1992年、新庄がプロ入り初スタメンで出場した日、
甲子園のライトスタンドで生観戦していました。
名前も知らなかったその選手が、初出場のその試合で
華々しくホームランを放つのを目の前で見て以来、
阪神を去ろうとも、新庄は決して憎めない存在でした。
日ハム、優勝おめでとう。新庄、ありがと。
もともと野球の映画が大好きですが、
日本の野球映画はあまり観ていないことに気づきました。
というわけで、新作落ちしたばかりの『ピーナッツ』(2005)。
ハリウッドの野球映画についてはこちらとこちらをどうぞ。
本作はウッチャンの監督・主演作品。
スランプに陥ったスポーツライター、秋吉が、
以前、自分がキャプテンを務めた草野球チーム、
藤沢ピーナッツを再結成しようと帰郷します。
10年前、秋吉は地方の軟式野球大会で
ピーナッツを優勝へと導きました。
現在、ピーナッツはかろうじて存続しているものの、
試合はメンバーが足りず、いつも棄権。
そのうえ、再開発計画の対象となっている野球場が
いずれ取り壊されてしまう予定。
執筆のネタ探しという不純な動機で思い立ったことでしたが、
秋吉はいつしか本当に野球がしたいと感じるようになります。
彼の動機を知って去りかけたメンバーもその気持ちを酌み、
再開発計画中止を賭けて、建設会社の強豪チームとの対決することに。
さまぁ~ずの三村、大竹をはじめ、
TIMのゴルゴ松本、レッド吉田、ふかわりょうが
ピーナッツのメンバーとして出演しているほか、
有田哲平、ウド鈴木、原田泰造から竹中直人まで、
多くの芸人(?)が出演しています。
お笑いに走るのかと思いきや、意外と真面目。
特にジワッときたのは、レッド吉田演じる赤岩と
奥貫薫演じるその妻アカネのやりとりです。
乳癌を患うアカネは、昔、チームのマネージャー。
その名残で、結婚後も夫のことを「赤岩君」と呼びます。
ピーナッツ復活を聞くと、アカネは自分のことのように喜び、
「昔みたいにホームランを打って見せて」と言います。
手術の日、試合をあきらめて妻に付き添おうとする夫に、
アカネがかけるのはこんな言葉。
「赤岩君、かっこわるい。私の手術に付き添って試合に行かないなんて。
全然かっこよくない。私は大丈夫だから。
ホームラン、打ってきて」。
「ずっとずっとずっと前に
忘れていた勇気
いま、取り戻してみたい」。
このキャッチコピーも好き。
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