『スペシャルズ』
監督:内田英治
出演:佐久間大介,椎名桔平,中本悠太,青柳翔,小沢仁志,羽楽,前田亜季,平川結月,矢島健一,六平直政,石橋蓮司他
姐様方とNGKに行く前にひとりなんばで映画のハシゴ。まずはTOHOシネマズなんばにて、『ナイトフラワー』(2025)の内田英治監督による本作を鑑賞しました。
暴力団の二大勢力のうちの片方、風間組のナンバー2である熊城(椎名桔平)は、なんとしてでも親分の風間(六平直政)を「いちばん」にしたい。そのためにはもう片方の本城会会長の本条(石橋蓮司)を殺さねばならず、以前から本条を追っては急襲を仕掛けている。しかし用心深い本条は何人もの影武者を用意しているらしく、熊城が殺したのは影武者ばかり。いったいどうすれば本物の本条を殺せるのかと苛立っていたところ、舎弟のひとりが物凄い情報を持ってくる。
その舎弟曰く、彼の娘を通わせているダンス教室に、本条の孫娘(平川結月)も通っているとのこと。孫娘を溺愛する本条は、毎年おこなわれるダンス大会だけは影武者を立てずに本人が必ず観に来るだけでなく、見やすいように最前列に席を確保しているらしい。それを聞いた熊城は、ダンスの経験がある腕利きの殺し屋たちを集めてダンス大会に出場させ、ステージ上から本条を撃ち殺すことを思いつく。
熊城に呼び出されたのは3人。今は足を洗って児童養護施設で働くダイヤ(佐久間大介)と、いずれも一匹狼の殺し屋、桐生(中本悠太)とシン(青柳翔)。ひとり1億円というギャラを提示されても最初は断ったダイヤだったが、児童養護施設が立ち退きを迫られていることを知り、地主から買い取る金を作るために引き受けると決める。但し、いざというときに逃げられては困るからと、ダンスチームに熊城も入るようにとの条件をダイヤは付ける。
こうして練習を開始した彼らだが、何かといえばすぐに小競り合いに。巷のダンス教室に入るも、レッスン中に喧嘩を始めて器具を破壊するなどして、すぐに出禁を言い渡される。どうしようかと思っていたところ、児童養護施設にいる明香(羽楽)と出くわす。彼らが殺し屋だとはもちろん知らないまま、ダンスの指導を買って出る明香。5人いればフォーメーションを組めるのにという明香の一言で、熊城は刑務所時代の兄貴分・村雨(小沢仁志)をチームに引き入れて……。
客入りが良いのはSnow ManやらNCTやらのメンバーが出演しているからというだけでしょ!?と思っていましたが、大変失礼いたしました。すごく面白かった。だいたい内田監督のことがあまり得意ではないという思い込みもありまして。なんだよこの監督、半端に暗い話が多いじゃないかと今まで思っていたのに、こんな楽しい話も撮れるんだわと目からウロコ。こっちの内田監督作品のほうが断然好きですね。
集められた殺し屋たちは、ダンスの経験があるといってもバレエだし、所属していたというダンス部も、ひとりは男子がダンスなんてといじめられていたし、もうひとりは町内会でフォークダンス。村雨に関しては盆踊りです(笑)。最初は気恥ずかしさもあってやる気を見せなかった面々が、「上手い下手は関係ない。パッションが大事」だと言う明香の指導のもと、次第に踊ることが楽しくて仕方なくなっていく姿がよかった。殺し屋らしくオチもきっちりついていて、きっちりエンターテインメントでした。
鑑賞後に中本悠太くんについて調べました。彼はお母さんがファンだったという東方神起を見て衝撃を受け、10代半ばで単独渡韓、K-POPアイドルグループのメンバーになる夢を果たしたそうで。応援したくなりました。
『ウィキッド 永遠の約束』
『ウィキッド 永遠の約束』(原題:Wicked: For Good)
監督:ジョン・M・チュウ
出演:シンシア・エリヴォ,アリアナ・グランデ,ジョナサン・ベイリー,イーサン・スレイター,ボーウェン・ヤン,マリッサ・ボーディ,ミシェル・ヨー,ジェフ・ゴールドブラム,ベサニー・ウィーヴァー他
声の出演:コールマン・ドミンゴ
TOHOシネマズ伊丹にて、前述の『しあわせな選択』の次に。
『ウィキッド ふたりの魔女』(2024)に続く後編。私は前編がどうにも好きになれなかったから、後編もどうでもいいやという気持ちになってはいましたが、これだけ世界中でヒットしている作品を観ないという選択肢はありません。ほとんど嫌々観に行っています。(^^;
前編の最後に、魔法と幻想の国オズの真実を知ってしまったエルファバ。神と崇められているオズの魔法使いが実は魔法など使えないボンクラで、すべてを操っているのがシズ大学の魔法学部長モリブルだと。モリブルはそれを隠し通すために、エルファバを“悪い魔女”に仕立て上げ、真実を知りながらもモリブルに従う道を選んだグリンダを“善い魔女”として民衆に紹介する。孤立無援となったエルファバは、なんとか真実を暴露しようとするのだが……。
書きながら考えてみたら、私はおそらくこの物語が嫌いなのではなくて、グリンダ役のアリアナ・グランデが駄目なのかもしれません。エルファバを見下してきたグリンダが、エルファバが魔法の力に長けているとわかった瞬間にすり寄って「親友」になる。「親友」という言葉がチープに見えて仕方がない。グリンダは、自分が結婚するはずだったフィエロがエルファバのもとへと走ると嫉妬を露わにして攻撃する。エルファバとフィエロのラブシーンにも私はドン引きしましたけれど。エルファバの妹ネッサも意地が悪すぎる。おかげで、グリンダの案のせいでネッサが死んでしまったときも気の毒だとは思えませんでした。ごめんなさい。
高評価の後編もこうして観たわけですが、私はやっぱり嫌いでした。モリブル役のミシェル・ヨーも見ているだけで腹が立つ。香港の至宝だった頃のヨー姐さんが好きでした。こんなところで何してるねんって感じです。
『しあわせな選択』
『しあわせな選択』(英題:No Other Choice)
監督:パク・チャヌク
出演:イ・ビョンホン,ソン・イェジン,キム・ウスン,チェ・ソユル,パク・ヒスン,イ・ソンミン,ヨム・ヘラン,チャ・スンウォン,イ・ヨンニョ,オ・グァンノク,イム・テポン,キム・ヒョンムク,ウ・ジョンウォン他
公開初日にTOHOシネマズ伊丹にて。
『オールド・ボーイ』(2003)、そして『親切なクムジャさん』(2005)を観たときの衝撃は20年経った今も忘れられません。そのパク・チャヌク監督がイ・ビョンホンを主演に起用したブラックコメディ。原作は1997年に出版されたドナルド・E・ウェストレイクの『斧』。2005年にギリシャ出身のコスタ=ガヴラス監督が映画化しているようです。ウェストレイクはいくつものペンネームを持つ非常に多作な作家で、本作に限らず映画化された小説多数。メル・ギブソンの『ペイバック』(1999)やジェイソン・ステイサム主演の『PARKER/パーカー』(2013)の原作者も彼。すでに故人ですが、こんなふうに映画化される作品が今後も出てきそう。
大手製紙会社に長く勤めるユ・マンス(イ・ビョンホン)は、妻ミリ(ソン・イェジン)と息子シオン(キム・ウスン)、娘リオン(チェ・ソユル)との4人暮らし。優秀な社員として表彰され、念願のマイホームも手に入れて、何ひとつ申し分のない人生を送っていた。ところがその後すぐにまさかのリストラ対象となり、会社から解雇を言い渡される。上司から上等な鰻を贈られて喜んでいたのはついこの間のこと。どうやら鰻を贈られるのは解雇前というのが周知の事実だったらしい。
クビになったことをしばらくは家族に言えなかったマンスだが、思い切って打ち明けると、ミリは家族一丸となってマンスの再就職を応援しようと言う。ミリ自身が習っていた社交ダンスもテニスも辞め、金のかかる習い事は将来有望なリオンのチェロだけに。処分できるものは処分し、2匹の愛犬もミリの実家に預ける。
しかしマンスの再就職先はなかなか見つからない。紙媒体のものがどんどん世の中から減らされていくなか、紙と共に四半世紀を生きてきたマンスは、今さらほかの仕事になんて就けない。求人募集を見ては応募するも落とされてばかり。そこでマンスは自分と同じく再就職を狙う人物を調べ上げ、同業他社を解雇された優秀な人物さえいなくなれば自分が採用されるに違いないと考えて……。
イ・ビョンホンにはいつまでもカッコイイ人であってほしいから、こんな彼はあんまり見たくありません(笑)。シングルマザーだったミリに惚れ込んでプロポーズし、まだ幼かった彼女の連れ子にはその事実を知らせないまま、実子同然に接する良き父親。真面目なのが取り柄だけど自己評価が高すぎる気もします。面接に臨む彼の様子を見れば、仕事ができるとも思えません。でも、この世からあと何人かだけ消えてくれたら自分は安泰だと信じて、殺しに走ってしまいます。
マンスが消しにかかるライバルのうちのひとり、ク・ボムモ(イ・ソンミン)は解雇されてから酒浸り。そんな夫をなんとか立ち直らせたい妻(ヨム・ヘラン)には富裕な両親がいるから、妻は親に頼ってもかまわないと思っています。けれどボムモのプライドがじゃまをして、義両親には頼めない。夫がそんなふうに引け目を感じているとは夫が死ぬ直前まで知らなかった妻。「失業してしまったこと自体は仕方がない、いつまで経ってもうじうじしているその態度が腹立たしい」と妻が言うシーンに迫力がありました。
また、もうひとりのターゲット、コ・シジョ(チャ・スンウォン)もマンスやボムモ同様に今まで製紙業一筋でしたが、彼の場合は家族のためにとにかく稼がねばと考え、靴店に勤めています。「家族のために」という点ではマンスも同じだけど、マンスの場合は「ライバルを排除して製紙業に戻ること」が目標になるのですね。
楽しい話ではないけれど面白い。そしてやっぱりこんなイ・ビョンホンは見たくない。いくらやり遂げたからって、真相に気づいてしまった妻はずっと怯えて暮らすのですから。それでも家族の一致団結を目指す。ほかに選択肢はない。
『レンタル・ファミリー』
『レンタル・ファミリー』
監督:HIKARI
出演:ブレンダン・フレイザー,平岳大,山本真理,ゴーマン・シャノン・眞陽,柄本明,木村文,真飛聖,森田望智,安藤玉恵,板谷由夏,菅原大吉,原日出子,神野三鈴,宇野祥平,梅沢昌代他
イオンシネマ茨木にて前述の『劇場版 転生したらスライムだった件 蒼海の涙編』を観た後、109シネマズ箕面へ移動して本作を鑑賞しました。
もとは大阪出身のHIKARI監督は、高校在学中にアメリカへ留学。アメリカの大学院へと進んで映画制作を学んだそうです。車椅子生活を送る女性を主人公にした『37セカンズ』(2019)が話題になりましたが、私はどうも気が乗らずにパスしてしまったため、同監督の作品を観るのはこれが初めて。
7年前に来日し、歯磨きのCMで一瞬ブレイクしたアメリカ人俳優フィリップ(ブレンダン・フレイザー)。その後は鳴かず飛ばずで、オーディションを受けるもたいした役にはありつけず、くすぶりつづけている。
ある日、仕事として葬儀に参列する機会を得るが、遅刻したうえに、棺桶に入れられていた故人が目を開けたものだからびっくりして思わず声を上げてしまう。どうやら葬儀を体験したい男性(宇野祥平)の望みを叶える場だったらしく、またまたびっくり。帰りがけ、遅刻も含めたフィリップのふるまいについて駄目出しをしてきたのは、“レンタルファミリー”の社長・多田(平岳大)。多田の会社では、顧客の依頼に基づき家族その他をレンタルするらしい。多田から「うちで仕事をしてみないか」と誘われるフィリップ。そのまんま白人俳優を演じればいいのだと言われ……。
以下、ネタバレ混じりで書きます。
『オーガスト・マイ・ヘヴン』(2024)にも出てきたような仕事ですが、結婚式や葬式に代理で出席する以外にもいろんな依頼に応えます。たとえば、レズビアンであることをカミングアウトできずにいる女性(森田望智)が、アメリカ人男性と結婚して渡米するというシナリオを作り上げ、新郎役を依頼してきます。これがフィリップの初仕事で、こんな嘘はみんなの人生をつぶすことになると言って当日に逃げ出しかけた彼にレンタルファミリーのスタッフ・愛子(山本真理)が怒鳴る。依頼者は本当に愛するパートナーと一緒になり、そうとは知らない親は娘の結婚を喜ぶ。人生をつぶすどころか、これでみんなが幸せになるのだと。
ようやく腹を括ったフィリップがその後かかわるのは、離婚女性の別れた夫を演じて、一人娘・美亜(ゴーマン・シャノン・眞陽)が私立中学に入学できるようにすること。受験する本人のみながらず親もその学校にふさわしいかどうかを見られるから、面接には両親そろっていないと駄目なんですね。自分を捨てた父親だというフィリップに最初は怒りを見せている美亜が、次第に懐く。まるで本物の親子のようです。また、昔は一流の役者だったけれど今はすっかり自信をなくしている喜久雄(柄本明)に記者のふりをして取材を申し込んでほしいとか。これは喜久雄の娘(真飛聖)からの依頼。
こういう会社は実際にあるのでしょうね。多種多様な依頼に時には目が点に。呆れたのは、妻に浮気を突き止められた夫が、妻から浮気相手を連れてくるように言われたさいに、本物の浮気相手を連れていく勇気なく、浮気相手を演じてくれという依頼。面白いというよりも酷い話ですよねぇ。こんな男はクズだ。
ブレンダン・フレイザーはオスカーを獲得したときの『ザ・ホエール』(2022)よりずっといい。美亜とフィリップの関係や、柄本明演じる喜久雄がある場所で「忘れる前に会えてよかった」と言うシーンには涙がこぼれましたし、しみじみとした良い作品です。
どうでもいいことなんでしょうけど、本作の情報としては公式HPやポスターを含めて『レンタル・ファミリー』になっているのに、本編では『レンタル ファミリー』。「・」が見当たらないのが気になってしゃあないのでした。(^^;
『劇場版 転生したらスライムだった件 蒼海の涙編』
『劇場版 転生したらスライムだった件 蒼海の涙編』
監督:菊地康仁
出演:岡咲美保,豊口めぐみ,前野智昭,古川慎,千本木彩花,M・A・O,江口拓也,大塚芳忠,泊明日菜,小林親弘,櫻井孝宏,沼倉愛美,Lynn,日高里菜,春野杏,金元寿子,大原さやか,川澄綾子,田中理恵,熊田茜音,高梨謙吾,木島隆一,大西沙織,遊佐浩二,小坂菜緒,藤嶌果歩,堂本光一他
イオンシネマ茨木にて。
スルーするつもりでしたが、弟がオンラインクレーンゲームで釣り上げていた景品あれこれのことを思い出してやっぱり観ることに。同じ理由で弟が亡くなった年に『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』(2022)を観ています。確かそのときはちっとも話について行けなくて、無理だと思った記憶が。きっと今回もわからなくて睡魔に襲われるのだろうと思ったら、えーっ、これはなんか知らんけどついて行けるやん。細かいことはわかりません。登場人物についても前回観てから勉強したわけではないので、名前も何もかも覚えられません。でもそんな状態で観ても面白い。下記、いろいろと間違っていたらごめんなさい。
普通のサラリーマンだった青年が異世界でスライムに転生。スライムとして日々を謳歌すると決めたのにそうはならず。仲間がどんどん増えて、彼は王リムルとして皆から崇められ慕われる存在に。リムルはスライムになっているときもあれば、美少年の姿になっているときもあるようです。
そして本作では天帝エルメシアの招待を受け、彼女が所有するリゾート島へとみんなでバカンスに繰り出します。ところがタダより高いものはない。エルメシアには思惑がありました。海底に佇むカイエン国という国家が地上をも征服しようと画策しているのを知ったエルメシアが、それを阻止するためにリムルの力を借りようとしていたのでした。
カイエン国は水竜を守り神としており、水竜を操れるのは巫女のユラだけ。カイエン国の宰相ジースによる陰謀に気づいたユラがいち早く地上へと飛び出し、リムルに話を聴いてもらおうとしています。そんなことはとっくにお見通しだったエルメシアは、ユラから聴くまでもなくリムルに協力を依頼します。
女性キャラがみんな美人。エルメシアなんて人としても優れたまさに理想の天帝。リムルの仲間の女性たちは総じて巨乳(笑)。これを見て萌える男性ファンがいるのは納得できます。
スルーしかけていたけれど、観てよかった。やっぱり初見でついて行くのが無理なのは“ガンダム”が最高峰かもしれません。





