『星の旅人たち』(原題:The Way)
監督:エミリオ・エステヴェス
出演:マーティン・シーン,エミリオ・エステヴェス,デボラ・カーラ・アンガー,
ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン,ジェームズ・ネスビット他
シネ・リーブル梅田にて、先週末より公開中。封切り日に観てきました。
平日の帰り道のシネコンの空きようとちがい、ほぼ満席の入り。
聖地巡礼のロードムービーといえば、
すぐに思い出されるのはフランス作品の『サン・ジャックへの道』(2005)。
本作はアメリカ/スペイン作品です。
トム・ハンクスがメガホンを取った『幸せの教室』にはガックリでしたが、
こちらエミリオ・エステヴェスは監督としての力にも秀でているようです。
俳優としてのキャリアは前者のほうが格段上なので、
比べるべきものではないかもしれませんけれど。
アメリカ人の眼科医トムのもとへ、フランスの警察から電話が入る。
聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅に出た一人息子のダニエルが、
出発してまもなく、悪天候のもと、亡くなったと言う。
トムはダニエルの遺体を確認するため、フランスとスペインの国境の町へ。
すぐにアメリカへ帰国するつもりで医院を1週間だけ休診としたが、
ダニエルを荼毘に付し、遺灰と遺品を受け取ったトムは、
息子がこの旅に求めたものを知るべく、自ら巡礼の旅に出ることに。
備品ならば息子の荷物がそのままある。
ダニエルのリュックサックを背負うと、800キロにおよぶ旅をスタートさせるのだが……。
立ち寄る先々で遺灰を少しずつ撒きながら歩くトムと途中出会うのが3人。
オランダ人で大食らい、ダイエットのためにやってきたという男、ヨスト。
カナダ人でヘヴィースモーカー、歩き終えたら禁煙するという女、サラ。
アイルランド人でスランプ中の物書き、ネタ探しが目的の男、ジャック。
こんな生まれも目的も異なる4人が一緒に歩くようになります。
最初は仏頂面しか見せなかったトムの表情に変化が現れはじめます。
この辺りの演技はマーティン・シーン、さすが。
始終行動を共にして、たまには一人きりになりたかったはずなのに、
ひとり、またひとりと、トムの部屋に集まるシーンにもほっこり。
息子のエミリオ・エステヴェスがメガホンを取り、
実の父親のマーティン・シーンが主役を演じる。
父と息子の物語をこんなコンビで撮影できるなんて、とてつもなく素晴らしい。
感傷にふけりすぎることもなく、適度に湿っぽいです。
やたら客の反応が良くて、「え、そんなに笑うとこ?」と何度か思いましたけれど。(^^;
個人的に嬉しかったのは、フランス警察のおまわりさん役で登場するチェッキー・カリョ。
ダニエルの死を事務的に伝えつつ、旅を決意したトムを厳しく優しく見守る、
そんなめちゃくちゃ素敵なおまわりさんでした。
またしても、気持ちの整理をつける話なんですよねぇ。
ホッントに多いでしょ、このテーマ。
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