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『正義廻廊』【トークイベント付き】

『正義廻廊』(原題:正義廻廊)
監督:ホー・チョクティン
出演:ヨン・ワイロン,マク・プイトン,ルイーザ・ソウ,マイケル・チョウ,ジャン・ラム,グロリア・イップ他

2013年に香港で実際に起きた事件をモチーフにした法廷ミステリー。香港では2022年に公開され、日本でいうところの『国宝』(2025)並のロングランとなり、大ヒットを記録した作品なのだそうです。テアトル梅田で配給会社の方によるトークイベント付きの回があったので、それを観に行きました。ほぼ満席。

ある日、ヘンリー・チョンという男が「行方不明になった両親を探している」としてテレビ出演、情報を求める。ところがその後、ヘンリーは自分が両親を殺害したとSNSで告白し、駆けつけた警察官はヘンリーの友人アンガス・トンの自宅の冷蔵庫からバラバラに解体された男女の遺体を発見する。その遺体はヘンリーの両親のものと思われ、ヘンリーと共にアンガスも逮捕される。ヘンリーは犯行を認め、最初は共犯を否定していたアンガスも自供。それぞれに弁護士がつき、9名の陪審員が選出されて裁判が始まるのだが……。

映し出される遺体は相当えぐい。スプラッタムービー顔負けで、直視するのは厳しいほど。そこはホラー映画を観るときと同様に目を逸らすとして、面白い作品です。

香港の人ならみんな知っているという事件に今なお多くの謎が残るというとおり、真相はいったいどうだったのかがわかりません。ヘンリーに利用されただけだと主張するアンガスは本当に知能指数が低かったのか。彼が実は物凄く賢かったことを匂わせる描写があり、真相に興味が湧きます。有罪無罪を議論する陪審員たちの様子も面白く、もしもこの場に自分がいたらどう考えるだろうと思わずにはいられません。

しかし映画そのものよりも興味を惹かれたのは、上映終了後におこなわれたトークイベントで知った香港映画の現状。大陸中国の資本に頼る監督も増えているなか、今の香港を描くべく若手監督を支援する流れがあるとのこと。本作もそうした作品のうちの1本であり、まだまだこれから香港映画が面白くなりそうです

『ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール』

『ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール』(英題:Lobby)
監督:ハ・ジョンウ
出演:ハ・ジョンウ,キム・ウィソン,カン・ヘリム,イ・ドンフィ,パク・ビョンウン,カン・マルグム,チェ・シウォン,チャ・ジュヨン,パク・ヘス,クァク・ソニョン他

休日、に面会するために山田駅近くの老健へ向かい、そのまま車を駐めて阪急電車に乗車。夙川でひとりランチの後、ふたたび電車に乗って梅田へ。テアトル梅田で本作を鑑賞しました。ちなみにその後は地下鉄に乗ってなんばグランド花月へ。

ハ・ジョンウが3度目の監督を務め、自ら主演するコメディ作品。封切り翌日だったこの日、ジョンウ人気なのか韓国映画人気なのか、まぁまぁの客入り。

新進テック企業の社長チャンウク(ハ・ジョンウ)はエンジニアとしての自負があり、金で仕事を取るなんて卑怯だと思ってこれまで仕事をしてきた。しかしその結果、なんとか手を打たなければ会社は潰れそうな状態。このたび発表された国家事業を自社が受注するには、これまで避けてきたロビー活動をおこなわないわけにもいかなくなる。

社員たちによる調査に基づき、国家事業の受注先決定の権限を持つチェ室長(キム・ウィソン)を接待することに。チェ室長がゴルフ好きで、しかも美人女性プロゴルファーのジン(カン・ヘリム)の大ファンであると知り、まずはジンにスポンサー契約を持ちかける。一方、ライバル会社のグァンウ(パク・ビョンウン)も、チェ室長の妻でかつ室長の上司でもあるチョ長官(カン・マルグム)をゴルフ接待。その場にはチョ長官が好きな俳優テス(チェ・シウォン)を同席させる。こうして同日に同じゴルフ場で双方の接待が進められるのだが……。

さぞかし面白かろうと期待していたのですが、なんとも中途半端。そもそもチャンウクとグァンウが受注しようと争っているものが何なのかが(酔っぱらっていたこともあって(笑))よくわからない。埋込型と据置型って、何の話をしているのですか。もともとエンジニアのチャンウクはそのどちらも造る技術を持っているけれど、グァンウにその技術はありません。だから、グァンウはチャンウクの会社を買収しようとしています。技術を金で買えばどうとでもなると思っているグァンウの態度は気に入らんけど、何の話かよくわからないからどうでもよくなってきて。

さらに、私はゴルフにほぼ興味がないから、肝心のゴルフのシーンについていけず。ジンのドライバースランプもよくわかりません。ただ、ジン役のカン・ヘリムは見ているだけで楽しくなるほど綺麗。それだけに、彼女に言い寄るチェ室長がキモくて嫌でした。あ、チャンウクの部下を演じるクァク・ソニョンも綺麗で好きだなぁ。チャンウクの会社の若手社員たちが一致団結する様子はとてもいいのですけれど。

ハ・ジョンウは監督はせずに俳優としてのみ映画に関わるほうがいいのではないかと思います。良くも悪くもなさすぎてつまらない。

『映画 ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』

『映画 ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』
監督:矢嶋哲生
出演:水田わさび,大原めぐみ,かかずゆみ,木村昴,関智一,広橋涼,千葉翔也,平愛梨,平子祐希,酒井健太他

TOHOシネマズ伊丹にて、前述の『木挽町のあだ討ち』の次に。“ドラえもん”の人気は相変わらず凄いですね。上映終了時刻が22時半を過ぎる回でも客がいっぱい。ということは大人の客が多いわけで。この劇場版は第2期の第20弾、劇場版の通算では45作目に当たるそうです。

うだるような暑さの夏休み。どこかでキャンプをしようと相談するのび太たちだったが、のび太は山に行くことを希望。ジャイアンとスネ夫は、のび太が泳げないから山がいいと言っているのだろうと笑い、海に行こうと言う。しずかちゃんは奇跡的にのび太の希望に賛成してくれて、2対2の同数票に。ドラえもんがあと1票をどちらに投じるかで決まるというとき、ドラえもんはまさかの「山と海どちらにも同時に楽しむ」ことを提案。

ドラえもんがひみつ道具の中から取り出したのは水陸両用のバギーカー。人間と会話もできるこのバギーに乗り、海底キャンプへと出かけた一行だったが、途中、巨大な魚やイカの化け物のような物体に命を狙われる。危ないところを救ってくれたのは、海底人の国“ムー連邦”の青年エル。海底人は陸上人を嫌っているらしく、のび太たちに肩入れすればエルが責められるだろう。戦いに明け暮れるムー連邦の現状をなんとか変えたいと思っているエルも、皇帝に背くことはできず……。

“ドラえもん”より“クレしん”派の私は多くは語るまい。のび太のワガママ度はいつもより低めでマシ。しかし自然と見る目が厳しくなってしまうので、えっ、助けてくれた婆ちゃんに誰もお礼言わんのかいとツッコミ入れたくなります。そして何よりも私が気になるのは、ドラえもんの「季節感を無視した公開日」なのです。わりといつも無視しているように思いますが、今回も2月に夏休みの話をするのはなぜなんですか。ドラえもんといえば夏休みに決まっているということなのか。てな感じで、ドラえもんを観るときはついつい攻撃的になってしまう私。ごめんなさい。

『木挽町のあだ討ち』

『木挽町のあだ討ち』
監督:源孝志
出演:柄本佑,長尾謙杜,瀬戸康史,滝藤賢一,山口馬木也,愛希れいか,イモトアヤコ,冨家ノリマサ,野村周平,高橋和也,正名僕蔵,本田博太郎,石橋蓮司,沢口靖子,北村一輝,渡辺謙他

封切り日にTOHOシネマズ伊丹にて。

原作は直木賞と山本周五郎賞をW受賞した永井紗耶子の同名ベストセラー小説を『東京タワー』(2004)や『大停電の夜に』(2005)の源孝志監督が映画化。この2本は私も観ましたが、それ以外だと源監督は主にTVを中心に活躍されているため、劇場でお目にかかることがほとんどありませんでした。どんな感じなのでしょう。ちなみに「木挽町」は現在の銀座歌舞伎座周辺の東銀座に当たり、かつて江戸城修築のために木挽き職人が多く住んでいたことに由来する町なのだそうです。

1810(文化7)年、雪の舞う木挽町。芝居小屋“森田座”では『仮名手本忠臣蔵』の千秋楽が跳ねたばかり。観客がわさわさと小屋から出てくるなか、美濃遠山藩士・伊納菊之助(長尾謙杜)が父親・伊納清左衛門(山口馬木也)の仇討ちを果たす。相手はこの付近で有名なごろつきの博徒・作兵衛(北村一輝)。200人はいたであろう野次馬たちはその見事な仇討ちに喝采を送り、菊之助は美濃遠山藩へと帰る。

その1年半後、菊之助の義兄になるはずだったという浪人・加瀬総一郎(柄本佑)が森田座を訪ねる。総一郎は、虫も殺せぬほど心優しい菊之助が仇討ちを成し遂げたことを信じられぬ様子で、ごろつきであっても自分の知る者だからせめて墓前に手を合わせたいと言う。そのため、菊之助が取った作兵衛の首を探しており、見つけるまでは帰らない覚悟らしい。芝居小屋の関係者たちへ聞き取りを重ねるうち、総一郎は真相に近づいてゆくのだが……。

総一郎が話を聴くのは、木戸芸者(芝居小屋の入口で配役を読み上げるなどして通行人を芝居見物に誘導する係)の一八(瀬戸康史)、役者たちに殺陣を指南する立師の与三郎(滝藤賢一)、衣装係のほたる(高橋和也)、小道具を作る久蔵(正名僕蔵)とその妻(イモトアヤコ)、戯作者の金治(渡辺謙)。思いのほかふきだしてしまうシーンも多くてびっくり。

作兵衛とはいったい何者なのか、井納家でいったい何があったのか、そして美濃遠山藩はどのような状況にあったのか。気持ち良いぐらいに徐々に明らかになり、これがこんなハッピーエンドを迎えるとは予想していなかったから、嬉しくて楽しくて。観終わってすぐに書店へと走り、すでに文庫化されている原作本を購入しました。読了したさいの感想はこちら

『木挽町の仇討ち』ではなく『木挽町のあだ討ち』となっている訳。鮮やかです。

『愛がきこえる』

『愛がきこえる』(原題:不説活的愛)
監督:シャー・モー
出演:チャン・イーシン,リー・ルオアン,ホアン・ヤオ,ヴィヴィアン・ティエン,ジャン・ルオナン他

塚口サンサン劇場に行くときにいつも利用していたタイムズが更地になり、その隣にあるコインパーキングに駐車していますが、料金が高い。タイムズに駐めていたときは夜間料金の適用開始時間がわりと早くて、2本観ても400円台で済んでいたのに、今は1,000円。しかも千円札が使用不可になっているときがあり、なんやねんこれと怒りを覚える。別のコインパーキングを探し、なんとか600円台で駐められるところを発見。

主演の中国人俳優チャン・イーシンは、韓国人と中国人で構成される男性アイドルグループEXOのメンバーでもあります。EXOは2012年に韓国と中国でデビューし、2015年には日本でもデビューしたそうですが、私はメンバーをひとりも知らず、たまにこうして誰かの出演作を観て「へ~」と思う程度。

ある警察の取調室。窃盗罪で逮捕された聴覚障害者の女性の手話通訳をするために立ち会うムームー。捕らえられた女性は、「勤務先の社長が酷い奴で、給与を払ってくれないからそれを貰っただけだ」と訴えるが、社長は「その女性はもう辞めているから払う給与などない」と言う。早く帰りたくて諦め気味の女性の手を取り、「障害者だからと我慢していては駄目、自分が力になるから」と励ますムームー。なぜそんなに親身になるのかと不思議がる警察官とその女性にムームーが語る、子ども時代の自分のこと。

ムームーの父親シャオマーは聴覚障害者。離婚してシングルファーザーとなったシャオマーは、ろう者のコミュニティでムームーとともに暮らす。小学校へは通わず、コーダとして生活を支えるムームーは、コミュニティの仲間たちに囲まれて楽しい日々を送っていたが、ある日、5年前に出て行ったきりの母親シャオジンがムームーを引き取りにくる。シャオマーとシャオジンがムームーの親権をめぐって争うことに。経済的にも困窮しているシャオマーのもとではムームーの将来が見えないことを指摘され、なんとか生活を向上させようとシャオマーは仕事に就く。しかしそれも上手く行かず、弁護士費用も稼がねばならないシャオマーは追い詰められ、闇ビジネスに加担してしまい……。

ムームー役の子役リー・ルオアンの可愛さに尽きると言ってもよいぐらい、彼女の愛らしさに引き込まれます。どうせお涙頂戴でしょと思っていたのに、そりゃ泣きますよね。シャオマーとシャオジンが離婚した理由のひとつが、手話でばかり話すようになった父娘シャオマーとムームーにシャオジンが置き去りにされたということ。シャオジンも手話を学び、家族で話したかったのに、誰も私と話さなくなったと語るシャオジンのつらさも伝わってきます。実際のろう者の方々も多く出演されていて、その演技も素晴らしい。エンドロールを見ていると、自然と笑顔になっている自分に気づきました。