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『おばあちゃんと僕の約束』

『おばあちゃんと僕の約束』(英題:How to Make Millions before Grandma Dies)
監督:パット・ブンニティパット
出演:プッティポン・アッサラッタナクン,ウサー・セームカム,サンヤ・クナコーン,サリンラット・トーマス,ポンサトーン・ジョンウィラート,トンタワン・タンティウェーチャクン他

世間のお盆休み最終日と思われる日曜日、朝イチで十三のコインパーキングに入庫してから阪急電車と地下鉄を乗り継いでなんばへ。NGKで漫才吉本新喜劇を観た後になんばでひとりランチ、そしてまた十三へ戻る。シアターセブンにて2本ハシゴの1本目。ランチに寄ったお店が数カ月前とは別の店になったのかと思うほど『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』一色。『ファンタスティック4』はヒット中とは言えない程度の客入りでしょうから、なんだかちょっと痛々しい。

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017)の製作陣が手がけて本国で大ヒットしたというタイ作品。“バッド・ジーニアス”のTVドラマ版の監督パット・ブンニティパットの長編デビュー作なのだそうです。

青年エム(プッティポン・アッサラッタナクン)は母親と二人暮らし。金を儲けて母親シウ(サリンラット・トーマス)に楽をさせてやりたいと言って大学を中退したくせに、家の手伝いすらろくにせずにゲーム三昧の日々を送る口先だけのお調子者。一人暮らしの祖母メンジュ(ウサー・セームカム)は慎ましい生活を心がけ、シウの兄弟に当たるキアン(サンヤ・クナコーン)やスイ(ポンサトーン・ジョンウィラート)らと先祖の墓に集まることを大事にしているが、そんな場でもエムのふるまいは超適当。メンジュから「どうしようもない子だ」と言われたところで気にも留めない。

ある日、メンジュがステージ4の大腸がん余命わずかであることがわかる。エムとかつて交際していたこともある友人ムイ(トンタワン・タンティウェーチャクン)が看護師の資格を取って彼女の祖父を介護した結果、その祖父は自身の子どもたちには遺産を相続させず、豪奢な家も何もかも孫のムイに遺したらしい。それを聞いたエムは、今からメンジュが死ぬまで面倒を見れば、きっと孫の自分に遺産を相続させるだろうと考える。メンジュはムイの祖父のような金持ちではないものの、持ち家もあるし、どれぐらいかは不明だが貯金だってあるはず。下心バリバリでメンジュの家に移り住んだエムだったが……。

クズなんです、このエムが。今までは婆ちゃんの言うことなんてまるで聞こうとしなかったのに、ムイの件を知ってからはいきなり婆ちゃんに優しく接しようとする。バレバレですよね。メンジュは告知を受けていなかったのに、エムがベラベラとしゃべってしまうし。しかし金の目算をしているのはエムのみならず、メンジュの息子ふたりも同じこと。長男のキアンはそれなりの社会的ステータスがあるようだけど、メンジュが大腸がんだと知ると途端に妻子を連れて実家に顔を出すようになる。さらに次男のスイはエムに輪をかけたほどのクズで借金だらけ。実家を頂戴して自らの借金返済に充てたいと思っています。実家から金をくすねることもある。唯一、娘のシウだけは、母親に残された時間をできるだけ一緒に過ごそうと仕事を夜勤に変えるけれど、息子のエムから「母さんだって遺産を狙っているんじゃないの」と言われてしまう。バカ男3人。

メンジュが実家をスイに相続させるつもりなのがわかってガッカリしたエムは、メンジュの面倒を見るのをやめてしまいます。一銭もくれないなんてと責めることすらするのですから、どこまでクズなんだと思っていたら、やっぱり最後はそうならない。メンジュが亡くなってから思い出す、祖母と自分の約束。いや~、これは泣く。

大腸がんと聞くと、母のことも思い出します。幸いにして(?)、母はメンジュほど闘病生活が長くなかったし、年齢的なものもあって化学療法は受けず、ここまでつらそうな顔は見ませんでした。できるかぎりのことはすべてしたつもりでも、後からいろいろ思うのですよね。あのときこうすればよかった、ああすればよかったなどと。お母さん、空の上はどうですか。死んでいるのにこんなことを聞くのも変だけど(笑)、元気だといいなぁといつも思う。

『ChaO』

『ChaO』
監督:青木康浩
声の出演:鈴鹿央士,山田杏奈,シシド・カフカ,梅原裕一郎,三宅健太,太田駿静,岡野友佑,川上ひろみ,土屋アンナ,くっきー!,山里亮太他

前述の『Sky ふたつの灯火 前篇』を109シネマズ大阪エキスポシティで観たあと、109シネマズ箕面へ向かう。上映初日だった本作を鑑賞。客は私を含めて2人のみで、エグゼクティブシートの端っこに私、中央に男性客。これってなんか気まずいのですよねぇ。エグゼクティブシートの端と端ならまだしも、小さめシアターのエグゼクティブシートの端っこ席と中央席って、間に1席しかないですから。もう少し離れて座ってほしかったと言いたくないこともない。(^^;

『鉄コン筋クリート』(2006)、『ムタフカズ』(2017)、『海獣の子供』(2019)、『映画 えんとつ町のプペル』(2020)のSTUDIO4℃がアニメーションを制作。監督は本作が長編デビューとなる青木康浩。

人間と人魚が共存する世界で船舶製造会社に勤務する平々凡々な男性ステファン。船のスクリューが海洋生物を傷つける事故が頻発するなか、ステファンがかねてから開発を望んでいるのはエアスクリュー。この開発が実現すれば人魚をはじめとする海洋生物が安心して海で暮らすことができるだろう。しかし社長のシーはそんな開発をしたところで会社は儲からないと一笑に付す。社長室の窓から見えるシー所有の船を羨望の眼差しで見つめるステファンは、乗りたいなら乗せてやるとシーから言われて小躍りするも、ステファンに与えられた仕事は甲板掃除。文句を言うこともできずに掃除していたステファンは、突然大波に襲われて海中に落ち、意識を失う。

目覚めるとベッドの上で、あんなにも冷ややかだったシーがなぜだか嬉しそうな顔をしている。目の前にはステファンに熱い視線を向ける大きな魚がいて、しゃべりだしたものだからビックリ。とても人魚とは思えないその魚は人魚王国のお姫様で、どういうわけだかお姫様とステファンが結婚することになったらしい。一生一緒にいると約束してくれたと言うお姫様。そんなことを言った覚えのないステファンは戸惑うが、この結婚はビジネスに吉と見るシーはステファンを昇進させ、エアスクリューの話も直ちに進めようと言う。

お姫様には歴とした名前があるらしいが長すぎる。「チャオ」と呼ぶことにしてふたりの生活を開始する。人魚とは名ばかりの、しゃべる魚との暮らしに憂鬱になるステファンだったが、エアスクリューが正式に商品化されることになったのは嬉しくてたまらない。一方のチャオは日々の生活の中でもステファンに喜んでもらおうと、彼の靴を洗ったり料理を学んだりするのだが……。

こんな魚と結婚することになって喜ぶ人間がおるはずないやんか。予告編を観たときにそう思っていました。こうして観はじめてからもムリムリ、ステファンがかなり気の毒などと思っていました。それでも絵が楽しくて魅入られる。“モノノ怪”シリーズを目にしたときの高揚感の再来。日本のアニメーション作品なのに、どうしてこんな上海の街並みっぽくしているんだろうという疑問もすぐに消え去り、上海だからこそのわちゃわちゃ感が楽しく見えてきます。オッサン顔の赤ん坊が歩いている姿なんて可笑しくてニヤニヤしてしまう。

人魚が人間に完全に心を許したときは、水の中でなくても人の姿になれるらしい。なんだ結局、魚のままじゃなくて美人が目の前にいるほうがええんやんかとは思います(笑)。だけど、チャオがステファンの前に現れた理由がわかりはじめるとジワジワ心が動かされる。

ステファンの声を担当するのは鈴鹿央士、チャオは山田杏奈、ステファンの友人ロベルタには梅原裕一郎。ロベルタの片想いの相手でチャオの良き友人となるマイベイにはシシド・カフカ。ステファンに取材する記者ジュノーは三宅健太、その上司である編集長の声は土屋アンナが担当。社長のシーはこれ誰の声だと思ったら山里亮太でした。なるほど、みんなピッタリ。

後味もよくて夏休みにはオススメの作品ですが、これをUPする頃には夏休みも終わりだろうなぁ。

『Sky ふたつの灯火 前篇』

『Sky ふたつの灯火 前篇』(原題:Sky: The Two Embers Part1)
監督:エヴァン・ヴィエラ
ナレーション:梶裕貴

どういう作品なのだか知らないままずっと気になっていましたが、上映は朝か真昼間の1回のみの劇場が多くて観に行けずにいました。週が変わってようやく終業後に駆けつければギリ間に合いそうな17:20からの上映あり。109シネマズ大阪エキスポシティへ。

アクションアドベンチャーゲーム“Sky 星を紡ぐ子どもたち”はアメリカのゲーム開発会社“thatgamecompany”が開発して2019年7月より配信開始。世界中にファンがいるゲームなのだそうですが、私は何もかもわからないまま観はじめました。どこの国の作品なのかすら知らなくて、あら、梶裕貴がナレーションを担当しているけれど日本のアニメーション作品ではないのねと驚いたぐらいで。はい、アメリカのアニメ作品です。以下、前知識なしで観た私が書くあらすじ。

孤児らしき少女。誰にもかまわれることなく、自分で作った木彫りのおもちゃを売って日銭を稼いでいる。ある日、海から引き上げられた生物の赤ん坊が政府に連れて行かれそうなのを見て、咄嗟にその赤ん坊を連れて逃げる。以来、身を隠しつつ暮らしていた少女と生物だったが見つかってしまい……。

本編後に日本人デザイナーらを含む制作関係者のコメント映像があり、これを観るまではいろいろとわからないことばかりでした。ゲームのファンを対象としている作品でしょうから、このゲームの存在すら知らなかった私が観るものではなかったかもしれません。しかし、コメント映像を観ればなるほどとわかって面白い。

舞台となっている国こそが“Sky”なのですね。『エリジウム』(2013)みたいな帝国が築かれているのかと思っていました。光を失ったSkyで人々が生きるためにはなんとかして光を集めなければならない。そこで体内に光を蓄えている生物を捕獲しては光を採取しています。このイルカのような見た目の生物が“マナティ”と呼ばれていることもコメント映像で知りました。光を採取されたマナティは死んでしまう。本編だけ観ると、政府のお偉いさんが自分たちのために光を採取しているように感じたけれど、民のためを思ってのことだったとは。

光を作る術を知る人はずっと前にいなくなってしまった世界でしたが、マナティを連れて逃げた先で蝋燭を見つけた少女が蝋燭の作り方を覚えます。暗闇に包まれた国で蝋燭に火の灯る様子のなんと美しいこと。

台詞はなし。少女の「あ」とか「う」とか、マナティの鳴き声がある程度。木で作られたかのような人物の顔は、目の部分に穴があいているだけで鼻も口もなし。最初は不気味にすら感じていましたが次第に慣れる。なんとも不思議で幻想的な作品でした。コメント映像のおかげでなんとなくどういう世界かわかったから、後篇までにもとのゲームのことももう少し知っておきたいですね。

『BAD GENIUS/バッド・ジーニアス』

『BAD GENIUS/バッド・ジーニアス』(原題:Bad Genius)
監督:J・C・リー
出演:カリーナ・リャン,ジャバリ・バンクス,ベネディクト・ウォン,テイラー・ヒックソン,サミュエル・ブラウン,コナー・メドウズ,サラ=ジェーン・レドモンド,デイヴィド・ジェームズ・ルイス,ベネディクト・ウォン他

私の勤務先にお盆休みというものはないけれど、世間がお盆休みのときに大阪市内の劇場まで車で行ったらコインパーキングも盆仕様の料金になっているのだろうかとふと不安になり、市内へ出向くのはやめて塚口サンサン劇場へ。ちょうど、とても面白かったタイ作品『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017)のハリウッドリメイク版を1週間限定で上映中でした。

監督は『ルース・エドガー』(2019)で脚本を担当したJ・C・リー、本作が長編監督デビュー作とのこと。リー監督と共同で脚本を執筆したのは、その『ルース・エドガー』や『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』で監督も務めたジュリアス・オナー。フランス作品『エール!』(2014)を『コーダ あいのうた』(2021)としてハリウッドリメイクしたスタッフが製作に関わっているそうです。海外の佳作を見つけてリメイクする手腕に長けているのでしょうね。

中国系移民のリン(カリーナ・リャン)は頭脳明晰、芸術の才能も持ち合わせる女子。コインランドリーを営む父親(ベネディクト・ウォン)は優秀な我が娘がMIT(マサチューセッツ工科大学)に通う日を夢見て、富裕層が通う名門校に入学させようとする。校長(サラ=ジェーン・レドモンド)との面接時、学費はもちろんのこと制服代や通学費を即座に計算したリンは、自分の家庭ではその金を工面することが無理だと断言。あまりに速い頭の回転に驚きを見せる校長は、リンを特待生として迎え入れると言う。

こうして入学はしたものの、この高校の生徒はお金持ちばかりで友達などできそうにもない。そう思っていたところへ、同級生のグレース(テイラー・ヒックソン)が声をかけてくる。グレースは落第ギリギリらしく、次の試験で良い点が取れなければヤバイ。勉強を教えてほしいと言われても付け焼き刃では無理だろう。試験当日、焦っているグレースを見て放っておけなくなり、リンはふと思いついた手を使ってカンニングさせる。

大喜びのグレースは、恋人のパット(サミュエル・ブラウン)にもこの件について口を滑らせる。するとやはり成績のよろしくないパットは、報酬を提示してリンにカンニングさせてくれるように持ちかける。喉から手が出そうなほど欲しい金。リンは家庭教師のアルバイトをしていると父親に嘘をつき、複数の生徒にカンニングをさせる。そのことに気づいたのが、もうひとりの特待生でアフリカ系移民の男子生徒バンク(ジャバリ・バンクス)で……。

友達だ親友だと言っていても、リンとグレースでは育った環境が違いすぎる。そのときは当人たちにそんなつもりはなくても、一緒にはしゃいでいる姿に嘘っぽさを感じずにはいられません。金持ちのボンボンお嬢は貧乏な秀才を利用して、用済みとなればポイッ。悲しい事実です。

結局わかり合えるのは貧乏人同士のリンとバンクというのも寂しいけれど、リンがバンクを守り切るラストには明るい気持ちに。オリジナルとは異なるこんなエンディングも小気味が良い。ジュリアード音楽院かMITかの選択なら、後者のほうが生涯安泰じゃないの?と思うのは、どちらにも縁のない者の考えでしょうね(笑)。なんにせよ、リンの最後の言葉はカッコイイ。良いリメイクです。

『アイム・スティル・ヒア』

『アイム・スティル・ヒア』(原題:Ainda Estou Aqui)
監督:ウォルター・サレス
出演:フェルナンダ・トーレス,セルトン・メロ,ギリェルミ・シルヴェイラ,ヴァレンティナ・エルサージ,ルイーザ・コゾヴスキ,バルバラ・ルス,コーラ・モーラ,プリ・ヘレナ,フェルナンダ・モンテネグロ他

朝イチに大阪ステーションシティシネマにて『あの夏、僕たちが好きだったソナへ』を観て、北新地でランチして、テアトル梅田で『ギルバート・グレイプ』『ヴァージン・パンク/Clockwork Girl』→これ。

『セントラル・ステーション』(1998)や『モーターサイクル・ダイアリーズ』(2003)のブラジルの名匠ウォルター・サレス監督が同国の軍事政権時代の実話を映画化したのが本作。第97回アカデミー賞では国際長編映画賞を受賞しました。

1970年、リオデジャネイロのレブロン海岸近くに暮らすパイヴァ一家。下院議員だったルーベンスは、1964年のクーデター勃発時にその職を剥奪されたものの、以降は民間で弁護士としてキャリアを築き、妻のエウニセと5人の子どもたちと共に幸せな日々を送っている。しかし実は政治亡命者の支援活動をおこなっていることを家族には秘密にしている。

軍事政権下で革命運動が起き、各国大使の誘拐事件が頻発。今度はスイス大使が誘拐され、ブラジルは政治的不安定に直面。ルーベンスとエウニセは、長女ヴェロカが学生運動にでも参加しそうなタイプであることを懸念し、ロンドンに亡命した友人夫婦にヴェロカを託すことに。これで安心かと思いきや、年が明けた1971年、パイヴァ家に軍関係者とおぼしき男たちが現れてルーベンスを連行。夫の身を心配するエウニセと次女エリアナも目隠しをされたまま連行された先で厳しい聴取に遭い、エリアナは翌日解放されたが、エウニセは12日間に渡って拘束される。

ルーベンスの所在も生死もわからないまま時が過ぎ、夫不在では銀行から金をおろすこともできない。収入がなくなってやむをえず家政婦のゼゼを解雇。自宅を売却すると、エウニセは子どもたちを連れてサンパウロへと引っ越すのだが……。

連行後すぐに軍関係者によって殺されていたのに、それを決して認めようとしない政府。エウニセが夫の死亡証明書を受け取ったのは、実に25年経った1996年のことだったそうです。いずれ来るこの日のために法律を学んで48歳で学位を収めたエウニセは、被害者遺族への補償を求め、軍事政権下で起きた犯罪の責任を追及。自分のことのみならず、ブラジル先住民についての専門家にもなって、ブラジル連邦政府や世界銀行、国連の顧問に。人間の尊厳を守ろうとしつづけた人生の半分。辛い気持ちが原動力となっていたのか。凄まじい人生です。

認知症の症状が出はじめたエウニセが映し出されたとき、また老けメイクかよと思ったら、それまでのエウニセを演じていたフェルナンダ・トーレスの実母フェルナンダ・モンテネグロがエウニセの老年期を演じていました。メイクじゃなくて本物の母と子が演じ分けていたことにビックリ。なのに私には老けメイクに見えたことにも衝撃をおぼえました。(–;