『恋愛裁判』
監督:深田晃司
出演:齊藤京子,倉悠貴,仲村悠菜,小川未祐,今村美月,桜ひなの,唐田えりか,津田健次郎他
イオンシネマ茨木にて。
『LOVE LIFE』(2022)の深田晃司監督によるオリジナル脚本。これまでの深田監督作品を観ると、アイドルを起用しそうなイメージはありませんでした。そんな監督が元日向坂46の齊藤京子を主演に起用するというので興味津々。深田監督は10年ほど前にネットで「女性アイドルのファンと恋愛をして、それが契約違反だと所属事務所から損害賠償請求の訴訟を起こされた」という記事を目にして本作の着想を得たそうです。
女性5人のアイドルグループ“ハッピー☆ファンファーレ”のセンターを務める山岡真衣(齊藤京子)。しかし最近はグループ最年少の清水菜々香(仲村悠菜)の人気が急上昇中でセンターの座が危うい。ついついエゴサーチをすると自分に向けられる辛辣なコメントに凹む毎日。メンバーの中で唯一、真の友人と言える大谷梨紗(小川未祐)からはいつも発破をかけられている。
恋愛は禁止とマネージャーの矢吹早耶(唐田えりか)から厳しく言われ、外を出歩くこともできないなか、男性ファンのひとりと親しくなった菜々香は、休日になるとほかのメンバーに助けを求めてくる。男性とふたりで出かけることなんてもってのほかだから、メンバーをまじえて出かけると見せかけ、その日の終わりにはふたりを残してみんな立ち去るという寸法。ある日、菜々香の頼みでみんなで動物園へ出かけると、園内で大道芸を披露する男性がいた。その芸に見入っていた真衣に近づいてきた彼は、なんと中学時代の同級生・間山敬(倉悠貴)だった。
恋愛禁止なのは真衣も敬もわかっている。お互いに気持ちを抑えつつも恋に落ちるふたり。それは決して明かしてはならないことだったが、ある日のファンイベントで菜々香が襲いかかられるという事件が起き、心配して現場を見に来た敬につい真衣は駆け寄ってしまう。交際がバレた真衣はグループを抜けることになり、8か月後、恋愛禁止条項の契約に違反したとして所属事務所から訴訟を起こされて……。
うーむ、テーマは面白いと思うのですが、やっぱり深田監督にこういう作品は似合わない。廣木隆一監督とか三木孝浩監督の作品を観ているような錯覚を起こしました。加えて、京子ちゃんのことは決して嫌いではないですが、“教場”シリーズのときと声のトーンも演技も同じに見える。彼女はやっぱり女優としてよりもアイドルとしてステージにいるときのほうがキラキラしているというのか。あと、近頃俳優として出まくりの津田健次郎。この役、要りますか。俳優として出演しているときの彼はどうでもいい役のことが多くて、彼もやっぱり声優のときのほうが好きです。出したくなる顔だとは思うけど(笑)。
裁判の行方は。恋愛した自分が悪かったと認めて和解に応じるのかどうか。すべて明らかにしないまま終わるのはアイドル映画とは違うとも言えます。
『アウトローズ』
『アウトローズ』(原題:Den of Thieves 2: Pantera)
監督:クリスチャン・グーデガスト
出演:ジェラルド・バトラー,オシェア・ジャクソン・Jr.,エヴィン・アフマド,サルヴァトーレ・エスポジト,メドウ・ウィリアムズ,スウェン・テメル,オーリ・シューカ他
イオンシネマ茨木にて、前述の『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』とハシゴ。
原題に“2”とあるのを見て、えっ、これ前作があるの!?と驚く。ジェラルド・バトラー主演の劇場公開作品はたいてい観ているはずなのに、なぜこの私が『ザ・アウトロー』(2018)を観ていないのか。どうにも納得できず、配信で観てから続編に臨みたい。Amazonプライムビデオにあるのを見つけて喜ぶも、アマプラ会員向け追加サービスのFODチャンネルを契約しないと視聴できないじゃあないか。観る時間もないのにアマプラ、ネトフリ、ディズニープラスと契約中で、TSUTAYA DISCASの契約もいまだに継続中。さらに何か契約するなんて無理無理。ということで前作は観ないまま突入。
人間関係がまるでわかりませんが、どうやらジェラルド・バトラー演じるニックは刑事で、オシェア・ジャクソン・Jr.演じるドニーの前作での仕事はわからないけれど今は盗人、しかもコソ泥程度のものではなく、国際的な超デカい犯罪を立案して実行する天下の大泥棒らしい。ベルギーのアントワープでダイヤモンド盗難のニュースを聴いたニックは、ドニーが関わっているに違いないと考えて南仏ニースへ。ドニーはニースにあるワールドダイヤモンドセンターの金庫から一切合切を頂戴する計画を立てていました。自分も仲間に入れろと凄むニック。この計画には刑事がいれば何かと都合がよいと、司令塔のクレオパトラことジョヴァンナはニックを加えることに。
上手い具合に潜入したニックは、チームの信頼を得て強盗団の一員になります。ワールドダイヤモンドセンターの警備なんて世界一厳重だから、この計画を成功させるのは大変なこと。最終的には仲間を欺くことになるニックではあるけれど、計画に参加している間はむしろ捕まえる側よりも捕まえられる側にいるほうが楽しいとすら思ってしまうのでした。面白いのは、最初にアントワープで盗んだダイヤモンドが、世にも恐ろしいマフィアの持ち物だったということ。マフィアからダイヤモンドを持ってくるように言われ、それをきちんと守ったドニー。ラストにはニヤリ。
で、これも続編があるわけで。第3作が公開されるまでには第1作を観たいものです。今さら遡らなくてもいい気もするけど。
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』(原題:Five Nights at Freddy’s 2)
監督:エマ・タミ
出演:ジョシュ・ハッチャーソン,パイパー・ルビオ,エリザベス・レイル,フレディ・カーター,テオダス・クレイン,ウェイン・ナイト,マッケナ・グレイス,スキート・ウールリッチ,マシュー・リラード他
続編が製作されるほどヒットしたとは知らなんだ、『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(2023)。前作の公開からたった2年しか経っていないわけですが、主演がジョシュ・ハッチャーソンだったことぐらいしか覚えていません。だから本作の最初の数分間は何が何だかさっぱりわからず、次第に「そうそう、ジョシュ演じるマイクはもうオッサンだけど、歳の離れた妹アビーと二人暮らしだったよね」と思い出す。そしてマイクと共に真相を暴いた美人警察官ヴァネッサ(パイパー・ルビオ)の父親ウィリアム(マシュー・リラード)こそが、子どもを誘拐してはアニマトロニクス(生物を模したロボット)の中に隠して操っていたというなんとも恐ろしげな話でした。前作の最後でウィリアムは死んだけれど、ヴァネッサは自分の父親がそんな恐ろしい人物だったという事実を払拭できず、たびたび悪夢にうなされています。続編の本作では何が起きるか。イオンシネマ茨木にて。
実はヴァネッサにはかつてシャーロットという親友がいました。彼女たちが幼い子どもだった頃、ピザレストラン“Freddy Fazbear’s Pizzaria”の1号店でパーティーが開かれていた日、シャーロットはひとりの男児がアニマトロにクスに店の奥へと連れ去られるのを見ます。危険を感じたシャーロットは、周囲の大人たちに男児を連れ戻すように助けを求めますが、みんな無視。ヴァネッサに止められるも男児を追いかけた結果、男児を救出して店に戻ってきたときにはシャーロットだけが命を絶たれていました。この件をきっかけにFreddy Fazbear’s Pizzariaは閉店したものの、シャーロットが亡くなったのは立入禁止の場所に勝手に入ったことによる事故として片付けられ、廃墟と化した店の中にシャーロットの霊は閉じ込められます。
さて、前作でアニマトロニクスと友だちになったアビーは、彼らと会えなくなったことが寂しくてたまらない。マイクの目を盗んで今はもう動くはずもないアニマトロニクスたちに会いに行ってみると、閉じ込められていたシャーロットがアビーを利用して外に出ることを思いつきます。あのときその場にいた親たちは誰も言うことを聞いてくれなかった。世の中の親という親を皆殺しにしてやると誓うシャーロットは、アニマトロニクスを操ってアビーに近づくのでした。
こんな感じです。前作も本作もほかに観るものがないから観ているわりには面白いかなぁ。ヴァネッサとマイクがいい仲になるかと思いきや、ヴァネッサはもともと彼女の父親がウィリアムであることを隠していたし、シャーロットと親友だったことや、Freddy Fazbear’s Pizzaria1号店でシャーロットが亡くなったときにその場にいたこともマイクに話さなかったから、すっかり信用を失います。で、本作で完結すると思っていたら、信用を失ったヴァネッサに愛想を尽かしたマイクが「もう来んといてくれ」みたいなことを言い、悲しむヴァネッサにシャーロットが取り憑くところで終わりって。まだ続くんかい!
子役の頃は可愛かったジョシュ・ハッチャーソンは、このシリーズに賭けることにしたのでしょうかね。生きる道があってよかったというのかなんというのか。(^^;
『MERCY/マーシー AI裁判』
『MERCY/マーシー AI裁判』(原題:Mercy)
監督:ティムール・ベクマンベトフ
出演:クリス・プラット,レベッカ・ファーガソン,アナベル・ウォーリス,カイリー・ロジャーズ,ケイリー・リース,クリス・サリヴァン,ケネス・チョイ他
AIが裁判官を務める作品といえば、中山七里の『有罪、とAIは告げた』を読んだばかり。クリス・プラットとレベッカ・ファーガソンの共演も嬉しく、この週いちばん楽しみにしていた作品だったのですけれど。TOHOシネマズなんばにて前述の『ヒグマ!!』の次に。
近未来のロサンゼルス。犯罪が増加傾向をたどるなか、AIが司法を担うマーシー裁判所が創設される。裁判にかけられた被告人は、90分以内に無罪を証明しなければ処刑されることとなる。
ロサンゼルス市警の刑事クリス・レイヴン(クリス・プラット)が目を覚ますと、マーシー裁判所の椅子に拘束されていた。AI裁判官のマドックス(レベッカ・ファーガソン)によれば、クリスには妻ニコールを殺害した容疑がかかっていると言う。有罪を認めれば直ちに処刑。無罪を証明したいなら、そのために叶えうる限りのリクエストにマドックスが応えてくれる。たとえば捜査資料の閲覧、話したい人への電話、監視カメラの確認などなど。真犯人となりそうな人物や、クリスが犯人ではない証拠を見つけることができれば、クリスの有罪率が下がって時間に猶予が与えられる。クリスはなんとか無実を証明しようと、椅子の上で奮闘するのだが……。
そうなんです。いちばん楽しみにしていた作品だったのに、なんだかイマイチでした。そもそも好感度の高そうなクリス・プラット演じる主人公がクズで。マーシー裁判所の設立に多大な貢献を果たしたクリスだけど、相棒を失ってから自暴自棄に。酒に走り、飲んでは妻に暴言を吐く。妻を殴ることはないまでも、食器を壁に投げつけるなんてことは日常茶飯事。一人娘のブリットはそんな父親に呆れていて、両親が早く離婚すればいいと思っています。こんな男が逮捕されてどこが気の毒だと思えましょうか。
しかしまぁしばらくすると、いちばん犯人じゃなさそうな人が犯人だろうという予測も立ち、今はクズでもさすがに死刑となるのは気の毒に思えてくる。感情は持たないはずのマドックスも学習しているのか、クリスの勘や刑事としての本能を信じるように。結局クリスとマドックスが協力して真相を突き止めるのは良いというのか、当然の流れですね。動けないクリスに代わって動く女刑事ジャッキー・ディアロ役のケイリー・リースって、元プロボクサーで、女子世界スーパーライト級の王者なんですと。道理でいかつい。
スケジュール的に合ったMX4D版で鑑賞しましたが、MX4Dで観る意味はまったくありません。その点も残念。3Dのほうがまだ良いかも。
『ヒグマ!!』
『ヒグマ!!』
監督:内藤瑛亮
出演:鈴木福,円井わん,岩永丞威,上村侑,住川龍珠,占部房子,清水伸,金田哲,宇梶剛士他
昨年11月下旬に公開予定だったところ、クマによる被害があまりに多すぎて延期になっていた作品。日の目を見ることができてよかったけれど、クマに襲われた経験のある人はつらすぎて観られないと思います。TOHOシネマズなんばにて。監督は『先生を流産させる会』(2011)の内藤瑛亮。彼は『嗤う蟲』(2024)や今日から公開されるゆりやんレトリィバァ監督の『禍禍女』の脚本家でもあります。
将来ゲームメーカーになる夢を持つ小山内蒼空(鈴木福)は大学受験に合格。両親も喜んでくれていたのに、その翌日、父親(清水伸)が自殺してしまう。気丈に振る舞う母親(占部房子)は、学費はなんとかするから大学に通うようにと言ってくれるが、なんとかなるとは思えない。大学を諦めて母親のためにもなんとか金を稼ごうと闇バイトに手を出す。
実行役はみんな番号で呼ばれる。66番となった小山内は、同じ仕事を請け負う仲間と共に森の中へ。ターゲットの女性・若林桜子(円井わん)が持っているトルマリンを取り上げるのが今回の仕事だったはずが、いつのまにか若林を殺すことまで要求される。報酬を得るためにはやらねばならないが、自分に人を殺すことなどできるのか。ほかの仲間たちが若林に襲いかかったところ、自衛官上がりだという若林の反撃に遭って苦戦。森の中で闘っていると、そこに巨大なヒグマが現れる。
次々と食い殺される仲間たち。恐怖で立ちすくむ小山内は若林に助けられ、なんとかその場を逃げ出す。すると今度は害獣を駆除する猟師・神崎(宇梶剛士)とバッタリ。頼れる存在に思えて手を組むことにするが、神崎は実はヒグマに殺された人々の所持品を盗む輩だった。若林が持つトルマリンを狙う神崎とバトルすることになって……。
どう見てもCGのヒグマの顔の動きが可笑しい。『コカイン・ベア』(2022)に負けず劣らず徹底してB級です。でもそれなり以上に面白かった。ヒグマから逃げた小山内が逃げ込んだ民家では、ゲーマーの小学生が小山内制作のゲームをしている。「知らない人を家に上げちゃ駄目」と言われていた少年がゲームクリアのコツを小山内から聞いて大喜びするところなど、笑ってしまいます。神崎のことは許せないけれど、クマ退治の日当が8,500円は酷いと思う。
『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(2022)以来、見ると嬉しくなる円井わん。今回も不屈の姉御ぶりに勇気づけられました(笑)。大人になっても幼さは抜けないままの福くん、今後どんな俳優になるのでしょう。





