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『おーい、応為』

『おーい、応為』
監督:大森立嗣
出演:長澤まさみ,高橋海人,大谷亮平,篠井英介,奥野瑛太,寺島しのぶ,永瀬正敏,和田光沙,吉岡睦雄,早坂柊人,笠久美,一華,小林千里他

109シネマズ箕面にて、前述の『ストロベリームーン 余命半年の恋』を観て退場するときに階段を1段踏み外し、派手に転んだりなどはしなかったけれど着地したときに腰がグキッ。生まれて初めてギックリ腰になりました。痛みには強いほうではありますが、これは痛い。激痛に脂汗が出て気が遠のきそうなほど。なんとかお手洗いへたどり着き、じっとしているうちに少しマシに。2本目に予約していた本作を観るのは無理かなと思いましたが、どっちみち端っこの席だし、しんどくなったら出ればいいやととりあえず入場。

舞台は1820年代から1840年代にかけて。飯島虚心(明治期の浮世絵研究者)の伝記『葛飾北斎伝』と、杉浦日向子の漫画『百日紅』に収録されている『木瓜』『野分』を基に、『さよなら渓谷』(2013)や『星の子』(2020)の大森立嗣監督が『MOTHER マザー』(2020)以来の長澤まさみ起用。大森監督のことはあらためて言う必要もないと思いますが、麿赤兒の息子で大森南朋のお兄さんです。

天才絵師・葛飾北斎(永瀬正敏)の娘・お栄(長澤まさみ)はろくに絵の描けない夫を見限って北斎が暮らす貧乏長屋へ戻る。北斎はお栄を出戻り呼ばわりしながらも家に置くことに。お栄が拾ってきた子犬さくらに紙の上を歩かれて激怒するが、やがてさくらと共に仲睦まじく寝るようになる北斎。絵を見る才能に長けていたお栄は自分でも再び描きはじめると、北斎は彼女に“応為”という名を授けて……。

とにかく腰が痛いものだから、座り方をいろいろ変えながらの2時間。盛り上がりに欠ける話にいつでも退場してよさそうだと思ったものの、なぜか眠くはならず。もしかして眠気より痛みのほうが勝っていたのかもしれません。で、結局ここまで来たら最後まで観るかとなりました。

北斎、その娘の応為、北斎の門下生である渓斎英泉こと善次郎(高橋海人)の生涯がわかるということ以外にたいして面白みはありません。彼らの絵ももっと見たかった気がするし、正直なところ、「あ、そう」で終わります。でもぶつかり合いながらも最期まで北斎と共にいた応為の気持ちを思えば、高齢の父親を抱える人なら心に刺さる部分が少なからずあると思います。こんな長澤まさみを見られただけで良いと思える作品なのでしょうね。

腰、痛すぎてヨレヨレの帰り道。

『ストロベリームーン 余命半年の恋』

『ストロベリームーン 余命半年の恋』
監督:酒井麻衣
出演:當真あみ,齋藤潤,杉野遥亮,中条あやみ,池端杏慈,黒崎煌代,吉澤要人,泉澤祐希,伊藤健太郎,黒島結菜,池津祥子,橋本じゅん,田中麗奈,ユースケ・サンタマリア他

109シネマズ箕面にて。

ベストセラー小説『ストロベリームーン』の原作者である芥川なおは、性別・年齢・本名すべて非公開の覆面作家。ただし、芥川という姓だけは本当だそうです。出身は大分県中津市で、本作の舞台もそこがイメージされているとのこと。“ストロベリームーン”とはネイティブアメリカンが6月に野苺を収穫することに由来し、「恋を叶えてくれる月」とも言われているそうな。監督は『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』(2023)、『恋を知らない僕たちは』(2024)、『チャチャ』(2024)などの酒井麻衣

小学校に入学したその日、桜井萌(西原紬)は教室で倒れる。以来、心臓疾患のせいで学校に通えない萌の夢を何でも叶えてきた父親・康介(ユースケ・サンタマリア)と母親・美代子(田中麗奈)。萌が授業を受けたいと言えば萌の部屋にスクリーンを設置。学校とオンラインで繋いでまるで教室にいるよう。学校から借りてきた机と椅子に座って調達した給食を食べることも。体は弱くてもこうして両親の大きな愛に包まれて過ごしてきた。

中学生になった萌(當真あみ)が友達をほしがっていることに気づいた康介と美代子は、街の唐揚げ屋に配達を依頼。やってきた唐揚げ屋の娘・高遠麗(池端杏慈)を萌の部屋へ案内すると、ふたりはたちまち友達に。外には出られずにいる萌に麗がいろいろとレクチャー。萌はいつの日か麗と恋バナをしたいと思うように。しかし15歳の萌は余命半年を宣告される。

病院からの帰り道、横断歩道のところで泣きじゃくる幼い女の子を助ける同い年の少年・佐藤日向(齋藤潤)を見かけた萌は彼に一目惚れ。どうせ夏まではもたない命なら、高校に入って普通の学校生活を送ってみたい。そして恋もしてみたい。そう考えた萌は麗と同じ高校へ入学。するとその初日、教室であの日向とばったり会う。自分に残された時間が少ないことはもちろん言えないが、千載一遇のチャンスに速攻で日向に告白して……。

ベタベタのお涙頂戴でしょうと思いつつも泣いてしまう。とにかく萌と日向がいい子だし、麗や日向の親友フーヤン(黒崎煌代)とカワケン(吉澤要人)もふたりへの協力を惜しまない超いい子たち。何よりも萌の両親が素晴らしい。こんな洒落た邸に住んで、難病の娘を抱えても金銭的に何の問題もないというのは夢物語のようではあるけれど。

萌が亡くなってから13年後の日向を杉野遥亮、麗を中条あやみ、フーヤンを泉澤祐希、カワケンを伊藤健太郎が演じています。みんないい子すぎてちょっと皮肉な目で見てしまうところもなきにしもあらず。だけどここは素直に泣きましょう。

未来に出せる郵便としては、郵便手紙キットやタイムカプセル郵便、未来郵便が実在します。郵便局員役でカメオ出演している黒島結菜もよかった。みらい郵便を使ってみたくなります。

『死霊館 最後の儀式』

『死霊館 最後の儀式』(原題:The Conjuring: Last Rites)
監督:マイケル・チャベス
出演:ヴェラ・ファーミガ,パトリック・ウィルソン,ミア・トムリンソン,ベン・ハーディ,スティーヴ・コールター,レベッカ・コールダー,エリオット・コーワン,カイラ・ロード・キャシディ,ボー・ガズドン,ジョン・ブラザートン,シャノン・クック他

パ・リーグのクライマックスシリーズが気になるから早めに帰ると決めた日、109シネマズ大阪エキスポシティにて1本だけ観ることに。こんなホラー作品を大画面で観るのは怖いんですけど、早く帰ろうと思ったらその選択肢しかなくて、IMAXレーザーGT版を鑑賞しました。『F1/エフワン』の同版にはアホほど客が入っていたのに、本作では数えられるくらいの客しかいません。そりゃそうだ、わざわざ大画面で観なくてもいいでしょ。

実在の心霊研究家ウォーレン夫妻の実体験をもとに描く“死霊館”シリーズの完結編。監督は前々作の『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(2021)を撮ったマイケル・チャベス。同監督の『ラ・ヨローナ 泣く女』(2019)も怖かったですよねぇ。前々作も結構面白かったのに、なぜ私は前作の『死霊館のシスター 呪いの秘密』(2023)をスルーしたのかしら。もうじゅうぶんにホラー慣れしていたはずだけど、単純に上映スケジュールが合わなかったのか、「シスター」の響きになんとなくビビったのか。

1964年、エド・ウォーレンの妻ロレインは妊娠中だったが、心霊現象が起きているという骨董品店を訪れる。ロレインがアンティークのを見るとおぞましい幻影が映し出され、その瞬間に陣痛が始まる。死産かと思われた赤ん坊を抱き上げて必死に祈るロレインとエド。奇跡的に息を吹き返した赤ん坊はジュディと名づけられ、すくすくと育つ。

1986年、ペンシルヴェニア州に暮らす8人家族のスマール家。祖父母と父母、4人の娘たちのうち、次女ヘザーが賢信礼(プロテスタントの儀式)を受けたことを祝う席で、祖父母がヘザーに贈ったのは、蚤の市で買ったというアンティークの鏡。覆いを外すとヒビが入っているのを見てヘザーは不吉に思うが、ほかの家族は気にする様子もない。しかしどうしても気味悪さを拭えず、ヘザーと長女ドーンは親たちに内緒で鏡をゴミに出す。ところがゴミ収集車の中で鏡が粉砕されたとき、食事中だったドーンが突然血を吐き、口の中からガラスの破片が現れる。

その後も家族それぞれが心霊現象に見舞われ、こんな恐ろしい家には住んでいられないとスマール一家は考えるが、引っ越し費用を捻出するのは無理。神父である父親ジャックの担当教区を替えてもらうよう母親ジャネットが訴えてもジャックは弱腰。そこで致し方なくマスコミに訴え、この事態の解決を望むのだが……。

体調が思わしくないエドは、次に発作が起これば命が危ういと言われていることから、ロレインは悪魔祓いの仕事をもう引き受けまいと決めています。だけど、最愛の娘ジュディにもロレインと同様の能力があり、恐ろしいものが見えている。ジュディがスマール家にひとりで向かったのを追いかけたエドとロレインは、やむを得ずスマール家の調査を始めます。そして知る、ここにいるのはそんじょそこらの霊ではない。霊を操る世にも恐ろしい悪魔で、しかも悪魔の狙いがジュディであることを。

とにかく(私にとっては)不必要に画面がデカいし、IMAXで音もこんなに良くなくていいんだよぉと思うほどくっきりハッキリ。私がホラーを観るときの常で、怖いシーンが来るぞというときには目を伏せていましたが、それでもビビるくらいの音。音だけでジャンプスケア(笑)。

ロレイン役のヴェラ・ファーミガとエド役のパトリック・ウィルソンはウォーレン夫妻のイメージ付き過ぎでほかの役を演じるのはツライのでは。嬉しかったのは、ジュディの彼氏役でベン・ハーディが出演していること。といっても、鑑賞中は「この人めっちゃ見たことあるけど誰だっけ」と考えつづけていて、最後まで思い出せず。後から、そうやん、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)のロジャーやん、30回以上『ボラプ』を観たのに忘れるか!?私と凹みました(笑)。

本作に興味はあるけど“死霊館”シリーズを未見だからと思っていらっしゃる方、このシリーズはどこから観ても大丈夫、単独で楽しめます。もっとも、実話だとは思っていないから楽しめるところはあります。こんなこと本当にあったら耐えがたいもの。私の中ではあくまでフィクション。

『リアム・ギャラガー in ロックフィールド オアシス復活の序章』


『リアム・ギャラガー in ロックフィールド オアシス復活の序章』(原題:Liam Gallagher 48 Hours at Rockfield)
監督:ジェームス・バーナーキャスト

テアトル梅田にて4本ハシゴの4本目。『後朝の花雪(きぬぎぬのはなゆき)』『さよならはスローボールで』『KIDS/キッズ』→これ。

別にオアシスのファンではありません。観るものがなかったときに『リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ』(2019)を観たぐらいで、オアシスの曲を挙げろと言われても“Don’t Look Back in Anger”しかわからないというありさまです。だから、本作のタイトルを聞いたところで何もかもピンと来ず。ロックフィールドが映ったとき、おおっ、これはクイーン『オペラ座の夜』レコーディングスタジオじゃあないか!と興奮。

リアム・ギャラガーってとっくに還暦を過ぎているのかと思っていたのですが、まだ50代前半なのですね。なかなか憎たらしい奴です(笑)。1991年に5歳上の兄ノエルと共にオアシス結成。しかし兄弟の不仲は有名で、エピソードは数知れず。中でもリアムがノエルのギターをぶっこわした件が壮絶。オアシスのことは知らなくてもその話だけは私も知っていたくらいです(笑)。不仲ゆえに2009年に事実上の解散。再結成はないだろうと言われていましたが、2024年になんと再結成。今年は世界ツアーがおこなわれています。この記事をUPする頃には東京ドーム公演がすでに開催されているはずなんですが、無事におこなわれたでしょうか。→無事おこなわれたようです。(^^)

本作は2022年に制作されたソロアルバムのレコーディングのために、リアムが息子ふたりを連れてロックフィールドを訪れたときの模様。サッカーのフランス代表選手エリック・カントナがリアムのファンだと聞いてMVへの出演を打診したらノーギャラで引き受けてくれたという話や、ロッド・スチュワートは会計の段になると必ず靴紐を結ぶために屈んで人に金を払わせる話とか、ちょっと可笑しい。

自分にはギターのことはまったくわからない、でもノエル並のギタリストはいくらでもいるけれど、自分ほどのボーカリストはほかにいないだろと豪語するリアム。これほどの自信家が再結成したオアシスで兄と上手くやっていけるのか、見物(みもの)です。まぁ、こうじゃなきゃリアムじゃないでしょうから(笑)。

『KIDS/キッズ』

『KIDS/キッズ』(原題:Kids)
監督:ラリー・クラーク
出演:レオ・フィッツパトリック,クロエ・セヴィニー,ジャスティン・ピアース,ロザリオ・ドーソン,ハロルド・ハンター,ユキラ・ペグエロ,アタベイ・ロドリゲス,サジャン・バガット,ジョン・エイブラハムズ他

テアトル梅田にて4本ハシゴの3本目。

1995年のアメリカ作品。どうして今頃再上映しているのだか知りませんが、なんとなく苦手そうでずっと避けてきた作品です。ラリー・クラーク監督はもともと写真家。親交のあった30歳下のスケボー小僧ハーモニー・コリンが書いた脚本を映画化して評判になったのが本作です。また、クラークに心酔するガス・ヴァン・サント監督が製作総指揮を買って出たことも話題に。その後、コリンも映画監督となりましたが、私は彼の作品も避けてきました。これだけブログを続けているというのに、ラリー・クラークとハーモニー・コリンの名前は一度も挙げていないようで、自分でブログ内を検索してみて1件もヒットしないことに驚く。まぁ、時間も合うことだし、嫌々でも観てみよう。

10代のテリー(♂)は、ローティーンの少女の処女を奪うことにしか興味がない。話を聴きたがる親友キャスパーに自慢しながらニューヨークの街をぶらつく毎日。親の金を盗み、その金は使わずに雑貨店で万引き。男子がたむろするポールの家でドラッグをきめてセックスの話で盛り上がる。一方、ルビー(♀)の家に集まる女子もセックスの話ばかり。ジェニーはテリーに処女を奪われたが、その後テリーからは一度も連絡なし。何人もの相手とコンドームなしでセックスしているルビーは、HIV感染を心配して検査を受けることに。ついでにジェニーも検査を受けたところ、ルビーは陰性だったのに、テリーとしかセックスの経験がないジェニーが陽性という結果に。ジェニーはテリーにそのことを伝えようとするが、今日も狙った処女を落とそうと必死のテリーがどこにいるのかなかなかわからず……。

とても不愉快。なぜ私がクラークとコリン両監督の作品を避けてきたのかわかる気がします。基本的に「昔ヤンチャしてました、セックス&ドラッグ&バイオレンスやり放題」を自慢しているかのような印象を受けるからでしょう。そんなの、ちぃとも羨ましくないし。だいたいこいつらひとりじゃ何もできないくせに、群れて行動する。気に入らない相手をよってたかって殴ったり蹴ったりするのは相手も相手だから勝手にやってりゃいいと思うけど、こういう日々を自慢げに描いているのを観たって楽しくない。深く考えさせられることもなく、こいつらクズだとしか思いません。

役者のほとんどが当時は素人で、本作そのまんまの毎日を送っていた少年少女も多い。本作出演後にキャスパー役のジャスティン・ピアースは自殺。オーバードーズ(薬物の過剰摂取)で死んだ人もいます。それでもこのころのことを思い返してよかったなぁと自慢に思うのでしょうね。クズばっかりで役者にも興味が湧かないけれど、当時コリンの恋人だったというジェニー役のクロエ・セヴィニーと、ルビー役のロザリオ・ドーソンだけは存在感のある役者になりましたね。

クラーク監督の作品はもう観たくない。といっても彼はもう全然映画を撮っていないけれど。コリン監督の近年の作品には気になるものがいくつかあるから、それは観ようと思う。