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2019年12月に読んだ本まとめ

2019年12月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3353ページ
ナイス数:646ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly
 
■いちばん悲しい (光文社文庫)
プロローグですでにわくわく。人の不幸は蜜の味というのは本当だと思うと同時に、こんなにわくわくしている自分が嫌になる(笑)。雨の夜の刺殺体、どう見ても怨恨。被害者は浮気していて、不倫相手には偽名を使っていた。妻は冴えない夫の浮気に全然気づかず。どろどろです。妻と愛人そのほか誰にも共感できません。好きになれそうな登場人物といえば女性刑事ぐらい。彼女の言うとおり、犯人にたどり着くまでどこを向いても「女」に当たる。女の嫌な部分をありったけ見せつけられます。「私がいちばん可哀想」と言いたがる人に限ってそうではない。
読了日:12月02日 著者:まさき としか
https://bookmeter.com/books/14582764

■姉・米原万里 (文春文庫)
『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』が大好きだったのに、万里さんの著作で読んだのはそれのみ。56歳でお亡くなりになっていたことも、妹のユリさんが井上ひさし氏と結婚されていたことも知りませんでした。万里さんがたぶん自覚はなく相当におもしろい人であったのはもちろん、彼女のご両親も強烈。でも愛情に溢れている。汲取り式の便所に何度も落ちたところは想像したくないけれども(笑)。料理研究家のユリさんだから、出てくる料理やお菓子の話がものすごく美味しそう。私もカツ丼が食べたくなるだろうかと、椎名誠の本をさっそく買いました。
読了日:12月04日 著者:井上 ユリ
https://bookmeter.com/books/13298228

■いつか夜の終わりに (双葉文庫)
その字面からきっとよく高田郁さんと間違われるであろう侑さん。私も『顔なし子』を買ってから別人だと気づきましたが、わりと私好みの暗い話でした。始まりは嫌な予感。だって怖いでしょ!?「森」の話って。最強(恐)は三津田信三の『ついてくるもの』に収録されている「八幡藪知らず」、その次が宇佐美まことの『入らずの森』。それらを思い出して警戒しながら読んだら、ホラーというよりもファンタジー。どの話にも滲む諦念や後悔。でも、幸せだったかどうかは他人が決めることじゃない。『タンポポの花のように』には涙。再版されますように。
読了日:12月05日 著者:高田 侑
https://bookmeter.com/books/7237639

■影踏み (祥伝社文庫)
映画を観たら、原作もこのままなのかどうか知りたくなり。まず驚いたのは、映画版ではちゃんと人として登場する双子の弟が、原作では声はすれども姿は見えずという存在であること。事件の謎にはほぼ驚かされることなく、一卵性双生児ってこんなにも一心同体なのかと驚かされるのは映画も原作も同じ。映画では滝藤賢一が演じていたもう一組の双子について、殺されるほうが原作とは異なっていたのもビックリ。しかし、北村匠海が歳を取ったら山崎まさよしって無理があるような気がするんですけど。あ、また映画の話になっちゃってすんません。(^^;
読了日:12月11日 著者:横山 秀夫
https://bookmeter.com/books/548975

■悪徳の輪舞曲 (講談社文庫)
内藤了の“藤堂比奈子”シリーズを読み終えた今、いちばん楽しみにしているのは同じ著者の“よろず建物因縁帳”シリーズだったはずなのに、中山センセの“御子柴弁護士”シリーズのことも気になって仕方がない。猟奇殺人事件の犯人だった少年が弁護士になり、夫を殺した罪で逮捕された自分の母親を弁護する。凄絶以外の何物でもない設定。怒涛の勢いはないように感じましたが、残り50頁で本当にまとめられるのかと思ったらピシッと。どれだけ気をつけてみても騙される私でした。そうだったのね、第1章。私は要潤よりも三上博史のほうがいいなぁ。
読了日:12月16日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/14535327

■バー堂島 (ハルキ文庫)
ピンポイントすぎて、登場する地名がわからなかった場合ははたして楽しめるだろうかと心配になる。そのうえナッツ・キング・コールとかチョット・ベイカーとかダジャレにもほどがあるし。曲名は書いていないけれど、「さあねぶりなさい」って、岩崎宏美やん。おかげで『聖母たちのララバイ』が頭の中をぐるぐるまわる。憂歌団の木村クンみたいなダミ声になりたいって、ほなら酒飲んで喉つぶしてまえ。と、これ全部に反応できた人ならば読んでみてもいいかも。燻製とバーボンは試したくなりました。ウイスキーフロート、つくってください。
読了日:12月18日 著者:吉村喜彦
https://bookmeter.com/books/14555433

■騙し絵の牙 (角川文庫)
私の勤務先に出入りしている大手書店に注文しても、品切れで入ってこない本がたまにあります。そんな本でもアマゾンに注文すればすぐ手に入る。だから私の認識は、「アマゾンで入手できない本はどこの書店でも無理」。本作を読めば事情に納得。大泉洋に当て書きされただけあって、彼の声がそのまま聞こえてきそうだから、430頁超でも難なく読了。ただ、ラストには呆然。映画では彼の関西弁も聞けるのでしょうか。私はまだまだ「本は紙で読みたい派」。『映画秘宝』の休刊決定、出版社解散を知り、寂しい気持ちでいっぱいになっている今日この頃。
読了日:12月20日 著者:塩田 武士
https://bookmeter.com/books/14785386

■綴られる愛人 (集英社文庫)
双方自分の経歴を偽って始めた文通。女は下にサバを読み、男は上にサバを読む。本当は35歳と21歳なのに、手紙の中のふたりは28歳と35歳。女は最初から彼の嘘を見抜いている。男が偽りの自分に酔って、相思相愛だと思い込む姿は滑稽。美人売れっ子作家である女に対する私の嫉妬も多分に含まれて、両者にイライラ。ふたりが初めて会ったときの、彼女の容姿への彼の感想を読んで安心する私が居るのでした(笑)。自分を偽りながら手紙を書くふたりの心理描写が上手い。彼は手紙を書く技術を身につけることができただろうかなんてことを考える。
読了日:12月22日 著者:井上 荒野
https://bookmeter.com/books/13659319

■クローバーナイト (光文社文庫)
ぶっちゃけ、私はこの著者を好きだと思って読んだことはないのです。優等生で、かまってちゃんで、私の超苦手な「がんばってるアピール」を感じてしまうことがよくある。なのに読まずにはいられない。家族と保育園の日常を夫の目線で描いています。ママ友のちょっとした不可解な行動を解き明かすミステリー要素も。「ねー」とか「よー」とかいう語尾が頻発する文章は苦手でぞわぞわするし、ある人の言動には腸が煮えくり返り、血圧上がって倒れそうになりました(笑)。でも素直になって振り返ると、いい話なんだなぁ。これからも読みます辻村さん。
読了日:12月24日 著者:辻村 深月
https://bookmeter.com/books/14788978

■ラストナイト (角川文庫)
人生は幸と不幸とちょうど半分ずつになるようにできているなんて言う人もいるけれど、到底そうだとは思えない。明るく真面目で人の好い青年が、良き伴侶と共に夢を叶えようとしていた矢先、その性格ゆえにチンピラの行いを見過ごせずに刺してしまう。以降30年以上にわたり、刑務所とシャバを行ったり来たり。まともな暮らしに戻ろうという素振りすら見せない彼は、いったい何を考えているのか。薬丸さんの書く「事件その後の人生」はいつもとてつもなく苦しく切ない。電車の中で読んでいたら、ラストは嗚咽しそうになりました。彼の微笑みが救い。
読了日:12月31日 著者:薬丸 岳
https://bookmeter.com/books/14121367

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