『BETTER MAN/ベター・マン』(原題:Better Man)
監督:マイケル・グレイシー
出演:ロビー・ウィリアムス,ジョノ・デイヴィス,スティーヴ・ペンバートン,アリソン・ステッドマン他
109シネマズ大阪エキスポシティにて前述の『デーヴァラ』を観た後、109シネマズ箕面へ移動して。
ロビー・ウィリアムスの半生をマイケル・グレイシー監督が映画化したミュージカル作品。
主人公を猿に見立てるとはなんと斬新なアイデア。
私は全然知らないんですよね、ロビー・ウィリアムス。ボブ・ディラン以上に知りません。
ロビーが在籍していたというポップグループ“テイク・ザット”も知らなければ、
話中にロビーの恋人だった女性として登場するニコール・アップルトンのことも、
彼女が在籍する“オール・セインツ”というグループのこともほぼ知らない。
後に彼女の結婚相手となるリアム・ギャラガーのことがかろうじてわかるぐらい。
1990年代なら洋楽をよく聴いていた時期のはずなのに、どうしてなのかしら。
というわけで、ロビーのことは全然知りませんでしたが、彼自身が演じる本作、とても良かったです。
少年ロバートの父親ピーターは、フランク・シナトラをはじめとする往年の名歌手をこよなく愛す。
テレビから流れてくる曲に合わせてピーターと共に歌うことがロバートは大好き。
しかしピーターはロバートが出演する学芸会なんて見に来てくれなかったどころか、
サッカーの試合を観に出かけたきり、家に戻らず。
優しい祖母に励まされてなんとか生きていたロバートは、ある日、ポップグループのオーディションに応募する。
プロデューサーのナイジェル・スミスに生意気な口を利き、不合格かと思いきやまさかの合格。
すぐに活動開始となったおかげで、高校に落第したことを母親に言わずに済んだ。
ロバートではなくロビーと名乗るようにナイジェルに言われ、ほかのイケメン4人と共にテイク・ザットを結成。
自分で曲を書きたいのに、少年時代からすでに売れっ子だったゲイリー・バーロウが曲をつくる。
金はすべてゲイリーの懐に入り、ゲイリーは豪邸に住んでいるというのに、自分はいつまで立っても狭い家で家族と同居。
酒にもクスリにも手をつけるようになったロビーは、しばしばメンバーに迷惑をかける。
そして案の定メンバーから不要だと宣告されたものだから、ロビーは脱退。
いつか見返してやると思いながらソロ活動を始めるのだが……。
ピーターはいわゆる毒親。夫としても父親としてもクズ。
勝手に出て行ったくせに、ロビーがスターになった途端にまるでマネージャー気取り。
それでも父親に対して冷たくはなれないものなのですね。
知らなかったロビーの歌を本人の声で聴かせてもらえるのだから最高。
スターになった瞬間から歳を取らなくなるという本人談がリアルで、子役なんかもそうなのかなぁと思いました。
金持ちになると自分がどれだけ大変かばかり話して、友人の気持ちには思いが至らない。
いろいろ経験していろいろなものが見えるようになって、今の彼がいる。
『マイ・ウェイ』っていい曲だなぁとあらためて思うのでした。
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