なく、上映回数も1日1回とかだったので、吹替版で妥協するしかありませんでした。
『フォーチュン・クッキー』(2003)の続編。20年以上経って何をいまさら続編なんて作っとるねんと思わなくもないですが、致し方がないですよね。当時17歳だったリンジー・ローハンはまだ3歳のときに子役としてデビュー。『E.T.』(1982)のドリュー・バリモア然り、『ホーム・アローン』(1990)のマコーレー・カルキン然り、売れに売れた子役が通る道なのか、ドラッグとアルコールに溺れる。その他いろいろとやらかしているから、続編なんて怖くて作れない。こうして無事作れたことを喜びましょう。
22年前、母娘で体が入れ替わるという世にも奇妙な体験をした母娘、テスとアンナ。ロックミュージシャンになりたかったアンナは、今は音楽プロデューサーとして活躍。シングルマザーとなる道を選び、テスの協力を得て高校生の娘ハーパーを育てている。そのハーパーはロンドンから来た転入生リリーとウマが合わず、ついに大喧嘩をしたせいで、双方の親であるアンナとシングルファーザーのリックが学校から呼び出される。恋に落ちたアンナとリックはすぐに交際を始め、婚約に至る。犬猿の仲のハーパーとリリーは、自分たちが義理の姉妹になることなど到底受け入れられず、またしても罵り合いに。また、結婚したらロンドンに移り住むという話をアンナから聞いていなかったテスは、雑に扱われると感じて憤慨する。
ある朝起きたら4人の体がシャッフルされ、アンナとハーパー、テスとリリーがそれぞれ入れ替わってしまう。この異常事態を経験済みのアンナとテスの提案で、全員が元の体に戻るまで、誰にもバレないように互いのフリをして危機を乗り切ることに。ところがハーパーとリリーは、この機会を利用して、アンナとリックの結婚を阻止しようと密かに画策して…。
前作ではテス(ジェイミー・リー・カーティス)とアンナ(リンジー・ローハン)の体が入れ替わりましたが、本作ではアンナとその娘のハーパー(ジュリア・バターズ)が入れ替わり、テスとその娘でも何でもない他人のリリー(ソフィア・ハモンズ)が入れ替わります。これがなかなかややこしい(笑)。2人が入れ替わるという話はどこの国の作品でももはや珍しくないわけで、じゃあ4人にしてしまおうとなったんじゃないかと思いますが、あれ?誰と誰が入れ替わっているんだっけと混乱し通しだった私は、やっぱり4人入れ替わるのは多すぎやな、2人のほうがわかりやすくてよかったなどと思いながら観ていました。あと、これはやっぱり字幕版を観たかった。吹替版で観ると、声にあまり差がないように聞こえて、余計にややこしくなるという。これは作品自体よりも、アタマの回転が衰えている私のせいですね(涙)。
リンジー・ローハンがイケイケの格好をするとやっぱり年齢を感じてしまいます。彼女より2歳上のスカーレット・ヨハンソンの体型とついつい比べてしまう。お尻の形とか全然ちがいますもんね(笑)。前作のほうが断然好きだったこともあり、ついつい話とは関係のないところに目が行ってしまってすみません。
ハーパー役のジュリア・バターズに目を惹かれました。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)に出演していた子役だとは知らなんだ。16歳になった今も可愛い、演技も歌も上手い。注目。
『侵蝕』
『侵蝕』(英題:Somebody)
監督:キム・ヨジョン,イ・ジョンチャン
出演:クァク・ソニョン,クォン・ユリ,イ・ソル,キ・ソユ,ホ・ジョンド,シン・ドンミ,キル・ヘヨン他
マジック3だったから、どうせ阪神の優勝がこの日決まることはないしと、MOVIXあまがさきで映画をハシゴすることにして、プロ野球中継を聴きながら車を走らせました。
少女時代のユリが出演して韓国でヒットしたサスペンスホラーだそうですが、少女時代のユリがどの人なのかわからないのです。きっとこの綺麗な母親役の人がそうなんだわと思って観ていたら、途中でその人は出番がなくなってしまいました。ということはどの人がユリなのかしら!?という疑問は消えないまま最後まで観ることになったけど、それはどうでもいいぐらい面白かった。
水泳のインストラクターとして働くシングルマザーのヨンウン(クァク・ソニョン)は7歳の娘ソヒョン(キ・ソユ)の奇行に悩まされている。ソヒョンは生き物を傷つけたり痛めつけたりすることを好み、その対象は動物のみならず人間も含まれる。幼稚園に行けばほかの園児たちの心にも体にも傷を負わせようとして大事に至る場合も。
ヨンウンの夫がソヒョンを恐れて精神科に入院させようとしたところ、ヨンウンは断固反対し、自分ひとりでソヒョンを育て上げると主張して離婚を選択。ヨンウン自身が睡眠中にソヒョンに太股を切りつけられて大怪我を負ったこともあるというのに。娘を見捨てるなんて絶対にしないと心に決めていたのに、ソヒョンの奇行はおさまるどころかどんどんエスカレート。人をも殺しかねない娘を見て、ヨンウンは唯一、水を怖がるわが子を深夜のプールへと連れて行くと、そこで無理心中を図る。
20年後、特殊清掃の仕事に就いているミン(クォン・ユリ)。子どもの頃に自分を殺しかけた母親は気がふれて記憶を失い、長らく精神病棟に入ったまま。児童養護施設で育ったミンを自宅に引き取り、仕事を教えたのはヒョンギョン(シン・ドンミ)。気を遣われるのも面倒だから、自分が母親から殺されかけた話はヒョンギョンにはしていないし、過去の記憶がないのは母親ではなく自分のほうだということにしている。
いつものようにミンとヒョンギョン、チーム長のハン(ホ・ジョンド)が組んで仕事をしていると、新入りのヘヨン(イ・ソル)がやってくる。ミン以上に不幸な身の上らしいヘヨンをヒョンギョンは気にかけ、自宅に招き入れて好きなだけここで一緒に暮らせばいいと言うが、ミンはヘヨンに対する不快感をあらわにして……。
この先ネタバレ全開です。
前半はヨンウンがソヒョンと無理心中を図るシーンで終わります。ソヒョンはおそらく逃げて生き延びたっぽい。その一方で、プールの底に沈んでゆくヨンウンの生死は観ている私たちに明らかにされません。どうなったの!?と思っていたら場面変わって20年後。精神病棟にいる女性の顔は正面から映されることはなく、彼女に会おうともせずに帰るのがミン。きっとミンが偽名で本名はソヒョン、あの気の毒なオカンのヨンウンは一命は取り留めたけれどもアタマおかしくなって入院かぁと私たちは思わされます。
しかしヘヨンが登場した瞬間に誰もが「ん?」と思うはず。無愛想なミンよりも、へらへらと笑うヘヨンのほうがずっと不気味。表の顔と裏の顔がありそうなヘヨンをミンが調べてみると、ヘヨンがサイコパスである証拠が次々と出てきます。このままでは大変なことになるとヒョンギョンに訴えても取り合ってくれない。ヘヨン=ソヒョンがもう怖いのなんのって。
自分の子どもが生まれついての悪魔だったらどうしますか。子どものために何もかも抛つつもりでもどうにもならない。次は何をしでかすだろうと思うと気が気ではありません。自分のしたいことができないとヒステリーを起こす子どもの気持ちを鎮めるために、養鶏所で金を払って鶏を絞めさせたりもする。「見に来ないでください」と養鶏所のおっちゃんに頼むヨンウンの言葉には『鶴の恩返し』を思い出して笑ってしまったけれど、血だらけの鶏を前に満足そうなソヒョンが怖すぎます。
ミンとヘヨン=ソヒョンの格闘はもちろんミンを応援し、ミンが負けるわけもないと思いながら観るわけですが、丸焼けになってもまだ生きていますかね。生きていましたとか言って続編を作るのはやめてください(笑)。あれで死なないなんて、人間じゃないから。いや、人間じゃなくて悪魔なんだからありか。
『海辺へ行く道』
『海辺へ行く道』
監督:横浜聡子
出演:原田琥之佑,麻生久美子,高良健吾,唐田えりか,剛力彩芽,菅原小春,蒼井旬,中須翔真,山崎七海,新津ちせ,諏訪敦彦,村上淳,宮藤官九郎,坂井真紀他
MOVIXあまがさきにて前述の『子鹿のゾンビ』とハシゴ。この日は『子鹿のゾンビ』を観るぞと決めていて、上映劇場を調べたら私が寄れそうなのはここかなんばパークスシネマでした。ハシゴする作品を検討したときに、なんばパークスシネマのほうは寝てしまいそうなドキュメンタリーだったからMOVIXあまがさきを選んだのに、本作で寝ちゃったじゃあないか。居眠りする頻度が高くてすみません。マナームービーにもなっている本作は面白そうだったし、私の好きなタイプの作品だと思ったんだけどなぁ。
原作はKADOKAWA発行の『月刊コミックブーム』で連載されていた“海辺へ行く道”シリーズ。作者の三好銀は6年前に膵臓癌で亡くなっているということを鑑賞後に知りました。癌で亡くなった人だと聞くとついつい弟と重なってしまいます。鑑賞前に知っていたら寝なかったりして。
舞台はアーティストが多く集まる海辺の町。集まるというよりは集めていて、町自体がアーティストの移住を支援しているんですね。そういう町だからなのか、アーティストの資質を持つ若い子もいっぱいいる。主人公の奏介(原田琥之佑)は母親の寿美子(麻生久美子)とふたり暮らしの中学2年生で美術部所属。美術部員たちの作品展に毎年やってくる謎のA氏(諏訪敦彦)は奏介に才能ありと見て、人魚をイメージした作品の制作を依頼してきます。
最近この街にやってきたのが高岡(高良健吾)とヨーコ(唐田えりか)。どうにも怪しいこのカップルに物件を紹介するのは不動産会社に勤める理沙子(剛力彩芽)。高岡は包丁の実演販売をしているけれど、これは詐欺。高岡の見た目にのぼせあがったおばちゃんたちをカモにして、切れない包丁をバンバン売りつけているのです。
理沙子は物件を紹介した別の客・ケン(村上淳)に恋をして交際を始めます。アーティストだというケンに創作活動をしているふしはないものの、料理上手で優しいケンに理沙子は首ったけ。そこへ理沙子の友人で奏介の叔母でもあるメグ(菅原小春)が東京から帰郷。メグは東京の貸金業社で働いていて、借金を踏み倒して逃げたアーティストの捜索中だと言う。焦る理沙子。
あら、めっちゃ寝たつもりだったけど、こうして書いてみたらわりと観ていますね(笑)。そう、横浜聡子監督の作品は、『俳優 亀岡拓次』(2015)とか『いとみち』(2021)も好きでしたし、雰囲気はやっぱり好みなんです。ただ、主要な登場人物だけでもかなり多いのと、その周辺の人にもそれぞれにエピソードがあるのとで、話がどんどん広がって行くから集中力が持たなくて。
この季節だけ海辺のデッキにパラソルを立ててランチ販売をする静香(坂井真紀)の存在が面白い。また、海を潜ってランチを買いに来る五郎(宮藤官九郎)には笑います。静香の店は毎夏突然現れたかと思うと予告もなしに畳む。今年も忽然と姿を消してしまい、「えーっ。いなくなるなら言ってよ、このまえ買いに来たときは何も言ってなかったよ。いっつもそうなんだから」と五郎。静香がいなくなって夏が終わるのを知る。寂しい感じがよかったなぁ。
なんだかんだで良かったような気がしてきました。あんだけ寝といて言うな、ですけど。ひとつ文句をつけるなら、理沙子とケンの食事のシーン。ケンが用意したパスタをふたりともズルズル言わせながらすする。いまやパスタはラーメン並に「すすって食べる料理」のようで。フォークとスプーンを使ってパスタをすするケンを見て、理沙子は「食べ方が綺麗」とうっとりします。綺麗か!?
余談ですが、パスタを食べるときにスプーンは使わないほうがいいと某店のシェフから聞きました。もしも海外でフォークとスプーンを使ってパスタを食べるとバカにされると。店でも以前はフォークしか出さないようにしていたけれど、あまりに「スプーンください」という客が多いため、面倒くさいから今は最初からスプーンも出しているそうです。イタリアの北のほうではパスタを食べるのにスプーンも使うところがあるそうですが、南の人はそれをバカにしているらしく。バカにするのもどうかとは思うけど、バカにされたくはないから私はフォークだけで食べる。(^^;
『子鹿のゾンビ』
『子鹿のゾンビ』(原題:Bambi: The Reckoning)
監督:ダン・アレン
出演:ロクサンヌ・マッキー,トム・マルヘロン,ニコラ・ライト,エイドリアン・レルフ,アレックス・クック,ジョセフ・グリーンウッド,サミラ・マイティ他
見つけてしまったのです。こんな映画が公開されているのを。B級かひょっとしたらC級まちがいなしのタイトルだけど、気になって仕方がない。好奇心に抗えず、MOVIXあまがさきまで観に行きました。
『プー あくまのくまさん』(2023)や『メリーおばさんのひつじ』(2023)を手掛けたスコット・チェンバースとリース・フレイク=ウォーターフィールドがプロデューサーを務める本作は、子鹿のバンビが凶暴化するスラッシャーホラーだという。監督は『ザ・マミー リボーン』(2019)のダン・アレンと聞いても知らんっちゅうねん。でも同監督の『ザ・ディセント 絶叫洞窟』(2021)というタイトルにはちょっと心が動くなぁ。洞窟ものも結構好きかもしれません、私。
ザナと息子のベンジーはザナの元夫サイモンと会うため、タクシーで森を抜けてサイモンの実家へと向かう。しかし、ザナが途中でサイモンに電話をかけると、サイモンは実家には行けないと言う。ザナはベンジーにその事実を告げられず取り繕うが、サイモンが約束を守ったためしはなく、自分と会おうとしない父親のことを思うとベンジーは悲しくてたまらない。
重苦しい雰囲気を察知した運転手がベンジーにお菓子を差し出そうとしたとき、突如として目の前にいかにも凶暴そうな巨大な鹿が現れる。その鹿によって横転させられた車にさらに鹿が走り寄り、車もろとも運転手を潰そうと脚を振り上げる。運転手の体を鹿の角が貫き、ザナとベンジーはなんとか逃げて実家へとたどり着く。実家には母親のメアリーのほか、サイモンの兄弟アンドリューとジョシュア、アンドリューの妻子であるハリエットとハリソンがいたが、怯えるベンジーを見ても鹿の話など信じようとしない。
運転手を置き去りにしたことを申し訳なく思うザナを見て、ジョシュアが運転手を探しに行くが、何が目的なのか森をうろついていた怪しげな3人組のうちの1人が誤って発砲。ジョシュアは頭を撃ち抜かれて死んでしまう。そんなことになっているとは想像もせず、実家で帰りを待つザナたち。するとあの鹿が窓を蹴破って侵入してきて……。
予想通りのB級だけど、プーやメリーおばさんよりは格段好きでした。ベンジーを演じる子役のトム・マルヘロンが賢そうなせいかもしれません。誰ひとりとして知っている役者の名前はなく、ザナ役のロクサンヌ・マッキーは中途半端に美人。いや、綺麗な人なんですが、特徴があるわけじゃないから印象に残らない。男性陣もありがちな顔ばかりだから、次に見てもわからないだろうなぁ。
凶暴な鹿が誕生したのは、人里離れたこの地に有毒廃棄物を垂れ流したのがきっかけ。どんどん破壊される森の中で暮らす動物たちは、汚染された水を飲んでこんなふうになっちゃったんですね。さらには密猟者がバンビを奪い去ったから親鹿が起こる。親鹿をおびきだして殺害するための罠としてバンビを利用しようとする人間。バンビを救おうとしたベンジーとザナ、そして認知症かと思われていたメアリーだけが助かるのでした。
ほら、なんだか今までの「可愛らしい話を恐ろしい話に変えました」的な作品の中ではまともっぽくありません!? ない!? 凶暴化したのは鹿のみならずウサギもなんです。愛らしいはずのウサギが目をギラギラさせて人間に噛みつくところは怖いけどワラける。
「せんべいだけじゃ、生きていけない」ってキャッチコピー、最高やんか。そして「バンビは帰ってくる」そうです。ぎゃはは。