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2025年5月に読んだ本

2025年5月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1648ページ
ナイス数:585ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2025/5
■タクシードライバー美食日誌 (角川文庫)
ほぼ余談なのですが、大阪・なんばに波屋書房という創業百年を超える老舗の書店があります。ここは料理の専門書に特化した本屋で、料理人御用達。私は料理人でも何でもないけれど、ただ、ここへ行くと文庫本も料理に関するものが集められていて凄く楽しい。主人公は一流企業を退職、今はタクシーの運転手。趣味は料理。いい歳をした一人娘は、外で食べて来るなり自分で作るなりすりゃいいものを、父親の手料理を楽しみにしています。今時のグルメ小説にしては少々硬めの文章だなと思うものの、生真面目な主人公の性格に合っているのかもしれません。
読了日:05月05日 著者:荒木 源
https://bookmeter.com/books/22358730
■うちのレシピ (新潮文庫)
これの1冊前の感想になんばの波屋書房のことを書きました。料理の専門書には手が出ないものの、食べ物について書かれた文庫本ばかりが並ぶ棚を眺めるのがとても楽しい。寄るたびに3冊ほど購入するようにしていて、これもそのうちの1冊です。家族経営のレストランの味に惚れ込んで料理人になることを決めた青年。彼の家族それぞれの目線で描かれる連作短編は、著者らしく優しく温かい。到底好きになれないと思っていた人物のことも好きになる。にしても、双方の母親がお互いの子どもに「あの手の女性は手強い」と言っているのには笑ってしまった。
読了日:05月07日 著者:瀧羽 麻子
https://bookmeter.com/books/18777782
■新装版 銀行総務特命 (講談社文庫 い 85-12)
もちろん面白くはあるのですが、『空飛ぶタイヤ』だったり『下町ロケット』を読んだ後では物足りない気がしてしまうのは致し方のないことでしょうか。この新装版が発刊されたのは2011年で、もともと週刊誌に連載されていた頃からは四半世紀近く経とうとしているのですから、世の中が変わって当たり前。だけど、今も昔も同じ体質の企業もたくさんあるに違いない。ところで私の脳内でどんな変換が起きたのか、静枝おばあちゃんが出てきたとき、中山七里静おばあちゃんだと勘違い。おばあちゃんすっかりボケてしもてと思ってすみません。(^^;
読了日:05月15日 著者:池井戸 潤
https://bookmeter.com/books/4337814
■棘の家 (角川文庫)
もしも自分の子どもがいじめに遭って自殺を図ったら。いじめっ子を許せないと思っていたのに、そのいじめっ子が誰かに殺されてしまったら。誰にも共感できません。良い教師面が鼻につく主人公。最初のうちこそいい人と思えた妻も途中からは応援できず。特に警官に女丸出しで接する姿には幻滅。正義感に溢れていたはずの娘の悪意を見せられて唖然、息子も結局誰をどう庇いたかったのか。この家族に限らず、加害者の親から被害者の親へと転化した夫婦も、元々のいじめられっ子も、著者の心の見せ方が怖すぎる。だけど、リーダビリティはさすがです。
読了日:05月18日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/22552803
■息が詰まるようなこの場所で (角川文庫)
生まれも育ちも関西の私は、MARCHと聞いてもすぐにわからなくて、クイズのように大学の名前を考えながら読みました。なるほど。本作自体がマウントを取りにきているような気がして、登場人物の誰も好きになれないと思いつつも、誰の気持ちもちょっとわかる。要は、彼や彼女たちと同じところがある自分のことが嫌なんですよね。嫉妬、焦り、優越感、はたまた劣等感などなど、人には知られたくない気持ちを隠そうとする自分のことが嫌で、本作を読むとそれを見せつけられている気がするのだと思います。タワマンって、凄い舞台になるものだなぁ。
読了日:05月31日 著者:外山 薫
https://bookmeter.com/books/22352986

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