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『白蛇:浮生 巡りめぐる運命の赤い糸』

『白蛇:浮生』(原題:白蛇:浮生)
監督:チェン・ジエンシー,リー・ジアカイ
声の出演:三森すずこ,佐久間大介,佐倉綾音,杉田智和,悠木碧,武内駿輔他

なんばパークスシネマにて、前述の『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』の次に。

とても面白かったことは覚えているけれど、なにしろ4年半以上前のことだから詳細は思い出せない『白蛇:縁起』(2019)の続編。しかし観はじめてすぐにこの美しいアニメの世界が甦ってきました。

前作で描かれていたのは唐代。蛇の妖怪姉妹・白と青は美人の姿形で人の世へ。姉の白は人間の青年・宣と恋に落ち、最後は宣が自分を犠牲にして白を救うところで終わったのでしたっけ。

前作から500年が経過した南宋の都・臨安。どうしても宣の生まれ変わりと再会したい白は、さらなる修行を積んでもっと上位の妖怪になりたい青を説き伏せ、この世に留まることを主張。姉の頼みを渋々聞き入れて共に宣の生まれ変わりを探していると、ついにそれらしき青年・仙を見つける。白がわざと落とした簪を拾った仙は白に一目惚れ。すぐにでも話をしたいのに、腕の立つ医者である仙に診てほしいと駆け寄る人々がいっぱい。白と青が術を以てしても仙がひとりきりになる時を作るのに難儀するほどだったが、ようやくその時が訪れる。白と仙は結婚することになり、仙の義兄・李も祝福。白が用意した金のおかげで、仙は診療所と薬屋を開いて大繁盛。ところが、金庫からなくなった金のことをお役人たちが調べはじめる。金は青が面白がって盗んだもの。どうせバレるわけはないと高を括っていると、そこに妖怪の匂いを感じ取った金山寺の高僧・法海がやってきて……。

法海は妖怪は直ちに退治すべきものと考えています。人々にとっても妖怪は恐ろしいものでしかあり得ません。白は仙と共に居たいだけで、青もその気持ちを尊重し、人を傷つける気なんてこれっぽっちもない。けれど、法海は妖怪が人を傷つけると決めつけているから、白の本当の姿を仙の前にさらして仲を引き裂こうとします。

壮大で素晴らしいアニメーション。前作で白と契約を交わした宝青坊の主が、本作では劇団を所有している。この芝居がめちゃめちゃ楽しくて目を見張りました。笑えるシーンもいくつもあって、いつまでも観ていたくなる138分。前作を観たときは、客入りが良いのは声を担当しているのが佐久間大介だからなのかと思い込んでいましたが、そうじゃない。“ドラえもん”3DCGアニメを観てもまったく刺さらなかったのに、これはちょっと泣いてしまった。

アニメーションスタジオ“追光動画”が制作するアニメの虜になりそうです。

『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』

『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』(英題:Dark Nuns)
監督:クォン・ヒョクチュ
出演:ソン・ヘギョ,チョン・ヨビン,イ・ジヌク,ムン・ウジン,ホ・ジュノ,キム・グクヒ,シン・ジェフィ,パク・ジョンハク,チョン・スジ他

仕事帰りになんばまで行くのは面倒だなぁ、新御が空いていたら行くことにしようかなと思って、オンライン予約もせずになんばパークスシネマへと向かいました。渋滞しそうな時間帯なのにいつになく空いていて、40分程度で駐車場に入庫。ここの駐車場も最近ナンバー読み取り式に変わり、値段も最大料金1,300円に上がりましたが、なんばではそう高いほうではありません。

観ながら不思議に思っていたのは、病院に神父修道女がいて、彼ら彼女らが医師であり看護師なのですね。悪魔の存在を信じる医師と信じない医師がいて、当然のことながら治療法にも差異があるようです。

長らく原因不明の激しい発作に苦しめられている少年ヒジュン(ムン・ウジン)。彼の母親(チョン・スジ)はなんとか息子の病を治してやりたいとさまざまな方法を試すが駄目。担当医のアンドレア神父(ホ・ジュノ)からこれは悪魔憑きであると言われ、“黒い修道女”の異名を持つシスター・ユニア(ソン・ヘギョ)が祓魔師を務めて悪魔祓い(エクソシズム)を執りおこなう。ユニアのおかげでヒジュンはいったん落ち着くが、悪魔はしばし姿を隠しただけでまた現れると思われる。

このたびの悪魔祓いで命の危険を感じたアンドレア神父は引退を決め、後任としてヒジュンの担当医となったのはパオロ神父(イ・ジヌク)。彼は悪魔の存在を否定し、ヒジュンの症状は薬物投与とカウンセリングで治療できると断言。それではヒジュンが死んでしまうと、シスター・ユニアは打つ手を考えるのだが……。

シスター・ユニアは難聴にも関わらず悪魔の囁きが聞こえます。そしてパオロ神父の部下シスター・ミカエラ(チョン・ヨビン)も自分と同じく霊能者であることを即座に見抜く。巫女になるべくして生まれたシスター・ミカエラは、その人生に背を向けたいがばかりに自身が霊能者であることを隠し、悪魔の存在も否定してパオロ神父に仕える立場を取ってきました。しかし、どう見てもヒジュンは悪魔に取り憑かれている。シスター・ユニアの説得により、ヒジュンを救うために協力します。

悪魔憑きなんてものが本当にこの世にあるとは私には思えません。でもエクソシズムを取り扱った作品があまりに多いから、その存在を信じないと呪われるような気がしてきてしまいます。

すべての霊能者が恐れるほど凶悪な悪魔が憑いているヒジュン。悪魔は死んでも取り憑いたままだから、彼は死ぬこともできません。子宮癌を患い、おそらく余命もわずかだというのに、絶対にヒジュンを救うことをあきらめないシスター・ユニア。なぜそんなにも頑張るのかとシスター・ミカエラから聞かれたシスター・ユニアの言葉が胸を打つ。「人を助けるのに理由が要りますか」。

去年期待していたのにちぃとも面白くなかった『悪魔祓い株式会社』(2025)より遙かに面白かった。最後の最後にカン・ドンウォンのカメオ出演。心が躍りました。もしかしてこれも続編ありますか。

『Rip/リップ』

『Rip/リップ』(原題:Rip)
監督:ジョー・カーナハン
出演:マット・デイモン,ベン・アフレック,スティーヴン・ユァン,テヤナ・テイラー,カタリーナ・サンディノ・モレノ,サッシャ・カジェ,カイル・チャンドラー,ホセ・パブロ・カンティージョ,スコット・アドキンス,ネスター・カーボネル,リナ・エスコ他

先月半ばよりNetflixにて独占配信中。毎年12月にUPする「今年観た映画50音順」用に観たのに、あまりに面白くて年末まで寝かせておくのがもったいなくなりました。「り」で始まる作品を新たに探さなくてはなりません(笑)。

フロリダ州マイアミ・デイド郡の保安官クリス・カシアーノの体験談に着想を得た作品で、監督を務めるのは『炎のデス・ポリス』(2021)のジョー・カーナハン。彼は『バッドボーイズ フォー・ライフ』(2020)の脚本家でもあります。マット・デイモンとベン・アフレックが揃って出演する作品は侮れません。『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)の頃を懐かしみながら、すっかりオッサンとなったふたりを見るのは楽しい。ちなみにタイトルの“リップ”は「押収金」のことです。

ある晩、デイド郡警察署の女性刑事ジャッキーが何者かに殺害される。内部に犯人がいるのではないかとの疑いがかかり、警察署もFBIも刑事たちに事情を聴取する。警部補のデインは、死ぬ間際のジャッキーが情報を書き込んだのちに海の中に放り投げたスマホを密かに入手し、金が隠されているとおぼしきハイアリアの住宅街へと出向く。同行したのはデインのチームの部下マイク、ヌマ、ロロと、デインとは公私ともに親しいJD。ジャッキーが記した住所には若い女性デシが居住し、介護していた祖母が亡くなってからひとりで暮らしているのだと言う。デインたちが屋根裏部屋の壁をぶち抜いてみると、そこには麻薬カルテルの所持金らしい2000万ドルの現金が。

この金をどうするか。通常の流れとしては、現金が発見されたことを本部の上司に即報告し、現場にいる複数の人間で金額をきちんと確認して持ち帰るという決まりになっている。しかしかつてない額の金を目の前にして、よからぬことが頭を過る者が現れても不思議はない。デインはまず全員からスマホを回収すると、上司に連絡を入れようとしない。一同は戸惑いの表情を浮かべつつも、金を数えるように指示されたヌマとロロが着手。表の見張りを命じられたマイクはその通りにするが、デインとJDが言い争いを始めて……。

どうやらハイアリアという場所では麻薬カルテルと警官が癒着していて、汚職が当たり前のようです。知らんけど。(^^;

デインとJDは昔なじみだけど、JDはデインに出世の面で先を越されています。ジャッキーと恋仲だったJDはなんとしてでも犯人を挙げたい。なのにデインの態度はまるで金の隠匿を狙っているかのよう。デインは小児癌を患っていた10歳の息子を亡くし、その治療費などでいまや文無し。金がほしいことは確かです。2000万ドル全部じゃなくてもいいからそのうちの少しだけでも自分たちのものにできたら生活が一変するのにと思っているのはヌマとロロも同じこと。このふたりの女性刑事は金を数えながらそんな話もします。

途中、中だるみした部分も若干ありますが、このオチの鮮やかなこと。最後は興奮しましたね。マット・デイモンとベン・アフレックはやっぱりこうでなきゃと思う。痛快。

“Are We The Good Guys?”。はい、いつだって善人です。

『ただ、やるべきことを』

『ただ、やるべきことを』(英題:Work To Do)
監督:パク・ホンジュン
出演:チャン・ソンボム,ソ・ソッキュ,キム・ドヨン,キム・ヨンウン,チャン・リウ,イ・ノア,カン・ジュサン,キム・ナムヒ他

武庫之荘でひとりランチ後、TOHOシネマズ西宮で『HELP/復讐島』を観て電車に飛び乗り、十三に到着。どうしても観たかった本作を観るためにシアターセブンへ。

パク・ホンジュン監督は造船会社の人事係に勤務していたことがあるそうです。その経験を基に撮ったのが、長編デビューとなる本作。

造船会社・韓洋重工業に入社して4年目になるカン・ジュニ(チャン・ソンボム)。資材チームに所属していた彼は、人事チームへの異動を命じられる。資材チームから離れる前日、「娘の婿になってほしかった」というぐらいジュニのことを気に入っていた部長チャン・イルソプ(カン・ジュサン)や課長イ・サンテ(キム・ナムヒ)と飲み明かしたジュニは、翌朝出勤した人事チームで温かく迎えられてひと安心。しかし次長イ・ドンウ(ソ・ソッキュ)は冴えない顔色で「あまり良い職場とは言えない」とジュニに告げる。

仕事を効率良く片付けるジュニは、資材チームにいたときと同様に、人事チームでも「出来る奴」と認められる。さっそくドンウと共に進めることになったのは、リストラの名簿作り。不況の波に勝てず、何度もリストラを繰り返してきた会社は、今回は150人もの社員をリストラすると言うのだ。社員たちを納得させるための基準を設けてジュニが即座に作成したリストラ対象者の名簿にドンウは舌を巻く。その名簿を携えて人事チームの部長チョン・ギュフン(キム・ドヨン)は社員側との交渉に臨むのだが……。

精神的にめげそうな不正だとか虐めみたいなものが描かれた作品だったらしんどいなぁと思っていたのですが、そうではありませんでした。ジュニは出来る社員でありながら、おかしいことはおかしいときちんと言う若者。基準を設けてリストラ名簿を作成したのに、会社の忖度で「切るはずの社員」と「残すはずの社員」を入れ替えようと上司が言い出したときに、それはおかしいと言い切ります。もしも入れ替えたことがバレたらどう言い逃れをするつもりかと。すると、上司がちゃんとそれを正しいことだと認めて、入れ替えの話を無しにするのです。

150人を解雇することにして面談を重ねたうえで希望退職者を募ると、120人近くは署名する。残りの30人ほどはどうするのかとなったとき、言い方が悪いですが「ゴネ得」になる。30人がどれほど真面目に仕事をする社員だったのかはわかりません。でも、辞めたくないと言い張った結果、会社に残ることができたなら、希望退職者として署名してしまった人はどうなるのか。資材チームのチャン部長が去るシーンは寂しくて悲しくて見ていられませんでした。

別にイケメンでも何でもないジュニには可愛い婚約者ホン・ジェイ(イ・ノア)がいます。先輩から「ジュニのいったいどこがよかったんだ」と聞かれたジェイは、「確かにジュニにはもどかしいところもある。だけど、彼は悪いことをしたときにそれを恥じることができる人なの。そこが好きだ」と答えます。悪いことをしたときに恥じることができるか。大事なことだと思いました。でもジュニは悪いことなんかしていないよ。

リストラする側が何の痛みも感じない人ならば楽かもしれない。でもそうじゃないなら、こんなにもきつくて心が折れる。

『HELP/復讐島』

『HELP/復讐島』(原題:Send Help)
監督:サム・ライミ
出演:レイチェル・マクアダムス,ディラン・オブライエン,エディル・イスメイル,デニス・ヘイスバート,ゼイヴィア・サミュエル,クリス・パン,タネート・ワラークンヌクロ,エマ・ライミ他

休日、武庫之荘でひとりランチのあと、TOHOシネマズ西宮へ。グラスのスプマンテとカラフェで白ワインを空けています。またまた「観るなら飲むな、飲むなら観るな」の掟を破っているわけで、これで寝ないはずがない。なのに一瞬たりとも寝ませんでした。『死霊のはらわた』(1981)のサム・ライミ監督の成せる技というべきか、目が離せないサバイバルホラー。予告編を観る限りでは、クソ上司からパワハラに遭っている女性部下を応援一択だったのに、えーっ。

金融管理会社の企画戦略部に所属する社員リンダ(レイチェル・マクアダムス)。その能力の高さは誰もが認めるところで、社長は彼女を副社長に据える約束をしていた。ところが社長が急逝し、その息子ブラッドリー(ディラン・オブライエン)が新社長に就任。 ブラッドリーはリンダの昇進を反故にするばかりか、自分の側近ドノヴァン(ゼイヴィア・サミュエル)にリンダの功績を横取りさせて副社長にしようとしている。このたびのバンコクへの出張に側近たちと共にリンダも同行させ、頃合いを見計らってクビにするつもり。ところが、嵐に見舞われた航空機は海に墜落。シートベルトを着用していたリンダとブラッドリーのみが命拾いし、ほかの連中は全員、空に投げ出されて死んでしまう。

タイランド湾に浮かぶ孤島で目を覚ましたリンダは、近くで失神しているブラッドリーを見つけると足の怪我の手当てをする。献身的な介抱によってブラッドリーは回復するが、孤島に二人きりになっても自分が上司だと思っているから、リンダに横柄でありつづける。業を煮やしたリンダは、このままならばブラッドリーに食糧も水も与えないと決める。リンダがいないと何もできないブラッドリーは態度を改めたかに見えたが……。

冒頭、まず予告編では気の毒にしか思えなかったリンダに違う印象を受けて驚きました。彼女は確かに仕事ができるけど、雰囲気を読めないイタい女。髪はボサボサでほぼスッピン、イケてないファッション。ブラッドリーが初出勤したとき、勤務時間中は自席での食事を禁じられているにもかかわらずサンドイッチをほおばっていたリンダは、咄嗟に引き出しの中にサンドイッチを隠します。この時点で私はオエーッ。ハダカのサンドイッチを引き出しの書類の上に置くって、どういう神経なんだ。目の前を素通りしようとするブラッドリーにリンダは笑顔を作って声をかけるけれど、口元にはマヨネーズで和えたツナが付いたまま。気持ち悪いったらありゃしない。握手を求められたブラッドリーは渋々応じたものの、彼の手にツナが付く。そういうことにリンダは何も気づいていないし、同僚たちが遊びに行く話に誘われてもいないのに加わろうとします。

こんなだからリンダを応援する気は失せていたところ、孤島でブラッドリーと二人きりに。そうするとやっぱりブラッドリーはクソなんですよね。サバイバル番組好きで何でもできるリンダに対し、ブラッドリーは何にもできないくせしてデカい口ばかり叩く。水の貯め方、魚の捕り方、食べられる植物など有り余るほどの知識を持つリンダ。イノシシまで仕留めるのですからたいしたものです。ブラッドリーもリンダに教えを請い、徐々にいろいろとできるようになるものの、リンダに敵うわけはありません。

救助船が来なくてもかまわないと思っているリンダは、むしろ救助船が来れば見つからないようにしたい。捜索は打ち切りになったというのにあきらめずにブラッドリーを探す婚約者がやってきたとき、どうするか。ここまでやっちゃうんですねぇ。それを知ったブラッドリーとの一騎打ち。って、二人しかいないんだから、常に一騎打ちなんですけど(笑)。とてもブラックで笑っちゃうオチです。そして、輝くばかりの微笑みを浮かべるレイチェル・マクアダムスはやはり美しい。ブスになろうと思えばなれるんだという驚きも。

自分の身は自分で守れ。