『金子差入店』
監督:古川豪
出演:丸山隆平,真木よう子,三浦綺羅,川口真奈,北村匠海,村川絵梨,金子莉彩,堀丞,
まひろ玲希,甲本雅裕,根岸季衣,岸谷五朗,名取裕子,寺尾聰,モロ師岡,山口大地他
TOHOシネマズ伊丹にて。
刑務所や拘置所に収容された人への差入れを代行するのが「差入屋」だそうで、
そんな商売が存在することを知りませんでした。
監督は“東京リベンジャーズ”シリーズや『真夜中乙女戦争』(2022)で助監督を務めていた古川豪。
TVドラマ以外でメガホンを取るのは本作が初めてだというのに、監督のオリジナル脚本とは。
原作があって映画化するのももちろん大変なことだと思うけれど、
オリジナル脚本を書ける人って凄いと思っているので、それだけで期待と評価が増し増しになります。(^^)
金子真司(丸山隆平)はかつて暴力沙汰を起こして服役した過去がある。
身重だった妻・美和子(真木よう子)は夫の服役中に出産。
真司が出所したときには息子・和真(三浦綺羅)は小学生になっていた。
和真のことが可愛くてたまらない真司は、美和子に対しても感謝の念でいっぱい。
引退した辰夫の後を継いで金子差入店を営んでいる。
良き相談相手の辰夫は和馬の面倒もよく見てくれて、穏やかに過ぎる毎日。
辰夫の妹、つまり真司の母親である容子(名取裕子)が金の無心にやってくるのを除けば。
ところがある日、近所に住む徳山詩織(村川絵梨)の娘・花梨(金子莉彩)が行方不明になる。
和真の幼なじみでもある花梨がいなくなったことでみんな落ち着かない。
警察に届け出て捜索を開始するも見つからずに心配していると、河原で遺体となって発見される。
犯人として逮捕されたのは、世の中に不満を持つ青年・小島高史(北村匠海)。
店を訪ねてきた高史の母親・こず江(根岸季衣)から高史への差し入れを頼まれた真司は……。
拘置所での面会って予約できないんですね。
時間を見計らって面会を申し込みに行っても、それを拒否される場合もあります。
真司はしょっちゅう見かける少女・二ノ宮佐知(川口真奈)のことが気になる。
実は彼女はムショ上がりのヤクザ・横川哲(岸谷五朗)に母親を殺されたということを知りますが、
横川の担当弁護士・久保木(甲本雅裕)から表には出せない事情を聴かされてビックリ。
こんなふうに1件の事件のみならず、複数の事件が起き、その関係者が絡み合う。
拘置所への差し入れは権利として認められているにもかかわらず、
差入店を営む金子一家のことをまるで殺人犯のように扱う世間。
特に、詩織を支えようとする美和子をママ友たちがニヤニヤしながら追い出す様子が嫌でした。
パパのことが大好きで、パパの仕事を理解しようとしている和真。
でも、親が差別すればそれを見る子どもも当然差別するようになるわけで、和真を虐めにかかる。
和真が耐える姿を見るのもつらいものがありました。
当然の権利だとしても、反省の色がまったく見えない犯人や、この親にしてこの子という親の場合、
どうすればいいのでしょう。私にはこれが仕事なのだと割り切れるかどうか。
難しいけど、確かに素晴らしい仕事だということは間違いありません。
北村匠海がこんな役を演じるのも驚き。最近役の幅が広がっていて、今後が楽しみです。
余計なことではありますが、めっちゃいい奥さんではあるけれど、真木よう子ぱっつんぱっつん。(^^;
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