『ダーティ・マネー』(英題:Dirty Money)
監督:キム・ミンス
出演:チョン・ウ,キム・デミョン,パク・ビョンウン,チョ・ヒョンチョル,チョン・ヘギュン,ユ・テオ他
キノシネマ心斎橋にて4本ハシゴの2本目。1本目に続いて韓国作品です。
『キングメーカー 大統領を作った男』(2021)の脚本を手掛けたキム・ミンスの監督デビュー作。
私のお気に入りのイケメン俳優が出演していないのはつまらないけど、観てみることに。
兄貴分のミョンドゥクは妻を病で亡くしたのち、まだ幼い娘も病気に罹って入院中。
一刻も早く手術しなければならない身体で、その手術費用を工面するため。
弟分のドンヒョクはギャンブル好きで、毎日恋人とカジノに入り浸って借金を膨らませている。
階上から転落死した男性は自殺と目されていたところ、部屋の荒らされ具合から他殺として捜査開始。
臨場したミョンドゥクは、男性の靴下の中にメモリが隠されているのを見つけ、密かに持ち帰る。
事件について聞き込みを進めるうち、中国マフィアの大金取引が近くおこなわれることを知り、
メモリの中身を確かめると、取引場所などの情報が含まれていた。
中国マフィアの徒弟と幼なじみであるドンヒョクは、取引の日程を聞き出し、
ミョンドゥクとドンヒョクはその大金を頂戴する計画を立てる。
ところがその場に現れた人数が予想より多いうえに、誰かが発砲して大わらわ。
もうひとり助っ人として呼んでいた刑事は撃たれて死亡。
刑事の死体と金を持ってミョンドゥクとドンヒョクは逃走する。
どうせ捜査を担当するのは自分たちだし、どうにでもなる。
ほとぼりが冷めた頃に金を取りに来ようと、ある場所に隠し、死体は車ごと池に沈める。
なんとかなると思われたが、実は現場には広域捜査隊の刑事がスパイとして潜り込んでいたことを知らされる。
しかもその刑事も銃撃戦に巻き込まれて死亡していて……。
ミョンドゥクの汚職に走る理由には同情しないでもありません。
『クロッシング』(2009)で警官の給料の安さを知り、『ローサは密告された』(2016)ではあまりに堂々とした汚職に驚きました。
汚職警官のいない国なんて存在しないのではないかと思ってしまいます。
本作でも上には上がいて、いちばん悪いのはとても偉い人でしたという展開だけど、意外でも何でもない。
こいつが黒幕だろうということは読めます。
普通に面白いけど、あくまでも普通。
凄い脚本を書く人だから、もっと面白い作品が撮れるのではないかという期待もありつつ、
撮るのは誰かに任せて脚本に徹する方がいいのではと思ったりもするのでした。
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