MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『愛はステロイド』

『愛はステロイド』(原題:Love Lies Bleeding)
監督:ローズ・グラス
出演:クリステン・スチュワート,ケイティ・オブライアン,エド・ハリス,ジェナ・マローン,アンナ・バリシニコフ,デイヴ・フランコ他

109シネマズ箕面にて、前述の『不思議の国でアリスと Dive in Wonderland』とハシゴ。ここは駐車サービスが最悪だから、この日ももちろん一旦出庫して入庫しなおしました。

イギリス出身の女性監督ローズ・グラスによるイギリス/アメリカ作品。ジムのマシーンでトレーニングする面々が映し出されるオープニングロールは、体毛や汗の粒が光る体の部分がどアップになったりして、エロいような不快なような、なんと表現してよいのかわかりません。ただ、不穏な感じは漂い続けていて、これから何を見せられるのだろうという期待感が押し寄せてきます。

レズビアンのルーはトレーニングジムのマネージャー。オーナーは裏社会を仕切る彼女の父親だが、訳あってルーは父親のことを一切無視している。そんな父親は射撃場を経営し、ジムのことはルーに任せたきり。

ある日、ルーはジムにやってきた女性ボディビルダーのジャッキーに一目惚れ。ラスベガスでおこなわれるボディビルの大会出場を目指してヒッチハイクの旅を続けているらしいジャッキーを自宅に住まわせることにする。仕事はどうしているのかを尋ねると、ジャッキーはあの射撃場の食堂でウェイトレスとして働いていると言う。父親には近づかないほうがよいとジャッキーに忠告するルー。

ルーが日々気にしているのは大切な姉ベスのこと。ベスは夫のJJから激しいDVを受けているのに、決して別れようとしないばかりか、JJのことを深く愛している。どうにかしないとベスがJJに殺されてしまうかもしれないと心配していると、ベスが生死の境をさまようほどの重傷を負って病院に搬送されたと連絡が入る。JJは警察に任意の聴取を受けるのみですぐに帰宅が許されるだろう。ベスの病床で久しぶりに父親と対面したルーは、父親がベスとJJは一緒にいるべきだと言うのを聞いてがっかりする。

すると、その話を聞いていたジャッキーは単身でJJのもとに乗り込み、ステロイドで増強した体でJJを滅多打ちにして殺害する。ジャッキーの行動を知ったルーは、JJの遺体を車に積み、とある場所で処分を図るのだが……。

手湿疹を完治させるために脱ステを試みて成功した私としては、ステロイドと聞くだけで怖い(笑)。ボディビルダーって、こうしてステロイドで筋肉を増強させてもよいのですね。大会出場者はステロイドを使用してはいけないのかと思っていました。ジャッキーにステロイド注射を勧めたのはルーだけど、その量はそう多くない。ところが最初は躊躇していたジャッキーなのに、どんどん使用量が増えてゆく。やはり大量に摂取すれば幻覚が見えたりもするようで。

ルー役のクリステン・スチュワート、その父親役のエド・ハリス、ジャッキー役のケイティ・オブライアン、みんな怪演。凄まじい。ベス役のジェナ・マローンがDVに遭った顔がまたえげつなくて。殺されそうになっても逃げようのない人はともかく、逃げようとすらしない人もいるんだと、そのことにいちばん驚く。DVとはそういうものなのか。

めっちゃ面白かった。終盤、まさかの変身には呆気にとられたのち爆笑。これは『サブスタンス』と双璧をなす描写と言えそう。万人には鑑賞を勧められませんが、「変なやつ」が好きな人はぜひどうぞ。

『不思議の国でアリスと Dive in Wonderland』

『不思議の国でアリスと Dive in Wonderland』
監督:篠原俊哉
声の出演:原菜乃華,マイカ・ピュ,山本耕史,八嶋智人,小杉竜一,山口勝平,森川智之,山本高広,木村昴,村瀬歩,小野友樹,花江夏樹,松岡茉優,間宮祥太朗,戸田恵子他

109シネマズ箕面にて。

1865年に刊行された『不思議の国のアリス』は、イギリスの数学者がルイス・キャロル名義で書いたものだということを恥ずかしながら私は知りませんでした。それを知って初めて、なるほど『不思議の国の数学者』(2022)はだからこんな邦題になったんだなと思い至る。失礼しました。

20世紀に入ってからさまざまな国のさまざまな人が映像化が試みる。今のアリスのイメージを作り上げたのはまちがいなくディズニー。『ふしぎの国のアリス』(1951)の青い服に白いエプロンに青いリボン、金髪碧眼のアリスがスタンダードとなりました。ティム・バートン監督が実写映像化に臨んだ『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)は、メインキャストそのままでバートン監督がプロデューサーに回る形で続編『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(2016)も製作されました。未見ですが、ヤン・シュヴァンクマイエル監督の人形アニメ版『アリス』(1988)は観てみたいですねぇ。気持ち悪そう(笑)。

さてさて、百年経っても大人気のアリスだけど、日本では映像化されたことがないそうです。これが初めての劇場アニメーション化で、監督を務めるのは主にTVアニメで活躍する篠原哲哉。アニメーション制作をP.A.WORKSが担当しています。

就活中の大学生・安曇野りせ。すでに内定をもらった友人もいるなか、全滅のりせは凹みまくり。もしかしたらと二次面接のために空けていた日も予定がなくなったため、亡き祖母が遺した招待状に従い、祖母がつくったテーマパーク“ワンダーランド”へ。そこで少女アリスと出会ったりせは、一緒に旅をすることになるのだが……。

寝ました~。ごめんなさい。どうしてこんなに睡魔に襲われたのか。寝不足だったのは確かだけれど、面白かったら寝ないのよ。絵は可愛いし、良い感じだと最初は思っていたのに、りせの性格にそもそもイライラさせられたふしはあります。現実世界でもワンダーランドでも、ひたすらいい子でいようとするりせ。人から自分がどう見られるかばかり気にしていて、ハートの女王やハンプティダンプティのご機嫌まで取ろうとします。そのくせ、ひとりになるとなんで私は報われないんだと、悲しむというよりは腹を立てていたりして、同情でけん。で、ちょっと説教臭い展開に。

声優陣はとても楽しいですね。りせに原菜乃華、アリスにマイカ・ピュ、三月ウサギに八嶋智人、ハンプティダンプティにはブラマヨの小杉竜一、チェシャ猫は野原ひろしの声もトム・クルーズの声もキアヌ・リーヴスの声もやってのける森川智之。ハートの女王は松岡茉優、祖母は戸田恵子、その執事には間宮祥太朗。こんなに豪華なのに。ちょっとツライ。

『ベスト・キッド:レジェンズ』

『ベスト・キッド:レジェンズ』(原題:Karate Kid: Legends)
監督:ジョナサン・エントウィッスル
出演:ジャッキー・チェン,ラルフ・マッチオ,ベン・ワン,ジョシュア・ジャクソン,セイディ・スタンリー,ミンナ・ウェン,ワイアット・オレフ,アラミス・ナイト他

学年同窓会の打ち合わせがあった日がちょうどファーストデーでした。梅田で21:00前にその打ち合わせが終わって109シネマズ箕面へ向かったら、本作の上映開始に余裕で間に合うじゃあないか。しかし21:55から上映って、遅すぎませんか。こんな時間に劇場で映画が観られるのはありがたいけれど。

「オリジナル版“ベスト・キッド”のラルフ・マッチオが主演したドラマシリーズ“コブラ会”と、ジャッキー・チェンが主演したリブート版それぞれの続編として、ラルフ・マッチオとジャッキー・チェンの初共演で贈る格闘技ドラマ」って、わかるようなわからんような。いずれのことも知らなかったとしても、『ベスト・キッド』(1984)でミスター・ミヤギに鍛えられた少年を演じたのがラルフ・マッチオであることと、ジャッキー・チェンのことを知っている人でさえあれば楽しめると思います。

17歳の高校生男子リー・フォン(ベン・ワン)は医師である母親(ミンナ・ウェン)と北京で暮らしている。ミスター・ハン(ジャッキー・チェン)のもと、リーは兄のボー(オスカー・グー)と共にカンフーを学んでいたが、あるときボーが悲劇に見舞われて他界。それをカンフーのせいだと考える母親は、ボーの死後、リーに戦うことを禁じる。こっそりハンの道場に通い詰めているのがばれ、母親はリーを連れてニューヨークに移住。移民では学校で浮くことも確実かと思われたが、近所のピザ店の一人娘ミア(セイディ・スタンリー)とひょんなことから親しくなる。

ニューヨークの街を歩いているときに気になったのが空手道場。しかしミアはそこには近づかないほうがよいと忠告。勝つためなら手段をいとわないことを教え込む道場で、ミアの元彼でストリートファイトのチャンピオンであるコナー(アラミス・ナイト)がいるうえに、ミアの父親ヴィクター(ジョシュア・ジャクソン)がコナーの師匠オシュア(ティム・ロゾン)から借金をしているらしい。ミアに未練のあるコナーはリーを目の敵にして、会えば喧嘩をふっかけてくるようになり、その強さは半端ではない。殴られて傷をつくるリー。

ピザ店に通ううち、ヴィクターがかつて強豪ボクサーだったことを知る。ミアが生まれたときにボクシングを辞めたが、借金を返すにはもう一度リングに上がって賞金を稼ぐしかない。取り立てに来た輩をリーがカンフー技で撃退するのを見たヴィクターは、リーにカンフーを教えてほしいと言い出し……。

リーはカンフーを教えるだけかいと一瞬思うけれど、そんなはずはない。卑怯な手を使ってヴィクターを病院へ送り込んだ奴らを許せず、敵討ちを誓うリー。そこへやって来るのがジャッキー・チェン演じるハンと、ハンに無理矢理連れて来られた空手の達人ダニエル。ダニエル役がラルフ・マッチオですね。

リーがヴィクターに負けるオチは絶対にないだろうから、安心して観られます。会話もウィットに富んでいるし、あらゆる練習方法が面白くて飽きません。駅の改札を使った練習なんて目からウロコ。リーの練習のみならず、ヴィクターがリーから特訓されるときの練習も面白い。あらゆるものがカンフー。どんなものを使ってもカンフーになり得る。

リー役のベン・ワンは別にイケメンじゃないんです。でも賢そうな顔つきで、憎めない感じ。こんなカンフーを見せてくれると、もう目が惹きつけられてしまうのでした。楽しかった。

『8番出口』

『8番出口』
監督:川村元気
出演:二宮和也,河内大和,浅沼成,花瀬琴音,小松菜奈他

イオンシネマりんくう泉南にて『九龍ジェネリックロマンス』の次に。せっかく関空まで来たのだから1本だけ観て帰るのはもったいなくて。

監督はヒットメーカーの川村元気。この人が関われば何でも間違いなく流行るイメージがあります。始まりはたぶん、企画した『電車男』(2005)。その後も着々と話題性の高い企画を生み出しました。特に印象に残っているのは『告白』(2010)でしょうか。そういえば現在大ヒット中の『国宝』と同じ吉田修一原作の『悪人』(2010)ではプロデュースを担当し、新海誠監督のメガヒット作3本、『君の名は。』(2016)、『天気の子』(2019)、『すずめの戸締まり』(2022)はすべて川村元気のプロデュース。話題作の『怪物』(2023)だって彼の企画とプロデュースで、ホンマになんぼほど儲けるねん、この人と、妬んでしまうほど(笑)。そんな人の久しぶり監督作だからか、公開2日目だったこの日もよく客が入っていました。

“KOTAKE CREATE(コタケクリエイト)”が開発した世界的ヒットゲームなのだそうです。映画化されるゲームが多いですね。実写映画化された作品でいちばん最近観たのは『アンティル・ドーン』。あっちもホラー、こっちもホラー。ホラーがウケるのか。オリジナルのゲームソフトにはストーリーは存在しないところ、この映画版ではストーリーを持たせた作りになっています。ストーリーがなければ映画にならないか。(^^;

満員の地下鉄。ドア付近に立って乗車中の青年(二宮和也)。泣き叫ぶ赤ん坊を抱いた女性をどやしつける男性がいるのを見てなんだかなぁとは思うものの、男性に何か言う勇気などない。周囲の人も同じで、みんな一様にスマホを見つめるだけ。勇気どころか興味すらないのかもしれない。そんな状況に居たたまれなさを感じて下車すると、元カノ(小松菜奈)から電話がかかってくる。彼女とは別れたばかりだが、いま妊娠が判明したと言う。どうするかと尋ねられて、何も答えられない青年。

改札を出て出口に向かうと、地下通路を進んでも進んでも同じところを回っているだけという無限ループに囚われる。壁に掲げられた「ご案内」を読むと、「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたら、すぐに引き返すこと」「異変が見つからなかったら、引き返さないこと」「8番出口から外に出ること」と書かれていて……。

3部構成というほどではないけれど、まず二宮くんが歩き回る様子が第1部の『迷う男』として描かれ、その次は第2部の『歩く男』。第1部ではもはやこの世の者ではないと思われた河内大和演じるオジサンが、第2部では二宮くん同様に迷っています。無限ループに囚われて焦るオジサンは、第2部の中で少年と出会う。どうやら少年も迷っているらしく、放っておけなくなったオジサンは少年を連れて一緒に歩きはじめます。すると女子高生(花瀬琴音)と遭遇。彼女も迷っているのかと思いきや、この世の者ではなさそうな。第3部は『少年』で、浅沼成演じるこの少年と二宮くんが行動を共にします。

以下ネタバレです。少年は迷う男の息子。元カノから妊娠したと聞いて困惑する男は、元カノが授かった命が誕生し成長した姿を無限ループの中でが見せられます。元カノとふたり、海辺で自分たちの子どもである少年がはしゃぐ様子を見て、この命を消してはいけないと思ったはず。そう悟ったときに8番出口が目の前に現れて無限ループから脱出し、元カノに電話をかけてすぐにそちらへ行くと話すところで終わります。

つまらなかったことはないのですが、なぜこうなるのか理解できないところがちょこちょこあります。迷う男が喘息である必要性とか、元の「この世界の住人」がここに閉じ込められた理由とか。 喘息は男のイライラを表していると思ってよいですか。また、オジサンや女子高生も迷う男と同じように何か困惑することがあったと思ってよいですか。迷う男と少年のくだりには少なからず心を掴まれましたし、なんだかんだでさすが川村元気というよりほかありません。

『九龍ジェネリックロマンス』

『九龍ジェネリックロマンス』
監督:池田千尋
出演:吉岡里帆,水上恒司,栁俊太郎,梅澤美波,フィガロ・ツェン,花瀬琴音,諏訪太朗,三島ゆたか,サヘル・ローズ,関口メンディー,山中崇,嶋田久作,竜星涼他

6月に1週間、タイから帰国していたダンナが、どうしてももう一度帰国せねばならない用事ができて、8月の最終土曜日の朝帰国、日曜日の朝にはまたタイに戻るという24時間滞在。同じ週末、向こうが幼稚園児の頃から知っている男子(もう40代半ばだけれど(笑))が来阪中で、わぁ、せっかくダンナの帰国日と重なっているのに、双方忙しくてどうにも都合があわないよねぇと会うのは断念。と思いきや、その男子から「日曜日の朝、関空で会うのは無理ですかね」と再び連絡あり。「それ、ええやん!」と朝7時半すぎに関空で待ち合わせることに。ダンナの帰国時はいつもなら蛍池駅のリムジンバス乗り場まで送るところ、この日は私の運転で関空まで行きました。3人でモーニング。機会は作る気になりゃ作れるものですねぇ。

3人で約3時間しゃべり倒し、それぞれ搭乗口に向かうのを見送って私は帰る。そのまま帰ってもよかったのですけれど、せっかくこんなところまで来たんだから普段は行かない劇場へ行ってみたくなり、イオンシネマりんくう泉南へと向かいました。ここに来なきゃ観られない作品を上映しているわけでもないのに。でもなんか楽しいじゃないですか。そしてたまげたのは、イオンモールりんくう泉南は駐車場代をいっさい取らないということ。もぎりのお姉さんに「駐車サービスはどちらで受ければよいですか」と尋ねたら、「ウチ、駐車場はタダなんで」。ひょえ〜。土日もタダなんすか。精算機すら設置されていないことに驚く。

原作は眉月じゅん(♀)が『週刊ヤングジャンプ』にて2019年から連載中の同名人気漫画。監督は『君は放課後インソムニア』(2023)の池田千尋『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』で九龍の魅力を見せつけられた私は、タイトルを聞いただけでテンションがあがる。

九龍城砦に暮らす鯨井令子(吉岡里帆)は勤務先も城塞にある不動産屋。なぜか令子にはいっさいの記憶がない。この街のことを何でも知っている先輩社員の工藤発(水上恒司)にあれこれ聞くうち、令子は発に恋をするが、どうも発が令子の中に別の女性を見ているような気がする。そんな折、発と親しいタオ・グエン(栁俊太郎)と知り合いになり、かつて発には令子そっくりの婚約者がいたことを知らされて……。

寝不足で鑑賞に臨んだことを言い訳にします。はい、だいぶ寝ました(笑)。それでも話について行ける程度には起きていたはず。九龍の住人はクローンを作ることができるらしくて、発の婚約者だった令子が死んでしまったときに、令子のクローン“鯨井B”が誕生。普通はオリジナルとクローンがいて、オリジナルが死ぬとクローンも死んでしまうのに、令子の場合はオリジナル不在の状態でクローンが生きている。そこに目をつけたのが美容外科医の蛇沼みゆき(竜星涼)。令子を調べ上げてクローンのみになっても生きられる理由を解き明かそうとしています。

クローンは九龍から一歩出た瞬間に人間の体を失って霧散する。自分がクローンであることを知った令子Bが、クローンであっても発への気持ちは確かなものだからきっと消えることはないと九龍から外へ飛び出します。やっぱり消えちゃったかぁと思った後のエンドロール、そしてその後。きっちり最後までご覧ください。