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『ハイ・ライズ』

『ハイ・ライズ』(原題:High-Rise)
監督:ベン・ウィートリー
出演:トム・ヒドルストン,ジェレミー・アイアンズ,シエナ・ミラー,ルーク・エヴァンス,
   エリザベス・モス,ジェームズ・ピュアフォイ,キーリー・ホーズ,ステイシー・マーティン他

シネ・リーブル梅田でハシゴの本命だった2本目。
結果的には1本目に観た『あなた、その川を渡らないで』のほうが○。
この2本目は想像していたものとかなり違いました。

原作はイギリス人作家J・G・バラードの1975年に出版されたSF小説。
同作家による1973年の『クラッシュ』と1974年の『コンクリート・アイランド』と併せて
テクノロジー三部作と呼ばれ、
『クラッシュ』は1996年にデヴィッド・クローネンバーグ監督によって映画化されています。
それを知っていればエログロありの変態映画を想像できたのですが、
知らずに観に行ってしまったためにこんな間違いが起こりました(笑)。
まぁ、決して嫌いではないんですけれども。

舞台は出版当時の1970年代から見た近未来と思われます。

ロンドン郊外に建設された40階建ての高級タワーマンション。
人間の手をイメージしてデザインされたそのマンションは、
ちょうど腕をまっすぐにして肘を突き、手のひらを上に向けた広げたときのような形。
中層階にスーパーマーケットやジム、スパなどが完備され、
入居者には何不自由ない生活が約束されたまさに理想郷(ユートピア)。

ここへ入居したばかりの若手医師ラングは、上階の美女からパーティに招かれる。
このマンションではド派手なパーティが夜な夜な開かれているらしい。
酒と女に囲まれて新生活を謳歌するラング。

ある日、ラングは最上階のペントハウスの住人から呼び出される。
その住人はマンションの設計者ロイヤルで、
どうやらラングの経歴についてすでに熟知しているらしい。
事情がわからないままロイヤル主催のパーティにも出席するが、
ほかの出席者は上から目線でラングを小馬鹿にした態度。

そんな折り、低層階に住むワイルダーと知り合ったラングは、意外な事実を聞かされる。
それはこのマンションが階級による棲み分けを設計の基礎としているという話だった。
低層階の住人たちの不満は日々高まっているらしく……。

ラング役は“マイティ・ソー”シリーズの悪役ロキがハマっていたトム・ヒドルストン
マンションの未来を握る脳外科医として入居を認められたようですが、
本人はそのことに気づいておらず、何がどうなっているのやらはかりかねています。
公開前のマナームービーにも登場した全裸シーンがイケていて、完璧な体つき。
ロイヤル役はジェレミー・アイアンズで、久々に変人ぶりを発揮。
“ホビット”シリーズのバルド役だったルーク・エヴァンスがロイヤルに立ち向かうワイルダー。
美女シャーロットを演じるシエナ・ミラーは乳も隠さぬ勢い(笑)。

面白く観はじめたのですが、「変人セレブだらけのタワーマンションの話」を想定していたものだから、
頻繁に起こる停電に住人がいらだつころに睡魔に襲われ、
はっきり覚醒したときにはすでに住人の反乱のまっただなか。
寝てもあんまり影響はなかったと思われますが。(^^;

階層がテーマの社会派ドラマかと思いきやそんなこともなさそうで、
こんな世界観もあるよという程度で観れば楽しめます。
エログロというほどではないですが、動物好きには受け入れがたいシーンも。

監督が誰かも知らずに予告編に釣られて観た作品でした。
『サイトシアーズ 殺人者のための英国観光ガイド』(2012)のベン・ウィートリー監督だと後から知り、
あの作品が不愉快きわまりなかった私は、やっぱりこれもイマイチでした。
トム・ヒドルストンを観るだけならサイコーです。
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