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『ANIMAL』

『ANIMAL』(原題:Animal)
監督:サンディープ・レッディ・ヴァンガ
出演:ランビール・カプール,アニル・カプール,ラシュミカ・マンダンナ,ボビー・デーオール,トリプティ・ディムリ,チャル・シャンカール,シャクティ・カプール,スレーシュ・オベロイ,サローニ・バトラ,アンシュル・チョウハン,シッダーント・カルニック他

仕事帰りにシュッと行ける劇場でまだ観ていないのはこれぐらいしかないなぁとイオンシネマ茨木へ。チケットを買おうとしたら、一律料金2,400円って。なんでなん。上映時間を確かめて唖然。201分って長すぎるやろ。そのせいで鑑賞料金が高いわけね。一瞬やめて帰ろうかと思いはしたものの、まぁしゃあない(何が!?)。あきらめてチケット購入。入場したら客ほかにおらん。今年初めての“おひとりさま”去年は新年早々おひとりさまを経験し、そのあとも毎月のように客は私ひとりのことがありましたが、9月を最後にそんなこともなくなったから、5カ月ぶりのおひとりさまです。

本国インドで大ヒットを飛ばしながらもバイオレンスに満ちた作風が賛否両論を巻き起こしたそうです。主演はヒンディー語映画界のスーパースター、ランビール・カプール。私が思っていたよりも若くて今年43歳。2022年に『RRR』(2022)のシータ姫、アーリヤー・バットと結婚しているのですね。へ~っ。ランビール・カプールってサシャ・バロン・コーエンに似ていませんか。私にはもう最初からそうとしか見えなくて、タイプじゃないからテンションだだ下がり。ただ、ヒロイン役のラシュミカ・マンダンナは見ていて嬉しくなる美人です。

インド・デリーの鋼鉄王バルビールの長男として生まれたランヴィジャイ。仕事一筋で家庭をまったく顧みない父親に愛されたくて、バルビールが帰ってくるとまとわりついては邪険に扱われる。それでも父親のことが大好きなランヴィジャイは、バルビールの誕生日になると同級生全員にお菓子を配り、みんなに祝ってほしいと言ったりも。

姉が大学で嫌がらせを受けていると知ったランヴィジャイは、銃を携えて学内に突入。加害者を震え上がらせて帰宅すると、暴力はもってのほかだと言いながらバルビールはランヴィジャイを何度も殴り、手に負えないからとアメリカの寄宿学校送りにする。そのまま長らくアメリカで過ごしたランヴィジャイだったが、バルビールの還暦祝いのパーティに出席するために帰国。ところがその席で義兄ヴァルンと諍いを起こし、またしてもバルビールから拒絶されてしまう。悲嘆に暮れつつも、再会した幼なじみのギタンジャリと駆け落ち同然で結婚し、再びアメリカへ。息子と娘を授かる。

8年が経過したある日、バルビールが何者かに襲撃されたことを知りランヴィジャイは妻子を連れてデリーに戻る。父親襲撃の犯人に復讐を果たすと誓い、腕の立つものを集めて調べはじめるのだが……。

これまでのインド作品と違っていて驚いたのは、キスシーンでちゃんとキスしているということです。今まで観たインド作品では「キスしているように見せているけれど実際はしていない」ものばかりでした。それが本作ではべろべろ舐めるぐらいの勢い(笑)。男女ふたりが裸でベッドに横たわるシーンなんかも今までは観たことがありません。心臓移植を受けたランヴィジャイが命あることを大いに感じるシーンでは、ぼやかしてはいるものの全裸フルチン。結婚式途中の新郎が新婦を参列者の面前で犯すシーンなどもあり、インド映画としては前代未聞ではないでしょうか。大ヒットだというけれど、こういうシーンを映画の中で観たことのない人たちがこぞって観に行ったのではないかと思うのです。違いますか。

続編があるんですって。なんだかんだで観に行くかもしれんけど、タイプじゃない俳優が主演の200分超はツライ。(–;

2026年2月に読んだ本

2026年2月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:4606ページ
ナイス数:1747ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2026/2

■さっちゃんは、なぜ死んだのか? (講談社文庫 ま 62-12)
イントロダクションを読んで、まさか真梨さんの本音も入っているなんてことはないですよねと思う。まるでヤバくなんかないですもんね、姉御。ただただ読みやすくてどんどん頁が進むわりには、登場人物がやたら多くて誰のことだかわからなくなり、戻ることが何度もありました。しかも残り30頁のところで明らかになる叙述トリックには、「えっ、その読み方、ちょっとズルくない!?」。ほんとにそんな読み方するんですかと思わず調べたら、皇族にもいらっしゃいましたね。失礼しました。私もバブル世代ですが、さっちゃんにはなり得ない日々でした。
読了日:02月01日 著者:真梨 幸子
https://bookmeter.com/books/22224171

■アカシアの朝
毎年400本前後の映画を劇場鑑賞するので、取捨選択はせずに何でも観ます。だから、K-POPにまったく興味がないにも関わらず、ライブ映像等の上映があるときには観に行っていました。それでも興味は沸かず。ところが1年半前、ジョングクのドキュメンタリーを観てハマる。いまやBTSの箱推しに。本作の主人公は、そんなBTSの“ダイナマイト”がきっかけでK-POPアイドルを目指す少女。それのみの話かと思っていたら、日韓両国の歴史に及ぶスケールの大きな物語でした。K-POPが好きな人に薦めたいなどと軽くは言えないぐらいの。
読了日:02月03日 著者:櫻木 みわ
https://bookmeter.com/books/22624484

■ハウスメイド2: 死を招く秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 HMマ 20-2)
第1作の読了後ただちに第2作に行きたかったところ、1カ月の間にできるだけいろんな作家の本を読むというマイルールに沿い、2月になるのを待ちました。第2作に至るまでにミリーは十数人の女性を救ったそうな。またまた人でなしの金持ち男を殺すのかと思いきや、そんな同じストーリーのわけはない。だけど次の雇い主にもDV夫の香り。痣だらけの哀れな妻を救うのだミリー!……いやはやこの展開は。「誰やねんアンタ」と声が出ました(笑)。もう信用するのはエンツォだけにしはなれ。第3作が待ち遠しくて仕方ない。ミリーのことをナメんなよ。
読了日:02月06日 著者:フリーダ・マクファデン
https://bookmeter.com/books/22978830

■赤と青とエスキース (PHP文芸文庫)
270頁に満たない本の中に広がる壮大なドラマ。1枚の絵と共にその場所にいるかのよう。最近わりとよく名前を用いた叙述トリックに出会っていたため、そこに驚きはさほどありません。しかしその前の時点で涙が溢れたシーンが既に数カ所。バタフライピーの彼が大好きでした。そして猫がたまらない脇役ぶり。トリックがなくても十分よかったと言いかけたけれど、やっぱりこのトリックがあればこそなのか。お姐様方が「女は上がったら最強」と言っていたのも思い出してほくそ笑んでしまいました(笑)。本作は女性のほうが響く物語かもしれません。
読了日:02月09日 著者:青山 美智子
https://bookmeter.com/books/22067640

■たそがれ大食堂 (双葉文庫 さ 45-03)
幼少時はよく阪急百貨店大食堂に家族で行きました。今も昔も好きになるとそればかり食べてしまう私が当時好きだったのは、「小海老のコキーユ」と「子羊のパイ包み焼き」でした。前者はつまりグラタンだけど、子供心に「コキーユ」という響きが洒落て聞こえたのでしょう。後者が好きだった名残は何十年経った今もあり、パイ包み焼きと聞くと小躍りしたくなります。本作を読めばあの頃の情景を思い出す。右肩下がりの百貨店の食堂を盛り返すために奮闘する面々が凄くイイ。特に副料理長の中園くん、君の能天気に皆が救われている。ノスタルジー万歳。
読了日:02月10日 著者:坂井 希久子
https://bookmeter.com/books/22068593

■火のないところに煙は (新潮文庫)
近頃3冊並行して読むようになりました。寝床に持ち込んで読むのは単行本、それより前に家で座って読むのは厚めの文庫本、そして外出時に持参するのは、頁を開くさいに手が疲れるほどには分厚くない文庫本あるいはホラー本。だって夜に読むのは怖いんだものと思いながら昼間に持って出かけたら、帰宅後遅くなってからも止まらず。ノンフィクションじゃないよね、モキュメンタリーだよねと祈りながら読む。書評までもそう来るのねとビビって笑いました。欲を言えば切なさがほしい。第5話はもっとそうなり得そうでしたから。ギュッと心を掴まれたい。
読了日:02月12日 著者:芦沢 央
https://bookmeter.com/books/18130866

■黛家の兄弟
時代小説への苦手意識が払拭されたのは、十数年前に飲み友達の姐さんから『みをつくし料理帖』を半ば無理やり貸されて断れなかったのがきっかけでした。同じ姐さんが貸してくれたのがこの本。代々筆頭家老の黛家に生まれついた三男が少年だった頃からの数十年間。女も男も十代で結婚話が出て、三十にして五十の風格、五十になれば老い先わずかなのだと、ついつい今の時代と比べてしまう。数奇な人生に思えるけれど、意外と本当にこんなふうだったのか。誰も死なずに済む、よき政はいつの世も難しい。「黛家の兄弟ですから」。背筋がすっと伸びます。
読了日:02月15日 著者:砂原 浩太朗
https://bookmeter.com/books/19095417

■同志少女よ、敵を撃て (ハヤカワ文庫JA)
恥ずかしい。高校生直木賞の存在を知らなかったのです。だからそれが何なのかを調べるまでは「えっ、高校生作家なの!?」と思いながら読んでいました。そうではないと知ってまた驚く。ロシア人の名前なんて高校生のときはよう覚えんかったと思うけど、むしろ歳を取ってからのほうが片仮名の長い名前は覚えられないか。と、余談だらけになりましたが、第二次世界大戦に狙撃兵として臨む少女の運命は過酷。著者による文庫版あとがきに胸が痛む。「この小説を書かなければよかった」。現実世界では続かなかったロシアとウクライナの友情を思いながら。
読了日:02月17日 著者:逢坂 冬馬
https://bookmeter.com/books/22244819

■ビストロ・べーテヘようこそ 幸せのキッシュロレーヌ (角川文庫)
キッシュに目がないのです。ビストロが舞台のグルメ小説でとびきり美味しいキッシュを食べさせてくれるのだろうと思ったら、そこに思い違いはなかったけれど、完全なるファンタジー小説でした。婚活アプリに登録した3人の女性がマッチングしたのはビストロのシェフ。それぞれ時を違えて店を訪れると、サービス担当は歩き方すら心許ない少女。シェフの正体は魔法をかけられて剛毛の野獣となった王子ですって。少女がネグレクトに遭っていたことがわかる第4話がメイン。挿絵たっぷりの児童書や絵本あるいはアニメ化された映像を観たくなります。
読了日:02月20日 著者:野村 美月
https://bookmeter.com/books/22298083

■マルチの子 (徳間文庫)
「儲け話があると人に言ってくる奴は詐欺か馬鹿」と言っていたのは誰でしたっけ。儲かる話なら自分だけの秘密にしておきたいのが普通だろうと。確かに(笑)。もともと仲が良くて信頼の置ける人からの話であっても誘われたら引くのに、そうではない人からの儲け話なんてありえない。数十年前、「久しぶりに連絡のあった友達と飲みに行く」と言って出かけたが「マルチの勧誘だった」と帰宅したときの悲しげな顔を思い出します。著者の実体験がモチーフになっているそうで、マルチにハマる人の3つの法則が興味深い。決してハマりたくない世界です。
読了日:02月23日 著者:西尾潤
https://bookmeter.com/books/21509942

■ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介 (講談社文庫)
“法医昆虫学捜査官”シリーズで完全に虜になった作家。シリーズ最新刊が文庫化されるのはまだ先でしょうから、それまでの間にこの別シリーズ第1弾を。これって内藤了に待たされているときと同じパターンだなぁと考えていたら、雰囲気もちょっと似ています。美術解剖学に長けた主人公はおそらくイケメン、そして涙もろい。遺体を見てその死亡現場に想いを馳せては目頭を押さえる彼。古着店のオーナーでゲームオタクの小春とのコンビが最高です。「知ってか知らでか人の心を軽くする人」に私もなりたい。昆虫博士と仕立屋、次に読めるのはどっち!?
読了日:02月27日 著者:川瀬 七緒
https://bookmeter.com/books/21131427

■カスタード (実業之日本社文庫)
今月中にどうしてももう1冊読みたくて本屋に駆け込み、余白が多くてすぐ読めそうだという理由だけで購入しました。5章で構成される連作短編の最初のほうこそ主人公たちが好きになれなくてイラっとしたものの、もとはケーキ屋だったっぽい弁当屋の事情が明らかになる頃には涙ぐんでしまう。後悔を思い出させてくれてありがとう。なお、ポイントが貯まれば交換できるドリンクがしょぼいとのことだけど、映画を50本観れば1ヶ月フリーパスを付与していたシネコンでコーラしか貰えなくなったときの衝撃に比べたらずっとマシだと思ったのは余談です。
読了日:02月28日 著者:加藤 元
https://bookmeter.com/books/18739746

『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』

『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』
監督:亀山陽平
声の出演:寺澤百花,永瀬アンナ,小松未可子,金元寿子,小市眞琴,内山昂輝,山谷祥生,藤原由林,小野賢章,ロバート・ウォーターマン他

ノーマークでした。なんか知らんアニメやってるな、どうせオタクっぽいやつやからスルーでええかと思っていたところ、同僚男子から「観ましたか」と聞かれました。「えっ、面白いの!?」「結構面白いですよ」と言う。んじゃ観てみようかと友人とのランチ前にTOHOシネマズ梅田へ。そうしたら、何この面白さ。どハマりです。(^O^)

今年30歳になる亀山陽平監督は、欧米スタイルの手描きアニメーションを学ぶためにまずはアメリカへ留学。しかししばらくすると3DCGに興味が移って退学。帰国後、ゲーム学部やイラスト学部、eスポーツ学部を有する専門学校バンタンゲームアカデミーに入学。2022年の卒業時に制作した短編アニメ『ミルキー☆ハイウェイ』がYouTubeで公開されるや大きな話題を呼び、その続編に当たる『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』が昨夏からTV放送および配信スタート。それを劇場用に再編集したのが本作なのだそうです。初見でもまったく問題なし。ただし、初見だとここがどこかとか何年頃の設定なのかなどはわかりませんので、そこは飛ばして書きます。

交通違反や傷害の罪で刑務所に入れられるはずが、刑務所満杯のため、代わりに社会奉仕活動をすることになった若者6人。チハルとその友人マキナ、暴走族総長アカネとその舎弟カナト、便利屋のカートとマックス。マキナとカートとマックスはサイボーグ。巡査のリョーコが彼らに課した奉仕活動は、惑星間走行列車“ミルキー☆サブウェイ”の清掃作業。列車に乗り込んだ6人はふたりずつ車両に分かれて清掃に取りかかろうとするが、これまでこの作業に当たった受刑者で戻ってきた者はいないとの噂があることを知る。車両内で殺し合って全員死亡とか、そんなこと。

チハルとマキナが清掃を始めた車両には、車掌型ロボットのオータムがいた。そもそも清掃したって走行しそうにもない、長年放置された列車内に取り残されているオータムが動くとは思えなかったのに、突然オータムが話し出すと同時に列車が暴走しはじめる。先頭車両まで行けば列車を制御できるにちがいないとマキナが言い、ついていくチハル。その途中で残りの4人と合流。どうやらこれは事故ではなく、意図的に自分たちを亡き者にしようとしているのではないか。状況を知ったリョーコも6人を救出するために奔走するのだが……。

最初から可笑しくて可笑しくて、ふきだしてばかり。引き込まれました。キャラクターの見た目、動き、しゃべり方、すべてにおいてサイコー。センスがない私が言うのもなんですが、センスありありだなぁと思いました。

カートとマックスが投げやりなのは、今まで誰からも御礼を言われたことがなかったから。列車が暴走したところでどうなってもいいと思っていたのに、ふと「ありがとう」と言われたときに泣き出しそうなほど感激して俄然やる気になるところが大好きです。役立たずと思われがちなカナトがやたら機械に詳しくて、カートたちと見事電気を復旧してみせ、その作業中にアカネの勘違いを招くところなど大笑い。

これはYouTubeで全話観なければなりません。楽しすぎる。

『クライム101』

『クライム101』(原題:Crime 101)
監督:バート・レイトン
出演:クリス・ヘムズワース,マーク・ラファロ,バリー・キオガン,モニカ・バルバロ,コーリー・ホーキンズ,ジェニファー・ジェイソン・リー,ニック・ノルティ,ハル・ベリー他

109シネマズ箕面で前述の『ブゴニア』に失望した後、本作を鑑賞しました。ちなみに映画2本分の駐車サービスは受けさせてくれないと思っていた109シネマズ箕面ですが、「2本観るんですけど」と言わずに1本分ずつ駐車券をもらったら、一旦出庫しなくてもそれでちゃんと精算できました。わーい。

一時期ハマっていたことがあるドン・ウィンズロウの中編集『壊れた世界の者たちよ』に収録されている『犯罪心得一の一』が原作。スティーヴ・マックィーンに捧げられた中編小説なのだそうです。『アメリカン・アニマルズ』(2018)のバート・レイトン監督がクリス・ヘムズワースを主演に起用して。“ソー”のヘムズワースを捕まえようと追う刑事役が“ハルク”マーク・ラファロというのも楽しい。

アメリカ西海岸線を走るハイウェイ101号線沿いで頻発している宝石強盗事件。犯人のマイクは、危うくなれば直ちに逃げられるように住居を転々としている。ロサンゼルス市警が同一犯とは見なしていないなか、ただひとり刑事のルーだけは同一犯だと断言。なぜなら証拠をいっさい残さず、銃は所持しているものの現場に居合わせた人を誰も傷つけない点が共通しているから。

ある日の仕事に取りかかったさいに、雇い主のマネーから聞いていた情報とは現場が異なっていたことに不安をおぼえ、マイクはマネーと縁を切ると決める。そう告げられて怒ったマネーは、マイクに依頼するつもりだったサンタバーバラでの強盗をならず者のオーモンに命じる。オーモンはマネーの指示どおりに強盗を働いてみせたが、現場で発砲するわ店員や客に暴行を加えるわ、やりたい放題。やはり同一犯ではないと確信するルー。

一方、保険会社に勤務するシャロンは、長年会社に貢献してきた自分が軽く扱われていることに不満を抱えている。そこに目をつけたマイクはシャロンに共謀を持ちかけ、保険会社の大口顧客モンローが滞在するホテルのスイートルームにダイヤモンドや大金が運び込まれる日時を教えてほしいと頼み……。

安定の王道サスペンス。どこが特に面白いというわけではないけれど、良い感じに古くさい。行ったこともないのに、町並みを見ているだけで懐かしい。昔の映画っぽいというのか。カーチェイスも堪能できるし、なんといっても『ブゴニア』と違ってクリス・ヘムズワースがイケメン。ろくでなしのオーモンを演じるバリー・キオガンも腹が立つほど上手い。シャロン役はお久しぶりのハル・ベリー。53歳という年齢を生かしています。また、マイクが出会う女性マヤを演じるのは『トップガン マーヴェリック』(2022)のフェニックス役、モニカ・バルバロ。イメージがまるで違ってビックリ。ルーの妻として一瞬だけ登場するジェニファー・ジェイソン・リーがシワシワになっていたのにも驚き。もうとっくに還暦過ぎですもんね。そのシワもマネー役のニック・ノルティに比べりゃなんちゅうことない。

とっても普通です。そこがイイ。

『ブゴニア』

『ブゴニア』(原題:Bugonia)
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:エマ・ストーン,ジェシー・プレモンス,エイダン・デルビス,スタヴロス・ハルキアス,アリシア・シルヴァーストーン他

109シネマズ箕面にて。

観ていて楽しくはないけど面白いヨルゴス・ランティモス監督。『女王陛下のお気に入り』(2018)、『哀れなるものたち』(2023)、『憐れみの3章』(2024)に続いてエマ・ストーンを起用。韓国のカルトムービー『地球を守れ!』(2003)のリメイクだそうですが、知らんなぁ。配信では観られないようで、TSUTAYA DISCASの出番かも。オリジナルはそのうちDVDレンタルして観ることにして、まずはこのリメイク版を。

大手製薬会社のCEOミシェルは、全米で注目されるカリスマ経営者。ある日の帰り、自宅に到着して車から降りると、物陰に潜んでいた男性テディとその従弟ドンに拉致される。テディとドンは、ミシェルの正体が地球侵略を目論む宇宙人だと確信している。また、宇宙人の通信手段が頭髪だとも考えているから、それを妨害するミシェルの頭髪を剃ってしまう。ミシェルが目覚めると自分の頭はツルツルになって地下室に監禁されているではないか。とんだ勘違いだとミシェルが力説するもふたりは耳を傾けず、「助かりたければ地球から撤退せよ」と要求し……。

これ、面白いですか。私は駄目でした。監督と役者が異なればB級に振り分けられるのではとすら思う。一流役者を使ってこんな話を撮れば一気にA級入りするんですかね。私が駄目だったのは(こんな理由はあかんと思うけど)、テディ&ドン役のジェシー・プレモンスとエイダン・デルビスがイケメンじゃないことがおそらく最大の理由で(笑)、どちらかと言えば不細工な男ふたりが薄汚い格好をしてエマ・ストーン演じるミシェルとずっと一緒にいるのを観てもテンションが上がらないんです。その挙げ句、ネタバレになりますが、ミシェルは本当に宇宙人でしたというオチ。はい、そうですかとしか言えなくて。

ランティモス監督が撮るエマ・ストーン主演作品にも飽きてきました。違う俳優を起用した違うタイプの話を今度は観たいです。